○副議長(高橋英夫) 定足数に達しておりますので、これより本会議を開きます。
本日の議事日程は、さきに決定のとおりであります。
日程に従い、これより一般質問を行います。
順序に従いまして発言を許します。20番斎藤朝興議員。
◆20番(斎藤朝興) 私は、質問に先立ち、さきに行われました衆議院議員選挙の結果について、また昨日表明されました、市長の次期の市長選への立候補宣言について見解を述べたいと思います。
9月11日投票で、衆議院議員の選挙が行われました。自民党が296議席を獲得、自民圧勝という見出しが新聞の紙面を飾りました。
しかし、今回の選挙ほど、多様な民意を切り捨てる小選挙区の弊害が浮き彫りになった選挙はないのではないでしょうか。小選挙区での自民党の得票率は47.8%ですが、議席占有率は73%にもなります。民主党は、得票率が36.4%で、議席は17.3%どまり、特に東京の25の小選挙区では、自民50%、民主36%の得票率に対して、議席は23対1、5割の得票で、ほぼ9割以上の議席を占めてしまうという結果でありました。全国の小選挙区の得票総数は6,800万票、そのうち48.5%が議席に結びつかない、いわゆる死に票となってしまいました。
比例代表では、自民得票率38.2%、議席は42.8%、民主の場合は31%で34%の議席と、小選挙区に比べるとより正確に民意を反映しています。国民の価値観が多様化している中で、小選挙区という選挙の方法でいいのか、改めて問われるのではないかと思います。
今回の選挙で選ばれた議員が今後4年間で問われる重大な問題は、政府税調が打ち出した大増税計画をどうするかであり、自民党が結党50年で必ず実現したいとする憲法改定問題であります。有権者は、この問題に白紙委任をしたわけではありません。
また、地方政治との関連で見れば、小泉改革のねらいが都市再生の名による東京一極集中、地方切り捨てを進める政策であることは明白ではないでしょうか。三位一体の改革に見られるように、さまざまな事務事業を地方へ押しつけながら、補助金や交付金の削減を進め、国の財政危機のしわ寄せを地方に押しつける、これが地方分権と言えないことは明らかであります。私たちは、痛みを伴うばかりの、希望も何も見えない小泉改革が今後市民にどんな影響を与えるのかを明らかにしながら、暮らしと平和を守るために全力を挙げたいと思います。
次に、昨日の本会議で、市長は2期目を目指して立候補の宣言を行いました。私たちは、4年前の市長選挙で政策協定を結んで、瀬戸市長を推薦いたしました。協定の基本は、むだな大型事業を見直しをして、市民の暮らしを応援する市政をつくるというものでありました。この間、大笹生インターチェンジ周辺整備事業の縮小、見直しや都心東土地区画整理事業の中止、庁舎建設の延期など、大型事業の一定の見直しが行われました。このことが、財政健全化を招いた大きな要因であることは明らかであります。
一方、暮らし応援の施策として、乳幼児医療費助成の社保加入者の現物給付や、病後児保育、ファミリーサポート事業の実施、男女共同参画条例や水道水源保護条例の制定を進め、また小規模修繕契約制度を他市に先駆けて実施をし、中小業者の仕事確保に努めるなど、一定の前進が見られます。
しかし、国保、介護、幼稚園、教育など、市民の暮らしに直接かかわる分野で後退が見られることや、PFI手法、指定管理者制度の導入を積極的に進め、行政責任の後退が見られることなど、次期の市政運営に課題を残す結果となっています。
地方自治体が小泉構造改革と毅然と対処することなしに、地方分権も地方自治も確立されないことは明らかであり、瀬戸市政の2期目の挑戦にあたっては、市政の主人公は住民である、この立場で引き続き市民の暮らし応援の政治をしっかりと打ち立てるよう、強く求めたいと思います。
質問に入ります。最初に、介護保険についてお伺いをいたします。
6月22日に、介護保険法改定案が、自民、公明、民主の賛成多数で可決、成立をいたしました。日本共産党と社民党が反対をいたしました。事業がスタートして5年がたち、見直しが約束されていたわけですが、今回の介護保険法の改定の趣旨、改定の意義をどのようにとらえているか、まずお伺いをいたします。
◎市長(瀬戸孝則) おはようございます。
お答えいたします。今回成立いたしました改正介護保険法は、制度の基本理念であります高齢者の自立支援、尊厳の保持、これを基本としつつ、制度の持続性を高めていくといたしまして、次の大きな五つの柱があると考えております。
第1点は予防重視型のシステムの転換、第2点は施設給付の見直し、第3点は新たなサービス体系の確立、第4点がサービスの質の確保向上、第5点は負担のあり方、制度運営の見直しでございます。これらの見直しの視点は、介護保険制度の基本理念であります、介護を要する状態となっても、できる限り自宅で自立した日常生活を営めるようにとの在宅重視の方向性、また真に必要な介護サービスを総合的、一体的に提供できる利用者本位の方向性がより明確にされたものと考えておるところでございます。
◆20番(斎藤朝興) 厚生労働省のホームページを見ますと、こんなのが載っています。介護保険制度は、保険料と公費という国民の負担によって支えられている制度であり、高齢者の方々にも負担をいただいている保険料の急激な上昇を抑え、持続可能な制度としていくためには、給付の効率化、重点化を図ることが必要である、こんな文章も見ます。ですから、私としては今回の改定が、後でも述べますけれども、制度の安定性あるいは持続性という名目で国が歳出を削減する、結果として国民や利用者の負担増を押しつける、そういうものになるのではないかと、そういう危惧をいたします。
それで、次の質問をいたしますが、今回の法改定の大きなポイントは予防介護システムの導入であります。もちろん、予防を重視するということは当然の話でありますけれども、ただ、今回導入されたシステムで本当にいいのかどうかということですが、現在介護認定は、要支援、そして要介護1から5と6段階であります。法改定で、要支援の方は全員、それから要介護度1のうち7割から8割がいわゆる要支援1及び2とされて、この方々が新予防給付の対象とされ、介護保険給付から排除されることになります。
3月議会で同僚議員が質問しておりますが、それに対する答弁では、この方々が現在のサービスが利用できなくなるとは考えていないという答弁がありました。
そこで、改めて伺いますが、この新しい介護区分の要支援者の方々は、介護保険の訪問介護、通所介護という現在利用しているサービスが受けられないのではないかというふうに私は考えますが、見解を伺いたいと思います。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
要支援と認定された方々は介護予防サービスを利用することとなりますが、本サービスには介護予防訪問介護及び介護予防通所介護のサービスメニューが創設されますことから、ほぼ現在と同様のサービスが継続して利用できるものであります。
◆20番(斎藤朝興) 再質問です。
確かに一定のサービスは提供されるようになっていますが、中身としては、期間が限定をされる、あるいは提供の方法も制限されるというふうに私は理解しておりますが、違いますか。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
新予防給付におきましても、家事援助を一律にカットすることはないということでございます。適切なケアマネジメントに基づきまして提供される家事援助は認められるということでございます。
◆20番(斎藤朝興) 私は、そういうサービスがなくなるという意味ではなくて、期間が限定をされたり、あるいは提供の仕方に変わりがあるのではないか、つまり現在介護保険制度のもとで受けているような同様のサービスにはならないのではないでしょうかというふうに質問をしておりますが、どうですか。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
先ほどもご答弁申しましたとおり、適切なケアマネジメントに基づいて提供される家事援助につきましては、従来どおりサービスが提供されるということでございます。
◆20番(斎藤朝興) ちょっと答弁が不十分なのですけれども、次にいきますが、ひとり暮らしの高齢者が、ヘルパーさんと会話をしながら家事や炊事をするということによって、自立心が向上した、元気になったという話はたくさんヘルパーさんから聞いております。家事援助が高齢者の重度化防止に役立っているという例ではないかと思います。
法改定の目的は、さっき市長がおっしゃいましたが、予防の重視あるいは重度化防止という目的があるわけですから、こうした家事援助が一定保険給付の対象から外されるということに問題があるのではないかと思いますが、見解を伺いたいと思います。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
新予防給付は、軽度者の既存サービスのうち、介護の実態に即応したサービスの充実を目指すものであり、いわゆる家事援助サービスが一律にカットされることはございません。
具体的には、ひとり暮らしや要介護者同士の夫婦などで、掃除、買い物、調理等が自力では困難な場合など、適切なケアマネジメントに基づく家事援助については今までどおりのサービスが提供されます。したがいまして、自立支援や重度化防止が阻害されるものではないものと認識しております。
◆20番(斎藤朝興) 今の介護保険の制度ですと、要介護度に応じて限度額があって、それに合わせて介護サービスを受けるというふうになっています。新しい法改定のもとで、全く同じような形で家事援助ができるとお考えですか。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
ただいまも答弁申し上げましたとおり、軽度者の既存のサービスのうち適正なサービス、すなわち適正なケアマネジメントに基づきましたサービスにつきましては、今までどおり利用できるというふうに考えております。
◆20番(斎藤朝興) 次の質問にいきます。
政府は、状態改善に役立たないと言って、介護サービスを実はこの要支援1、2の人たちから取り上げて、筋力トレーニングを目玉とする予防サービスに切りかえようというふうにしております。
筋力トレーニングは、自立支援、重度化防止に役立つという実証例があるのでしょうか、伺いたいと思います。ご存じでしたら教えてください。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
国においては、筋力向上トレーニングを含む運動の機能向上は既に有効性が確認されており、地域の取り組みも効果が実証されていると評価しております。
なお、筋力向上トレーニングの実施方法や効果を持続させるための方策等につきましては、現在国において、市町村モデル事業や試行の結果を踏まえ、検討中であると聞いております。
◆20番(斎藤朝興) 昨年度、69の市町村で予防介護モデル事業が実施をされました。4月に中間報告がありました。その中で、この筋力トレーニングを行った人の16.3%が状態が悪化したと報告をしているそうであります。それから、体の痛み、心の健康という項目を見ると、約30%が悪化したと報告がされているそうであります。中には、鼻血が出た、風邪をこじらせた、入院したなどという、体調を崩す例が各地に見られたというふうに、政府の報告としてあります。
結局、この新予防給付の導入というのは、高齢者の予防を真剣に考えたものではなくて、軽度介護者に対する給付の削減を目的としたものではないのか、しかも予防給付に関しても、効率化の観点から支給限度額を設定する、報酬単価の見直しというふうに政府は言っております。国の歳出削減最優先という考えがここにもあらわれているのではないかというふうに思いますが、先ほどの筋力トレーニングの効果という点から考えても、私はちょっと違うのではないかというふうに思いますが、見解を伺いたいと思います。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
筋力向上のトレーニングについてでございますが、全国69市町村が行いました介護予防市町村モデル事業の結果がございますが、筋力向上につきましては、3カ月間の提供後に要介護度が改善した割合が313人中で44.7%、維持が46.7%、悪化が8.6%、改善率が高い結果となっておりまして、厚生労働省は有意義な改善が見られたというふうに評価をしておりますので、議員ご指摘のような給付費の抑制という観点ではないものと考えております。
◆20番(斎藤朝興) ちょっと私の数字と違うので、私は16.3%が状態悪化というふうに見たのですけれども、今後の具体的な事業計画の中で、改めてこの辺は問題にしていきたいと思います。
ホテルコストの問題について伺いたいと思います。
法改定の大きなポイントは、介護3施設の居住費、食費が保険給付から外されて全額自己負担というふうになります。ショートステイの居住費、食費も、あるいはデイサービスの食費も自己負担となります。
そこで伺いますけれども、3月議会あるいは6月議会で、在宅と施設との間の負担の公平という観点から、ホテルコストは必要な見直しだというふうに答弁をされております。施設の入所者は、それぞれの事情から、やむを得ず施設入所を選択しているのではないかと思います。負担の公平という観点で、月4万円もの食費の負担を新たに求めることは、私は道理が合わないのではないかと思いますが、見解を伺いたいと思います。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
在宅サービスと施設サービスの間の利用者負担の不均衡是正の観点から、介護保険3施設における居住費、食費については保険給付の対象外となりますが、在宅、施設を問わず、居住費、食費は生活する上で必要なものでありますことから、今回の見直しは必要なものと認識いたしております。
◆20番(斎藤朝興) 今の答弁は、在宅も施設も同じに考えなくてはという意味だと思いますが、自宅で1人で1カ月4万円も食費、高齢者の方が使うかといったらば、私は使わないと思うのです。つまり、うちにいたって食事をするでしょう。自分のお金で食事するでしょう。だから、施設でも食費は自前で、個人負担でという意味で公平という言葉を使うのですけれども、私はそれは違うのではないかと思う。
施設を選択した人は、それなりの、先ほど言いましたけれども、事情があって施設に入所をせざるを得ないわけです。それと、食事も一定の施設の側から見れば、健康維持、体力維持という意味で出されている、必要な食事だというふうに思います。だから、そういう意味では、施設も在宅も食費は出してもらうのだよという考えは、決して公平という観点でとらえられる問題ではないのではないかと思います。再度見解を伺います。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
月4万円の食費でございますが、これは1日当たり約1,400円、1食に換算いたしますと約460円となるものでございます。この食費の中には、食材費及び調理に要する光熱水費が含まれているところでございます。これらの費用につきましては、家庭にあっての食材費、光熱水費等を考えた場合、均衡がとれているものと考えているところでございますし、介護保険の入所型の施設につきましては、生活の場でもございますので、在宅と施設の均衡は図られるべきだというふうに認識をいたしております。
◆20番(斎藤朝興) ちょっとその辺は見解の相違のような気がいたしますが、3月議会で、ホテルコストの自己負担ということがあっても、さまざまな低所得者対策があるというふうに答弁をされておりました。そして、低所得者もほぼ現行と同じ負担となる見込みなので、入所が阻害されることはないのだというふうに答弁をしておりますが、特定入所者介護サービス費、これは新しく創設されるわけでありますけれども、食費や住居費の基準額を定めて、低所得者にはそれぞれ負担の上限額を設けて、基準額と上限額との差額を施設に補足給付をするという仕組みであります。
確かに、全額負担するわけではありませんから、負担軽減にはなります。それでも、食費について見れば、月額上限額、第1段階の一番安い人で約1万円、第2段階の人が1万2,000円、第3段階の人は約2万円かかります。負担軽減されても、この金額です。
それから、居住費は、準個室という部屋の基準というか、区分けがあるのですけれども、準個室の場合、第1段階の人で1万5,000円、第2段階も同じ、第3段階は4万円というふうに居住費が、負担がいわゆる上限額として設けられております。ですから、一番安い人でも2万5,000円、第3段階の人になりますと6万円が新たな負担というふうに、軽減策があるにもかかわらず、これだけ負担がふえます。
これで、現在の負担と同額の人は一人もいないわけですから、負担は同じです、入所は阻害されませんというふうに言えないと私は思うのですが、いかがですか。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
施設サービスの利用に伴う利用者負担額についてでありますが、介護老人福祉施設、特別養護老人ホームにおきましては、低所得者対策としての特定入所者介護サービス費の給付及び高額介護サービス費の区分見直しによりまして、本市において約8割を占める2人以上の多床室では、現行と比較し、改正後の月額で、利用者負担第1段階は現行と同じ2万4,000円、第2段階は現行3万9,600円、改正後3万7,000円、2,600円の減、第3段階は現行3万9,600円、改正後5万4,600円、1万5,000円の増と試算をしております。
しかしながら、本年7月に、低所得者対策の柱であります社会福祉法人による利用者負担減免事業の運用見直しにより、2分の1軽減から4分の1軽減とする方針が国から出されましたことから、同減免対象となっておりました利用者につきましては、利用者負担額が増加することが明らかになったところであります。現在、その周知方に努めておるところでございます。
◆20番(斎藤朝興) 6月議会では、高齢者の実際の所得、資産等を把握することは困難だというふうに答弁をしておりましたね。このホテルコストは10月から徴収が始まるわけですから、負担が困難で退所せざるを得ない人たちがいるのかどうか、そういう戻る当てのない人はどうするのか、こうした問題については、市民である高齢者の健康と命にかかわる問題であり、自治体の責任で対処しなければならない問題だというふうに思います。
今、それぞれの施設では、事業者が入所者に対して説明を開いているようでありますけれども、事業者任せにしないことが大事ではないかと思います。急いで入所者の収入や負担が可能かどうかの実態調査をすべきではないかというふうに思いますが、見解を伺います。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
介護老人福祉施設、特別養護老人ホームの現入所者の課税収入等について調査しましたところ、利用者負担第1段階4%、第2段階60%、第3段階20%、その他16%と、特定入所者介護サービス費給付の対象となる方が8割を超えるものと見込んでおります。
しかしながら、高齢者の方々の実際の収入、資産状況につきましては把握が困難であり、実態の把握は難しいものと考えております。
