平成27年農地法改正
農地法及び農業委員会等に関する法律(農業委員会法)については、農業の成長産業化を図るため、6次産業化や農地集積・集約化等の政策を活用する経済主体等が積極的に活動できる環境を整備する観点から、平成28年4月1日から改正法が施行されました。
農地法改正のポイント
農地を所有できる法人の制度
- 役員の農作業従事要件について、「農業に常時従事する役員の過半が農作業に従事」から「農業に常時従事する役員又は重要な使用人のうち1人以上の者が農作業に従事」に緩和
- 議決権要件について、農業者以外の者の議決権を「総議決権の4分の1以下」から「総議決権の2分の1未満」に緩和
- 農地を所有できる法人の呼称について、「農業生産法人」から「農地所有適格法人」に変更
農地転用許可について
- 4ヘクタール超の農地転用許可権限を国から県へ移譲
- 県の転用許可に際して農業委員会からの意見送付を法定
- 30アール(3000平方メートル)を超える農地転用の場合、農業委員会が事前に農業委員会ネットワーク機構(農業会議)へ諮問を実施
農業委員会法改正のポイント
- 農業委員会の業務の重点は、「農地等の利用の最適化の推進」であることを明確化
- 農業委員の選出方法を、選挙制と市町村長の選任制の併用から「市町村長の任命制」に変更
- 「農地利用最適化推進委員」の新設
- 農業委員会をサポートするため、都道府県段階及び全国段階に、「農業委員会ネットワーク機構」を指定
平成21年農地法改正
「農地法等の一部を改正する法律」が平成21年12月15日に施行されました。
新たな農地制度では、転用規制を強化し農地の減少を食い止め、農地の確保を図るともに、一般企業の農業参入を認めるなど農地を最大に利用することをねらいとした改正となっております。
権利移動規制の見直し
農地所有適格法人以外の法人等も農地を借りることができるようになりました。
ただし、地域の農業に悪影響を与える場合等には、借りることができません。
借りた後も、農地を適正に利用し続けること、法人の場合は一人以上の業務執行役員が農業に常時従事していること等が要件です。
また、農地の取得は、これまでどおり農作業に常時従事する個人と法人に限られます。
届出制度の創設
相続等により農地法の許可を受けることなく農地の権利を取得した者は、相続した農地のある農業委員会に届出が必要となります。
賃借料情報の提供
標準小作料が廃止されました。これにかわり農業委員会が賃貸借の目安となる実勢借地料の情報提供を行います。
遊休農地対策
農業委員会が毎年、管内の農地の利用状況調査を行い、全ての遊休農地を対象に指導、勧告を行います。
責務規定の新設
農地の所有権、賃借権等の権利を有する者は、その農地を農業上の適正かつ効率的利用を確保しなければならない責務規定が新たに設けられました。
権利取得後の下限面積要件
農地の権利取得後の下限面積基準(都府県では、原則50アール以上)は、地域の実情に応じ農業委員会の判断で定められるようになり、福島市全部の区域を40アールとしました。
賃貸借の存続期間
貸主・借主双方の同意により、農地の賃貸借の存続期間が最長で50年以内の貸借が可能となりました。
転用規制の厳格化
許可不要であった国、都道府県による公共施設(病院、学校等)への転用は、許可権者である都道府県知事等と協議をおこなう法定協議制度が新たに設けられました。
違反転用の原状回復について県知事による行政代執行制度が創設されると共に罰則が強化(罰金額の引上げにより、3年以下の懲役または300万円以下の罰金、法人は1億円以下の罰金)されました。
関係法令
租税特別措置法の改正
相続税の納税猶予制度が見直されました。
農地を他の人に貸した場合に打ち切りになっていた納税猶予が、農業経営基盤強化促進法により貸付けた場合には、適用が受けられるようになりました。
また、20年間の営農継続要件が、終身の農地利用に見直されました。
農業振興地域の整備に関する法律の改正
担い手に対する農用地の利用集積に支障を及ぼす恐れがある場合には、農用地区域からの除外をおこなうことができないこととなります。
農業協同組合法の改正
農協の農業経営の範囲が拡大され、担い手が不足する地域で農協自らが農業経営を行い、地域農業の維持に寄与することができるようになりました。