熱中症にご注意を！「今からできる予防対策」

例年、これからの時期は気温の上昇とともに熱中症による救急要請が増加します。

救急出動が増えると通報を受けてから救急車が到着するまでに時間を要することとなり、救える命が救えなくなる懸念があります。
熱中症を予防することは、ご自身だけでなく、誰かの命を救う事にも繋がります。

熱中症の怖さ・予防対策

1：熱中症の怖さ

熱中症は、高温多湿な環境などに長時間いることで、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します。
屋外だけでなく室内で何もしていないときでも発症し、救急搬送が必要になることもあり、場合によっては死亡することもあります。

令和4年度、福島市消防本部では202名の『熱中症』とみられる方を救急搬送しております。

2：予防対策

一般的に呼びかけられている1暑さを避ける、2こまめな水分補給、3部屋の中を涼しくするはもちろんのこと、気象情報等を参考にしつつ、決して『自分は大丈夫！』とは思わずに最大限の予防対策をとって頂きたいと思います。

令和4年度熱中症による救急搬送統計資料

年別の救急搬送者数

福島市消防本部管内では、過去4年間に801人の方が熱中症（疑いを含む）により救急搬送されました。令和4年度の熱中症（疑いを含む）による救急搬送者数は過去2番目に多かった令和2年度と同数の202人で、令和3年度と比較すると34人増加しました。

月別の救急搬送者数

熱中症にかかるリスクからみてみると、最高気温と湿度の上昇に伴い6月から搬送者数が急増（前5月と比較すると約5倍）し、本格的な夏となる7月にピークをむかえ、身体が夏に慣れてくる8月頃から搬送者数が減少傾向にあります。夏が本格化する前の5月、6月上旬頃から日常的に運動する等の汗をかく習慣を身につけ、暑さに強い身体を作ることが予防対策となります。

資料中の気温等は気象庁の気象統計情報（福島市）の数値を使用しています。

年代・年齢区分別の救急搬送者数

年代別では、80代が47人と最も多く、次いで70代が40人となりました。熱中症にかかるリスクが高いのは、65歳以上の高齢者、次いで屋外での活動の機会が多くスポーツ時の運動強度が高い10代の若年層ということがグラフから読み取れます。年齢区分別では、65歳以上の高齢者が118人で全体の約6割を占め、そのうち約7割にあたる87人が75歳以上の後期高齢者でした。

熱中症の発生場所

熱中症による救急要請の発生場所は、「住居」が104人で全体の半数以上を占めていました。65歳以上の高齢者は「住居」が79人で全体の67％を占め最も多く、次いで「道路」が19人で16％、「公衆（屋内）」が10人で8％を占めています。
熱中症というと直射日光があたる屋外のイメージをもたれる方が多いかとおもいますが、決して屋内だからといって安心はできず、むしろ熱気がこもって高温多湿環境となって熱中症にかかるリスクが高まる傾向にあります。屋内ではエアコンを適切に使用するなどして予防対策をはかりましょう。

救急搬送時の初診時における程度

救急搬送された202人のうち、約3割にあたる53人が入院の必要があるとされる「中等症」以上と診断され、そのうち3人は生命の危険があるとされる「重症」と診断されています。また、年代別に見てみると60代以上の方が、他の年代と比較して多く「中等症」以上と診断をされており、熱中症による症状が重くなる傾向があります。

救急搬送者数と気象状況

熱中症による救急搬送者数と気象条件（気温、湿度）の関係を見てみると、真夏日（30℃以上）が令和3年は37日、令和4年は47日で10日増加し、猛暑日（35℃以上）はどちらの年も11日でした。1日で最も救急搬送された日は、同数で6月29日（最高気温34.2℃、平均湿度67％）、8月1日（最高気温36.6℃、平均湿度72％）の11件でした。概ね気温が30℃付近、湿度が65％以上となった場合に救急搬送が多くなる傾向があります。また、気温がそれほど高くなくても湿度が高いと、救急搬送されていることがわかります。

• 総務省消防庁のホームページで熱中症の情報を確認できます（外部サイトへリンク）
• 環境省熱中症予防情報サイト（外部サイトへリンク）