火気を使用する露店などは消火器の準備と開設の届出が必要です
福島市では、新たに祭りやイベント等に出店する露店などで使用する火気器具等の取扱い基準、及び屋外における大規模な屋外催しの主催者に対して、防火担当者の選任、火災予防上必要な業務に関する計画の作成等を義務付けることを内容とした条例改正を行い、平成26年7月15日から施行しています。また、火気器具等を使用する露店などが開設される屋外の催しに際しては、平成25年8月に発生した京都府福知山市の花火大会会場での火災を教訓に、主催者、露店などの関係者に対して「露店など開設時に関する指導要綱」(平成26年6月1日施行)に基づき、消火器の準備、露店等の開設届出書提出等を指導しておりますが、これらの火災予防上必要な事項は、下記の1~3までに記載のとおりです。
1.多数の者の集合する催しにおいて、対象火気器具等を使用する際は、消火器の準備が必要(条例第20条 他)
多数の者の集合する催しにおいて、火を使用する器具(以下※1「対象火気器具等」という。)を使用する際は、迅速な初期消火と被害拡大防止の観点から、消火器の準備をした上でおこなってください。

消火器は、製造メーカーの示す設計標準使用期限内の10型業務用消火器を推奨することとしています。但し、使用期限内であっても著しい錆や変形した消火器は、危険ですので設置及び使用は認められません。

運用等
- 消火器を準備する者
原則として、「対象火気器具等を取り扱う者」が準備しなければなりません。
ただし、初期消火を有効におこなうことができる場合には、対象火気器具等の使用実態に応じ、複数の対象火気器具等に対して共同して消火器を準備する(注釈2)こともできることとします。
(注釈2)露店等の出店が伴い「露店等の開設届出書」の提出が必要となった場合は、催しの主催者、施設の管理者、露店等の開設を統括する者等において、会場内にどの場所に消火器を配置するかを容易に判断できる図面を作成してください。 - 屋内催しをおこなう場合
対象火気器具等を使用する際には、屋外だけでなく、屋内であっても、原則として消火器を準備しなければなりません。
ただし、建物内に既に消火器が設置してあるなど初期消火を有効におこなうことができる場合(対象火気器具等を使用する場所から、概ね歩行距離が20メートル以内に消火器が設置してある場合)は、対象火気器具等の使用実態に応じ、新たに消火器を準備することを要しないものとします。
2.露店等の開設に伴う届出に関することについて
多数の者の集合する催しに際し、対象火気器具等を使用する露店等を開設しようとする場合には、消火器の準備に加えて、事前の届出が必要になります。
多数の者の集合する催し(条例規制対象となる催し)とは
一時的に一定の場所に人が集合することにより混雑が生じ、火災が発生した場合の危険性が高まる催しであって、花火大会のように『一定の社会的広がりを有するもの』をいいます。
なお、以下のいずれか1つに該当する場合は『一定の社会的広がりを有する催し』と判断します。
- ホームページ、ポスター等で広く開催主体以外の者に催しを宣伝し参加をうながしている。
- 花火大会、フリーマーケット等、集客効果の高いイベントを計画している。
- 実行委員会形式で複数の団体が共同して実施する催し等、共催、協賛及び後援する他団体が存在する。
- 地理的条件や客観的状況から不特定多数の参加が予想されるもの。(駅前や繁華街周辺等で開催する等)
~条例規制の対象とならない催しの例~
(注意)上記1.~4.の条件に該当しない前提です。
- 集合する範囲が個人的つながりに留まる場合(近親者によるバーベキューなど相互に面識ある催し)
- 開催主体が単一の町内自治会やPTA等で、参加対象者が会員(関係者を含む)であり、開催目的が会員の福利厚生や親睦などである催し(○○自治会夏祭り等)

