退職所得等に対する個人市民税・県民税は、退職手当等の支払者(会社)が退職手当等を支払う際に税額を計算し、その支払い額から税額を差し引き(特別徴収)して、支払われる日の属する年の1月1日現在の住所地の市区町村に納めることになっています。
退職所得の金額の求めかた
1.一般退職手当等の場合(注釈1)
退職所得の金額=(収入金額ー退職所得控除額)×2分の1(1,000円未満の端数切り捨て)
2.特定役員退職手当等の場合(注釈2)
退職所得の金額=(収入金額ー退職所得控除額)(1,000円未満の端数切り捨て)
3.短期退職手当等の場合(注釈3)…令和4年1月1日以降に支払を受ける退職手当等に適用
(1)(収入金額ー退職所得控除額)≦300万円の場合
退職所得の金額=(収入金額ー退職所得控除額)×2分の1(1,000円未満の端数切り捨て)
(2)(収入金額ー退職所得控除額)>300万円の場合
退職所得の金額=150万円+{収入金額ー(300万円+退職所得控除額)}(1,000円未満の端数切り捨て)
- (注釈1)一般退職手当等・・・退職手当等のうち、特定役員退職手当等及び短期退職手当等のいずれにも該当しないもの。
- (注釈2)特定役員退職手当等・・・役員等(法人税法上の法人役員、国会・地方議員及び国家・地方公務員の方をいいます。)としての勤続年数が5年以下である人が支払を受ける退職手当等のうち、その役員等勤続年数に対して退職手当等として支払を受けるもの。
- (注釈3)短期退職手当等・・・短期勤続年数(役員等以外のものとして勤務した期間により計算した勤続年数が5年以下であるものをいい、この勤続年数については、役員等として勤続した期間がある場合には、その期間を含めて計算します。)に対応する退職手当等として支払を受けるもので、特定役員退職手当等に該当しないもの。
退職所得控除額の求めかた
退職所得控除額は、勤続年数に応じて計算式が異なります。
勤続年数 | 退職所得控除額 |
---|---|
20年以下 | 40万円×勤続年数(80万円に満たない場合は80万円) |
20年超え | 800万円+70万円×(勤続年数−20年) |
勤続年数に1年未満の端数月があるときは、1年として計算します。
(注意)退職手当等の支払いを受けるかたが在職中に障害者に該当することにより退職した場合は、100万円を加算します。
退職手当等に対する特別徴収税額の求めかた
特別徴収税額=退職所得の金額×税率(市民税6%、県民税4%)(100円未満の端数切り捨て)
計算例
(計算例1)退職手当等の収入金額:1,155万円・勤続年数:17年4ヶ月(勤続年数5年以下の法人役員等以外の場合)
- 退職所得控除額を求めます。
40万円×18年=720万円(注意:勤続年数1年未満は切り上げます。) - 退職所得金額を求めます。
1,155万円−720万円=435万円
435万円×2分の1=217.5万円(注意:1,000円未満の端数がある場合は切り捨てます。) - 市民税・県民税額を求めます。
市民税・県民税の計算例1 市民税 県民税 税率を乗じます 217.5万円×6%=130,500円 217.5万円×4%=87,000円 100円未満切捨て 130,500円 87,000円 - 特別徴収税額を求めます。
130,500円+87,000円=217,500円
(計算例2)退職手当等の収入金額:1,155万円・勤続年数3年4ヶ月(勤続年数5年以下の法人役員等の場合)
- 退職所得控除額を求めます。
40万円×4年=160万円(注意:勤続年数1年未満は切り上げます。) - 退職所得金額を求めます。
1,155万円−160万円=995万円(注意:1,000円未満の端数がある場合は切り捨てます。) - 市民税・県民税額を求めます。
市民税・県民税の計算例2 市民税 県民税 税率を乗じます 995万円×6%=597,000円 995万円×4%=398,000円 100円未満切捨て 597,000円 398,000円 - 特別徴収税額を求めます。
597,000円+398,000円=995,000円
退職手当等に対する市民税・県民税の特別徴収税額算出シート
税額の算出は以下のシートをご活用ください。
1.一般退職手当等に対する市民税・県民税の特別徴収税額算出シート (Excelファイル: 13.4KB)