【続報!】2号木簡の新たな解釈!
保存処理後に赤外線画像の撮影・分析を行い、新たに「岑越駅(みねこしえき)」の文字が判明しました。
2号木簡の新たな解釈
※赤字部分が今回判明部分
文字 | 郡 司 符 岑 越 駅 (郡司、岑越駅に符す。) ※「符」「岑」は一部欠損、「駅」は不鮮明のため推定 |
よみ | ぐんじ みねこしえきに ふす |
内容 | 郡司が岑越駅に送付した書状。内容は不明 |
年代 | 8世紀頃 |
寸法 | 長さ13.0cm、幅2.7cm、厚さ0.3cm、樹種:マツ |
新たにわかったこと
1.岑越駅の初の文字資料
岑越駅は、古代の東山道沿いに設けられた駅家(うまや)※1の名前です。
10世紀の文献資料『延喜式』※2には記述がありますが、書物以外では初めての文字資料です。2号木簡の年代は8世紀頃のため、岑越の地名の使用開始が約100年さかのぼることがわかりました。
※1駅家(うまや) 古代の官道沿いに整備された、馬を利用した交通施設。
※2延喜式(えんぎしき) 平安時代の法令集。905-927年編纂。
全国の駅家の名称や馬の数を記述。
東山道の駅家 2号木簡の実物と赤外線画像
2.遺跡の評価
これまでの調査で、役所機能、祭祀機能を持つことがわかっていましたが、交通機能(駅家)を兼ね備えた複合的な機能を持つ遺跡の可能性が出てきました。