運用等
(1)届出をおこなう者
原則、「露店等を開設しようとする者」とします。
露店等を開設する日の概ね5日前までに、消火器及び対象火気器具等の配置図を添付のうえ、所轄の消防署・分署・出張所(消防機関)に「露店等の開設届出書」を2部提出(注釈3)してください。
(注釈3)一つの催しに多くの対象火気器具等を使用する露店等が開設される場合には、個々の露店等の主がそれぞれ個別に届出をおこなうのではなく、当該催しの主催者、施設の管理者、露店等の開設を統括する者等が取りまとめて提出するようにしてください。
(2)義務付けをおこなう理由
上記(1)のとおり、今後は、多数の者の集合する催しにおいて、対象火気器具等を使用する場合には消火器の準備が必要となること。更にそれらの催しに露店等を開設させる場合には、火災時における被害拡大防止の観点から、準備状況を消防が事前に把握することにより、必要に応じて指導をおこなうことができるようにするものです。
なお、露店等を開設する際には、火災の予防に係る動機付けを促すため、露店等の関係者に守っていただく事項(遵守事項)の確認、消火器の位置、危険箇所の想定、火災発生時の対処方法等について、自主点検を実施してもらうことにいたします。
露店等の自主チェック表 (PDFファイル: 211.0KB)
3.大規模な催しを開催する場合の防火管理(条例第49条の2・条例第49条の3)
- 「指定催し」の指定
消防長は、祭礼、縁日、花火大会その他の多数の者の集合する屋外での催しのうち、大規模なものとして消防長が別に定める要件に該当するもので、対象火気器具等の周囲において雑踏が発生することにより、火災が発生した場合に人命または財産に重大な被害を与えるおそれがあると認めるものを「指定催し」として指定することとします。 - 「防火担当者」の選任、火災予防業務計画の作成等
「指定催し」を主催する者に、以下のア及びイを義務付けます。- ア.当該「指定催し」において、防火・火災予防の統括的管理をおこなうための防火担当者を選任し、また、当該防火担当者に対して、火災予防上必要な業務に関する計画(以下、「火災予防業務計画」という。)を作成させ、当該火災予防業務計画に従って必要な業務を行わせること。
- イ.当該「指定催し」を開催する日の14日前までに、上記アの「火災予防業務計画」を消防長に提出すること。
また、火災予防業務計画には、以下の事項を記載することとなります。- (ア)防火担当者、その他火災予防に関する業務の実施体制の確保に関すること。
- (イ)対象火気器具等の使用及びガソリン等危険物の取り扱いの把握に関すること。
- (ウ)対象火気器具等を使用し、またはガソリン等危険物を取り扱う露店等及び客席の火災予防上安全な配置に関すること。
- (エ)対象火気器具等に対する消火の準備に関すること。
- (オ)火災が発生した場合における初期消火活動、福島市消防本部への119通報及び観客の避難誘導に関すること。
- (カ)上記(ア)~(オ)まで以外で、巡回、監視等の火災予防上必要な業務に関すること。
運用等
- 消防長が定める要件
- ア.大規模な催しが開催可能な公園、河川敷、道路その他の場所を会場として開催するもので、一日当たりの人出予想が10万人以上、かつ、主催者が出店を認める露店等の数が100店舗を超える規模の催し。
- イ.上記アに準じる催しで、安全対策が必要な催し。
- (注意1) アの「大規模な催しが開催可能な公園、河川敷、道路その他の場所」は、具体的には、あづま運動公園、荒川運動公園、松川緑地公園、信夫通りなどです。
- (注意2) 「指定催し」を指定しようとする場合には、原則として、あらかじめ当該「指定催し」を主催する者の意見を聴くことになります。
- (注意3) 「指定催し」を指定した場合には、その旨を当該「指定催し」を主催する者に通知するとともに、公示します。なお、具体的な公示場所は、市役所及び各支所、消防本部、消防署の掲示板、並びに福島市ホームページに掲載します。
- (注意4) 「指定催し」を指定した場合には、主催する者に行政不服審査法(昭和37年法律第160号)に基づき、不服申し立てをおこなうことができます。
- 防火担当者の選任を義務付ける理由
祭礼、縁日、花火大会等の催しのうち大規模なものについては、会場に多数の人が集合し、混雑が生じることで、火災発生時には消火及び避難が困難になり、被害を拡大させてしまうおそれがあります。
特に、多数の対象火気器具等を使用する催しにおいては、火災の危険性が高まり、重大な被害を招くおそれがあるため、当該催しを主催する者の責任と役割を明確化し、必要な防火管理体制を構築する必要があることから、「指定催し」を主催する者に防火担当者の選任を義務付けるものです。 - 防火担当者として選任する者
「指定催し」を主催する者は、「指定催し」の関係者に対して火災予防上必要な業務に関し必要な指示等をおこなうことができる立場の方を防火担当者として選任することとします。なお、「指定催し」を主催する者自らが防火担当者となることも妨げません。 - 14日前までに火災予防業務計画の提出をおこなう理由
消防長が、催しの概要を事前に把握するとともに、提出された火災予防業務計画の内容を確認し、必要に応じて当該計画の是正を求めることができるようにするためです。
火災予防上必要な業務に関する計画提出書 (Wordファイル: 35.5KB)
火災予防上必要な業務に関する計画提出書 (PDFファイル: 103.0KB)
4.各種届出の具体的な流れ
上記1~3までにより必要とする届出の流れは、下図のとおりとなります。
(1)催しにおいて露店等を開設する場合(上記1及び2関係)

(2)「指定催し」を開催する場合(上記3関係)

5.罰則(条例第55条・第56条)
「指定催し」の主催者が、上記3 2.の火災予防業務計画を消防長に提出しなかった場合は、当該「指定催し」の主催者に対し、30万円以下の罰金を科すことになります。
これは、次のア及びイを勘案したものです。
- ア.火災予防業務計画の重要性
- イ.大規模な屋外催しにおける火災予防の実効性の向上
なお、この罰則は、「指定催し」の主催者である法人(法人ではない団体で代表者または管理人の定めのあるものを含む。)の代表者や個人だけではなく、法人に対しても同時に適用させる場合があります。
6.施行期日
平成26年7月15日から施行。
なお、上記3 1.の消防長が定める要件については、告示で定めます。