◆20番(斎藤朝興) 先ほど答弁でも第3段階の人は1万5,000円ふえますよと、私はもっとふえると思っているのですが、そういう答弁でありました。ですから、今入所している方でも負担増になるということは、部長答弁からも明らかでありますね。第3段階の人が20%いますというふうにも答弁されています。
ですから、10月からですから、あとわずかでしょう。10月からホテルコストの負担を求めるというわけですから、入所者の状況がわからないということで、事業主体である福島市がそれでいいのですかということを聞きたいわけです。それで福島市の責任が果たせるのですかということをお尋ねをしたわけであります。わかりませんということでは済まないので、急いで調べるとか、何らかの具体的な対策が必要ではないですか。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えをいたします。
ただいまもご答弁申しましたとおり、高齢者の方々の実際の収入、資産状況につきましては把握が大変難しいということでございますが、施設の事業所に対しまして、それぞれの施設によって利用者の負担金に差異がございますので、それぞれの事業所において入所者、そしてまたその家族に対する説明を行うようにということで指導をしておりまして、明日におきましても事業所に対する説明会をさらに強めていくという考えでございます。その説明の中で、各事業所に対して指導をしてまいりたいと考えております。
◆20番(斎藤朝興) 時間がないので、先へ進みますが、事業者任せでは私は福島市の責任が果たされないだろうと、改めて申し上げたいというふうに思います。
次に、施設の整備に新たな基準が設けられました。この基準では、現在の入所者の追い出しにつながるのではないか、あるいは新たな入所が困難になって、入れない人たちが出てくるのではないか、介護の後退を招くものではないかというふうに危惧いたしますので、質問いたします。
入所対象者を要介護2以上というふうにしました。これでは、現在入っている要介護1の人は追い出されてしまいます。3年間という猶予期間はあるわけですが、それぞれ事情があって入所している方々を、要介護1だから出てください、一律追い出すというのは問題ではないかと私は思いますが、ここもそういう方が何人ぐらいいてどうするか、実態をつかんで指導するべきではないかというふうに思いますが、見解を伺います。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
明年4月1日の新予防給付施行日前に介護保険3施設に入所していた方が要支援1または要支援2となった場合には、平成20年度末までの3年間は引き続き入所できることとされております。したがいまして、この3年間において、在宅での対応が可能となるよう、事業所及びケアマネジャーへの指導に努めてまいる考えであります。
◆20番(斎藤朝興) そういう方々が何人ぐらいいて、帰る当てがあるのかというあたりもぜひ調べて、ここでも事業者任せにしないでやるべきではないか、そんなことを要望いたしたいと思います。
もう一つの施設整備基準で、つまり新参酌標準ですが、要介護2から5の入所者の割合、これを2014年までに現在の41%から37%に抑えるように求めております。これが実施されれば、全国で24万人分の整備が減らされるというふうに聞いております。国に対してこの新参酌標準の見直しを求める必要があるのではないかと思いますが、見解を伺います。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
平成16年度の本市における要介護2から5の認定者数に対する、介護保険3施設及び居住系サービスの利用者割合は32%となっております。第2期介護保険事業計画においては、平成19年度を目途に、介護保険3施設及び居住系サービスの利用者数が高齢者人口の3.5%となるよう整備計画を策定しておりましたが、これは平成17年度中に目標の3.5%を超える見込みであります。
しかしながら、本市の介護老人福祉施設、特別養護老人ホームにおいては、入所希望者が依然として1,000人を超えるなど、今後においても介護老人福祉施設を中心に施設整備を計画的に行う必要があると認識をしております。したがいまして、施設整備を要する市町村に対し所要の支援を行うよう、全国市長会を通じて国に要望してまいりたいと考えております。
◆20番(斎藤朝興) もう一つ新たな参酌標準で、現在15%を占めている特養ホームの個室割合を70%にまで引き上げよう、こう求めています。これでは、高額な個室料を払えない高齢者は入所できなくなります。特養の閉め出し作戦と言ってもいいのではないかと思います。これについても国の標準見直しを求めるべきではないかと思いますが、見解を伺います。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
本市における介護老人福祉施設の個室割合につきましては、ユニット型個室19%となっております。個室化につきましては、できる限り在宅に近い環境のもとで生活でき、利用者一人一人の個性と生活のリズムを尊重する観点から求められてきたものでありますが、個室化に伴う利用者負担の増などの課題もありますことから、十分検討してまいりたいと考えております。
◆20番(斎藤朝興) 政府は、介護保険事業の総額を抑制しようとしています。事業の実施主体である地方自治体は、国の予算が縮減される中で本事業に取り組まなければならなくなります。現行サービスを切り詰めることにならないのかどうか危惧をいたします。
介護保険法第1条にうたっている、国民共同連帯の理念のもとに、国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図る、こういう法の趣旨をしっかり踏まえて、必要な人に必要なサービスを提供するという計画をつくっていただきたいというように思います。
中項目6、細目1の質問は飛ばします。
2番目です。財政優先、効率優先ではなく、高齢者が人間らしく尊厳を持って生きることを保障するような新高齢者保健福祉計画をつくるべきではないかと考えますので、見解を伺いたいと思います。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
第4次高齢者保健福祉計画及び第3期介護保険事業計画につきましては、サービス基盤整備の基本となる日常生活圏域の設定や、公正中立な立場から、地域における総合相談、支援、介護予防マネジメント、包括的、継続的マネジメントを担う中核機関としての地域包括支援センターの創設、地域密着型の施設整備など、より地域に密着したきめ細かい高齢者への支援体制が図られますことから、計画の基本理念に掲げる「すべての人が人間として尊ばれ、生きがいを持ち、心豊かなくらしのできる長寿社会」の実現に向け、保健、福祉、医療、介護の一体化に向けた計画策定に努力してまいりたいと考えております。
◆20番(斎藤朝興) 介護保険事業というのは、高齢者事業の一部であります。ですから、本市の高齢者事業全体を見て、自治体の能力が問われる問題でもありますので、地方自治法に基づいた取り組みをしっかりやっていただきたいというふうに思います。
次に、障害者自立支援法の問題で質問いたします。
郵政解散のあおりを受けて、この障害者自立支援法は廃案になりました。この法案成立に不安を感じていた障害者団体の皆さんは、とりあえずよかったというふうに言っておりますが、政府は次の国会へ再提出、成立をねらっております。予断を許さない状況であります。
障害者福祉制度は、2003年4月から新たな制度として支援費制度がスタートしたばかりであります。施行後2年で制度の全面的な改定であるにもかかわらず、障害当事者に具体的な説明がなされないまま、その意見を十分反映することなしに、いきなりに国会へ提出されました。法案はまだ成立したわけではありませんけれども、この法案が成立すれば、これまでは各福祉法によって障害者施策の実施主体が都道府県と市町村に分かれていたものが、市町村に一元化されます。この法律の内容と問題点を共通認識として、障害者が人間らしく生きていける、よりよい障害者施策を実現するために一緒に考えていただきたいな、こんなふうに思って質問をいたします。
今度の法改定の重要な問題は、今まで応能負担という負担割合でしたが、今度は応益負担及び食費等の自己負担という仕組みに転換をすることであります。これが実施されれば、障害者の生活を破壊し、命の危険性を招く負担増を迫るものになるのではないかと危惧いたします。いろいろな低所得者対策や激変緩和措置がありますが、極めて不十分だと思います。結果的に社会参加を阻害することになるのではないかというふうに思いますが、この新たな負担増についてどのようにとらえているか、見解を伺いたいと思います。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
障害者福祉サービスは、障害の種別、程度等、支援の必要度に応じたサービスの内容と量の確保が必要であり、その費用は国民全体で負担し、支え合うことが不可欠であると認識しております。
現在、厚生労働省は次期国会へ関係法案を提出するという考えを示しておりますので、動向を注視し、対処してまいりたいと考えております。
◆20番(斎藤朝興) 細目2の質問は飛ばします。
今回の法改定によって、市町村に実施が一元化されます。そして、市町村ごとに障害者計画を作成することが義務づけされ、その数値目標を前提として事業費や補助金が確定されるという仕組みが導入されるというふうに聞いております。このことは、制度的にも、地域の実態とニーズに基づいて福祉事業を地域ごとに行う、すなわち必要なサービスをどう提供するか、地方の力が試されることになるのではないかと思います。
しかし、国が財政削減を最優先に進める中で、市町村は縮小された予算の中で対応を迫られるという事態にもなりかねません。国に対して財源保障をしっかりと求めるとともに、財政事情に合わせてサービスの必要量をコントロールするような計画ではなくて、受給を抑えるような計画とならないような、必要なサービスをどう提供するかという障害者計画をつくるべきではないかと思いますが、見解を伺います。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
本市におきましては、障害者基本法に基づき、昨年12月に障がい者計画を策定いたしました。本計画では、障害のある人もない人も、お互いに人格と個性を尊重し支え合う共生社会の実現を基本理念とし、居宅介護、デイサービス、グループホーム等の在宅サービスや、通所、入所施設整備等に数値目標を設定するなど、障害者が自立し、社会参加できる施策の推進を明らかにしております。
国においては、今回廃案の障害者自立支援法案で、福祉サービスの提供主体を市町村に一元化するほか、国、県、市町村がそれぞれのサービス等にかかわる必要な数値及びその方策を盛り込んだ障害福祉計画を作成し、現計画との整合性を図ることなどを検討していた経緯もありますことから、今後、財源の確保も含め、国の動向を注視しながら対処してまいる考えであります。
◆20番(斎藤朝興) 介護保険制度で、ホテルコスト導入に合わせるかのように県はこの10月から重度心身障害者の入院給食費に対する支援を打ち切りというふうにいたしました。本市もそれに準じて、減額補正予算を本会議に提案をしております。障害の重い人は入院の頻度も高く、食費の自己負担化はさらに困難を押しつけることにつながります。国に対して継続を強く求めるとともに、少なくとも本市においては支給を継続すべきではないか、見解を伺いたいと思います。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
今回の県の見直しは、重度心身障害者医療費助成制度を今後とも維持することを基本に、入院患者と在宅患者間の負担の公平性を図る観点から行われたものと認識しており、本市といたしましても、本制度を維持するためには必要な見直しと考えております。
◆20番(斎藤朝興) 結局は、自己負担を求めるという方向にいかざるを得ないのです。本来、障害者への社会的な支援はマイナスからの支援であって、決して応益の論理で処理すべきものではないというふうに思います。戦後確立された福祉の三原則、公的な責任、無差別平等、必要十分、これを後退させない障害者計画、障害者施策を強く求めたいと思います。障害者問題についての質問は終わります。
最後に、バス路線の廃止の問題を伺います。
福島交通は、市内76の路線中30の路線を廃止したいという報道がなされました。この廃止対象30路線のうち、たしか14の路線だと思います、市の助成金約5,000万円が投入をされています。
そこでお伺いしますが、なぜ今この時期に30もの路線の廃止が提案されたのでしょうか、伺います。
◎都市政策部長(落合省) お答えいたします。
路線バスを運行する福島交通の経営を取り巻く環境は、マイカーの普及に伴う利用者の激減により、極めて厳しい状況にあります。このため、組織の見直しなどコスト縮減により、路線の維持対策に努めてきたところでありますが、バス利用者の減少には歯どめがかからず、会社の経営改善の一環として、やむを得ず慢性的な不採算路線について廃止の検討がなされたものと伺っております。
◆20番(斎藤朝興) 生活バス路線というのは、大切な暮らしの足であります。経営が厳しいから、赤字だからという、その理由だけで廃止していいということにはならないと思います。現在、助成金、補助金を出しておりますが、必要な補助金を上乗せしてでも路線は維持すべきではないかというふうに思いますが、どうですか。
◎都市政策部長(落合省) お答えいたします。
生活バス路線の存続につきましては、ほかに交通手段のない地域住民の生活の足の確保という観点から、非常に重要なことと考えております。不採算路線の存続につきましては、地区ごとにバスルートや運行回数、鉄道などのほかの公共交通機関の整備状況、財政負担等を総合的に検討する必要がありますので、今後、各地区ごとに各種団体の代表者等で組織される生活バス路線等対策協議会において、利用促進について十分協議してまいります。
◆20番(斎藤朝興) バス路線の廃止は、規制緩和になりまして、申請すると半年で自動的に可能になります。
今協議会の話がありましたが、代表者という形でごく一部の人たちが参加する協議会になってしまうのではないかと思います。関係する町会ごとに説明会を開いて、住民の声をきちっと聞く、きめ細かい対応が必要ではないでしょうか、見解を伺います。
◎都市政策部長(落合省) お答えいたします。
バス路線廃止の申し出を受けて、関係者で組織される県北地方協議会が開催され、路線の継続や廃止、支援事業等について検討されますが、バス路線の維持対策は市政の重要課題であるととらえておりますので、各地区ごとに組織される生活バス路線等対策協議会で広く市民の意見を集約し、反映させながら対応策を検討してまいります。
◆20番(斎藤朝興) いろいろ段取りはあると思うのですけれども、私は、少なくともそれぞれの町会、あるいは支所単位でも最悪やむを得ないと思いますが、利用者への説明会、こういう予定だという、その説明会を開くようにお願いをしたいのです。対策協や何かが開かれると思いますが、それだけでは私は周知徹底は不十分だろうというふうに思いますので、ぜひ説明会を開いてほしいというふうに要望しておきます。
高齢者や障害者の社会参加を促進するという福祉の充実の観点から、高齢者無料パスあるいは障害者の無料パス、市内均一100円パス、こういうものを発行して、全体としてバスの利用者の増加を図るというのはいかがでしょうか、見解を伺いたいと思います。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
体の不自由な高齢者や障害者の外出支援といたしましては、タクシー料金助成、リフトつきバスの市内巡回事業を実施しておりますが、一般の高齢者に対する無料パス事業につきましては、地理的に公共バスを利用できない方が多くいることや、その他の公共交通機関利用者への対策等を考慮した場合に、現状では困難と考えております。
◆20番(斎藤朝興) これまでもたびたびこの提案はしているのですが、回答はいつも同じです。バス路線がたくさんあるわけではない、不公平だというふうにおっしゃるのです。少なくとも、代替のいろんなことは考えられるわけですから、バス路線のあるところに住んでいらっしゃる高齢者、特に元気な高齢者たくさんいらっしゃいますから、その方々の社会参加、あるいはいろんな場に出てくるという足を確保する意味で、ぜひ無料パス等を検討していただきたい、財務部長にもお願いしたいと思います。
地球温暖化の防止という大きな課題からも、車万能社会を改めて、公共交通機関が確保された社会が必要だと思います。廃止予定の30路線は、代替手段の確保も含め、何らかの交通手段を残すべきではないか。先ほど、総合的に考えると、検討するというふうにおっしゃいました。大体、そういう検討の仕方だと廃止される方向にいってしまうのです。それでは困りますので、代替手段も含めてきちっと交通手段を残すべきではないかというふうに考えますが、見解を伺いたいと思います。
◎都市政策部長(落合省) お答えいたします。
マイカーの普及と大量輸送交通手段であるバスの利用者の減少は、地球温暖化防止や省エネルギーなどの観点から大きな課題であり、これまでも交通需要マネジメントの視点から、施策のあり方について検討してまいってきたところでございます。公共交通機関の確保は、交通需要マネジメントを推進していく上で有効な施策の一つであると考えておりますので、市民のバス利用促進についての啓発に努めてまいりたいと、このように考えております。
◆20番(斎藤朝興) 質問は以上ですけれども、先日お会いした福島交通の担当者は、規制緩和でドル箱路線であった高速バスに、地域の生活バス路線を持たない業者が参入をしてきている、そして価格競争が激しくなって料金が下がる、結局そのしわ寄せが赤字路線の廃止につながったのだということをおっしゃっておりました。これは、小泉内閣が進める構造改革路線、規制緩和を進めて活力ある競争社会をつくろうという路線、こういう路線が結果として弱肉強食をいや応なしに進め、貧しい者はますます苦しくなるという社会を生み出しているというふうに思います。バス路線の廃止も、その一つのあらわれだと私は思います。
冒頭にも述べましたが、小泉構造改革とは毅然と対処する、こういう構えをきちっと確立することなしには、地方自治体の役割は発揮できないのではないかということを最後に述べて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○副議長(高橋英夫) 以上で、斎藤朝興議員の質問を終わります。
暫時休憩いたします。
午前10時56分 休 憩
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午前11時05分 再 開
○副議長(高橋英夫) 休憩前に引き続き会議を開きます。
3番土田聡議員。
◆3番(土田聡) 9月市議会にあたり、私は日本共産党市議団の一員として、市政について幾つか質問をさせていただきたいと思います。
一つ目は、地震、災害対策ということで、この間、先月16日に宮城県南部地震が起きました。宮城県東方沖、深さ28キロを震源とするマグニチュード7.2の地震が発生しまして、本市でも震度5弱を観測しました。昨今危ぶまれている宮城県沖地震との関係というものが危惧されるわけでありますけれども、政府の地震調査委員会は宮城県沖地震とは別なものという見解を示し、改めて今後30年で発生確率が99%と言われている宮城県沖地震、このことについての対策が求められていく、そういうふうに思っております。
