• 日時:令和7年12月8日(月曜日)
  • 場所:庁議室兼防災対策室

皆様改めまして、おはようございます。
本日は、こうしたお時間を賜りまして本当にありがとうございます。
第14代福島市長の任を預からせていただきます馬場雄基です。
118年にわたるこの長い福島市政の歴史の歩みに想いを馳せて、特にコロナ禍や災害対応に尽力なされた前市長である木幡氏に改めて深く敬意を表したと思います。
平成生まれとして全国で初めての、県都のリーダーとなること、そして、震災当時、高校生として、多くの先輩方に支えられた、その者が、今回ふるさとの福島市の首長となるということに社会的責任を強く感じ、身の引き締まる思いであります。
現在、日本は、東京一極集中が進む中で、地方から人や経済が流出する構造が続いております。地方が生き残っていくには、垣根も、立場も越えて力を結集し、地域として国に影響を与えられる存在になれるかどうかが鍵となると私は確信を持っています。
だからこそ、私が掲げます基本姿勢は「ともに前へ」です。誰か一人の力に頼るのではなく、市民一人ひとりの力の結集で、福島全体を強くしていく、その覚悟でございます。嘆きを決意に、そして不安を一歩に、混沌は希望に変えていく。未来は、今の行動から始まります。私は、一人一人の思いに火を灯す火種になりたい。そして、皆様とともに福島の再起を図りたいと思っております。今の暮らしの安心と、未来への可能性を広げるため、変化を恐れず、挑戦し、福島をまっすぐに前に進めたいと思います。
これから、福島市は、新しいまちづくりがスタートします。目指す方向性は「次世代文教都市」です。すべての子どもたちを笑顔にすることができれば、必ずまちのみんなは笑顔となる。文化、教育、つまり、人づくりを起点にして、豊かな経済都市を創造する。その方向性を確立していきたいと思っています。
その実現に向けて、まず取りかかりとして、土台をつくりたいと思っています。そのための3つの最優先事項を掲げます。
まず1つ目、現状を客観的に見える化するためのデータ行政の確立です。若者人口の減少の度合いや、あるいは財政調整基金の状況など、あらゆる数字を共有しなければ、正しい判断はできません。冷静に数字を見極め、確かな行政につなげていく。そのために、市長就任、まさに本日からですが、100日以内に、福島市の強みも、あるいは弱みも、一望することのできる福島市のデータブックを何としてでも確立させます。そして、そのデータを基本として、この福島市のすべての政策の基本とさせていただきたいと思います。
次に2つ目ですが、市民の行動がまちを変えるという実感、まさに成功体験でございますが、それをつくり上げていきたいと思います。「私の声はどこに行けば届くの。」そういう不安の声を多く耳にします。市長をトップにした、未来戦略本部を私は立ち上げたいと思います。これは各支所単位で行われていく公開型の対話集会、あるいは各分野の現場の方との意見交換会を主導する部署です。世代や立場を問わず、ともに考え、ともに前へ進んでいく、その機運醸成を、この部隊からつくっていきたいと思っています。
これら2つは、客観的なデータによる確実性ある判断と、そして対話を土台とした、活性化する市民活動をかけ合わせていく。その市民目線の新しいまちづくりであります。
最後に3つ目、駅東口再開発、駅周辺と呼ぶべきかもしれませんが、その磨き直しでございます。中合の閉店から早5年。この間に、西口ではイトーヨーカドーの閉店や駅中の変化など、発案当時と環境が大幅に変わっています。市民に生じた疲弊と閉塞感は直視しなくてはなりません。また、市の多額の財政出動が、財政支出を伴う、その要することを考えなくてはならないと思っております。未来への責任を担う立場として、他に改修が見込まれていく施設の既存の機能との整合性、あるいは経費縮減、そして財政確保など、可能性を早急に、これは粘り強く、検討し続けていきたいと、いうふうに思います。含めて、遅らせるわけには参りませんので、その整合性も図りながら、しっかりと見極めていきたいと思います。駅周辺の日常をつくり出す、そのために、徹底的に検討していきたいと思っています。含めて、駅東西一体的に捉えた駅周辺の再開発であることも、今、しっかりと我々は認識を持たなければいけません。すべての関係各位の方々の、まず関係構築から図らなければいけないと、いう認識に立ち、丁寧に議論を進めていきたいというふうに思います。
