
デジタル人材バンクの支援を受け、ホームページリニューアルとEC導入を実現
マッチング事例:大竹写真さん(福島市御山)
福島市デジタル人材バンクは、市内の中小企業などが抱える課題をデジタルの力で解決するために、支援を希望する企業・団体と、支援を行うデジタル推進パートナーとのマッチングを行っています。
福島市御山にある老舗写真店の大竹写真さんは、デジタル人材バンクを利用して今年(2023年)3月にホームページリニューアルとEC導入を実現。マッチング成功事例の第1号となりました。

この記事では、支援を受けた大竹写真の竹中知博社長と、デジタル推進パートナーの根本雅昭さんにお話を伺い、デジタル人材バンク利用の経緯と成果、そして今後利用を検討している方々に向けてのアドバイスを伺いました。
信頼感と、他の支援事業も合わせて教えてもらえるのがメリット
――これまでどんなことに困っていたのですか?
竹中知博社長(以下、竹中社長):数年前から、自社ホームページをリニューアルして物販に力を入れたいと考えていました。以前のホームページは社員が作ってくれたのですが、近年ホームページを作るのが技術的に難しくなり、社内では作り直しができなくなってしまい困っていたんです。
また、以前よりYahoo!ショッピングやAmazonなど外部のECサイトで主にアートフレームを販売してきましたが、物販に力を入れようにも顧客データが活用できないことが悩みでした。
そこで自社のホームページ上でも販売ができるよう、リニューアルを行ってECのシステムを導入したいと考えていました。
――そこでデジタル人材バンクを活用しようと思われたわけですね
竹中社長:「市政だより」2023年1月号に載っていたデジタル人材バンクの記事を読み、すぐに社員にメールで問い合わせてもらいました。そして登録者の方々のリストを見せてもらい、最初に載っていた根本さんにお願いしようと決めました。
市からの人材紹介というのは信頼がおけますし、担当窓口では活用できる補助金など、他の支援事業のことも教えてもらえますから。今回は市で行っていた「新たなビジネスモデル創出支援事業」が使えると知り、これを活用させてもらいました。

左:大竹写真・竹中知博社長、右:デジタル推進パートナーの根本雅昭さん
――リニューアルとECサイト導入が実現し、手応えはいかがですか?
竹中社長:3月20日にリニューアルを終えたばかりですので、成果が出てくるのはこれからになりますが、ホームページは使いでがありますよ。店舗がなくてもホームページがあれば商売できますし、商圏も全国ですからね。
今後、どうやって多くの人にホームページに来てもらうかが知恵の絞りどころです。名刺にはホームページの二次元コード(QRコード)を入れていますが、これは便利ですね。
将来に向けてのビジョンをしっかり持っておくことが大切
――デジタル推進パートナーの根本さんに依頼していかがでしたか?
竹中社長:根本さんは親切なので、うちの担当者も連絡しやすいようです。約束を守ってくれる方ですし、デジタル人材バンクで根本さんに巡り会ってよかったなと思っています。
きちんとしたホームページがあることは企業の信用につながりますし、ECの入口が用意されていることは大事ですので。
他にも、新しいビジネスのアイデアを実現するためにはどうやってホームページを運用していけばいいかなど、相談させてもらっています。
――根本さんは今回の支援にあたり、どのようなお考えでしたか?
根本雅昭さん(以下、根本):今回のご依頼はECサイトの構築ということで、もともとECをやっておられたのでコンテンツはある程度揃っていました。利用予定の支援事業の申請期限に間に合うよう、昨年度末までの約2ヵ月で仕上げなければならなかったのですが、期限内に完成できてよかったなと思います。
今後アクセスを増やしていくには、アフィリエイト広告やGoogle広告などの手段もありますが、どのくらいお金をかければどのくらい収益が上がるか、分析が必要です。費用のかけすぎもよくありませんが、やはり実店舗程度にはお金をかける必要がありますね。

社員の方にアドバイスする根本さん。ていねいな対応が好評。
――今後デジタル人材バンクを利用したいなという方たちにアドバイスを
竹中社長:まずは自分の理想や信念、将来に向けてのビジョンをしっかり持つことでしょうか。
ただなんとなく「こうしたいな」ということでは、支援してくれる側も困ってしまいますよね。
根本:竹中社長ほど将来のビジョンがはっきりしていなかったとしても、例えば「デジタルってなんだろう?」という方も、ぜひ気軽にご相談いただければと思っています。
デジタルに関する知識もあったほうがいいのは確かですが、デジタル分野は専門家に任せて、ご自身は会社経営に専念していただくのが理想かなと思います。
話のなかから新しいアイデアが生まれるということもありますし、他にもたくさんのデジタル推進パートナーがいますので、どんどん相談に来ていただきたいですね。
デジタル推進課より
デジタル人材バンクの利用をご検討中の方は、まずは市役所への相談は無料ですので、小さなことから気軽に相談していただければと思っています。お話を伺い、企業側のご要望と、パートナー人材の持つスキルの適性や相性を考えてマッチングしていきます。
また、支援を行っていただくデジタル推進パートナーには、2023年6月現在で32名の方に登録いただいています。今後もまだまだ募集を行っていますので、フリーランスの方や副業で地域企業のデジタル化のサポートをしたいという方は、ぜひご応募ください。
今回の事例
株式会社大竹写真さん + デジタル推進パートナー 根本雅昭さん
マッチング成立:2023年1月11日
ホームページリニューアル:2023年3月20日

大竹写真外観
ライター紹介
今回の記事は、デジタル人材バンクにも登録して活躍されている村上瑞恵さんに執筆していただきました。
〇デジタル推進パートナー村上瑞恵さん