まず最初に、先月の16日に発生しました宮城県南部地震による市内の被害状況をお聞かせください。
◎市民部長(山田義夫) お答えをいたします。
本年8月16日に発生いたしました、宮城県沖を震源とする地震における市内の被害状況につきましては、避難者なし、負傷者1名、建物等被害は、住家の屋根瓦崩壊等28軒、その他の倉庫、灯籠等の9件に及んでおります。
なお、公共施設等の被害状況につきましては、消防分団屯署の外壁亀裂等をはじめとして、総額1,500万円余の被害が発生しております。
◆3番(土田聡) 公共施設も幾つか被害を受けているわけですけれども、一つにコラッセふくしまの12階にある展望室照明、これが地震による揺れで取りつけ部が損傷、またコラッセふくしまの非常階段の壁などに亀裂が入るという被害が出ました。こういう新しい施設で被害が出るというのはなぜかというふうに思っているのです。
仙台では、スポパーク松森という、7月1日にオープンしたばかりの施設で天井が落下をして、相当の被害が出たということもありますので、この照明設備に被害が出たのはなぜかということと、この落下の危険性が本当になかったのかどうかというのもお聞かせください。
◎商工観光部長(橋精一) お答えいたします。
コラッセふくしまは、地震の揺れを抑制する、いわゆる制震構造により本体が建てられておることから、今回の宮城県沖を震源とする地震によって、内装仕上げ材等の破損が生じたものと考えられます。また、12階展望ラウンジの照明器具につきましては、落下する危険性はないものの、取りつけ部分の天井ボードが、地震の震動により照明器具が揺れたことに伴い、一部破損いたしましたので、早急に応急処置を施し、再開したところであります。
今後におきましても、コラッセふくしまの利用者が館内の各施設を安心して利用していただけるよう、施設管理上の必要な安全対策について、県をはじめ入居団体と連携して対応してまいりたいと考えております。
◆3番(土田聡) 新しい施設で被害が出たという、単純というか、シンプルな疑問なのですが、その照明器具、私も現地に行って見させていただきましたけれども、相当長い、天井部から長い器具で取りつけられておりまして、相当揺れが来ると激しく揺れるのだろうなというふうに思いました。そういう意味では、スポパーク松森のつり天井と同様の構造になっているのかなというふうに思っておりまして、もう少し大きいと、下手すると取れてしまうというような危険性もあったのかなというふうに思っています。
構造物自体の耐震性というのは相当考えられてつくられておりますし、今既存の建物でも耐震性を求められているということになっておりますが、スポパーク松森の事故というのは、いわゆる非構造物、附属物などの地震対策というものが必要になっているということを示したものかなというふうに思っています。
昨年12月議会で、市が持っている施設の耐震診断の現状というものが明らかになりました。187件中、当時66件が耐震診断済みで、教育施設の9件が耐震改修が必要になっているというようなご答弁だったと思います。その後、どのようにこの耐震診断が進んでいるかお示しいただければと思います。
◎財務部長(長澤多一) お答えいたします。
公共施設の耐震診断につきましては、これまで学校教育施設を最優先に実施しているところであります。学校教育施設以外の本庁舎をはじめ、消防などの他の公共施設につきましては、耐震診断は十分でない状況にございます。
しかしながら、施設の安全性の確保は重要でありますので、財政状況を勘案し、計画的に行うとともに、老朽化した施設につきましては、総合計画に基づき改築等を進め、安全性の確保と行政需要にこたえてまいりたいと感じております。
残りの答弁につきましては、教育委員会から答弁いたします。
◎教育部長(山岸正行) お答えをいたします。
学校施設等の耐震診断の進捗状況につきましては、昨年度の校舎の耐震化優先度調査に引き続き、今年度は体育館の調査を実施しておるところでございます。したがいまして、これらの調査を含めた場合、本年4月現在の耐震診断等の件数は、昭和56年以前に建設された施設103件のうち56件となります。今年度の体育館の耐震化優先度調査が完了すれば、27件増の83件となることから、実施率は81%になるものと見込んでおります。
この質問に対する答弁は以上でございます。
◆3番(土田聡) 教育施設を優先してということで、学校の方の耐震優先度調査というものが行われているということです。
今お示しいただきました、103件のうちの56件が優先度調査が終わっているということなのですが、その中で耐震化を急がなければならないというやつですか、問題があるというような施設というか、そういう数というのはおわかりでしょうか。
◎教育部長(山岸正行) お答えをいたします。
現在の時点では正確にその数字を出してございませんので、体育館の診断状況とあわせまして、今後の計画に反映していきたいというふうに考えております。
◆3番(土田聡) 昨年6月と12月の議会でも、学校の耐震工事については質問させていただいています。国基準でやるために、国から予算が来るのを待っていてはなかなか進まないということで、簡単だけれども、効果的な耐震工事というものを、市独自の予算で早期に耐震化を進めていくべきではないかということを質問したわけですが、これについて改めて今の時点でこういうことを進めていくべきだと思うのですが、見解をお伺いしたいと思います。
◎教育部長(山岸正行) お答えをいたします。
学校施設の整備につきましては、児童生徒の安全を確保するだけではなく、災害時における避難施設としての位置づけもなされておりますことから、今後は国の仮称安全・安心な学校づくり交付金制度創設の動向などを見きわめるとともに、市総合計画との連携を図り、財源を確保しながら実効性の確保に努めてまいりたいと考えております。
◆3番(土田聡) 平成18年度、国の予算で安全・安心な学校づくり交付金というものが出てくるということなのですけれども、この間の地震というのが、生徒、児童が学校にいない時間に起こっているというのは、これはたまたま偶然なわけでありまして、今回の宮城県南部地震でも、飯坂の大鳥中学校で天井の石こうボードが落下をしているという、そういうことも起きています。特に教育施設、そして避難場所となる特定公共施設ということでありますので、急いで、特に国の予算待ちではなくて、市独自も含めて並行して進めていく必要があるのではないかなというふうに思っています。
耐震化優先度調査で危険度が高いものから耐震化を進めていくということになると思うのですけれども、今の安全・安心な学校づくり交付金を使いながら、そしてあとまた市独自で簡易で効果的な耐震化を両方並行して進めていくという、そういうことをやっていくべきだと思うのですが、改めてもう一度ご見解をお示しください。
◎教育部長(山岸正行) お答えをいたします。
耐震改修の工法につきましては、一定水準の耐震性能を確保するために、建築物耐震改修評価委員会等の第三者の判定を受けることとされておりまして、安全確保上、工事の簡易化には限界があるというふうに考えております。
しかし、現在はさまざまな耐震工法が開発をされておりますので、先進地の耐震工法などを十分に調査をいたしまして、個々の建築物に合った効果的な工法について検討し、耐震改修の推進に努めてまいりたいと考えております。
◆3番(土田聡) 全国でも、その簡単な工事で効果的な耐震化を進めているというところもございます。福島でも、たしかチェンバおおまちが新たに耐震化工事をして、いわゆる斜めに柱を入れたというようなこともありますし、ぜひそこは、個々のものを見ながら判断をするということなので、危険性の高いところ、緊急性が求められるようなところというのはそれなりの独自の対応をしていっていただきたいなというふうに思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
それで、質問移りますが、今回の地震で一般の住宅の被害が、宮城県の294軒に対して福島県内が554軒ということで、1.8倍以上、1.9倍近くにもなっています。新聞報道などによれば、県内の木造住宅の耐震補強が進んでいない、そういうことが原因だと思われますが、昨年の12月議会で、私の質問に対して市長が、地震による被害を最小限に抑えるためには、耐震基準が施行された昭和56年以前に建築された個人住宅の耐震診断を行って、耐震改修を促進することが重要というふうに、そして耐震診断の支援制度につきまして、その望ましいあり方について検討してまいりたいということでご答弁いただいています。
阪神・淡路大震災でも、その亡くなった方の大半というのが一般の戸建て木造住宅の倒壊による圧死ということなので、この耐震診断につきまして、さきの同僚議員の質問にもありますが、必要との立場からぜひ検討をしていただきたいということで、このことについて質問いたします。
◎都市政策部長(落合省) お答えいたします。
市民が安全で安心して暮らせる住まいの確保や、災害に強いまちづくりを推進する観点から、国の事業に合わせて、福島県では、木造住宅耐震診断促進事業を推進するため、8月に県内4方部において建築士やリフォーム関係者などを対象に講習会を開催し、耐震診断者の育成に努めているところであります。
本市におきましては、耐震診断者の確保や派遣するための体制づくりなど諸条件を整えた上で、早期の事業導入に向けて検討してまいります。
◆3番(土田聡) 県の木造住宅耐震化促進事業、8月に講習会が開かれて、改めてこれは、たしか8月18日だと思いますけれども、県の方が各市町村に通知をしているのですけれども、もともとこの木造住宅耐震化促進事業というのは、当初予算で県が予算化していたものです。各市町村から声が上がらなかったということとあわせ、8月16日の宮城県南部沖地震、そのことについて、県の方もこれを進めようということで改めて通知をしたのだと思うのです。
ですから、当初で出ていたということであれば、今諸条件の整備ということでご答弁いただきましたけれども、当初からこれをやろうということで進めていれば、もう少し早い段階で県の方にやりますということで声をかけられたのではないかなというふうに思うのですが、いずれにしても耐震診断士というものが必要になってきますし、診断の中身ですか、簡易診断なのか、詳しく調べる診断になるのかということもございますけれども、なるべく早く、条件がそろった段階でこの耐震診断を進めるような、そういう施策をぜひやっていただきたいなというふうに思っています。
それで、耐震診断をする、そして自分のうちはちょっと危ないよと、震度5が来るとちょっと危険だよというような、そういう判断がなされたとき、その後が問題です。耐震診断をして危ないよと言われて、そのままになっていたのではもうお話になりませんから、耐震化について進めなくてはならないのかなというふうに思っています。一般住宅で耐震に問題ありとなった住宅に対しての耐震化をどうやって進めていくのか、これは市独自で一般木造住宅の耐震補強を支援するような策というものが必要になってくるのだと思うのですが、この創設についてはいかがでしょうか、ご見解をお示しください。
◎都市政策部長(落合省) お答えいたします。
木造住宅の耐震診断に基づく耐震改修の促進は、災害に強いまちづくりを推進する上で重要であると考えておりますので、戸建て住宅の耐震補強についての啓発に努めてまいります。
◆3番(土田聡) 啓発に努めていくということなのですけれども、国の方では耐震改修促進法の見直しということで、今まで一般住宅はそういうものに含まれていなくて、いわゆる特定建築物、公共施設とか、そういうものが中心になってまいりました。
ただ、見直しの中で、一般住宅についても努力義務を課すということになっているのですが、いずれにしても、耐震改修ということになりますと、具体的に、例えば住宅のリフォーム、一般的な住宅のリフォームみたいに具体的に目に見えるものではない、今の建物をつぶさないようにする工事ですので、なかなか実際進まないというのが現状です。そういうことであれば、やはりこれは市で、国、県がどういう動向になるかわかりませんけれども、市の方でちゃんと手当てをしながら、一般住宅の耐震化工事というのは進めていくべきなのではないかなというふうに思うのです。
仙台もそのような施策をつくっておりますし、岩手の大船渡もそういうものをつくっています。一般個別住宅についての耐震化、補強支援策というもの、これは具体的に補助していきながらつくっていくべきだと思うのですけれども、先ほどの啓発という言葉だけではなくて、そういうところまで踏み込んでやっていくべきだと思うのですけれども、いかがですか、ご見解を伺います。
◎都市政策部長(落合省) お答えいたします。
国土交通省の情報、ちょっと得ることができまして、今国土交通省では、住宅あるいは建築物に対する耐震診断、改修、こういったものの支援の全国展開を検討しているというふうなことを情報として得ております。したがいまして、本市といたしましては、その動向を今後十分注視しながら、どういった内容のものが示されてくるのか十分検討してまいりたいと、そういうふうに考えてございます。
◆3番(土田聡) 国の方でこの間、さまざまな地震によって、地方自治体が住宅再建への直接支援をしてくるというような動きがありました。鳥取県の鳥取大地震の後に、県が住宅再建への直接支援を決断しました。あと、全国知事会が国へ働きかけを強めてきたということもあります。
これで、国が2000年12月に被災者の住宅再建支援のあり方に関する検討委員会というものを開きまして、その報告書の中では、事前に耐震性の補強がなされていれば、阪神・淡路大震災の場合でもこれだけ多くの住宅の倒壊を生じさせることもなく、事後的に多額の支援経費がかかることもなかったのではないかと考えられるというふうに述べております。こういうことで、国が住宅の公共性というものに相当踏み込んできているようになっているのは事実であります。国の動向を見ながら、ぜひ耐震改修について、一般住宅の耐震改修について前向きにご検討していただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
ただ、その場合に、個別住宅の倒壊などによって被害を受ける方というのは、どうしても低所得の方に多いというふうに思われます。アメリカのニューオーリンズを襲ったハリケーンのことを見てもおわかりですけれども、車がなくて避難指示に従えなかった、いわゆる貧困層の皆さんがあれだけ被害を受けているわけです。そういうことも考えると、所得の低い方には助成金額をふやすとか、そういうことをしていかないと、実際はそういう支援をつくってもなかなか、やれる人とやれない人というのが出てくる可能性があると思いますので、そこはぜひ、お考えいただくときにはそういうことも勘案しながらやっていただきたいなというふうに思っています。
次の質問に移ります。これは宮城県南部地震の問題なのですけれども、仙台市の泉区松森にあるスポパーク松森で、室内プールの天井が落下して27人が負傷しました。プール部分の天井はつり天井工法といいまして、天井材が岩綿吸音板と下貼材、ケイ酸カルシウム板を張り合わせたものでありまして、1平米当たり12キロの重量があったのだそうです。いわゆる揺れどめがついていなくて、落下をしてしまったということになります。
同様のつり天井などの類似工法ですけれども、こういう施設は市内にあるのかどうか、まずお伺いをします。
◎都市政策部長(落合省) お答えいたします。
つり天井工法は、天井の材料や形態によって構造は多岐にわたり、大規模空間を有するものから小規模なものまで、多くの建築物に導入されている一般的な工法でありますが、宮城県で発生したような円形型大規模空間を有するつり天井工法を採用しているケースはございません。
◆3番(土田聡) 昨日の同僚議員の質問にも同様のお答えがあったのですけれども、円形建物そのものが耐震構造がなかったのではないかというようなお話もありますけれども、私の前の質問に対しての答えでも言いましたけれども、結局、構造物そのものの耐震性ではなくて、非構造物の耐震性というのですか、そういうものが今注目する必要があるというふうに思っています。
今回の地震の被害で、先ほどのコラッセもそうですけれども、飯坂の大鳥中学校の石こうボードの落下、これはあと、福島ではないのですが、保原のやはり中学校の教室天井の一部落下、相馬の方でも天井板の継ぎ目がずれる、落ちるというようなことが出ています。ですから、つり天井ということではなくて、非構造物、いわゆる天井を構築しているような構築物についても、やはり耐震性、もしくは地震の揺れのときに落下をしないような、そういうようなところもちゃんと見ていく必要があるのではないかなというふうに思っていますので、あくまでつり天井、もしくはああいう円形大規模構築物というものだけではないところに注目をしていく必要があると思いますので、ここはこれからぜひそういうところの耐震性も、そのチェックもお願いしたいなというふうに思っています。
このスポパーク松森は、実は仙台市で行われたPFI事業の第1号であります。建設会社とか設計事務所、あとスポーツクラブの運営会者など11社でつくる特定目的会社松森PFIが建設して運営をしていました。つり天井の落下については、2001年の芸予地震と2003年の十勝沖地震のときに同じような施設で天井の落下があり、国土交通省が落下防止策について通知を出したものが建設事業者まで届かなかったということが今のところ問題になっておるのですが、なぜそういうことが起きたのかというのはこれから検証が進むであろうと思います。
ただ、一つ確実に言えるのは、市が直接管理をして建設をしていたならば起こり得なかった事故ではなかったかと思います。建設、運営含めて民間に丸投げをしていくというPFI事業では、行政が直接そういうことにタッチができなくなっていくということのあらわれではないかなと思っていますので、まずPFI事業との関係で言えば、安易なPFI推進というものはやめていくべきではないかなというふうに思っていますが、見解をお願いします。
◎市長(瀬戸孝則) PFIにつきましてでございますが、公共施設の建設や維持管理などにおきまして、民間の資金、経営能力、技術的能力などを活用することによりまして、コストの削減やより質の高いサービスの提供などを図ろうとする事業手法でありまして、行政改革、経済の活性化を推進していく上でも有効な手段の一つと考えております。PFIの導入にあたりましては、対象とする事業について、PFIで実施の可能性、PFIの効果の大きさなどを十分検討し、判断していくべきものとまず考えております。
ご指摘の宮城県で発生いたしました円形型大規模空間を有するつり天井工法による落下事故については、技術上に起因するものであって、直接的にPFIを導入したこととは関連はないものと考えております。
◆3番(土田聡) 技術的な問題、それは直接的な原因は揺れどめがついていなかったということだと思うのですが、その揺れどめをつけろというふうな通達が結局は届かなかった、その届かなかったところにPFIという手法がかかわりあるのではないかなと私たちは思っています。
