- 日時:令和7年9月1日(月曜日)
- 場所:議場
熱中症対策について
提案理由を申し上げるに先立ち、市政の近況について申し上げます。
この夏は、日本国内の歴代最高気温を更新し、本市においても7月26日、観測史上最高気温39.2度を記録するなど、猛烈な暑さとなりました。本市では、今年度の熱中症による搬送件数がすでに昨年度を上回り、7月下旬には、残念ながら熱中症による死亡事案が発生しました。官民224か所に拡充した涼み処の一部を5月から前倒しで開放し、熱中症警戒情報を防災メールやSNS等で発信し暑さ対策を促しています。今後も、厳しい残暑が予想されており、引き続き、熱中症への警戒を呼びかけてまいります。
クマ被害対策について
今年に入ってからのクマの目撃件数は、ここ数年平均の約2倍となっており、河川敷を移動して市街地周辺での目撃も増えています。市民生活への影響が生じており、8月1日には民家園において人身被害が発生しました。
7月3日、危機管理対策本部を設置して全庁的な体制を整備し、対策を強化しています。クマ防災教室や市の特設ホームページ・SNS等によりクマ対策を周知徹底するとともに、河川敷の伐木等は市での実施に加え国県へ加速化を要請し、放任果樹や藪を伐採、荒川上流に忌避音響装置を設置するなど、クマを寄せ付けない環境改善を図りました。LINE通報にクマ目撃の項目を追加し、クマ出没時には、付近の広報パトロール、学校等での子どもの安全確保、猟友会と連携した追い払いなどに加え、ドローンを試験導入してクマの探索を実施するなど、総合的な対策強化を図っています。
改正法の施行により、本日から市街地での緊急銃猟が可能になりました。そのためのマニュアルを整備したところであり、今般提出した補正予算により安全な運用体制の整備を進めます。
地域医療体制の充実について
診療所等の休診が多いお盆期間の8月11日から15日まで、小児科、内科のオンライン診療を開設しました。43名の患者さんが活用し、受診者の利便性向上と医療機関の負担軽減に寄与しました。軽症の場合の適正受診も呼びかけ、必要な方への医療の確保につなげています。
生活環境の整備について
7月よりラジコン草刈機2台の貸出を開始しました。市の道路や公園などの除草活動を行う町内会やボランティア団体を対象とし、傾斜地等でも安全で負担が少ない遠隔作業が可能です。これまで17団体の登録があり、市民共創による除草がスタートしています。
市内の交通事故件数は、年々減少し、昨年は統計史上最少となりましたが、今年は前年比約1.3倍と増加に転じています。包括連携協定を締結している企業との共創により、デジタル技術を活用して交通安全マップを作成しました。安全運転イベントの走行データから、急ブレーキ多発など危険箇所をマッピングし可視化しました。7月に市ホームページに掲載、交通安全啓発活動や通学路の安全対策に活用して、交通事故の減少を図ります。
多様な保育の提供について
こども誰でも通園制度は、年度当初から2つの市立幼稚園で市独自に3歳児を対象に実施していますが、7月からは、生後6か月から満3歳未満までを対象に、民間2施設でもスタートしました。現在32名の保護者が登録し、未就園児の定期的な通園サービスを利用しています。
子育て環境の整備について
市立幼稚園・保育施設の再編については、市立と民間の役割を踏まえつつ、多様で質の高い保育の充実と施設老朽化への対応を図るべく、進めています。東浜町と渡利にある3施設は、統合し民設民営へ移行する方針で、先月、事業者を決定しました。定員130人程度の認定こども園とし、現在の渡利幼稚園敷地に令和10年4月に開園する予定です。
教育の質の向上について
教育の充実については、デジタル技術を活用した先進的な取組により、学びの質を高めています。
市内小学6年生約2,000人と私がオンラインで意見交換を行う「ふくしまっ子未来トーク」、デジタル教科書や電子図書館の利用など、デジタルリテラシーの向上を図り、全市一斉オンライン授業を年1回実施して、緊急時にも学びを止めない体制を整えています。6月9日、飯野小学校で停電が発生し休校となった際には、教員が飯野中学校からオンライン授業を行い児童の学びを確保しました。
