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更新日:2020年11月30日

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2011年移住
移住元 山形県

坂内 まゆ子さん

Uターン / フリーランス

デザイン&企画事務所「FRIDAY SCREEN」

ご夫婦でデザイン&企画事務所「FRIDAY SCREEN」を立ち上げた坂内さん。
ご主人がデザインを、坂内さんがイベントの企画・運営や広報などを担当し、デザインとプランニングの両方から日々ものづくり・企画づくりをしています。
その原動力は「地元暮らしをもっと楽しくおもしろくしたい」という熱い思い。常に頭の中にあることは、地元の人が福島生活を楽しんでもらうこと。福島市全体にアンテナを張り、向き合うその姿勢は、福島への地元愛で溢れています。

震災を通じて再認識した「ふるさと福島市」への思い

地元福島市を離れ、山形県での生活を始めたのは、美術大学への進学がきっかけです。
「初めて授業で触れたときから「これだ!」って思ったんです」と語るのは、布の染色やテキスタイルデザインのこと。白い布が一瞬で思い描いた色や形に染めあがることの楽しさに、魅了されたのだそう。
大学院卒業後は、福島県の芸術文化事業に携わる予定でしたが、震災の影響で内定していた事業は中止になってしまいます。
「行き場を失い、改めて将来について考えましたが、考えるのはふるさと福島のこと。これからの福島がどうなっていくのか、私もその場でちゃんと感じなければと思ったんです。」
まだ帰るのは危険だと引き留めてくれた山形の友人もいたといいます。
「地元の福島が危険地帯のように思われるのも悔しくて、居ても立ってもいられなかったんです。」
震災が起こった年の夏に、なかば強引に帰ってきた坂内さんでしたが、以前と変わらない福島市の雰囲気に安心したのだそう。
「福島にはちゃんと日常の暮らしがありました。福島市の真ん中にある小高い山の信夫山には青々と若葉が茂っていて、『あ、なんか大丈夫だ、福島は再生できる』ってほっとしたこと、今でも鮮明に覚えています。」
福島市は盆地なので、どこにいても山が見えて自然を感じることができます。何が起ころうと季節通りに巡る自然の雄大さ、力強さにはとても励まされたといいます。
Uターン後しばらくは、作品制作や個展などでテキスタイルアーティストとしての活動を行っていたという坂内さん。
「震災1年後経ったころからは福島県の文化事業など、現在の仕事につながる企画や広報について経験を積む機会をいただきました。」

イベントに願いを込めて

これまでの経験を経て、2015年にご夫婦で、デザイン&企画事務所「FRIDAY SCREEN」を立ち上げました。
同年にスタートした「マルクト朝市」は、生産者と消費者が触れ合える、暮らしに根づいた朝市で、ライフワークのように続けているイベントのひとつです。開催は毎月第4日曜日。場所は2カ月ごとを目安にあちこちに変わるのも特徴です。
「小さくてもいいから、日常になるようなイベントがやりたい。それがこの朝市をスタートしたときの思いです。地元の人が「福島市に住むって楽しい」と思えるような、暮らしの延長にあるイベントがあったらと考えたんです。
福島市民からも『意外と行ったことがなかった』『こんないいところがあったんだ!』なんて言葉をもらうのがうれしくて、候補地のリサーチはすっかり私の日常になりました。ドライブがてら、ちょっとこの道を曲がってみようなんて街を探索していると、あるんですよね、すてきな出会い。」
地元をはじめとするお客さんはもちろん、出店者や坂内さん自身も、交流の場として楽しみにしています。

逆境こそ、おもしろい試みを届けたい!

2020年に入ってからは、新型コロナウイルスの影響を考慮し、新たな活動を検討中だと教えてくれました。
「「マルクト朝市」は買い物だけでなく、おしゃべりを楽しむ場所。コミュニケーションをとれない中で無理やり開催するのはちょっと違うんじゃないかなって思ってお休みしています。」
そこで始めたのが、インターネットから注文できる「マルクト朝市おとどけ便」。
「ありがたいことに、リピーター様もいらっしゃいます。東京など遠方からの注文を予想していましたが、それよりは県内、更に近場からの注文が多いんです。思いがちゃんと伝わっているんだと実感した、面白い発見でした。お客様に直接届けに伺いたいくらいの思いです!」と話します。
更に、「マルクト朝市」の出店者さん一人一人とコラボレーションして、新しいことが出来ないか模索中。
その試みの第一弾として、「Cafe&books清学舎」と始めたのが、選書サービスです。清学舎から送られてきた「Book Log」というノートの中に書かれた様々な質問に回答し、送り返すことで、回答者にぴったりの本が複数冊送られてくるというものです。
「注文から届くまで1か月程度頂きますが、待つ時間も含めて楽しんでいただければと。これからも売るだけではない仕組みを続けていきたいなと思っています。」