これは検証も進むでしょうけれども、この特定目的会社松森PFI、ここが運営主体になっていますけれども、仙台市長はこの事故について、この会社がちゃんと責任持つべきだという発言をしてひんしゅくを買ったのですが、4月1日オープンになって、地元の仙台市民の中でも、これはスポパーク松森が、この窓口がどこにあるのかというのは相当不明だというか、どういうところが運営しているのかわからないというので、ちょっと話題になっていたみたいであります。インターネットのブログなんかを見ましても、この後の経過、相当注目を浴びています。
ということを受けて、仙台市はこのPFI事業の検証に乗り出しています。安全の問題、もしくは財政的な問題も含めてですけれども、何せ仙台では最初のPFI事業でああいうことが起きてしまったわけで、これは検証せざるを得ないというのが本当のことだと思うのですが、やはり安全対策も含めて、そういうところ、本当にPFIでいいのかなというふうに思っています。
私は、あの事故のときに、テレビの映像を見たときに物すごい違和感を感じました。皆さんごらんになったかもしれませんけれども、あそこの職員がプールの中に入って天井材を取り除こうとしていましたよね。あの取り除こうとしている中でのけがもあったらしいのですが、事故が起きたときというのは、普通あれ、もちろん助け出す人は助け出して、あとは現状保存ですよね、そのまま。職員があれを取り除くというのは、何か私は違和感を感じたのですけれども、後で調べてみましたら、このスポパーク松森を立ち上げるにあたって、スタッフを募集して、結局アルバイトなのです、皆さん。アルバイトで成り立っていた、そういう中で、ああいう地震が起きたときの安全対策を含めて何もなされていなかったのかなと、スタッフの対応がああいう映像になって、私は違和感を感じました。
これはPFIの問題だけではなくて、これから進められようとしている指定管理者の問題でも課題になってくることかと思います。そういうことで、PFIの問題点は、地震に関連しての問題点は以上で終わります。
次に、消防、消火、救急体制に移ります。地震、災害、日常の防災も含めて、消防体制というものが重要だというのは皆さんご承知のとおりだと思います。さきの6月の議会で、同僚議員の質問で、本市の消防職員の充足率が68%ということが明らかになりました。この数字は、全国平均が75.5%ということですので、かけ離れていると思います。この認識をお伺いしたいと思います。
◎消防長(渡辺淳一) お答えをいたします。
福島市消防吏員の充足率は68%であります。充足率は、消防車両の配備状況、予防要員、通信要員等との兼ね合いもありますので、消防団との一層の連携を図りながら、今後の災害対策に万全を期してまいります。
◆3番(土田聡) 万全の体制ということなのですけれども、6月議会でも同僚議員の質問で対応可能な人員体制だというふうに答弁なさっているのですけれども、日常的に、結局、非番の職員を招集したり、休みたいときに休暇をとれなくなったりという、そういう職員へのしわ寄せが見られています。これで万全の体制と言われても、なかなか大変なのかというふうに思うのですが、日常的にもそういうことでありますし、非常事態が起こったときに、本当に今の人数で対応可能、万全な体制になっていくのかなというのがすごく疑問なのです。そこら辺について、もう一度ご見解をお示しください。
◎消防長(渡辺淳一) お答えをいたします。
消防力の充足率につきましては、車両等の機械力は、全国の充足率85%程度に対し、本市は100%であります。ただ、人員につきましてはご指摘のとおりでありますが、今回示されました整備指針では、一定の安定化、省力化された車両については5人から4人に緩和されましたので、本市の車両はこれを満たしておりますので、充足率は若干上昇するものと考えております。
いずれにいたしましても、消防団との連携を一層密にし、お互いに補完し合いながら、創意工夫のもと、災害対策には万全を期してまいります。
◆3番(土田聡) 消防というものは、水と人と機械力という、この三つの要素が欠かせないということを聞きました。水があっても人と機械がなければだめですし、人がいても水がなければだめだという、この三つがうまくバランスをとりながら消防力を発揮するということになると思います。
今消防力の整備指針というふうに答弁がありましたけれども、ことしの6月ですか、消防力の基準の一部が改正されて、消防力の基準から消防力の整備指針に改まりました。この整備指針についての見解をお聞かせください。
◎消防長(渡辺淳一) お答えをいたします。
消防力の基準から消防力の整備指針に改正された趣旨についてでありますが、複雑多様化する災害に的確に対応するため、警防、予防、救急体制の充実強化、さらには救助体制の充実強化とテロ災害、武力災害等新たな事象に適切に対応するため、関係機関との連携等による、防災危機管理も視野に入れた今後のあるべき消防力について、総合的な検討がなされたものと認識しております。今後は、自治体の創意工夫がより求められるものと認識しております。
◆3番(土田聡) それでは、消防力の整備指針にある消防職員の基準人数というものがあるのですが、これについてどう認識なされているかお聞かせください。
◎消防長(渡辺淳一) お答えをいたします。
災害の多様化に伴い、本年度、消防力の基準が、市町村の消防力を充実するため、消防力の整備指針に改正されたものでありますが、指針に示されました基準人員については、機械力等の運用のために重要な要因の一つと認識しております。消防力の充実強化、関係機関との連携等により、危機管理も視野に入れ、地域の実情に即した体制の整備を十分研究してまいります。
◆3番(土田聡) この消防力の整備指針、以前は消防力の基準ということなのですけれども、これは1961年に消防力の必要最小限の基準として制定されているものです。
消防組織法の第1条では、消防は、その施設及び人員を活用して、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、水火災又は地震等の災害を防除し、及びこれらの災害に因る被害を軽減することを以て、その任務とする。とあり、この消防力の基準、整備指針なのですが、これはこの施設としての消防庁舎、消防車両、消防水利等、人員について決めたものなのです。
つまり、消防力の基準というものは、市町村が適正な消防力を整備するにあたっての指針となるものであります。ですから、達成を目指す数値、達成を目指す目標ということではなくて、達成されていて当然の基準である、さらに地域の状況に合わせて上乗せをしていくような、そういうものではないのかなと思っています。特に地域における諸事情というあいまいな文言が今回入ってきまして、それをどういうふうに見ていくのかというのが相当大切になってくるのかなと思っています。
これは、消防職員の増員も含めて、消防だけではなくて市全体の問題になります。市の職員の管理の問題でもあるので、この消防職員の増員を年次計画で図るべきだと思うのですけれども、これは総務部の方にお聞かせいただきたいのですが、見解をお伺いいたします。
◎総務部長(梅津裕) お答えします。
厳しい経済情勢が続く中、自治体には簡素で効率的な行財政の運営が求められておりますことから、定員管理につきましては、今年度から平成22年度を計画期間とした第3次福島市定員適正化計画を策定し、事務事業の見直し、時代に即応した組織機構の見直し、公務能率の向上等を基本に削減に努めておるところであります。
消防職員につきましては、当計画において減員は見込んでおりません。現行の人員体制の維持に努めてまいりたいと考えております。
◆3番(土田聡) 消防職員については減らさない、現行のままというお話なのですけれども、果たしてそれでいいのかなというふうに思います。先ほど消防長から、創意工夫をしながら頑張っていくという答弁がなされましたが、創意工夫も限界があるわけです。やっぱり、人がいないとどうしようもない。これからAEDも配備されまして、講習会なんかも含めてやられます。機械力、今度の整備指針では、ポンプ車5人から4人でいいのだというふうになりましたけれども、実際に今動いている状態では、4人どころか3人で乗っているような状況のときもあります。非番の職員を招集してまで出なくてはならないときもあります。そういうことをどういうふうに考えているかということなのです。市民の安全、安心を考えるときにどうなのかなというふうに思っています。
ことし6月に、消防力の基準が改正されて整備指針になりました。この改正にあたっての消防庁次長通知で、消防力の整備指針は、市町村が消防力の整備を進めるにあたっての単なる目安というものではなく、各市町村は、この指針を整備目標として、地域の実情に即して具体的な整備に取り組むことが要請されるというふうな通知が出されています。具体的な整備ですから、この68%という数字が妥当性のあるものなのかどうかというものが問われてくるのかなというふうに思います。特に地域の実情というものがどういうふうに勘案されてくるのか。
この今回の改正を踏まえて、防災計画に基づいて消防計画の見直しが必要になってくるのです。そうすると、この地域の実情というものを具体的に明らかにしながら、本当に68%の充足率でいいのかということが具体的に求められてくると思います。いわゆる非常備消防の皆さんとどういうふうな連携をしながら、では68%で大丈夫なのか、そういう形になると思うのですが、いずれにしても、現行どおりということではなくて、やはり消防力の整備指針における基準というものは単なる目安ではない、これを達成して初めて最低限の消防力になるのだよという、そこをしっかりつかまえて消防職員の増員を図っていくべきだと思うのですが、改めて見解をお伺いします。
◎総務部長(梅津裕) お答えします。
今までも消防力の補強につきましては、それぞれの経過を踏まえながら増員を図ってきております。先ほど消防長の方からも話がございましたが、災害時における消防力の新たな諸課題、また社会情勢の変化などを常にとらえながら、また先ほどの整備指針を尊重しながら、全国的な比較とあわせながら、地域消防力について総合的に判断していくべきものと考えております。
今後とも、消防本部と常に体制等の諸課題について協議を進めながら、体制の維持、確保に努めてまいります。
◆3番(土田聡) 市長が常に述べられている安全、安心のまちづくりの一番重要なところだと思います。このまちづくりを実現する上でも、必要な予算措置をしながら消防力の強化に全力を注いでいってもらいたいなと、これを求めていきたいと思います。
次に、消防水利の問題ですが、充足率97.73%で87基が不足しているということですが、これからの整備計画をお聞かせください。
◎消防長(渡辺淳一) お答えをいたします。
消火栓及び防火水槽等の消防水利基準数は、平成15年度に策定した消防施設整備計画の中で3,849基が必要とされておりますが、平成17年4月1日現在の設置数は3,762基と、87基が不足しております。消防水利の全国平均は79.9%であり、本市の充足率につきましては97.73%であります。今後も、整備計画に基づき、平成22年度には充足率100%となるように整備に努めてまいります。
◆3番(土田聡) 先ほど申しました水、人、機械ということで、水利の問題も97.73%、機械力は100%ですけれども、人が圧倒的に不足しているという、その現状を重く見て、これからの対応を求めたいと思います。
これで消防の方を終わりまして、次の3番目の指定管理者制度についてお尋ねをいたします。
6月議会で、6施設の公募が決定されました。それぞれの応募状況をお聞かせいただきたいと思います。
◎総務部長(梅津裕) お答えします。
応募状況につきましては、6施設合計で15団体の申請があり、個別の施設に関しましては、ふくしまスカイパーク、腰の浜会館、立子山自然の家、草心苑にはそれぞれ2団体が、老人福祉センター、こぶし荘につきましてはそれぞれ3団体が申請をしております。
◆3番(土田聡) この15団体の業種というのですか、どのような事業者が応募しているかというのはおわかりになりますか。
◎総務部長(梅津裕) お答えします。
応募いただきました団体の業種等につきましては、それぞれの施設の事業に関連があるNPO、コンサルタント会社、社会福祉法人、各種団体など、また一般的な事業所等といたしましては、清掃請負会社、建物総合管理会社、人材派遣会社、各種販売会社等が応募しておる状況にあります。
◆3番(土田聡) 今まで自治体が直接行ってきた福祉の分野、そういう施設にNPO、各種コンサルタント会社とか各種団体、あとは一般の事業所、人材派遣会社、清掃、管理会社、あとビルメンテナンスの会社、そういう一般の会社も応募してきているという、その中でさまざま精査をしながら、指定管理者に指定をしていくわけなのですけれども、住民に対してサービスを提供する目的で設置されたもの、そういうものに利益を最優先する民間が参入するようなこの市場原理に基づいたものというのは、特に公共施設についてはなじまないものではないのかなと。今まで直接運営をしてきた施設が今のご答弁にあるような事業者になる、それで今までの住民サービスをどうやって担保していくのかなと思うのですが、そこの部分をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
◎農政部長(長谷川秀一) お答えをいたします。
指定管理者制度公募施設であるふくしまスカイパークにつきましては、指定を受けた団体と施設の管理に関する協定を締結することになりますので、協定の中でサービス内容について協議してまいりますが、指定管理者の業務の遂行状況や実績を確認するためのモニタリング、事業計画に基づき提供する業務の水準を確認するための実績評価をその都度行い、住民サービスを確保してまいります。
残りの答弁につきましては、他の部長から答弁をいたします。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
指定管理者制度公募施設である福島市老人福祉センター及び福島市身体障害者福祉センター腰の浜会館につきましては、現在、部指定管理者管理運営委員会で指定管理者の候補者を選定中であります。指定を受けた団体と施設の管理に関する協定を締結することとなりますが、協定の中でのサービス内容について協議してまいりますが、指定管理者の業務の遂行状況や実績を確認するためのモニタリング、事業計画に基づき提供する業務の水準を確認するための実績評価をその都度行い、住民サービスを確保してまいります。
残りの答弁につきましては、教育委員会から答弁いたします。
◎教育部長(山岸正行) お答えをいたします。
社会教育館、草心苑ともに、その業務基準に受付業務や提供すべきサービス、建物設備機器をはじめ、清掃業務や保安業務等について詳細に項目を設定し、月ごとの事業報告、年次ごとの事業計画等の提出を求めているところであり、また実施事業についても教育委員会の事前承認を得ることとしております。さらに、利用者モニタリングや自己評価の提出、教育委員会による実績評価の実施等によりサービスの保障は可能であり、加えて民間事業者が有するノウハウによる新しい事業展開や多面的なサービスの提供が期待されるものと考えております。
この質問に対する答弁は以上でございます。
◆3番(土田聡) ありがとうございました。
ちょっと時間がなくなってきたのですけれども、特に福祉施設などが一般事業者、民間会社も応募できるようになっていますが、福祉の分野という、こういうものは社会福祉法人に限るべきではないかと思うのですけれども、このことについて見解をお示しください。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
社会福祉事業は、その目的によって、社会福祉法など関係法令等により経営できる経営主体が特定されている福祉施設もありますので、指定管理者制度の趣旨に基づくとともに、関係法令等に基づきながら選定基準を定めております。
◆3番(土田聡) この住民へのサービスの提供ということで重要な問題というのが、指定管理者の職員の問題なのです。6施設、募集要項を見させていただきましたけれども、職員の雇用等に関することについては、人員の配置、勤務形態を施設の運営に支障がないように定めるとしか書いておりません。指定管理者制度になれば、当然その事業者の利益をどうやって生んでいくかということが事業者にとっては一番関心のあるところになりますし、そういうふうになれば、短期雇用者または派遣社員、いわゆる不安定雇用者がふえることも予想されます。というのは、利益を生むことと同時に、3年の事業が終わった段階で、さらに指定管理者として指定されるかどうかは保証がないわけですから、そのときに職員を正規職員で抱えていたのではなかなか大変だ、当然これは不安定雇用になってくる、パート化されてくるということが予想されます。
市長は、指定管理者制度で、住民サービスの向上を第一に考えていくという答弁をなされていますが、勤務形態によって住民サービスの質の低下を招かないか、ここをどうやって保障していくかというのが問題になってくると思います。どこで保障していくのでしょうか。
◎農政部長(長谷川秀一) お答えいたします。
ふくしまスカイパークにつきましては、ふくしまスカイパーク指定管理者募集要項及び仕様書で、資格取得者の配置と開場時間、閉場日の事務及び施設設備の維持管理について定めるとともに、指定管理者の業務の遂行状況や実績を確認するためのモニタリング、事業計画に基づき提供する業務の水準を確認するための実績評価をその都度行ってまいりますので、勤務形態によるサービス低下は起こらないものと考えております。
残りの答弁につきましては、他の部長等から答弁いたします。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
福島市老人福祉センター及び福島市身体障害者福祉センター腰の浜会館につきましては、指定管理者募集要項及び仕様書で、人員の配置と開館時間、閉館日の事務及び施設設備の維持管理について提示をしておりますこととあわせて、指定管理者の業務の遂行状況や実績を確認するためのモニタリング、事業計画に基づき提供する業務の水準を確認するための実績評価をその都度行ってまいりますので、勤務形態による低下は起こらないものと考えております。
残りの答弁につきましては、教育委員会から答弁いたします。
◎教育部長(山岸正行) お答えをいたします。
利用や施設運営に支障のない人員の配置や勤務形態につきましては、事業者との協定の交渉において十分に確認するとともに、モニタリング等により業務の遂行状況や実績の評価を実施することにより、サービス水準の低下を招くことのないように努めてまいりたいと考えております。
この質問に対する答弁は以上でございます。
◆3番(土田聡) 各施設とも協定の中身で担保していくのだというのですけれども、実際、ではどういうふうに担保していくかというのは私もまだ見えないところであります。住民サービスの低下を招かないようにモニタリングをしていくということなのですけれども、ここは相当協定の中で詰めた話をしていかないと、短期雇用者、しかも若年の短期雇用者にゆだねられてしまうというおそれがあるので、そこは改めて指摘をしておきたいと思います。
それで、指定管理者制度、施設の運営への利用者、住民の参加だとか、住民監査請求を含めた住民のチェック、改善の手続きが、法的にはこれは保障されていないわけであります。あと、お金の出し入れについての監査を行うことはできるのですが、業務そのものについての監査の対象にならないというふうにされています。先ほどのモニタリングの話もありますけれども、どのようにして適正、公平な運営の的確なチェックをしていくのか、ここをお伺いしたいと思います。