今後活用拡大が見込まれる生成AIに関しても、教員向けAI活用講座を開催し、学習効果向上と業務効率化を図ったほか、松陵義務教育学校ではコンピュータ部の生徒が生成AIでの作品制作に取り組んでいます。
さらに、8月には、教員用端末の更新に合わせて、ネットワークを見直しました。校務系、学習系の一体的なクラウド化により、端末を一元化して業務ごとの使い分けをなくし、職員室以外でも安全に校務処理が可能となります。教員の働き方改革を進め、子どもたちと向き合う時間を確保して質の高い学びの提供につなげます。
7月、福島学院大学こども園と飯野小学校をモデル園・校として非認知能力の育成プロジェクトを開始しました。園児・児童が自ら主体的に考え取り組み、生きる力を育成できるよう、専門家による保護者セミナーをそれぞれ今後4回開催し、家庭教育や子育ての実践を図ります。
高齢者の足の確保について
4月に導入した新シルバーパスポートについては、約15,000人が利用し、旧制度の前年同期比22%増と、利用者が段階的に増えています。タクシー利用登録は、75歳を迎えた新規登録に加え、マイナンバーカード自体の更新増加を見据えて、7月25日から全支所で手続き可能とし、受付体制を大幅に拡充しました。両手続きが可能なワンストップの仕組みとして利便性を向上させ、高齢者の足の確保を図ります。
共生社会の推進について
共生社会の推進については、7月21日、市民センター前の市民広場で新イベント「フォラム市場」を開催。障がい者施設のスイーツやクラフト商品を販売し、8月22日、23日には、「いきいき!ふくしEXPO」を開催しました。ふくしま田園中枢都市圏内34の障がい者就労系事業所と企業等とのマッチングを促し、5件の商談が既に成立し、17件が商談中であるなど、障害者の社会参加を促進しています。
これらのイベント等で活躍する心のバリアフリー推進隊の学生に対し、8月7日、推進パートナー企業の有志から、活動用ユニフォームが贈呈されました。このような新たな連携も拡大しながら、心のバリアフリーや共生社会への取組を進めます。
戦後80年特別企画について
今年は戦後80年の節目になります。
7月25日から5日間開催した人権と平和展では、VRによる原爆投下前後の広島市の疑似体験や、核兵器と戦争に関するパネル展、被爆者の家族証言者による平和講演会など、戦争の悲惨さをより実感できる特別企画を実施しました。
8月には、市内中学生を平和大使として初めて広島に派遣し、平和記念式典に参加するなど被爆地での体験を通じた学びをしてもらいました。その学びを各学校等で報告するなど、平和と命の尊さの継承を図ります。
古関裕而氏生誕日の8月11日に開催した記念音楽祭では、朝ドラ「エール」放送から5年、戦後80年の特別企画を提供しました。「エール」出演者を招き、ドラマ中の戦時シーン等を交えながら、戦争と平和、古関氏の人間愛を考える機会としました。撮影時を振り返るトークや「長崎の鐘」などにより、感動とともに、平和や古関メロディー継承への思いを新たにしていただいたものと存じます。
くだものの販売拡大とブランド力向上について
本市くだものを代表する桃については、この夏の気象により、品種によっては収量に影響があったものの、道の駅ふくしまなどの直売所に買い物客が殺到するなど、人気やブランド力が一段向上した様相を呈しました。その状況をさらに強めるため、首都圏等でトップセールスを行うとともに、民間でも、通年開催となったピーチホリデイ、飯坂温泉の桃まつり、桃と桃リキュールを詰め合わせたF-BOXの新企画など、動きが活発化しており、さらなる販路拡大とブランド力向上を図ります。
市街地調整区域における観光農園やくだもの直売所については、7月1日、立地基準を見直しました。施設建築が可能な路線を4から12へと増やし、エリアを路線沿いから半径1kmまでに拡大、品目もくだもの全般としました。くだものを生かした観光誘客と販売拡大を促進します。
企業誘致の促進について
第2期おおざそうインター工業団地については、先行販売していたA区画の優先交渉企業を決定し、6月20日からは、残り7区画の予約販売を開始しました。企業からの多くの問合せに関心の高さを感じており、特色ある手厚い助成制度や交通アクセスの良さをPRしながら11月21日まで申込を受け付け、年度内に優先交渉先を決定する予定です。