福島市の魅力

「朝市で感じることは、福島市民ののんびり気質と控えめなところ。」といいます。
「商売をしている人もどこか控えめなんですよね。『もっと宣伝しましょう!こんなすてきなお店なんだから、みんなに知ってほしい!』と提案しても、『いや~、人がいっぱい来すぎたら、こまっぺした(困るでしょ)』『うちは食っていければいいんだぁ』なんて笑う方も多いんです。朝市の出店者には山形の生産者さんもいますが、『福島のお客さんはすごくやさしい!』っておっしゃいますね。」そうお話する姿はなんだかとても嬉しそう。
「街を探索していると、商店街から離れたところにも、ぽつんと味のあるお店、かわいい、おいしいお店が点在しているのも、福島市のおもしろいところですね。」

市の制度やお母さんネットワークを
最大限に生かした子育て

お仕事に奮闘するその一方で、子育ての真っ只中の坂内さんは、仕事のペース配分を見直したり、生活リズムも大きく変わったりと視点も変わってきたといいます。母親目線でイベント運営を見直すと、授乳室の設営やベビーカーでも動きやすい動線など、気づけたこともたくさんあったんだとか。
「基本的に平日は保育園のお世話になっています。仕事の都合上、どうしても構えない時は、ファミリーサポートのお世話になったり。ご近所の、元看護師さんで、成人しているお子さんがいらっしゃる世代の会員さんの存在はとても心強いです。3時間でも見てもらえると、仕事の進み具合が全然違いますから。」

なかなか預け先が決まらず、決まっても新型コロナウイルスの影響で預けられない時期もあり、一時期は仕事を諦めたこともあったと言います。
「そんな時は割り切って、毎日のようにピクニックしていましたね。福島市には子供のための施設がたくさんあって楽しいです。特に、松川町の「まつかわタワースライダー」。人工芝だから汚れないし、転んでも痛くないから安心なんです。あとは福島県立美術館の庭!特に遊具があるわけじゃないけど、適度に広くて自然も多いので、子供が喜んで掛け回っていますね。大人もリフレッシュ出来るので一石二鳥です。もう少し大きくなったら信夫山でも遊びたいですね。」と話します。
特に子育てサークルなどには所属していないため、福島市主催のお話会などのイベントに参加している程度ですが、施設やイベントを通して出会ったお母さんと、情報交換することが多いんだそう。
「初めて会ったお母さんに、保育園の情報や離乳食のことを教えてもらったり、逆に、わが子より月齢の低いお母さんに相談されたり。情報収集の手段の一つとして、インターネットはもちろんありますが、情報が膨大で錯そうしていて分からなくなることもあって。そんな時、生の声を聞けると安心しますね。これぞお母さんネットワークという感じです。」
母親として「味方が増えた」と感じるという坂内さん。お住まいが、地域の3分の2が高齢者世帯のため、赤ちゃんの存在が喜ばれることが嬉しいといいます。
「町内のイベントの時も、皆さまに大歓迎されて面倒を見ていただきました。町内が一丸となって「子どもは宝」と見守ってくれる安心感があるのでとてもありがたいです。」

福島市で柿渋事業!始動開始!

今後についてお伺いしました。
「「YOIKAKI」という柿渋染めの事業を始めました。柿渋は抗菌効果だけでなく、防水、防カビ、防虫、防臭など色んな効果がありまして。その効果を調べるため試験に出したら、とても良い結果が出たんです。
福島は全体的に柿が多くて、震災後は冬にも道端に柿が落ちているのが異様な光景で印象に残っていて。福島の柿を、食べること以外で生かしたいと考えた時に、福島の柿で柿渋が出来たらと考えたんです。」
新型コロナウイルスの不活性化に効果的で注目されている柿渋。まずはランドリーバッグのワークショップから始めましたが、他の展開も検討中なんだとか。
「福島市が柿渋の街になったら嬉しいです。」と夢が広がります。

移住を考えている方へメッセージ

「福島市はほどよいサイズ感で住みやすいところです。街らしい便利さもありながら、ちょっと車を走らせれば田園風景が広がっていて、どの方向に向かっても温泉に行き着きます。30万都市で人との適度な距離感がありながらも、誰かと知り合うと誰かとつながっていけて、すぐにネットワークができますよ。
よっぽどでない限り、やりたいことが出来るのではないかと思います。背中を押してくれる人にも出会いやすいはず。子育て真っ最中のファミリーにも、きっと暮らしやすい場所なんじゃないかな。」

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