【市指定】岡島鹿島神社の瑞花双鳳八稜鏡

一部が掛けている瑞花双鳳八稜鏡の鏡面の写真
一部が欠け薄っすらと模様が見える瑞花双鳳八稜鏡の鏡背側の写真
指定等文化財の詳細情報
指定区分 市指定有形文化財(考古資料)
平成30年4月13日指定
名称 岡島鹿島神社の瑞花双鳳八稜鏡
よみかた おかじまかしまじんじゃのずいかそうほうはちりょうきょう
員数 1面
所在地 福島市岡島字竹ノ内63番地
所有者 同所 鹿島神社
公開 要問合せ
問合せ先 文化振興課文化財保護活用係(024-525-3785)

指定理由

 瑞花はめでたい花を、双鳳は一対の鳳凰を、八稜は八つの角(かど)を意味します。瑞花とその間を舞う一対の鳳凰が鏡背に鋳出されていましたが、八稜鏡全体は過熱痕に覆われ、周辺一部は溶けて変形し、また一部は破損しているため、その図様を見ることは難しくなっています。原因は、火災による高熱によるものと考えられます。

 鏡面10.3センチメートル、鏡背は10.0センチメートル、鏡胎は0.25センチメートル、重量は72.0グラムで、鏡面は、二重の境域を周囲にとり、中央に諸尊が毛彫りの技法で線刻されています。諸尊は、表面が不鮮明のため、その名称を特定することはできませんが、如来像や菩薩像の群像とわかります。群像としての諸尊は、独尊像より時代を遡るとされています。群像は中尊を中心とした曼荼羅と考えられ、密教的世界観を展開しているものと思われます。鏡面の右側に6、7字からなる銘文があり、最初の四文字は「女且主三」と読むことができ、従来案では女性の檀那の「三」某との説があります。
 八稜鏡は、平安時代にさかんに製作されました。鹿島神社の瑞花双鳳八稜鏡は、鏡面と鏡背の図像、鏡胎の薄さ、鈕などから次の点を指摘できます。

  • 瑞花や双鳳は、まだ和様化されていない動植物図様であること。
  • 諸尊群像は、独尊像より時代が古いこと。
  • 諸尊は、中尊を中心として密教的世界観を展開していること。
  • 平安時代中期に発達した神仏習合説がみられること。

以上の諸点から、瑞花双鳳八稜鏡は、12世紀前半に製作されたと考えられます。

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この記事に関するお問い合わせ先

市民・文化スポーツ部 文化スポーツ振興室 文化振興課 文化財保護活用係
福島市五老内町3番1号
電話番号:024-525-3785
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