◎総務部長(梅津裕) お答えします。
各部等に設置する指定管理者管理運営委員会において、指定管理者に事業報告書の提出を求め、実地に調査することとあわせて、市民に対して直接調査を行い、適宜管理運営状況を把握することを業務として定めております。
具体的には、利用者に対するアンケート調査の実施、電子媒体を利用したご意見、ご要望、苦情等の集約、地域での集会等において管理運営状況に関する話し合いを持つことなど、施設に合った方法で利用者の声を反映させるよう努めてまいる考えであります。
なお、指定管理者の業務そのものにつきましても、協定書の中で具体的に取り決めをして実効性を確保することとし、それらの管理運営につきましては、利用者、住民から成る第三者機関を設置して、総合的に状況の把握、評価に当たっていただき、適正で公平な、透明性のある施設の管理運営をしてまいりたいと考えております。
◆3番(土田聡) 最後に文書等の管理についてお伺いしたいと思います。
募集要項では、管理に関する規程及び管理帳簿書類を作成して適切に保存するというふうにしか書いていないわけです。このままですと、各指定管理者がばらばらの対応になってしまうのではないかなと。これは市の文書取り扱い規程に準拠させていく必要があるのかなというふうに思うのですけれども、そういうふうには、情報公開がもちろん可能なようにしていくべきだと思うのですけれども、このようにしていくつもりはあるのかどうか、見解をお示しください。
◎総務部長(梅津裕) お答えします。
指定管理者制度の導入に伴い、指定管理者が管理する公の施設の情報公開を確保する必要があることから、今回、福島市情報公開条例の一部改正を行い、指定管理者に対しても市に準じた果たすべき責務を定めることといたしました。これにより、実施機関に対して開示請求があった場合には、実施機関が指定管理者に文書の提出を求めることが可能となり、具体的な内容等につきましては、今後締結する協定書の中に盛り込むことになります。
○副議長(高橋英夫) 以上で、土田聡議員の質問を終わります。
暫時休憩いたします。
午後0時06分 休 憩
─────────────────────────────────────────────
午後2時00分 再 開
○議長(佐藤真五) 休憩前に引き続き会議を開きます。
9番藤川淑子議員。
◆9番(藤川淑子) 私は、日本共産党市議団の一員といたしまして、4点にわたりまして一般質問をさせていただきます。
初めに、国民保護法と国民保護計画についてお伺いいたします。
一昨年成立した武力攻撃事態法に基づき、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律、国民保護法をはじめ米軍支援法、特定公共施設利用法など関連7法が制定され、戦時における民間人の保護を定めたジュネーブ2条約が国会承認されました。国民保護法は、地方自治体に国民保護計画を義務づけており、政府は、今年度中に都道府県での国民保護計画の策定、来年度中には市町村での同計画の策定を求めております。
ことしの3月に、政府は地方自治体の計画づくりを推進するために、「国民の保護に関する基本指針」を策定しました。その中で、国民保護措置の実施にあたって留意すべき事項を明らかにするためとして、着上陸侵攻の場合、ゲリラや特殊部隊による攻撃の場合、弾道ミサイル攻撃の場合、航空攻撃の場合など四つの類型を挙げております。外部からの万が一の侵攻があった場合や大規模災害のときに、政府や自治体が国民の保護に当たらなければならないのは当然のことですが、有事法制における国民保護計画は、災害救助における住民避難計画とは基本的に違うものになると思います。
そこで、お伺いいたします。有事と災害の国民保護、救援計画の相違点はどういったことでしょうか。
◎市民部長(山田義夫) お答えをいたします。
有事は、ミサイル、ゲリラ、テロなど外部からの武力攻撃によるものでありまして、他国との外交関係などに起因し、侵害排除は国の責任において行われ、武力攻撃災害への地方公共団体の対応は国の指示等に基づく対処が基本で、措置に要した費用は原則国が負担することとなっております。
災害は、地震あるいは台風など、主として自然による現象であり、各地域の気候、地形などにより災害状況に相違が生じ、都道府県、市町村など地方公共団体が対応することとなっております。
◆9番(藤川淑子) 費用の面での違いというお話でした。
まず、災害が発生している現場、すなわち地方が救援計画を主導するのに対しまして、有事法制になりますと、上からというか、国が計画を主導することになります。したがいまして、軍事行動が最優先されるということになるわけです。日本で軍事行動というときには、具体的には自衛隊と、そして米軍の行動、これを抜きにすることはできないわけであります。
米軍支援法は、行動関連措置という形で、米軍の行動を自治体が支援することを義務づけておりますが、協力要請に応じなかった場合の罰則はどのようになりますでしょうか。
◎市民部長(山田義夫) お答えをいたします。
米軍支援法につきましては、国民保護計画が、一つには住民の避難に関する措置、二つには救援に関する措置、三つには被害最小化のための措置を規定しているのに対し、武力攻撃の排除に関するものであり、国が第一義的に責任を負うこととなっております。したがいまして、地方公共団体の責務としての協力は努力事項であると認識しております。
◆9番(藤川淑子) 自治体や指定公共機関、つまりNTTとか東北電力とかJR、それからテレビとかラジオ局、そういうところで働く人たちも、米軍の行動への支援を義務づけ、協力ということも言われていましたが、実際には有事になりますと義務づけられるということになってまいります。
国民保護計画は、米軍や自衛隊との軍事作戦の必要に応じて、市民の自由と権利、これを制限するものになると、こういうことも心配になってくるわけでありますけれども、この点ではいかがでしょうか。
◎市民部長(山田義夫) お答えをいたします。
市町村における国民保護計画は、県の策定する国民保護計画に基づき策定するものでありまして、住民への協力要請内容としては、一つには避難住民の誘導、二つには避難住民などの救援、三つ目には消火、負傷者の搬送、被害者の救助、その他の武力攻撃災害への対処に関する措置、四つには保健衛生の確保などが挙げられます。
いずれにいたしましても、国民の生命、身体と財産を保護することを目的とする法の趣旨を十分踏まえ、計画づくりに反映してまいります。
◆9番(藤川淑子) 先ほど避難ですね、そこを十分やっていくということなのですけれども、そもそも国民保護法の場合は大きく異なるというところを認識しておく必要があると思います。地方自治法の精神に立って、今おっしゃったような住民の安全や権利を守る、そのことを優先にした保護計画をつくる努力が私は必要だと思うところであります。この点ではどうでしょうか。
◎市民部長(山田義夫) お答えをいたします。
国民保護計画の策定にあたりましては、日本国憲法の保障する基本的人権が尊重されなければならないのは当然であります。
また、あくまでも、武力攻撃を受けた場合や大規模テロが発生した場合に、住民の生命、身体及び財産を保護し、武力攻撃に伴う被害を最小限にすることができるよう、法の趣旨を踏まえ、県の保護計画との整合性の確保を図りながら計画づくりに努めてまいります。
◆9番(藤川淑子) 国民保護法にも罰則措置、これが導入されております。物資の保管命令違反など限定した罰則措置ですけれども、有事の際にはこれが拡大されると。そうしますと、ただいま部長の答弁にありましたように、憲法で保障されている国民の権利、これが制約をされてくるという心配というのはやっぱり残るわけです。それですので、そういうことを踏まえた上での自治体の努力、これがどこまで努力できるのかというのは非常に難しい側面もあろうかと思いますが、自治体の努力が本当に必要な点だと思います。
これまでの歴史を振り返ってみますと、有事の際には軍事行動を最優先をいたしますので、住民保護は、軍事行動の円滑な実行を図るためのものという形になってきました。国民保護法が米軍支援法と密接な関連も持っている点からも、アメリカの戦争に地方自治体や公共機関、そしてそこで働いていらっしゃる労働者を動員する計画という性格も私は見えてくると思うわけであります。その点での見解をお聞かせください。
◎市民部長(山田義夫) お答えをいたします。
国民保護法は、国民保護の分野について必要な規定をするための法律でございまして、あくまでも、武力攻撃事態等に至ったときにいかにして国民を保護するかということに、この法律の目的は尽きているものと認識をいたしております。
◆9番(藤川淑子) 認識が甘いというふうに思うところでもありますが、来年には本市も国民保護計画の作成を迫られるわけであります。今政府が求めている国民保護計画は、災害救助における住民避難計画のようなものと思われがちなのですけれども、自治体に課せられるものというのは、その範囲のものでは決してない、全く異なるものだということをしっかりと認識する必要があると思います。
先ほど来言われておりますように、自治体の役割はご承知のように住民の生命と財産を守ることに尽きるわけでありますので、市民の生命や財産、そして避難、これを最優先させる立場での知恵と工夫、これを尽くすことを求めまして、次の質問に移らせていただきます。
次は、戦争遺跡の保存と公開についてお伺いいたします。
アジア・太平洋戦争から60年が過ぎました。戦争しないことを世界に約束した日本国憲法を変えようとする動きが強まっております。こんなときだからこそ、過去の戦争から真摯に学ぶことが大切です。戦争しないということがどんなにすばらしいことなのか、戦争の恐ろしさをきちんと伝えることで培われると思うところです。過去の戦争がなぜ起きたのか、国民がどのように巻き込まれ、内外の人々がどんな被害を受け苦しんだのか、次世代に正確に伝承することで、平和を守る精神が培われます。体験者が高齢化している今日、当時のことを伝える物証や戦争遺跡の保存と活用がますます重要になっていると思います。
そこで、お伺いいたします。戦跡と物証について、まず初めにお伺いいたします。
福島市内には、多くの戦争遺跡や物証があります。中でもノートルダム福島修道院跡は、歴史的建造物として秀逸で、ヘレン・ケラー氏が宿泊したことでも知られておりますが、戦時中には拿捕された外国船籍の艦船に乗っていた民間外国人の抑留所とされておりました。141人が収容されておりました。また、信夫山の地下には、旧中島飛行機の地下軍事工場跡がいまだに封印をされております。さらに、渡利地区には長崎型原爆の模擬爆弾が投下され、瑞竜寺に爆弾の破片が保管をされております。これらは全国的にも貴重な戦争遺跡や物証であると考えますが、市としてはこれらについてどのような認識をお持ちでしょうか。
◎教育長(佐藤晃暢) お答えをいたします。
ノートルダム福島修道院跡、旧中島飛行機の地下軍事工場跡等につきましては、本市の近現代史を考える上で重要な歴史的遺産の一つであると認識をいたしております。
◆9番(藤川淑子) 私も大変貴重だと思います。
具体的な質問に入ります。渡利に投下された模擬原爆について、初めにお伺いします。
これらの歴史的に大変貴重な遺跡や物証について、多くの市民はその存在を知る機会も余りなく、戦後60年の歳月の中に埋もれてしまっておりまして、残念な思いがいたします。渡利地区に投下されました模擬原爆は、1945年7月20日の朝投下をされたわけですが、長崎型原爆と同じ重さで、同じ形で、原爆と同様の弾道特性を持つ、TNT火薬が充てんされた爆弾です。B29によって、原爆と同じ投下方法で落とされました。
同じ日に、郡山市、長岡市、富山市にも投下をされておりまして、新潟市への原爆投下のリハーサルであったとする説が有力視されております。模擬原爆は、7月26日にいわき市にも投下されており、敗戦の前日までに全国に50発投下、1発は海上投棄されました。
渡利に落とされた模擬原爆は、リハーサルの第1発目であり、いわば世界初の模擬原爆であります。日本最北の模擬原爆投下地でもありました。この爆弾によりまして、農作業中の16歳の青年が死亡し、破片による火災や負傷者も出したところであります。投下地点は、渡利の沼ノ町、旧四反田で、現地には当時を想起できるものは一切ありません。投下地点付近に歴史がわかるような碑及び説明板などを設置し、この史実を広く伝承すべきと考えますが、いかがでしょうか。
◎教育長(佐藤晃暢) お答えをいたします。
模擬爆弾投下地点の碑あるいは説明板等の設置につきましては、戦争にまつわる場所として広く史実を伝承することも大切であることから、地域の歴史保存会の皆様などの意見を十分聞きながら検討してまいりたいと考えております。
◆9番(藤川淑子) できるだけ早急に検討して、実現をしていただきたいと思います。
大阪市の住吉区で、碑を建てている実例もあります。これは28発目の模擬原爆ということであります。地元の皆さんと、そこの土地の問題もあろうかと思いますので、具体化を急ぐべきだと思います。
瑞竜寺に保存されております模擬原爆の破片ですが、個人所有の柱時計で、模擬原爆投下の時刻に爆弾の影響でとまってしまった柱時計がございますけれども、これも貴重なものだと思います。借り受けまして、ふれあい歴史館で広く市民に紹介するイベントなどを計画してはいかがでしょうか。
◎教育長(佐藤晃暢) お答えをいたします。
渡利に投下されました爆弾の破片等の展示につきましては、ふれあい歴史館で本年7月より開催いたしております昭和の福島展に、市が保管する爆弾の一部について展示するとともに、当時の写真をパネル板にするなどして展示し、広く市民の方々にも紹介をしておるところでございます。
なお、模擬爆弾投下時刻でとまった柱時計の展示につきましては、今後開催いたします企画展の中で検討してまいりたいと考えております。
◆9番(藤川淑子) よろしくお願いいたします。
次に、信夫山の地下工場跡についてお伺いいたします。
信夫山の地下工場跡については、昨年の議会におきまして整備と一般公開を提案したところですけれども、この質問の後、市内の歴史研究者をはじめ有識者の方々から、行政として整備、公開を早期に求めるという声が寄せられているところでもあります。市民グループの皆さんがことし開催されました平和のための戦争展では、信夫山地下軍事工場跡のジオラマ模型が市民の皆さんの手によって作成され、展示をされるとか、多くの市民の関心を集めております。寄せられた感想文にも、行政による一般公開を求める意見が多々あったということを聞いております。次世代に伝承するためにも、整備、公開して歴史教育に生かしていくことが求められると思います。当時の姿で残っているものは、教育的にも価値があります。実際に触れることができて、具体的な歴史教材となります。
千葉県の館山市では、教育委員会が、戦時中の海軍の航空隊の地下壕跡、これを独自調査、安全対策を施して公開した上で歴史教育にも活用するという、そういう実践が展開をされております。地下壕跡は、小中学生の総合学習に活用されて、一般公開では全国から見学者が訪れているということであります。整備、公開して歴史教育に生かしていく観点での所見をお聞かせください。
◎教育長(佐藤晃暢) お答えいたします。
一般公開につきましては、工場跡地が民有地であることや、公開にあたり安全性を確保するための施設整備などの問題がございますので、当面はこの事実を、小中学生対象に総合学習の教材として本市で刊行いたしておりますふくしまの歴史の近現代編への掲載の内容を通じて、できる限り機会を設けながら歴史教育に生かしてまいりたいと考えております。
◆9番(藤川淑子) 信夫山は、市内の中心に位置しております。数々の史跡が点在しておりまして、歴史観光スポットでもあることから、この地下工場跡を公開すれば、これまで以上の経済効果、期待できると考えるところです。経済効果についての所見をお聞かせください。
◎商工観光部長(橋精一) お答えいたします。
信夫山は、福島盆地の中央に位置し、山岳信仰の歴史と伝説のある本市のシンボル的な山として、市民の皆さんに親しまれています。
なお、信夫山の地下工場跡地を整備、公開することにつきましては、現時点では、都市計画上の問題、さらに民有地であることや安全性の面から多くの問題がありますことから、信夫山の他の歴史的資源とあわせて、本市で刊行しているふくしまの歴史への掲載などの面で活用してまいりたいと思います。
◆9番(藤川淑子) 経済効果があるわけです。長野県の松代大本営、ここは年間9万から10万人の方々が見学に訪れていらっしゃいます。それから、千葉県の先ほど紹介いたしました館山市の地下壕、これは昨年公開したばかりですけれども、2万人の皆さんが見学に訪れていらっしゃるということであります。
そして、福島の、先ほどのふくしまの歴史の中にももう少し詳しい記述を載せるということも紹介がありましたけれども、そういうことでも市民の関心は高まりますし、手元にあります信夫山散策マップ歴史探訪編、これは市民団体がつくりましたものですけれども、こちらの最新版にも紹介がされるということにもなってきているところであります。
民有地であるというお話だったのですけれども、こういったところはおおむねどこも民有地なのです。民有地だからこそ、行政が借り受けて整備するなり、そういう段取りを踏んで公開をしていくということでありまして、私は、何も特別難しい条件ではないと考えております。市として整備をして公開をするのだという方針を持つことが大切であると思いますので、そこのところの見解をもう一度お聞かせください。
◎商工観光部長(橋精一) 信夫山の地下工場跡地を整備、公開することにつきましては、現時点では、都市計画上の風致地区の問題とか、さらに民有地であることや、安全性の面からもやはり多くの問題があるということを考えまして、信夫山の他の歴史資源とあわせて、本市で刊行しているふくしまの歴史への掲載などの面で活用してまいりたいと考えております。
◆9番(藤川淑子) 同じ答弁の繰り返しなのです。前回のときもそうでした。
私は、ことし二つの戦争展に足を運びました。一つは本市が主催する戦争展、もう一つは市民団体が主催する戦争展、どちらも福島の戦争、また原爆の実相ということで、大変貴重な取り組みだったと思います。その戦争展を主催された方のお話の中に、戦後60年たってしまって、年々戦争体験者がご逝去されていると、個人所有の遺品や資料というのが行方不明になる、散逸するということで、年々開催はしているのだけれども、そういったものをきちんと一体的に保存する場所がないということで、不安を語られていらっしゃいました。
個人や民間での保存というのは限界がありますので、史跡についてはきちんと行政で公開もしていく、そして資料や物証について、こういうものも今のうちに借り受けたり、もらい受けたりして保存をしていくという方針を持つことが大事だと思います。行く行くは戦争資料館などもつくって、保存、公開していくと、そういう政策に発展をさせていくのが望ましいのではないかと思うところです。このことも提案をいたしまして、戦跡マップについてお話を進めたいと思います。
一つ一つの戦争遺跡や物証などについて、それをそれぞれ一つ一つ保存する努力とともに、私は、一体的に伝承していく、そのことも行政の大きな責任だと思うところです。