新事業創出や産業拡大について
同工業団地立地企業と連携し、8月6日、福島ビジネス創生フォーラムを開催しました。半導体研究の権威である東北大名誉教授の講演、道の駅ふくしまを会場とした異業種間の交流を行い、約40名が参加しました。今後も多様な立地企業と地元企業等とのマッチングの機会を設け、ビジネスチャンスの創出を促進します。
航空宇宙関連産業の活性化に向け、新たな取組をスタートします。7月25日、プレイベントとしてセミナーを開催。今月25日には本市プロジェクトのキックオフイベントを開催し、今後、ふくしまスカイパークを実証実験等の場として活用するなど、企業等のチャレンジを後押しし、航空宇宙関連産業の拡大を目指します。
働き手確保の促進について
人手不足が深刻化する中、人材確保の多様化を推進するダイバーワークスタイル企業認証制度を創設し、8月5日、初の認証として、5つの企業に対し、認証ハードルが高いゴールドの認証をしました。これまでの女性、障がい者の雇用促進に加え、外国人、高齢者等も含めた認証制度へと発展させ、先導的な取組を紹介して多様な働き手の確保を促進します。
特に外国人材の活用については、全人口に占める外国人比率が全国平均2.9%に対して本市は0.9%と低く、その差は年々広がっています。7月10日、公民こねくとを通じて提案のあった企業と連携し、外国人材活用セミナーを開催しました。今後、ユイバースでの求職サポートや、企業向けファーストステップ相談窓口などに加え、今般提出の補正予算で企業と関連機関の交流会開催など取組を強化し、総合的な支援策で外国人材活用を促進します。
中心市街地のまちづくりについて
再開発事業については、基本設計が概成し、7月の全員協議会で公表、説明しました。市民等の意見を取り入れながら、屋上広場が連なる斬新な外観や花のまちを感じる工夫など駅前のシンボルにふさわしいデザインとし、主催者、利用者に選ばれる使いやすい施設としました。民間エリアは、動画活用の体験型フードホールに加え、県内初出店のシェアラウンジなど新しいカルチャーの集客機能が進出します。基本設計の内容は、敷地仮囲いでのパネル掲示や西口大型ビジョンでも情報発信を行います。今後、コスト抑制に努めながら概算工事費を算出し、実施設計を進め、併せて管理運営事業者の選定準備に取り組み、令和11年度中の供用開始を目指します。
東口再開発事業の姿が明確になる中、西口商業施設跡地の具体化を促し、駅東西一体のまちづくりを進めるため、7月25日、JR東日本と覚書を締結しました。駅東西の新自由通路や駅前広場の整備に関する調査検討などを進めます。JR東日本では駅西口構内に新たに小売業が出店する計画を進めており、今後も相互に連携協力して駅東西のまちづくりに取り組みます。
夏祭りについて
一段と暑さが増したこの夏、本市の夏まつりも一段とレベルアップが図られました。
ふくしま花火大会の観覧者は、昨年同等の約18万人ながら、会場周辺は従前以上の来場者で賑わいました。家族やグループで楽しめるマス席を設けるなど有料席を拡大し、6年ぶりに復活したメッセージ花火やミュージック花火の連続など内容的にも満足が高まるものでした。
大阪万博でも躍動したわらじまつりは、初日の天候が影響し、2日間の観覧者が29万2,000人と昨年より微減となりましたが、外国人観光客が多く見受けられ、にぎわい広場での飲食エリアも奏功して多くの来場者が街なかに滞留しました。わらじおどりのリニューアル以降、踊り手などの参加人数が最多となり、今後、さらに賑わい、経済効果が大きい祭りとなるよう工夫してまいります。
街なかの賑わい創出について
街なかの賑わいづくりについて、8月30日、高校生や大学生と若い世代による街なか活性化の取組について意見を交わしました。若い世代の活力を引き出しながら、街なかの活性化を図ります。
観光振興について
観光振興については、飯坂温泉において、3か所の公衆浴場で利用できる湯めぐり企画券を販売開始しました。地元企業等からの協賛・協力により作成した木製の湯めぐり手形です。今後、企画券の仕組みを一層活用して、観光客等を温泉地に誘導し、温泉地の活性化を図ります。