続きまして、今後の市政の方向性について、8つの観点を述べさせていただきたいと思います。
1つ目です。まず、先輩世代に対してです。安心できる医療と福祉の確立、この点は、ありとあらゆることがあるのは承知の上で、安心して、まずは免許返納ができる体制、移動の自由の確保というものを念頭に、これまでの施策を、洗い出し、整理しながら、拡充を検討したいと思います。
2つ目、これは現役世代です。子育て支援、そして働く環境の支援でございます。何としても、これもありとあらゆることは承知の上で、まず何としてでも、小中学校の給食費の無償化に向けて全力で制度設計とその財源確保に向けて動き出したいと思います。
そして3つ目、これは未来世代。夢を広げる教育と挑戦の環境をつくり出したいと思っています。未来世代の皆様にとっては、例えば子ども食堂や放課後児童クラブの機能の拡充、そして、これが持続可能となるように、その体制整備を市の応援体制がどういうものであるのか、早急に検討を重ねていきたいと思っています。
そして4つ目、これは、環境問題に関してですが、先達山のメガソーラーについては、自然破壊を伴うメガソーラーの開発の制限、そして、今回福島市で起きたことを教訓にして、法律改正、つまり国は今も動き出しておりますので、そこに福島市の教訓がしっかりと載るように、この要望体制については早急に、強く申し上げていく体制を、整えていきたいと思います。そしてその確度が上がるように、関係各位の方々のご協力をいただきながら、その体制をつくりたいと思っております。含めてクマ対策、これは本当に、日常を脅かす状況になっておりますので、市民の命を最優先に、生活のことを考えた上で、安心して暮らせる体制を早急につくることは、ここで私もしっかりとお約束していきたいと思います。
そして続いて、農林業です。震災以降、福島の恵みである農産物の価格は戻りつつあるものの、いまだ他と比較した際の価格差は存在しているという認識に立ちたいと思います。用途に合わせたブランド戦略やトップセールスに、より力を入れて、福島市のこの恵みが、適切に世の中に広がるように、全力を尽くしていきたいと思います。
続いて防災です。防災においては、震災の教訓を生かす機会の充実や、各地区の避難所設置の状況を、現場の皆様と一緒に再確認をしたいと思います。命を守るための環境整備、これをしっかりと行政体制を敷くことができるように、全力で取り組みたいと思います。
7つ目、歴史文化です。歴史文化については、古きを訪ねて新しきを生み出す。基本姿勢だと思います。この文化や芸術の振興を、ここは当然、図り続けていきたいと思います。
最後8つ目、これはよく市民の皆様方から私もよく伺った声ではあるんですが、ごみ集積所の整備の促進、そして夜間動物医療の確保、このことについては、まずは市民の皆様、そして関係機関があるわけですから、関係機関の皆様の意見交換会の、まず機会を設けて、検討を重ねていきたいというふうに思います。
私は、福島市はもとより、地方の活力こそ、日本の活力だと信じています。県都として、そして県北の母都市として、県、国、そして周辺自治体と密接に連携して、福島市の潜在力を引き出していきたいと思っています。つまり、福島市の行動を日本全国のうねりを起こす火種とする。その誇りを持ちながら、動いていきたいと思います。新しい福島市の形のみならず、それは新しい県北の形であり、新しい県都の形であり、新しい福島県の形であり、新しい国の形となる。その一歩を、我々福島市がつくり出す。その覚悟を持って前に行きたいと思います。
私は、福島市が大好きです。そして、みんなが愛する福島市です。まちの未来は、市民の皆様とともに語り、ともに悩み、決めていく、そうした営みから生まれてくるのだと思っています。対話を大切にして、市民が主人公となる市政を、職員の皆様と協力して、全力でみんなの力でつくっていきたいと思っています。
どうか皆様、ともに前へ。どんなときも、明るく楽しく元気よく、福島市の新しい一歩を、市民の皆様と、そして皆様と一緒につくり上げていくことを、楽しく、迎えていきたいと思っております。
これから、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

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