それで、ご紹介したいのが、このパネルなのですけれども、これは市民団体の皆さんがつくられたものなのです。片面しかありませんけれども、福島市の戦跡ということで、主立った戦跡が20ほどずらっと紹介をされています。そして、これは福島市の地図です。地図にそれを一つ一つ、番号で落としていったものになります。傍聴の方にも見えるように、反対を向けます。こういう形になっているわけです。
これは、一つ一つ説明をしますと大変長くなりますけれども、今話に出てこなかった中に荒井小学校の青い目の人形、こういうのもこの中に入っています。青い目の人形は、戦前に日米友好のために各小学校に贈られて、それが戦時中は敵がい心をあおるために、子どもの前で火あぶりにされたと、こういうお人形です。福島では、第三小学校と荒井小学校で、女の先生の努力によってこのお人形が守られて、今荒井小学校にあります。全国でも200体しか残っていないという、大変貴重なものでもあります。
こういうものを一体的に紹介するマップ、これを本市でつくってはどうかなということなのですが、戦跡マップの作成についての所見をお聞かせください。
◎教育長(佐藤晃暢) お答えをいたします。
戦跡マップにつきましては、戦争関連史跡を伝承する取り組みとして有効なものと考えております。本年度は指定文化財のマップ作成事業を予定しておりますが、指定以外の文化財とのバランスを考慮しますと、今回戦跡を取り込むことは困難でございます。当面は、ふれあい歴史館における展示等によって伝承してまいりたいと考えております。
なお、平成18年度以降につきましては、指定以外の文化財を含めた地域ごとのマップ作成について検討してまいりたいと、そう考えております。
◆9番(藤川淑子) 市民団体の皆さんのサイドで、相当いろいろな取り組みがなされています。こういうことを行政で励ましていく、そういう政策が大事だと思います。そのことも申し述べまして、次の質問に移りたいと思います。
アスベスト対策についてお伺いいたします。
6月以降、アスベスト製品を製造していたメーカーのクボタ、ニチアスなどから、製造工場労働者や周辺住民に肺がんや悪性中皮腫による死亡例など、深刻な健康被害が出ている実態が報告され、社会問題となっております。
もともとアスベスト問題は、早くからがんとの関係が知られており、1960年のじん肺法、1968年の大気汚染防止法、1972年の特定化学物質等障害予防規則の中で、甘い基準ながらも対策が必要とされていました。ILOでアスベストによる職業がんが公認されたのも1972年であり、アスベストの被害はずっと以前から指摘されておりました。これまでにも、被害者とその家族や医療関係者などによる対策と補償を求める運動が取り組まれており、我が党の国会議員団は、30年以上前からこの問題を国政の重要課題として取り組んできた経過があります。
この間、急にアスベスト問題が出てきたように見えるのは、背景の一つにILO第162号条約、石綿の使用における安全に関する条約、1986年採択の1989年発効です。これの国内批准について、国会審議が行われることとなった情勢の変化があります。これまで政府は、アスベスト使用禁止の国内法の整備を怠り、国際条約ができてから19年も批准してこなかったわけですが、今般の国会審議を前に、クボタやニチアスなどが従来の秘密主義のベールを脱ぎ、使用状況や健康被害状況について公表する方向に転換したわけです。
アスベストの被害実態は、日々新しい状況が報じられております。非常に広範囲であることが明らかとなっております。ヨーロッパ諸国では、1980年代に相次いで全面禁止とし、アメリカでも1989年から生産と輸入を規制しました。日本は、1970年代から1990年代にかけて輸入がピークとなり、1995年にやっと青色と茶色の石綿を製造禁止にしましたが、回収をしておりません。アスベスト製品の製造を原則禁止にしたのは昨年のことです。現在も、代替品のないものは2008年まで製造可能とし、在庫のアスベスト建材などは販売を認め、被害を拡大する政策をとり続けております。
政府によりますアスベスト製品の製造、使用全面禁止と在庫の回収、被害防止対策、こういう対策が必要と考えますが、国の責任についてどのような所見をお持ちでしょうか。
◎市長(瀬戸孝則) お答えいたします。
アスベスト対策については、国は石綿障害予防規則をことし7月に施行し、健康障害防止対策を図り、また建築物の所有者、管理者にも一定の措置を求め、アスベストによる障害予防について具体的な対策が動き出しているところでございます。
同時に、国においては、アスベストに関する健康被害調査、使用実態調査等を行い、実態の把握に努めており、また国の過去の対応についても、関係省庁において検証作業が進められておるところであります。
市といたしましては、国の実態調査及び検証の経過と今後の対策を見守りながら、市民の不安解消に努めてまいりたいと思っております。
◆9番(藤川淑子) アスベスト対策は、政府の責任で実施すべきものだと私は思います。市の各種対策に係る費用については、当然政府に求めていくべきものと思いますが、その点ではいかがでしょうか。
◎市長(瀬戸孝則) この問題につきましては、去る9月7日に県市長会におきまして、国に対しアスベスト対策について財政的支援も含めた緊急要望を行ったところであります。今後も引き続きまして、県及び全国市長会を通じて要望してまいりたいと考えております。
◆9番(藤川淑子) 建設関係労働者や健康被害について不安を持つ市民がアスベスト検診を希望するときは、公費で検診が受けられるようにすべきだと思いますが、本市の対策についてはいかがでしょうか。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
国では、専門病院でアスベスト健康診断を無料で受けることができる制度がございます。これは、建築関係労働者など、過去に石綿を取り扱う作業に従事し、一定の所見が認められる場合、健康管理手帳の申請を行い、無料で検診を受けることができるものであります。
本市では、一般市民の健康被害と業務に関する健康被害とに分けて相談窓口を設置し、相談や問い合わせに応じておりますが、健康被害について不安を持つ一般市民に対しましては、アスベストの特殊健診、診断、治療の可能な労災病院等を紹介するなどの情報提供を行っております。
一般市民の公費検診につきましては、現時点では考えておりませんが、国の動向を注視してまいる考えであります。
◆9番(藤川淑子) 今、不安を持っていらっしゃる方は、むしろ一般の市民の皆さんの方なのではないかなと思います。そういう面では、これも早急に検討する必要があると思います。
それから、本市の公共施設について調査されておりますが、アスベスト使用の施設名と対策をお聞かせください。
◎環境部長心得(尾形一幸) お答えいたします。
アスベスト使用施設につきましては、本庁舎において倉庫2施設、分庁舎はオイルタンク室と旧中合倉庫の2施設、中央卸売市場の壁面の一部、あぶくまクリーンセンターの旧破砕室、水道局渡利浄水場のポンプ室と電気室、清水水源ポンプ所の発電機室の合わせて9施設となっております。また、教育委員会所管分といたしまして、小学校3施設、給食センター1施設、幼稚園1施設の5施設となっております。
対策についてでございますが、教育委員会所管分の5施設につきましては、児童の安全の確保と施設の運用を踏まえ、夏休み終了時までにすべての撤去工事が完了しております。市所管の9施設につきましては、おおむね吹きつけ材が下地に固着しており、飛散のおそれはありませんが、含有率が低く、予防規則対象から除外されている倉庫1施設と、現在閉鎖施設となっている旧破砕室を除く7施設におきまして、恒久的な対策検討のため、アスベストの室内濃度調査について4施設において調査中であり、3施設が調査を予定しておるところでございます。
なお、調査中の4施設のうち、旧中合倉庫と中央卸売市場につきましては、速報によりますとアスベストの飛散はないということでございます。今後は、この調査結果を踏まえ、早急に対策を実施してまいります。
◆9番(藤川淑子) 先ほど公共施設について調査された中に、アスベスト含有率が1%以上のものと1%未満のもの、あったかと思いますが、1%未満についての除去工事についての基準はどうなっていますでしょうか。
◎環境部長心得(尾形一幸) お答えいたします。
ことし7月に施行されました石綿障害予防規則におきまして、石綿の含有量が重量で1%以下の製品を取り扱うときには、同規則の対象外となっております。
ただし、同規則で除外された事項でありましても、粉じんを発生させるような作業におきましては、粉じん障害予防規則の規定を受ける場合がありますので、解体工事等の場合は、関係法令を遵守しながら適正な処理が必要でございます。
◆9番(藤川淑子) アスベストの含有率が1%未満についての取り扱いの際というのは、基準が結局ないということなのです。ないものについても、本市では除去工事を図られたということでありますので、その点は当然のことと思うわけです。しかしながら、そのときの基準がないということですから、作業についてどういうふうになっていっているのか、実際はわからないという問題はやっぱり依然残されたままではないかなと思います。
そのことは指摘をしておきまして、国の方でも、アスベスト製品というのをどこまでを言うのかというのは、今これから論議が進んでいこうというところにもなっております。わずかでも吸い込むと、がんとか中皮腫という心配があるというものでありますので、解体工事のときにどういう心配が起こってくるのかというのは、実は本当にだれもわからない、そういう代物ではないかということでありまして、いかに政府の方針がまずかったか、政策が大企業中心のものであったのかということのあらわれであると思います。
5番の細目は割愛をいたします。
6番目の細目に入ります。アスベスト製品廃棄の際、2次被害が発生しないよう細心の注意が必要ですが、廃棄方法はどうなっていますでしょうか。
◎都市政策部長(落合省) お答えいたします。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律により、収集、運搬及び処分の方法が定められており、撤去方法につきましては、本年7月1日施行の石綿障害予防規則が施行され、福島労働基準監督署が指導に当たっているところであります。
また、収集、運搬につきましては、県知事の許可を受けた特別管理産業廃棄物収集運搬業者が行い、処分につきましても、知事の許可を受けた特別管理産業廃棄物処分業者において適正に処分することになっております。
◆9番(藤川淑子) 民間の福祉施設や中小企業、個人住宅へのアスベスト使用の調査、それから除去工事、これに対します支援策が必要だと考えます。融資のあっせんや利子補給などの対策または助成、こういう考えでの対策、必要と思いますけれども、この点ではいかがでしょうか。
◎都市政策部長(落合省) お答えいたします。
個人住宅を含めた民間施設で使用されているアスベストの有無や含有率の調査は、被害を最小限に抑えるためには必要であると考えておりますが、調査や撤去及び処分等への支援策につきましては、国の方針や他市の動向を見きわめながら検討してまいりたいと考えております。
◆9番(藤川淑子) 国の対策、これを待ってということなのですけれども、国の方が法体系をつくるのが来年の国会という運びになっております。今、国の方で具体化されておりますのは、アスベストの代替製品を開発する費用を企業に対して支援をすると、こういうことだけは早いわけです。
ところが、一般の個人住宅あるいは民間の施設、そういったものに対しての対策というのは何も出ていないということでありまして、私はここのところは独自対策が必要と思います。民間施設や個人住宅へのアスベスト対策で独自対策を既にとった自治体、全国にもあるのではないかと思うのですが、こういう事例の調査等はされていらっしゃいますでしょうか。
◎都市政策部長(落合省) お答えいたします。
私どもの調査の中で知る限りは、東京都の中で5区、区で申し上げますと、渋谷、品川、足立、中央、新宿区の5区でございます。それから、神奈川県の座間市、6都市が独自に支援措置をとっているという、私どもの調査ではわかってございます。
◆9番(藤川淑子) その東京5区、お調べになったのはどのような対策でしょうか。
◎都市政策部長(落合省) お答えいたします。
東京都の5区は、個人の住宅あるいは中小企業者を対象にしているのが主立ったものでございまして、座間市につきましては中小企業者の除去工事、これは借り入れる利子の一部の補助というふうに調査ではわかってございます。
◆9番(藤川淑子) 融資あっせんとか利子補給、そういう形が中心の対策だと思います。あとは、大規模な製品の工場を抱えている自治体では、住民の皆さんの健康面での支援というのも聞き及んでいるところでもありますが、やはりこの独自対策が私は必要だと思いますので、せっかくその調査いただいた中身で具体的な展開をすべきだと思います。そのことを申し述べまして、次の質問に移ります。
認可保育所の運営等についてお伺いいたします。
全国の保育所入所待機児童数は、2001年に3万5,000人だったものが、昨年は4万2,000人にふえています。小泉首相が待機児童ゼロ作戦を発表してから、7,000人もふえています。定員基準の緩和による詰め込み保育で、子どもが重なり合うように寝ているとか、ストレスでかみつく子がふえているなど、現場の実態が寄せられています。待機児童や詰め込み保育の解決には、必要な予算を確保し、保育所の新増設と保育士の配置が必要です。
しかし、小泉首相の待機児ゼロ作戦は全く違う方向でした。作戦の頭に、最少のコストで、これを掲げて、昨年から公立保育所運営費の一般財源化を強行し、国の責任を後退させました。交付税削減の中、全国の4割近くの自治体で保育予算を減額せざるを得ない状況に追い込まれました。このため、各地で保育所の整備計画が後退し、親にも子どもにも痛みを与えることとなっております。
本市においても、今年度の保育所建設予定法人に対する国庫補助の内示がおりず、建設計画が暗礁に乗り上げるという事態が起きてしまいました。この件では、市の素早い対応で整備補助額を予算化し、施設整備が当初の計画どおり進むこととなりました。当局の適切な対応を評価したいと思います。
そこで、お伺いいたします。認可保育所の一時保育など従来の特別保育事業について、国の基準額の見直し等が行われたことによって、各認可保育所にどのような影響が出ているのか把握していらっしゃいますでしょうか。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
本年度から従来の児童福祉関連補助金が再編、整理されることに伴い、従前の事業からの円滑な移行、補助金の適正な執行を図るため、各保育所に対し、保育事業の国庫補助申請に係る意向調査を実施し、これをもとに県と事前協議を行いました。
しかしながら、この事前協議に対し、現時点で国、県からは補助内容等に係る決定通知が示されておりませんので、国、県に早期に回答を強く要請し、各保育所の不安解消に努めてまいりたいと考えております。
◆9番(藤川淑子) 8月3日に、文教福祉常任委員と認可保育所の代表との懇談の場がありました。認可保育所の運営状況について懇談をさせていただいたわけでありますが、認可保育所の代表の皆さんたちはこの場で、補助金が実質大幅削減となって、厳しい経営状況であるということを口々に訴えていらっしゃいました。
一例ですけれども、ある保育所では、一時保育を年間延べ3,000人程度受け入れていらっしゃいます。540万円の従来の補助金、これを受けていたわけですが、この補助額が組み替え見直しされることによりまして、130万円に削減をされるということで真っ青になっているということです。
一時保育は、増加する育児ノイローゼや、それから幼児虐待など、そういう本当に子育ての困難さの防波堤としての役割というのを一方では担っております。また、通常保育所になかなか預けることができない障害児保育、その受け皿に実際にはなっていたり、それからお母さんの就労準備期の支えとなっていたりと、非常に多様な子育てのニーズを満たす、そういう役割を果たしております。認可保育所は、その中心的な役割を果たしているのではないかと私は思うところです。
本市は、新エンゼルプランで従来の特別保育を推進する計画を持っていますけれども、特別保育が子育てに果たす役割についてはどのような所見をお持ちでしょうか。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
特別保育事業は、女性就労者の増大や就労形態の多様化などに伴う子育ての不安や負担感を緩和し、仕事と子育ての両立を支援するとともに、安心して子育てができるような環境整備の総合的な推進に資するものであり、今後とも充実してまいりたいと考えております。
◆9番(藤川淑子) 特別保育の中で、今回は一時保育の部門がかなり削減が激しいわけですが、一時保育についての役割についてはどんな認識をお持ちでしょうか。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
国の補助の内容を見てまいりますと、一時保育に対する補助が、従来は一時保育の児童数の実績に応じて補助制度がございましたが、それを1カ所当たりの同一単価でもって補助するというような内容となってございます。そういたしまして、大きな補助金の減を生ずる保育所が出てまいりますことは事実でございました。
そういたしまして、一時保育に対する考え方でございますが、議員さんご指摘のとおり、一時保育は子育ての一時的な支援でございまして、社会的な理由によっての一時保育もできますし、お母さんたちの健康状態が悪いということで一時的にお預かりすること等々もございまして、育児支援の関係では大きな役割を果たしていると認識をしております。
◆9番(藤川淑子) 従来の特別保育の多くは、一時保育も含めましてですが、認可保育所が担っているという現状が本市にはあります。小泉構造改革による今回のこうした補助金、補助額の見直し、また交付金化、それぞれですけれども、こういうものによりまして、認可保育所が特別保育の実施ができなくなる心配が大いにあるわけであります。
認可保育所の補助額を市として保障すべきと考えますが、この点ではいかがでしょうか。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
子育て支援に特別保育の果たす役割は十分に認識しておりますことから、国、県の動向並びに他市の状況等も調査し、対応策を検討してまいりたいと考えております。
◆9番(藤川淑子) 検討するという回答なのですけれども、認可保育園では従来の補助額が確保されなければやっていけない、こう述べているわけです。やっていこうとすればどうなるか、それは市民の方への負担増にならざるを得ないわけであります。子どもに対する経費等について、私は、動向を見たり検討したりというよりは、独自に判断をかけていく、その姿勢が大事だと思います。
こんな話があるのですけれども、OECDが発表しております「人生の始まりを力強く、乳幼児の教育と保育」と題する調査報告というのがあります。そこでは、生後早い時期にいい環境、いい保育、教育を与えることは、その社会全体にとって大きなプラスになるということを述べています。こういうことをもとに、ヨーロッパでは、標準、スタンダードなやり方として、生まれてから2年間の保育というのは、親の経済状況にかかわらず無償にすると、無償で質の高い保育を受ける機会を公平に与えると、そのことがひいてはその社会にプラスになると、こういう考え方なわけであります。私は非常に文化水準の高さを感じるわけであります。