8月、台湾を訪問し観光等のトップセールスを行いました。観光関係機関や現地旅行会社に本市への誘客促進を働き掛け、貿易関連事業者と本市くだものの輸出に向け意見交換しました。今回の訪台の成果を踏まえ、観光関係事業者等と連携を図りながら観光交流の拡大やくだもの輸出に取り組みます。
文化と調和したまちづくりについて
大会や会議、文化スポーツのイベント等の誘致も、交流人口の拡大に大きな効果があります。
7月18日に開幕した「金曜ロードショーとジブリ展」には、開幕後1か月余りで10万人を突破する観覧者が訪れています。駅近傍の案内サインや大わらじをモチーフにした歩行案内版など案内誘導を充実し、信夫山のさんぽの小径のPRや土湯温泉によるジブリ展との連動宿泊プランなどにより、来訪者の市内回遊を促進しています。9月28日までの開催中に、多くの方が来訪・回遊するよう周知広報に努めるとともに、来年のゴッホ展に向けて準備を進めます。
8月24日、じょーもぴあ宮畑10周年を記念し、パルセいいざかにて、縄文シティサミットinふくしまを開催しました。縄文遺跡を有する全国19都市が参加し、一般参加者も含め270名が来場しました。縄文文化の活用事例を共有し、全国に発信するとともに、飯坂を、そして福島をお楽しみいただきました。
なお、国重要文化財しゃがむ土偶は、宮城、京都、群馬の3か所で開催する特別展「世界遺産縄文」へ出展し、本市縄文文化を広くPRする予定です。
スポーツのまちづくりについて
8月22日には、大相撲の夏巡業福島場所が3年連続で開催され、若元春関と若隆景関の特別な兄弟対戦が組まれるなど、間近で迫力のある取組が観客を魅了しました。
先場所、三役で二場所連続二桁勝利をあげた若隆景関は、来場所、いよいよ大関取りに挑みます。市民を挙げて熱い応援を送り、スポーツの盛り上がりを地域の活気につなげてまいります。
また、東洋大水泳部が今年も中央市民プールで合宿を行い、インターハイ男子サッカー青森県代表校が昨年に引き続き直前合宿を実施しました。市民との交流等も行われており、合宿等の誘致を進めスポーツの振興と地域活性化を図ります。
eスポーツは、年齢、性別等に関わらず楽しめるスポーツであり、7月3日、高齢者スポーツ大会において、シニア向けeスポーツ交流会を実施しました。今月14日には、市民センターでeスポーツフェスが催されます。世界的人気の対戦格闘ゲーム公式大会の開催は、東北では初めてであり、体験や交流の企画により広域的な来場を期待しています。eスポーツは、関係人口の増加や高齢者のフレイル予防等も期待されており、本市に拠点を置くプロeスポーツチームと連携しながら、普及促進を図ります。
MICE誘致の推進について
来月には、台湾からの研修生8名が約10日間、本市を拠点に福島大学の学生との交流や浜通りの視察、三温泉地での宿泊といった異文化体験を実施し、来年6月には、400人規模の国際会議が開催される予定です。このようなMICEに対応できるよう、今般提出した補正予算によりパルセいいざかのWiFi環境等を拡充し、受入環境の充実を図ります。
プロスポーツと連携した地域振興について
一昨日、サッカーJ3福島ユナイテッドFCのホームスタジアム計画が発表されました。すべて県産材を使った日本初の完全木造スタジアムで、建設に地域住民が参画する仕組みを導入します。また、盆地型気候を生かしたエネルギー循環を図り、スタジアムとして世界最高水準の環境指標「リビング・ビルディング・チャレンジ」の認証を目指すとする世界初の循環型木造スタジアムとなります。まさに、復興のシンボルとなるスタジアムであります。市としては、このスタジアムが実現し、地域振興に大きなインパクトをもたらすことができるよう、できる限りの協力・支援に努めてまいります。
納豆のまち福島のブランド化について
納豆のまち福島のさらなるブランド化に向け、7月、企業協賛による納豆消費拡大プロモーションを実施し、8月には、PRのロゴマークを制作しました。そして、大手菓子メーカーとの共創で新プロジェクトを始動しました。学生や飲食店のプロジェクトメンバーが、納豆のまち福島をPRする新商品の開発に参画し、来年夏頃の販売を目指します。
