福島市民家園に移築復原された芝居小屋「旧広瀬座」は、毎年歌舞伎などの伝統芸能を開催するなど、地域の皆様の娯楽施設として長年親しまれてきましたが、より地域に開かれた施設として新たな公開・活用を図るため、再整備事業に着手しております。

木の板が外壁に使われている広瀬座外観の写真
大きな松が描かれた松羽目がステージ背景にある広瀬座内観の写真

最新の再整備状況

  • 定期的に旧広瀬座の再整備事業の状況を公開していきます。
  • これまでの工事の様子
上段左:ならく(上手)に基礎工事の鉄筋が組まれている写真、上段中央:屋根施工前の状況写真、上段右:舞台の根太が取り外され床下部分が見えている写真、下段左:作業員が舞台の床を取り除く作業を行っている写真、下段中央:ならく(下手)に基礎工事の鉄筋が組まれている写真、下段右:大きな石が積み上げられているならく石積みの取り解き前の写真
上段左:屋根応急処置撤去後の腐朽状況を撮影した写真、上段中央:作業員が床板にチョークでマーキングをしている写真、上段右:2人の男性作業員がならく石積みの石を運んでいる様子の写真、下段左:ならく部分の型枠設置が完了した写真、下段中央:床板が取り除かれ骨組みが見えている写真、下段右:4~5名ほどの作業員がコンクリートを流し込む作業を行っている写真
上段左:ならく(上手)の掘削状況を写した写真、上段中央:舞台床(下手)の床板が取り除かれた写真、上段右:ならく(上手)の掘削が完了した様子を写した写真、下段左:金属のような物が設置された基礎部分完成の写真、下段中央:ブルーシートの上に取り外された床板が並べられている写真、下段右:ならく(下手)部分が彫られ掘削が完了した写真
広瀬座に素屋根が設置された写真

こけら板製作動画~屋根材ができるまで~

  

工事期間(予定)

令和5年9月下旬から令和8年3月下旬まで

※工事完了後、準備期間を経て再オープンする予定です。

「旧広瀬座」について

旧広瀬座は、梁川町(現在の伊達市梁川町)の広瀬川南畔に、当時唯一の大衆娯楽施設として明治20年に町内の有志により建設され、明治期の芝居小屋としては、福島県内に現存する唯一の建物。

昭和61年8月の広瀬川氾濫を契機にとした河川拡幅工事に伴い、解体消滅が余儀なくされたため、「福島市民家園」への移築復原を計画し、平成2年に関係諸道具と合わせて寄贈を受け、平成4年9月~平成6年9月の復原工事を経て、平成6年10月から一般公開を行っています。

全体的に簡素な造りですが、東北地方に現存する遊興施設の数少ない事例で、その中でも古い方に属する代表的遺構であり、保存状態もよく、江戸時代の形態を踏襲する明治中期の芝居小屋として貴重であることから、平成10年12月25日に国の重要文化財に指定されました。

再整備事業の基本方針

芝居小屋の形態を踏襲する文化財として価値を損なうことがないよう、保存管理の方法等を定め、芝居小屋の空間的魅力を発信できる公開・活用の在り方を検討し、文化財の保存と適切な活用の両立を目指すことを目的としています。

基本方針

  1. 創建当初の形に戻すことを第一に、移築時の姿を保存する。
  2. より地域に開かれた施設を目指し現在の公開・活用のあり方を見直し、公開活用にとどまらない、芝居小屋、教育体験、ユニークベニューとしても活用が図られるよう検討する。

再整備事業の概要

保存修理

  • 屋根の全面葺き替え(こけら葺)
  • 床板の補修、畳の張替え、天井紙貼り
  • 外壁の補修、再塗装、建具の修繕

耐震補強

  • 鉄骨フレーム、鉄骨柱、耐力壁の追加
  • 小屋裏の水平構面補強

防災

  • 自動火災報知設備、避雷設備の改修
  • 屋内消火栓、避難はしご、避難階段、非常放送用設備、非常用照明、避難誘導灯の新設

活用

  • 2階さじき席からの落下防止柵及び階段への手摺り新設
  • スロープの新設(バリアフリー)
  • 一部空調設備及び洗面設備等の設置
  • 受変電設備、コンセント設備の改修
  • 舞台装置、舞台照明、舞台音響等の新設

トイレ棟新設

  • 旧広瀬座東側に新設(男女、多目的)
  • 浄化槽の新設

外構

  • 舗装(バリアフリー)
  • 駐車場(思いやり駐車場含む)

関連リンク

この記事に関するお問い合わせ先

市民・文化スポーツ部 文化スポーツ振興室 文化振興課 文化財保護活用係
福島市五老内町3番1号
電話番号:024-525-3785
ファックス:024-536-2128
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