福島市も、新設の保育所の整備補助金、これにつきましては英断もなされたところであります。特別保育の今回の見直しについても、従来どおりの額を市として保障すべきと考えますので、再度見解をお願いいたします。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
特別保育事業に対します国、県からの事前協議に基づく、その決定の内容がまだ明らかになっておりませんので、この内容の決定を受け、ただいま答弁させてもらいましたように、他市の状況等も調査しながら早急に検討してまいります。
◆9番(藤川淑子) 一時保育ができなくなりますと、本当に困るのです。お母さんたちも困ります。あと、保育所も困るわけであります。結局、小泉構造改革というのは、実際はこういうことなわけであります。子どもも泣かすし、お母さんも泣かすし、保育所も泣かすと、こういうひどさから、市内の子どもを守るための独自対策、財政面で思い切った対策が必要だと思いますので、再度求めます。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
一時保育につきましては、国、県の方針が明確に定まっておりませんでございましたけれども、従来の一時保育の水準を保って保育をしていただきたいということを各保育所には要請をしております。
◆9番(藤川淑子) 裏づけなく、水準だけ保てというのは、それはあんまりひどいやり方なのではないでしょうか。それは本当にひどいことだと思います。財政的支援をきちんと、金額的にもこれは大した金額ではないと思いますので、ご英断を求めまして、私の質問を終わらせていただきます。
○議長(佐藤真五) 以上で、藤川淑子議員の質問を終わります。
暫時休憩いたします。
午後3時00分 休 憩
─────────────────────────────────────────────
午後3時10分 再 開
○議長(佐藤真五) 休憩前に引き続き会議を開きます。
25番丹治仁志議員。
◆25番(丹治仁志) 前の議員の方が戦争についていろいろお話がありましたが、戦後60年、日本の国は平和で、おかげさまで過ごさせてもらっておりますが、なぜ戦いが起きるのかと、今の時代は領土征服欲というのは余りないのでしょう。
そうしたときに、戦いがなぜ起こるかというと、我慢できなくなってしまった方がやってしまうという、人間どこまで我慢できるかというふうなことではないかなと。なぜ戦いがなくならないかというと、我慢できないから、戦いは常にどこかでやっているというふうなことではないかなと思うので、そんなことにならないように、これからの日本はじっと、いかなることがあっても我慢をしていかなくてはならないのかなというふうに思います。日本国も福島市も、これから何を目標として、どこへ進みますかと。
戦後60年を迎えました。日本国は、どういう国、どういう社会を次の世代に引き継いでいくか、考えずにはいられなくなりました。豊かになった。便利になった。2人に1人が大学へ進学する、夢のような社会が実現しました。
では、幸せになったのでしょうか。みんなが貧しかった、戦後すぐのあの時代に比べて、我々は幸せになったと言えるのだろうか。すり切れた4畳半の畳、丸いちゃぶ台、天井から下がる裸電球。おかずらしいおかずはなかったが、かいがいしく働く母親の姿と、大黒柱としての父親の存在があった。汗水流して働けば、きっといつかは幸せになれると、大人も子どもも信じて生きてきた。
豊かさを追い求めて、敗戦国から有数の経済大国にまではい上がってきた。振り返ってみたら、豊かになること以外に、生きがいも生きる目標も持っていなかった。すべてに満ち足りた環境で育った子どもたちは、砂漠で知るわずかな水のありがたさを知らずに大人になった。分け与えられた喜びを知らない人間は、人に分け与えようとしない。思い切り抱き締められたことのない子どもは、成人しても人を正しく愛することができない。
同じことが、社会や国のレベルでも起きた。摩擦を避ける余り、あいまいさとなし崩しで重要な国の意思決定が行われてきた。黒を白と言いくるめるがごとき手法で、戦後60年、気がついてみたら随分遠くまで歩いてきたものであると。仕方がないさ、時代だものとつぶやくだけで、本来必要な深い議論は行われなかった。これから我々はどこへ向かって歩き出しますかとの田勢康弘さんの考えに共鳴を覚えるものであります。
市長に伺います。1期4年を終えようとしています。これから福島市はどこへ向かって歩き出しますかと問いかける前に、平成13年12月議会において、市長が表明された幾つかの所信について振り返り、お伺いをします。
まず、市政執行にあたって、公平・公正、公開・参画、簡素・効率の基本姿勢を貫くことはできましたか、お聞かせください。
◎市長(瀬戸孝則) お答えいたします。
私は、市長就任以来、市民の信頼と期待にこたえるために、市政執行にあたりましては、公平・公正、公開・参画、簡素・効率、分権・自立を基本姿勢としまして、若者が喜んで帰ってくるまち、お年寄りがいきいき暮らすまちの実現に向け、市議会との連携のもと、29万市民の限りない生活福祉の向上を目指し、市政執行に努めてまいりました。
この基本姿勢の中で、公平・公正は市民と行政の関係において最も基本となる姿勢でありまして、市民と行政の信頼関係を構築するために、市民サービスの向上や職員の意識改革に取り組んでまいりました。
また、公開・参画を推進するため、市民との協働を市政の柱として各種施策を実施しておりますが、地域住民みずから施策事業の箇所づけや優先順位をつける安全安心なまちづくり生活基盤整備事業で見られるように、行政主導の参加型から、一定の役割と責任を分担する協働型へと深化しているものと考えております。
低迷する社会経済情勢による市税収入の減少など、厳しい財政状況ではありましたが、大規模事業の見直しや市債残高の抑制に努め、効果的な行財政の確立や将来にわたる財政の健全性確保に取り組んだほか、指定管理者制度や民間委託を推進するとともに、福島市行政改革大綱による行財政改革を積極的に実施し、簡素・効率の推進に努めてまいりました。
◆25番(丹治仁志) 今市長答弁なされたように、私も、公平・公正、公開・参画、この辺はおおむね評価できるかなというふうには見ております。
ただ、簡素・効率というふうなことになりますと、これはまだ緒についたというか、やり始めたと、指定管理者制度等々、これからですね、これは。ぜひこういったことも、幸いにして自民党さんが大勝されました。自民党さんが改革政党として、小泉さん、行政の方にも大分、職員関係の方にも整備したいというふうなことでありますから、福島市もそれに負けずに、簡素・効率というふうなことを突き詰めていっていただきたいというふうに思います。
次に、理念として掲げた、分権・自立を担える気概を持って、若者が喜んで帰ってくるまち、お年寄りがいきいき暮らすまちの実現はどの程度進んだと考えていらっしゃいますか、ご所見をお聞かせください。
◎市長(瀬戸孝則) お答えいたします。
若者が喜んで帰ってくるまち、お年寄りがいきいき暮らすまち、これは若者が首都圏などに出ていかなくても、福島という生活空間の中で十分夢がかなえられるまち、そしてお年寄りが生きがいを持ち、親子、家族がともに暮らせるまちを目指したものであります。その実現のため、六つの重点施策に基づくまちづくりに積極的に取り組んできたものでございます。
具体的には、地域全体で子育てを支援する環境づくり、障害者や高齢者の社会参加や就労機会確保の推進、自然環境や資源問題への対応、さらには安全、安心を基本とする都市防災、救急救助の充実など、市民生活の向上に直結した施策をはじめ、子どもの夢を育む施設、こむこむなどの公共施設の整備や、福島学院大学駅前本町キャンパス設置に対する支援などによりまして、中心市街地の集客力を高めるとともに、借上市営住宅の整備による居住人口の増加を促進する取り組みを行い、中心市街地のにぎわい創出を図りました。
また、花もみもある福島市を統一的なテーマとする多様な施策の展開を行い、観光都市福島のイメージアップに取り組むなど、市民がふるさと福島に自信と誇りを持つことができ、本市が自立した自治体として継続的に発展するためのまちづくりを進めてきたものであります。これらの取り組みによって、若者が喜んで帰ってくるまち、お年寄りがいきいき暮らすまちは着実に推進されたものと考えております。
◆25番(丹治仁志) 今市長ご丁寧に答弁いただきましたが、なかなかこれは数字で見ると、この部分を数字で見るというふうなことになりますと難しいところがありました。
若者が帰ってくるまちという、では、若者が帰ってくるまち、私は、福島にいて学生さん、東京へ行ったり、またほかに勤めていた人が帰ってきて、こっちで生活しやすい、仕事もあってというふうにとらえて考えてみたのですが、では、それを数字的に見ると、どこから拾い出せるかなというと、なかなか拾い出すところがありませんでした。
それで、私なりに社会動態というところから見ることができないのかなというふうに考えまして、社会動態、平成13年1月から平成16年12月までの社会動態を見てみますと、これはいずれも人口減であります。社会動態、なぜここに着目したかといいますと、大体ここは働いている人が多いのだろうと、もちろん家族で移動すれば子どももいるのですが、ですから、出ていく人と入ってくる人、これは大体15歳から65歳ぐらいのところに包含されるかなと、多くは。
そうすると、そういう人たちが福島はふえているわけではない、毎年これは減だと。平成14年1月1日から平成14年12月まで、これ何でこんなにここ減ったのかわからないのですが、1,077人の社会動態は人口減であります。平成16年は570人というふうなことで、大体この4年間で2,300、2,400人ぐらいは社会減になっておるのです。ですから、もう一歩、若者が喜んで帰ってくるまちになったのかというふうなことを考えますと、正確な資料はありませんが、ちょっと今の答弁にあったようには思えないところがあるような気もいたします。
あと、お年寄りがいきいき暮らすまちの実現、なかなかこれも難しいのですが、私なりに、では、お年寄りの寝たきりとか虚弱とかひとり暮らしとか、そういったところから見てみますと、もう一歩具体的な努力が、政策的な柱を立ててやる努力が必要なのかなというふうな気がいたします。
寝たきり老人は、ずっと平成13年から平成16年、ほとんど横ばいで、減っているというふうなことはありませんし、虚弱の方は、介護の中でそういう認定される方は逆にふえてきていると。ひとり暮らしの方も、ひとり暮らしだから生き生き暮らしていないというようなことではありませんが、こういった方もふえてきているから、新しい政策的な福島の独自の柱も必要かなというふうなことは感じました。
次に、教育長さんに伺います。先ほど紹介しました田勢さんは、現在の教育に必要なものとして、豊かさを追い求めることは間違っていないと。しかし、そればかりでは人の尊敬や信頼は得られない。子どもたちに今必要な環境は、貧しさを知ることのできる環境なのだ。子どもの数だけ子ども部屋を与えることが正しい教育ではない。むしろ、独立した部屋など与えず、嫌でも対話せざるを得ない環境の方がずっと子どものためになると。そして、国際社会ではっきりと意思表示できる人材をたくさん育てようと言っておられます。
子どもたちに今必要な環境は、貧しさを知ることのできる環境なのだという指摘について、現在は貧しさを知る環境はないのか。先日海外に派遣した中学生諸君は、交流した外国人と意思表示においてどうだったのか、ご所見をお聞かせください。
◎教育長(佐藤晃暢) お答えをいたします。
子どもたちにとって貧しさを知る環境はないのかということでございますが、物の豊かさが急速に進んでいる反面、心の貧しさが指摘をされております。心の貧しさは、物、人、社会に対して望ましくないさまざまな行為、行動となってあらわれており、学校生活の中でも貧しさを知る環境は存在し、その環境は子どもたち自身によってつくられる場合がございます。
例えば、つくる人や食材に対する感謝の気持ちの欠如からくる大量の給食残菜、物を大切に扱う気持ちの欠如から、所有者がとりに来ない多くの落とし物、自分の意に沿わない弱い者に対する陰湿ないじめ等、いずれも心の貧しさに起因するものでございます。これらは心を育てる教育にかかわることでございまして、道徳教育の充実と多くの人とのかかわりを通して、集団や社会とかかわる力を育てる教育を一層重視すべきものととらえております。
次に、過日実施されました中学生海外派遣事業に参加した中学生の派遣先における活動状況でございますが、訪問をいたしましたマレーシア及びシンガポールにおいて、両国の中学生との交歓会や現地中学校での授業への参加、ホームステイなどを行いました。
この中で、これまで習得しました英語や身ぶりなどを駆使しながら、憶することなく質問をしたり、福島市の文化や自然を伝えるなど積極的に交流を図り、相互理解と友好を深めてきたと報告を受けております。
以上です。
◆25番(丹治仁志) 国際社会で自分の考えをきちっと述べられる若い人たちがこれからどんどん出てこないと、日本の国はやはりまずいのだろうというふうに思います。ですから、教育は、そういう教育がなされるのも大切なことだなと。
過日、過日といいますか、中国に派遣しようというふうなことで、いろんないきさつがあってだめになりました。私も中国、そのときは経緯から考えていいなと思っておったのですが、こういう話を聞かされました。
日本の子どもたち、中国に派遣すると、向こうは戦争教育ぼんぼんしていると。日本人はされていないと。それで議論になると、もう日本人の方がパニックになってしまうのだと。だから、いわゆる戦争を挟んでの前の教育が日本ではほとんどされていませんね、時間がなくてそこまでいかない。中国は、反日教育、その戦争でやっていますから、これで議論されると、日本の子どもたちはパニックになってしまうそうです。ですから、そういう状態で派遣するのはちょっといかがかなというふうな人の話を聞きました。私もそのときそんな感じを持ちましたので、来年以降どうなるかわかりませんが、その辺を慎重にご検討いただければというふうに思います。
次に移ります。市長は、平成13年12月議会において、三つの基本施策と六つの重点施策を掲げ、決意を述べられました。基本施策について伺います。
第1点は、福島市の経済をどう活性化させるかであると。この4年間に、基幹産業である農業をはじめ、工業、商業、観光はどういう方策を用いてどの程度活性化されたと分析されているのかお聞かせください。
◎商工観光部長(橋精一) お答えいたします。
本市の工業の振興につきましては、地場企業の体力向上、工業基盤整備の推進と企業誘致の推進、そして技術革新と新たな産業展開の促進の四つを基本方針として、地場企業の活性化のための各種支援事業や、企業誘致促進のための優遇制度の見直しや工業団地等の整備、そして産学連携による研究や製品化、新事業創出などの施策、事業を中心に推進してまいりました。
また、産業振興基金を創設し、コラッセふくしま内に設置した産業交流プラザを拠点とした産学官ネットワークや共同研究製品開発等においては、その成果が徐々に出てきておると考えております。
今後におきましても、これらを踏まえ、関係機関、団体との連携をさらに深め、工業の振興に努めてまいる考えであります。
次に、本市における商業の振興策につきましては、卸、小売業近代化の促進とともに、多様化する消費傾向等に対応するため、商店街変動調査、消費購買動向調査結果などを活用し、商工会議所をはじめとした経済団体との連携のもと、商店街組織の育成強化や指導体制の充実及び中小企業者の組織経営基盤の安定強化に向けた各種融資制度や助成制度の充実と、その利活用の促進に努めるなど、中小企業の振興、育成を図るとともに、中心市街地におきましては、関係機関の連携により、福島市中心市街地活性化基本計画及び中小小売商業高度化事業構想、いわゆるTMO構想に基づくラヴィバレ一番丁のオープン等、テナントミックスやイベント事業をはじめとしたハード、ソフト両面の事業を促進するとともに、魅力ある商店街の形成を目指し、商業地の整備と活性化を図ってきたところであります。
今後におきましても、これらを踏まえ、関係機関、団体との連携をさらに深め、商業の振興に努めてまいる考えであります。
次に、本市の観光振興につきましては、観光客受け入れ態勢、観光資源施設の充実、温泉地の整備、観光客の誘致拡大に努めてきたところであります。現在、花もみもある福島市をキャッチコピーに、春の花見山に代表される、豊かな観光資源を生かした事業やイベント等を関係機関との連携により統一的に開催しながら、福島市のイメージアップに取り組むとともに、各種観光客誘致事業を展開しているところであります。
さらに、全国有数の温泉地を擁する本市にとって、温泉地の振興は極めて重要であることから、平成13年度から、土湯、高湯地区のふれあい・やすらぎ温泉地整備事業、平成15年度から、各温泉地の活性化のため、みずから計画立案し、実施する事業に対し温泉地まちづくり支援事業を行うとともに、関係諸機関等との連携により、いで湯とくだものの里にふさわしい観光福島の振興に努めているところであります。
今後におきましても、これらを踏まえ、関係機関、団体との連携をさらに深め、観光の振興に努めてまいる考えであります。
残りの答弁につきましては、農政部長から答弁いたします。
◎農政部長(長谷川秀一) お答えいたします。
本市においては、農業の活性化を図るため、平成13年度に策定をいたしました農業農村振興計画に基づき、各種農業振興策を総合的かつ計画的に推進しているところであります。
このような中、この4年間における農業の活性化につきましては、農業産出額や耕地面積などの農業指標を見ますと、高齢化や後継者不足、耕作放棄地の増加など、農業を取り巻く厳しい情勢を背景として低下してきております。
しかしながら、農業の振興に重要である担い手の育成につきましては、認定農業者が358名から本年9月1日現在で364名へ、新規就農者は4年間で67名を数えるとともに、農用地の利用集積面積は258.9ヘクタールから328.5ヘクタールと着実に拡大をしております。
また、本市農業の主要作目であります果樹につきましても、老朽化園地の基盤整備や改植、施設栽培の拡大に努める一方、性フェロモン剤設置促進などによって農産物の安全性を確保するとともに、トップセールスをはじめとして積極的なPR活動を展開するなど、販売戦略の強化に努めた結果、順調に推移しているところでございます。
さらには、グリーンツーリズムの推進や各種イベントの開催などにより、生産者と消費者、都市と農村との多様な交流を促進し、農業の活性化を図ってきたところであります。
この質問に対する答弁は以上でございます。
◆25番(丹治仁志) それぞれご丁寧に答弁いただきまして、ありがとうございます。
しかし、こういうのは別にそんなに長い答弁要らないのです。農産物だったら、平成13年にその農業出荷額、これは何ぼでしたと、平成16年は何ぼになっていますかと言えば、ああ、それだけこれ頑張っているのだなと、すぐわかるのです。工業、商業、観光もそうです。いろんなことを言ったって、数字と結びついていないの。数字は、観光は横ばい、商業も工業も全部ダウンです。いろんな施策展開してきたと今言ったの、言ったって、数字に結びつかなくてはこういうものはだめなのです。難しいことは言わない。
