1.実施概要
本市中心市街地では、長年ムクドリやカラスの大群によるフン害・騒音に悩まされており、関係各課で試行錯誤しながらその対策に取り組んできました。
今年度、新たな対策として鳥類の生態に詳しい中村浩志 信州大学名誉教授をお招きし、フン害・騒音の解消を目指し「ムクドリ・カラス追い払い大作戦」を実施しました。
(1)講演会
- 日時:令和2年9月14日(月曜日) 18時30分から
- 会場:福島市子どもの夢をはぐくむ施設「こむこむ」わいわいホール
- 参加者 :約120名
- 主な内容:ムクドリ・カラスの生態、他都市における追い払いについて他

講演会の様子
(2)追い払い作業
- 実施体制
- 1日目(9月15日夜間):中村氏及び中心市街地8町内会、国土交通省福島河川国道事務所福島国道維持出張所、福島県県北建設事務所、福島市により実施。
- 2日目(9月16日夜間):中村氏及び福島県県北建設事務所、福島市により実施。
- 3日目(9月17日夜間):同上
- 使用機材等
- オオタカとフクロウのはく製・鳴き声(録音データ)
- ロケット花火、爆竹
- レーザーポインター
- 拍子木
- 主な実施範囲
- 県庁前~紅葉山公園~知事公舎
- JR福島駅東口~県道(福島飯坂線)~パセオ通り~レンガ通り~並木通り~稲荷神社
- JR福島駅西口~コラッセ前~福島民報ビル前~あづま陸橋下交差点~ラウンドワン・イトーヨーカ堂東側
(3)実施状況等
1.ムクドリ
1日目
- 県庁前を中心に約12,000羽程度を確認。
- 県庁前上空を旋回し始めたタイミングで、オオタカとフクロウの鳴き声を大音量で流すと共に、ロケット花火等により追い払いを実施。
- その後、JR福島駅東・西口周辺を中心に姿が確認できなくなるまで継続的に見回り、追い払いを実施。

はく製設置の様子

フクロウのはく製

拍子木による追い払いの様子
2日目
- 約2,000羽程度まで減少。
- 県庁前に小さな群れが数回飛来したため、1日目同様追い払いを実施。
- その後、JR福島駅東・西口周辺を中心に姿が確認できなくなるまで継続的に見回り、追い払いを実施。
3日目
約300羽程度まで減少。
2.カラス
1日目
- パセオ通りを中心に約500羽程度を確認。
- パセオ通り~街なか広場を中心に追い払いを実施したが、街路樹から一時的に飛び去るだけで一定時間が経過すると戻ってしまっていた。
2日目
- パセオ通り~レンガ通り~並木通り、JR福島駅東口~県道(福島飯坂線)に分散している塒を中心に追い払いを実施。
- 1日目同様、街路樹から一時的に飛び去るだけで一定時間が経過すると戻ってしまっていた。
3日目
- JR福島駅東口前ビルの屋上3ヵ所でオオタカとフクロウの鳴き声を大音量で流すと共に、ロケット花火等で追い払いを実施。
- 1日目同様、街路樹から一時的に周辺ビルに移動するだけで一定時間が経過すると戻ってしまっていた。
関連画像

カラスの追い払いの様子
2.大作戦実施後の状況及び対応
(1)状況確認(確認日:9月18日(金曜日)夜間、9月23日(水曜日)夜間)
- ムクドリ:JR福島駅西口周辺で約50羽程度、あづま陸橋下交差点付近(ラウンドワン・イトーヨーカ堂東側)で約3,000羽程度を確認。
- カラス:JR福島駅東口とパセオ通り周辺で約500羽程度を確認。
(2)対応(実施日:9月28日(月曜日)夜間、9月29日(火曜日)夜間)
- ムクドリ:あづま陸橋下交差点付近(ラウンドワン・イトーヨーカ堂東側)で追い払いを実施。小さな群れが数回飛来したものの、以後確認はできなかった。
- カラス:JR福島駅東口~パセオ通り~レンガ通り~並木通り~稲荷神社周辺において追い払いを実施。街路樹から一時的に飛び去るだけで一定時間が経過すると戻ってしまっていた。
3.総括(検証・分析)
(1)ムクドリ
- 追い払い実施により、中心市街地(県庁前、福島駅東・西口周辺)に大群で飛来することは無くなった。
- 小さな群れで飛来しても、手を叩くなど音を出すだけで追い払える状態となった。
中村 浩志 信州大学名誉教授の見解
- 三日間の作業で追い払うことができたので、小さな群れが飛来してきたら音による追い払いを実施し、この状態を維持することが大事である。
- 行政だけの対応には限界があるので、即応できる地域の方々の協力が不可欠である。市民と行政の協働により継続した追い払いを徹底的に実施していただきたい。
- 来年の繁殖期後(7月~8月)に再度集まってくる可能性がある。その際、特に初期対応が大変重要となるので、遅れないよう対策を講ずること。
- 中心市街地は人間が生活をするところであり、ムクドリやカラスと共存は出来ない。
(2)カラス
- 追い払いを実施したが、一時的に飛び去るだけで一定時間が経過すると戻ってきてしまっていた。
- 中心市街地に飛来する個体数を減らすことは出来なかった。
中村 浩志 信州大学名誉教授の見解
- 数十年という長い期間、中心市街地を塒としてきたため執着心が強く、充分な追い払いは出来なかった。
- 福島市の中心市街地には街路樹が多いため、塒が広範囲に分散している。
- 明るい場所を好んで塒とする習性から、深夜以降街路灯や照明を消す(照度を落とす)などの対策は効果的と考える。
- 今後も福島駅東口や街なか広場へ誘導し追い込み、ロケット花火等での追い払いを根気強く続けることが大事。
- まずは、中心市街地を塒とする個体数を今以上に増やさないことが重要である。
この記事に関するお問い合わせ先
環境部 環境衛生課 環境衛生係
福島市五老内町3番1号
電話番号:024-573-2557
ファックス:024-563-7290
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