建築物に付属するコンクリートブロック塀や石塀等は、建築基準法にその構造に関する規定が定められています。ブロック塀等をつくる際には、法令上の基準を確認していただき、適切な施工に努めてください。
建築基準法では、補強(空洞)コンクリートブロック塀等の建築に際して、以下のような構造基準を定めていますのでこれを遵守し、適切な施工を行ってください。
ブロック塀や石塀(大谷石等)などの法令上の基準を確認していただき、安全対策に努めてください。
ブロック塀等の安全対策
地震によるブロック塀倒壊の危険性が広く認識されることになったのは、1978年(昭和53年)6月12日に発生した宮城県沖地震と言われています。平成30年6月18日に発生した大阪北部を震源とする地震では、コンクリートブロック塀が倒壊し人命に関わる事象が発生しました。
建築用の補強(空洞)コンクリートブロックの利用には構造基準があります。特に、ブロック利用の『擁壁』には注意が必要です。
既存のブロック塀等については、所有者等の責任において管理されることが基本となります。高さが基準以上のものや老朽化しているものは倒壊の恐れがありますので、『安全点検』を行いましょう。
建築物の既設の塀の安全点検について (PDFファイル: 520.9KB)
ブロック塀等における建築基準法の基準
ブロック塀については、建築基準法施行令第62条の8や平成12年建設省告示第1355号で基準が定められています。
ブロック塀等を建築される方へ (PDFファイル: 453.8KB)
【ブロック塀の場合】建築基準法施行令第62条の8
項目 | 基準 |
塀の高さ | 2メートル20センチ以下 |
壁の厚さ | 15センチメートル以上(高さが2メートル以下の場合は10センチメートル以上) |
縦筋、横筋の鉄筋の太さ | 9ミリメートル以上 |
鉄筋の配置 | 壁頂及び基礎、壁の端部及び隅角部、壁内に80センチメートル以下に配置 |
控壁の要否 | 塀の高さが1メートル20センチを超える場合、控壁が必要 |
控壁の幅 | 塀の高さの5分の1以上突出 |
控壁の間隔 | 3メートル40センチ以内 |
基礎の根入れ深さ | 30センチメートル以上(基礎の地中に埋め込まれている部分) |
基礎の丈 | 35センチメートル以上 |
(注意点)
- 国土交通大臣が定めた構造方法により補強され、かつ、国土交通大臣が定める構造計算により構造耐力上安全であることが確かめられた場合についてはこの限りではありません。
- 塀の両側で地面の高さが異なる場合は、低いほうから高さを測ります。
- 基礎の根入れ深さ及び基礎の丈は、塀の高さが1メートル20センチ以下の場合は適用されません。
【石塀(大谷石等)の場合】建築基準法施行令第61条
項目 | 基準 |
塀の高さ | 1メートル20センチ以下 |
壁の厚さ | 塀の高さの10分の1以上 |
控壁の幅 | 壁の厚さの150パーセント以上 |
控壁の間隔 | 4メートル以内 |
基礎の根入れ深さ | 20センチメートル以上(基礎の地中に埋め込まれている部分) |
留意事項
- 補強コンクリートブロック擁壁
擁壁の基準は、建築基準法施行令第142条に定められています。建築用補強(空洞)コンクリートブロックを利用した擁壁は、「鉄筋コンクリート造、石造その他これらに類する腐食しない材料を用いた構造とすること。」とする擁壁の規定に適合しないため、擁壁の構造として不適切となります。建築用補強(空洞)コンクリートブロックは、必要なかぶり厚さが確保されず、水分を通すため、鉄筋が腐食する恐れがあります。
また、建築用空洞コンクリートブロックは、圧縮強度が小さく、土圧を受けると強度面からも問題があります。
福島市では、日本建築学会の壁式構造関係設計規準集(メーソンリー編)の基準を採用し、設計規準に規定する「C種防水ブロック」又は国土交通大臣が認定した「CP型枠ブロック」を使用した場合に限り、『ブロック2段(40センチメートル以下)まで』は、土圧を受ける(土に接する)擁壁としての利用を認めています。
土に接する部分のブロック壁体の耐久性及び安全性を考慮することが重要です。空洞部には、モルタル充填又はコンクリート充填が必要です。