デジタル化の推進について
デジタル化の推進については、7月16日、日本DX大賞の2部門で奨励賞を受賞しました。「休日オンライン診療を活用した地域医療確保」と「子育て応援DXでの利便性向上・事務効率化」の取組が評価されたものであり、2年連続での受賞になります。併せて、本市職員が日本のDX推進を牽引するJDXアンバサダーに認定されました。
8月29日には、民間企業と共同研究を進めてきた被災者支援システム「生活再建支援ナビ」が販売開始されました。本市の災害対応の実務経験と民間の高い技術力を融合し、罹災証明申請から被災者支援まで一元管理が可能です。本市では、今月よりこのシステムを導入し、災害の発生に備えるとともに、このシステムが全国自治体の被災者支援等の災害対応に貢献することを願っています。
このように、いまや本市は自治体DXを牽引する役割を担うに至っていますが、地域に根差したデジタル化をさらに推進し、市民生活をより便利で豊かにするとともに、地域経済の活性化を図ることが重要です。
このため、地域社会の一層のDX推進に向け、ふくしまデジタルイノベーションアワードを創設しました。デジタル技術やAIの活用において、市内事業者の実践例や市民・学生のアイディアを募集し、優れた取組を来年1月に表彰し、地域全体のデジタル化を浸透させてまいります。
広報の充実について
7月1日、本市公式ホームページを全面リニューアルしました。スマホからのアクセスが約8割となっている状況を踏まえて、スマホでの操作性と見やすさを重視したものとしています。今後も、利用者ニーズや利用手段の変化等に対応しながら、SNSの効果的な活用と併せて、利用しやすく伝わりやすい広報の充実に努めます。
氏名ふりがなの戸籍記載について
法改正に伴う氏名ふりがなの戸籍記載については、7月23日、記載予定の振り仮名通知を発送しました。7月末現在、届出は860件あり、オンラインを利用した届出は83%となっています。通常の戸籍届の窓口に加え、本庁に特設窓口を開設して受付体制を整え、丁寧に対応してまいります。
太陽光発電施設の設置・管理について
この4月、再エネ条例を施行しましたが、6月10日、市内西部の山地で、メガソーラー設置禁止区域を含む民有林の伐採が確認されました。その箇所は伐採者がメガソーラー設置の事前相談を行っていた経緯があり、一部は森林法の対象となる民有林の無届伐採に該当します。このため、7月7日、事業者に対して、再エネ条例による初の勧告を行うとともに、法に基づく伐採の中止及び造林を命令しました。その他の既存施設についても現地確認を順次実施しており、8月27日には、メガソーラー3事業者に対し、調整池の浚渫や法面修繕など災害防止対策等を求める行政指導を行いました。今後も、市民の協力をいただきながら監視の目を緩めず、違法行為には厳正に対処し、本市の美しく豊かな環境と市民生活を守ります。
ごみ排出の適正化について
条例改正により強化したごみ排出の適正化については、6月、違反ごみの開封調査による改善指導を初めて実施しました。違反ごみ排出者を特定して直接指導を行い、市中心部の当該ごみ集積所では、利用状況と周辺環境が改善しています。事業系ごみの不法投棄件数は、4月から6月の前年度比で約7割減少し、条例改正による一定の効果があったものと考えます。引き続き、ごみの適正排出と資源化・減量化を進めます。
物価高騰対策について
物価高騰については、2月緊急会議で補正予算措置を講じた対策を進め、市民生活の支援と地域経済の下支えを図っています。
住民税非課税世帯向けの生活支援特別給付金は、国の制度に市上乗せ分を加えて早期支給に努め、7月末までに26,124世帯へ9億8,700万円を支給し終了しました。
それ以外の世帯向けのプレミアム付きクーポンは、対象の約7割が購入し、7月末までに15億8,000万円が利用されています。未購入分の予算を活用して、7月26日から中・低所得世帯を対象に4万セットを追加販売し、使用期間を10月末まで延長しています。
子ども食堂への緊急支援は、春と夏の学校長期休業前に53団体へ計3,330kgの米を配布しました。