だから、分析すれば、どこをどういうふうにすれば伸ばすと、ある程度経済のところは、出荷額なんというのは調整できるのですから、そういう後押しする施策を使えばいいのですから。そこがいつも足りないのです、福島市の行政展開には。数字を追わないから。数字は厳しいです。その数字を追う行政をしないと、目に見えた行政には上がってきません。そういう意味で、私は、この経済の活性化というふうなことを市長が標榜されましたが、ちょっと数字的にはこれは反省点が残ったというふうなことだと思います。これ福島市で出している資料から私は質問をしているので、よくその辺を見てみてください。
次に移ります。福島市の健全な財政の運営を図ることであると、2点は福島市の健全な財政の運営を図ることであると。
市長の考える健全な財政とはいかなる財政状態をいうのか、就任時と現在の財政状態を比較して、どのように認識されているのかお聞かせください。
◎財務部長(長澤多一) お答えいたします。
健全な財政の運営につきましては、一つ目に、緊急度、優先度を勘案した事業の厳選により、長期的な視野に立った財政の健全性の確保を図ること、二つ目に、事務事業全般にわたる見直しにより、行政経費の節減に努めること、三つ目には、後世代に過大な負担を残すことのないよう、市債依存度の抑制を基調とした市債の運用を図ること、これらを基本といたしまして財政運営に努めてきたところでございます。
特に健全な財政の姿といたしまして、市債残高の抑制には意を用いてまいりましたが、一般会計の市債残高につきましては、平成12年度末で1,000億2,500万円であったものが、平成16年度末では983億8,000万円、平成17年度末見込みでは956億7,800万円となっており、平成13年度から平成17年度まで市債残高を43億円余削減してまいりました。
国の制度において地方交付税の代替財源とされている臨時財政対策債が、平成13年度から平成17年度までで合わせて89億4,000万円の借り入れ、同様に減税補てん債が合わせて54億3,200万円の借り入れとなっていることを考慮いたしますと、市債充当事業の厳選に努め、財政状況を改善させることができたものと考えております。
◆25番(丹治仁志) 市債残高は確かに減りました。これは、起債事業を少なくすれば減るのであります。
財政から出ている資料、14、15、16、この間の補正予算の説明のときにいただきました。ですから、財政力指数は、これはよくなっていますね。
しかし、経常収支比率は10%、平成14年から見ると平成16年は10%も高くなってきているのです。あと、公債費比率は若干高めです。準公債費比率は5.6%、財調は10億円減っています。だから、地方自治体の健全な財政というのはどうなのかということは、難しいところがあることは私も承知しております。でもやっぱり、お金を使うというふうなことは、広く、税金というのは良貨です、良貨。よいお金ですから、これをうまく使うことによって市民の生活もよくなるわけです。ただ一概に借金はいけないということではなくて、うまくそれをやっぱり使うということを考えて、こういうふうなお金がちょっと、デフレ、最近改善してきているようですけれども、デフレ傾向のときにはそういうふうな考え方も立たないといけない。
しかし、その良貨をお役所はせっかく民間に流していくわけなのだが、公共事業は、最近話を聞くと、あれ切ってしまうの。請負金額からごそっと切ってしまって下に出してしまうでしょう。そうすると、受け取った方がよくもうけないのです、今。もうからない。これは、せっかく良貨を出しても悪貨に転化していくのです。今は、そういう傾向が福島市、見られます。
これ、財政の話とちょっと別になりましたが、財政は、その一つの視点だけとらえてよくなったとか悪くなったというふうなことではなくて、やはり総合的にとらえて、若干借金ふえても、それは良貨として出るならば、使える、市民にしみ渡っていくならば、それはそれでいいのではないかというふうに思います。ですから、経常比ちょっと高くなっているのは気になりますが、この辺十分気をつけて運営されたらというふうには私は思いました。
次に第3点、市民が主役の市政と職員の意識改革であると、なぜこの施策を掲げられたのか。そして、当時と比べて現在は、市民が主役の市政と職員の意識改革は、市長が期待した成果を上げているのかお聞かせください。
◎総務部長(梅津裕) お答えします。
市民が主役の市政と職員の意識改革につきましては、住民ニーズがソフト化していることへの対応と、これまでの行政活動がもたらした財政問題の克服が現在の地方自治体の重要課題であると認識し、そのための第一歩として職員の意識改革が必要であると考え、取り組んでまいったところであります。
これについては、職員一人一人が地方分権にふさわしい、市民の目線に立った行政サービスを心がける心を持つことが基本であることから、民間企業等の研修指導をしている講師を招聘するなどして、企業における顧客満足の考えに立脚した住民満足についての理解を深めさせるなど、職員の意識改革に取り組んでまいったところであります。これにより、職員は、庁舎を訪れた市民をお客様と受けとめ、お客様が廊下で立ちどまって行き先に迷っていたら声をかける、また電話に出るときは所属部署と名前を名乗るなど、基本的なところから意識改革が進んでいると考えております。
職場環境につきましても、政策立案等で、市民懇談会に職員が一緒に参加をして計画策定の作業に取り組むなど、市民と協働の取り組みが浸透してきており、また若手職員が約1年間にわたって政策研修を行う政策課題研修では、市民の目線に立った行政サービスのための提案がされるなど、生き生きとした職場環境づくりも進んできているものと考えております。
◆25番(丹治仁志) 職員の意識改革、なかなかこれ、意識改革というのは、私の場合もそうですが、言うはやすし、行うは、これどうしたら改革できるのか、なかなか難しいところはあると思うのですが、1点だけ簡単な方法があると思うのです。途中採用をふやすべきです。それは、年齢制限なしに途中採用をふやして、それぞれのポジション、課長職でもいい、部長職でもいい、はめてしまう、そういう課題があれば。そうすると、職員さんの意識は変わります。これ、簡単な方法ですので、ぜひ実行してみてください。
大項目4、これ全部抜きます。
小さな市政の実現に移ります。平成14年3月定例会において、市長は小さな政府の確立について、地方分権の時代にありまして、地方自治体も、行政が行うべき事業と市民や民間が行える事業を仕分けし、協働を進めることで分権化を推進すべきであり、その結果、小さな市政が実現されるものと考えております。したがいまして、今後は、これまで行政が行ってきた事業の一部を担うことができるNPOや企業などの成長を支援し、小さな市政の確立を図ると述べておられます。
市長に伺います。事業の仕分けは、だれがどのような基準で行い、それはどの程度進み、事業の一部を担うことができるNPO、企業の成長はあったのか、それにより小さな市政はどの程度進んだのかお聞かせください。
◎総務部長(梅津裕) お答えします。
事業の仕分けにつきましては、福島市行政改革大綱2003にあるとおり、これまで行政のみが担ってきたサービスにあっても、効率と市民サービスを勘案しながら、NPOやボランティア団体への開放や移譲を検討していくことといたしております。
これらの考え方を踏まえ、各担当部局等において具体的な検討を行い、取り組める事業から取り組んでおりますが、その内容及び進捗状況につきましては、福島市行政改革大綱2003に基づく改革推進計画の実績に取りまとめて毎年公表いたしておるところであります。
また、NPOや企業の皆さんとともに進める小さな市政づくりの進捗状況につきましては、指定管理者制度導入に関しましてある程度準備が整ったこと、加えて個別の事務事業につきましても、今後さらに具体的に検討してまいる考えにあることなどから、大きく進展していくものと考えております。
残りの答弁につきましては、市民部長から答弁をいたします。
◎市民部長(山田義夫) お答えをいたします。
NPOの成長についてでありますが、市内における認証団体数は、平成14年2月末現在で17団体だったものが、平成17年8月末現在では60団体となっております。
本市といたしましても、市民活動団体の育成と支援を図ることを目的とする、拠点施設として設置をしました市民活動サポートセンターの管理運営をはじめ、その他二つの事業について、NPOに対し事業の一部を委託しております。
この質問に対する答弁は以上でございます。
◆25番(丹治仁志) 事業の仕分け、これ外部に委託するのは、福祉部門、人事とか給与とか福利厚生、そういったところが出しやすいのだろうと思いますから、その辺中心に早いところ作業を進めていかれたらよろしいのかなというふうに思います。
どうしても、役所的思考は自己中心的な部分が多くありますから、何々を支援しとなるようですが、私はNPOや企業の多くは行政を支援できる団体だというふうに考えております。ですから、現在指定管理者制度で公募を導入する予定の6施設、されているようですが、それだけではなく、3年後には、公社などが管理する62の施設についても、広く公募によるのが小さな市政づくりに寄与するのだろうと思います。3年後を目指して、こういった62施設なんかも指定管理者制度で公募をする考えがあるのかどうかお聞かせください。
◎総務部長(梅津裕) お答えします。
指定管理者制度導入の目的は、公の施設における市民サービスの向上とコストの縮減であります。この相反する命題に対応するため、施設そのもののあり方を踏まえ、限られた財源で最大の効果が得られるよう、指定管理者制度の導入について十分な検討が必要であると考えております。
したがいまして、今回非公募とした施設の管理運営につきましても、可能な限り市民サービスの向上とコストの縮減を図るとともに、今後3年間の運営状況を十分検証しながら、施設のあり方や管理運営方法について結論を出していくべきものと考えております。
◆25番(丹治仁志) 小さな政府、市政をつくるというのは、その指定管理者なんかも大いに活用されるのはよろしいと思います。
また、市場化テストというふうなことも言われておるようであります。市場化テストの導入も私は必要だと思うのですが、期限を設けてこういうものは事務事業を整理されたら、期限を設けて一つ一つの実行をしていくことが大切だと思うのです。
市長の言う小さな政府を実現するための手法として、この市場化テストを導入する必要があると私は考えるのですが、当局のお考えをお聞かせください。
◎総務部長(梅津裕) お答えします。
事務事業の民間委託につきましては、現在、福島市行政改革大綱2003及びそれに基づく推進計画において、可能なものにつきましては既に取り組んでおるところであります。今後におきましては、この大綱をもとに、さらに行政改革を強力に推進していくため、より具体的な期限や数値目標を設定した行動計画を策定していかなければならないと考えております。
なお、市場化テストにつきましては、国の方針がまだ定まっておらず、関係法律の整備もされていないことから、具体的な導入に関しましては未定でありますが、制度の研究は引き続き必要なものと考えております。
◆25番(丹治仁志) 確かに今総務部長が答弁されたように、法整備が未整備なところがあるようです、市場化テストについては。でも、これは世の中、行政の流れでしょうから、福島市独自に考えていかれてもよろしいのではないかなというふうに思いますので、ぜひ小さな市政のために市場化テストを導入されるようお願いをいたします。
市長に伺います。小さな市政はなぜ求められているのですか。
◎総務部長(梅津裕) お答えします。
これまで国及び地方公共団体におきましては、高度経済成長のもと、多様な行政需要にこたえるべく、さまざまな事務事業を実施してまいりました。
しかし、少子高齢をはじめとした社会構造の変化や、経済活動の停滞により税収が限られていることなどにより、これまでの事務事業を見直すことが必要となってまいりました。
具体的には、各種事務事業において、その達成される効果とそれに投入される人的、物的、財政的な質、量、時期等を総合的に勘案し、最少の経費で最大の効果を生むような工夫をすることと、それを踏まえた上で、緊急度、優先度、市の収入、支出のバランスを考えて、市民の方々に十分説明をしてご理解を得ながら、市全体を経営していくことが小さな政府であると考えており、必要なことであると考えておるところであります。
◆25番(丹治仁志) 小さな政府がいいのか、大きな政府がいいのか、常に議論が分かれるところでありますが、現在はなぜか小さな政府と言っております。しかし、経済理論からいうと、果たしてこれでいいのかということは疑問が残るところであります。
田勢氏の言うように、本市も豊かさを求め頑張り、地方都市としてそこそこの成長を見ました。しかし、近年、中心市街地の地盤沈下が進み、地域経済の停滞とともに、行政においても財政にも閉塞感が感じられるようになってきました。このような状況下において、前市長からの大型事業を見直したことを私は評価をいたします。
一方、本市が戦後間もなく掲げたまちづくりの大方針である、50万人都市構想の実現に向けた絶好の機会を逃しつつあると見ているのは私1人だけでしょうか。このことは、瀬戸市政にとって、今後の市政を構想するにあたって、政策の選択肢を大いに制限するものとなっていると考えます。
現在の瀬戸市政は、激変が予想される日本社会の構造変化に重ね合わせ、この福島市域の将来の姿をどう示されるのか、また行政はどのような変化を求められると考えておられるのかお聞かせください。
◎市長(瀬戸孝則) お答えいたします。
地方自治体を取り巻く環境は、地方分権の進展や人口減少時代の到来、少子高齢社会の進行、新たな行政需要の発生、財政状況の悪化など大変厳しい状況にあります。
このような状況の中、福島市地域の住民生活を考えてみますと、通勤や通学、さらには日常の生活においても、その圏域は県北全域に広がっており、一つの生活圏を形成しているものと考えております。また、ごみ処理の問題や、介護に代表される福祉の展開の問題など、一自治体では対応できる課題ではないことが認識されておりますので、福島市地域の将来の姿については、福島市を中心とする県北地域の中で、より濃密な連携が重要になるものと考えております。
なお、行政においては、さらに効果的、効率的な行政運営に努め、住民福祉の向上を図る必要があるものと考えております。
◆25番(丹治仁志) 今おっしゃられたとおりなので、ぜひそういうふうな課題に向かって、実践を具体的に行っていただければというふうに思います。
福島市陽光園介護支援センターについて伺います。
ご承知のとおり、設置主体は福島市です。経営主体は社会福祉法人陽光会です。土地、建物は市が所有して、開所は平成4年4月1日です。
このたび、指定管理者制度を導入すると聞いております。土地、建物を社会福祉法人陽光会に帰属させる考えはないのでしょうか、お聞かせください。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
福島市特別養護老人ホーム陽光園は、在宅介護支援センター及びデイサービスセンターを併設しており、社会福祉法人陽光会と管理委託契約を締結し、老人福祉法及び介護保険法に基づく事業の実施及び運営をお願いしております。来年度から指定管理者に移行する考えであり、3年間は非公募により現行委託先を選定することとしております。
社会福祉法人陽光会に土地、建物を譲渡することにつきましては、市民に対するサービス向上の観点や財政上の妥当性等、検討する課題が多くあるものと考えておりますが、施設管理の一元化、効率性の向上を図る観点から、望ましいあり方について調査してまいります。
◆25番(丹治仁志) この陽光会も普通の社会福祉法人も一緒でありますから、一般、これ以外の社会福祉法人は、そういう自分のところのものは自分で修理したりなんだりしてやっております。これ、市の貸し物ですから、不都合があったら市が維持補修しなくてはならないのです。やっぱり、その辺フラットにするためには、土地も寄附しろとは言いません。建物は陽光園さんに管理してもらってもいいのではないかなと思いますので、3年過ぎたらそのようにご配慮いただければと思います。他の社会福祉法人に対しても、その方がフラットになるというふうに思います。
次に、福島市と福島市社会福祉協議会の関係について伺います。
この協議会は、改正社会福祉法に位置づけがある社会福祉法人と何が同じで、何が違うのでしょうか。市は、この社会福祉協議会に対してどの程度の責任を有するものなのでしょうか、お聞かせください。
◎健康福祉部長(安田徳郎) お答えいたします。
社会福祉協議会は、社会福祉法第109条の規定により、市町村等の一定の区域内において、地域福祉の推進を図ることを目的とする、公共性と自主性を有する団体でありますが、法人格を必要とする団体ではございません。
社会福祉協議会は、一つ、社会福祉を目的とする事業の実施及び企画、二つ、社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助、三つ、社会福祉に関する調査、普及、宣伝、連絡、調整及び助成などを行う団体でありますので、住民福祉の向上を目標とする自治体と両輪の関係にあります。
一方、社会福祉法人は、社会福祉法に基づき、社会福祉事業を行うことを目的に設立された法人であり、事業から得た対価等をもって運営される法人でありますが、他の社会福祉協議会と同様に、福島市社会福祉協議会は社会福祉法人の認可を受けているところであります。
次に、福島市社会福祉協議会に対する市の責任についてでありますが、福島市社会福祉協議会は、その事業活動を通し、市民福祉の向上を目標とする本市の行政を補完していると言えますことから、本市といたしましては、社会福祉協議会が行う地域福祉活動事業費及び事務局職員の人件費への助成などを行い、運営の安定と市民の福祉活動の促進等を図っております。
◆25番(丹治仁志) この質問、なぜ入れたかといいますと、ここで働く職員の給料が今のままでは、来年度は予算立つということですが、再来年度はわからなくなるというふうなことがあるようです。
それで、あと一つ、介護事業が出てきましたから動いているようですけれども、私は、介護事業の会計と今いわゆる管理部門、福島市から一緒にやっている会計、それは別に、これ会計を、私はもし指導できるのであるならば指導した方がいいのではないかなと思います。介護事業で得た剰余金をこっちの人の給料に充てているというふうなことであります。それは介護だけで私は使うものだというふうに思いますので、ここの社会福祉協議会の場合は。その辺の指導ができるのかどうかわかりませんが、その辺も検討されて、ここで働く職員さんがいろんな心配、心配はあるにしても、給料出るのか出ないのかという心配を余りすることのないように、市としても、市である程度責任を持っている団体のようですから、ご配慮をしていただければというふうに思います。
これで私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(佐藤真五) 以上で、丹治仁志議員の質問を終わります。
これをもって、本日の一般質問は終了いたしました。
なお、明14日は午前10時から本会議を開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午後4時06分 散 会