難病患者やそのご家族の療養生活上の不安や困りごと等の相談のほか、患者さん同士で療養に関する情報を共有することを目的に、講演会・交流会を開催しました。今回は、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)の栄養について行いました。
日時・場所・参加者数
1.日時
令和8年8月1日 土曜日 午後2時から午後4時
2.場所
福島市保健所(福島市保健福祉センター) 5階 大会議室
3.参加者数
計27名
【内訳】
・患者の方 5名
・患者のご家族の方 4名
・その他支援者の方 7名
・難病サポーター、ボランティア 11名
内容
1.講演会
(第1部)炎症性腸疾患の病状と治療について
講師:福島県立医科大学 消化器内科学講座 鬼澤道夫 医師
潰瘍性大腸炎とクローン病の病状の特徴と主な治療方法について、講話いただきました。
(第2部)炎症性腸疾患の食事について
講師:福島県立医科大学 管理栄養部 田口 遼 管理栄養士
潰瘍性大腸炎とクローン病の「食」のつきあい方について、食べてはいけないものを探すのではなく「食べても大丈夫なもの」を増やしていくことをポイントとして講話いただきました。
事前質問と講師の回答内容
Q1.フルーツグラノーラを毎日食べるのはよくないのでしょうか。
毎日食べても差し支えありません。多くの製品はオーツ麦が主原料で、オーツ麦がIBDを悪化させるという根拠はありません。フルーツグラノーラ自体は、病気を悪化させるものでも治すものでもありません。
ただし砂糖の量にはご注意ください。砂糖の摂りすぎは炎症性腸疾患に限らず一般的な疾患のリスクを高めるため、食べ過ぎはよくありません。
その範囲であれば、おいしい・買いやすいという基準で選んで構いません。
Q2.同じヨーグルトを毎日食べるのはよくないのでしょうか。
どちらでも構いません。同じ種類がよいという説と、複数の種類がよいという説の両方があります。いずれも治療ガイドラインに載るほど確立した問題ではありません。高価な製品が特に優れているわけでもありません。
ご自分が好きなもの、手に取りやすいもので十分です。
治療の中心は薬です。ヨーグルトの食べ方によって、治療の代わりになるほどの効果はありません。
Q3.食事の調理のポイントを教えてください。
食事は60点を続けられればよいです。
病気になると食事を完璧にしようとする方がいますが、100点を目指すと疲れてしまいます。IBDとの付き合いは長く続くため、頑張りすぎず、継続できることを優先してください。「この食事なら大丈夫」というものを見つけておくと安心です。体調が悪いときは消化の良いものを選び、症状が続く場合は主治医にご相談ください。
(注意)記載内容は一般的な情報であり、個別の対応は主治医や担当の管理栄養士へご相談ください。
2.交流会(希望者のみ)
参加者と講師が参加し、情報交換や日頃の悩みの共有と講師への質問などを行いました。
3.アンケート結果
Q.講演第1部について
1.大変役立った 14名
2.役立った 8名
3.もっと知りたかった 2名
Q. 講演第2部について
1.大変役立った 14名
2.役立った 8名
3.もっと知りたかった 1名
Q. 講演会の感想
<患者・家族>
・食事制限の加減が分からず不安だったが、どこまでやればいいか分かって助かった。気が楽になった。
・気を付けすぎていたかもしれない。量に気を付けたい。食事内容を見直したい。
・家族の病気に対して心配していたが今日、大変気持ちが楽になった。
・食事について初めて聞いたが具体的で目からウロコだった。
・重要なポイントが絞られていて分かりやすかった。考えを孤立させないように色々知っていきたい。
・今後も症状を見ながら食事作りをしていきたい。
<支援者>
・治療や患者さんの状況、多職種連携について理解が深まった。
・具体的で現実的な内容で参考にしやすい。
・栄養面において、重く捉えすぎずに日常生活が送れそうだと感じた。
・制限しすぎていた不安が和らいだ。過度に恐れず、量やバランスに気をつける。
・普段聞けない話を知ることができて、とても良かったです。
・時間が少なかった。講演2で具体的な食事メニューの紹介についても聞きたかった。
Q. 交流会について
<患者・家族>
・質問に答えていただきありがとうございました。
・聞きたかったことを全部聞けて良かった。
<支援者>
・患者さんの切実な状況が伝わってきた。
・難病患者さんの食事を通して病気との向き合い方や考え方、食べることの意味などの気づきをいただいた。
・先生からのアドバイスを、今後の相談業務にいかしていきたい。