投票率向上について
7月の参議院議員選挙については、投票所の集約や投票時間の繰上と併せて、移動期日前投票所を初めて設置しました。メロディーバスを活用して4日間で12か所を巡回し、投票機会の確保を図りました。結果を検証し投票率の向上に努めてまいります。
中核市市長会の活動について
同選挙を経て、国政は一層先行き不透明感を増しています。そうした中、本市でも影響が大きい基幹業務システム標準化や学校施設整備等について、今後見込まれる補正予算で、国の責任において、しっかりと所要の財政措置が講じられるよう、本市も深く関与し中核市市長会で緊急要望しました。今後も、地方都市の共通課題について市長会等を通じて協力・連携して課題解決を図り、市政の推進へとつなげてまいります。
定例会議提出案件について
次に、本定例会議への提出案件について申し上げます。
提出した案件は、令和7年度福島市一般会計補正予算等の議案24件及び報告8件であります。
議案第78号 令和7年度福島市一般会計補正予算は、歳入歳出予算の補正で、総額600万円を追加するものであります。
その財源には、県支出金450万円を追加し、差引き150万円は、繰越金を充当します。
歳出補正の内容としては、クマ対策として緊急銃猟制度の安全な運用体制を整備するための経費を追加します。速やかな対応を図るため、先議をお願いします。
議案第79号 令和7年度福島市一般会計補正予算は、歳入歳出予算、継続費等の補正で、総額24億800万円余を追加するものであります。
その財源には、国県支出金等10億2,100万円余のほか、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金4億4,900万円余を追加し、差引き9億3,700万円余は、繰越金を充当します。
歳出補正の主な内容としては、物価高騰対策として児童施設等を支援するための経費等を計上するほか、学校体育館のエアコン整備について来年度予定を前倒しして実施する経費等を追加します。また、継続費の補正は、消防本部・福島消防署再整備において消防庁舎の建築に着手し、令和10年度の供用開始を目指します。
議案第84号 令和6年度福島市各会計歳入歳出決算認定の件から議案第87号 令和6年度福島市農業集落排水事業会計決算認定の件までは、それぞれの決算の認定並びに下水道事業会計の剰余金処分についてであります。監査委員の審査意見書のほか、各会計における主要な施策の成果等については、附属書類のとおりであります。
なお今般、令和8年度から令和12年度までの5年間の中期財政収支の見通しを試算しました。
試算では、大型事業の本格化などにより各年度に財源不足が見込まれ、厳しい見通しとなっております。
このため、事業の取捨選択・重点化、業務改革・効率化や賢い支出を徹底するとともに、国・県補助金や有利な市債の活用、受益者負担の適正化など財源確保を工夫し、併せて、健全な財政運営に配慮しながらも、中長期的な視点に立って、人や投資を呼び込むまちづくりに資する攻めの施策を展開することで、安定した税源の育成を図りながら、持続可能な財政運営を目指してまいります。
議案第90号 福島市手数料条例の一部を改正する条例制定の件は、マンション管理計画の変更認定申請にかかる手数料負担を軽減し、マンションの適切な管理を促進するものであります。
議案第92号 福島市立学校条例の一部を改正する条例制定の件及び議案第94号 福島市立認定こども園条例の一部を改正する条例制定の件は、教育上適正な集団規模の確保が困難となった市立幼稚園や建替えする市立森合幼稚園を廃止し、地域の幼児教育・保育の拠点として「もりあい認定こども園」を設置するものであります。
このほかの議案の提案理由及び報告については、それぞれ議案書、予算説明書等に記載したとおりでありますので、ご了承願います。
以上が、提出議案及び報告の概要ですが、詳細については、ご質疑又は委員会等において申し上げたいと存じますので、よろしくご審議のうえ議決を賜りますようお願い申し上げます。
また、会議の期間中に人事案件を追加提案いたしたいと存じますので、ご了承をお願い申し上げます。