水道事業会計の仕組み

水道事業会計の仕組み説明図

水道事業は、税金ではなく、市民の皆さまからいただいた水道料金で事業を行う「独立採算制」で経営し、会計も独立した「水道事業会計」となっています。水道事業会計は、地方公営企業法に基づき「収益的収支」と「資本的収支」に分けて経理します。

「収益的収支」とは、日々の営業活動に伴うもので、収入には水道料金などが、支出には人件費や動力費(水を送るためのポンプや水道施設を運転するのに必要な電気代)などの維持管理費、受水費(福島地方水道用水供給企業団から摺上川ダム水を購入する費用)などがあります。この中には、会計に計上されているものの、実際には現金の動きが発生していない減価償却費や長期前受金戻入なども含まれています。

「資本的収支」とは、水道管路など施設の建設や改良に伴うもので、収入には企業債(国などからの借入)や補助金などが、支出には工事請負費などの建設改良費、企業債償還金などがあります。

収益的収支で得た利益を資金として水道施設の整備を行うのが、水道事業経営の基本的な仕組みです。

前年度との比較

実施した主な事業

有収率向上対策

DX技術を導入し、漏水調査の効率化を図るため、令和6年度に引き続き、人工衛星画像とAIを活用した漏水リスク評価をおこないました。

高リスクと評価された箇所を優先し、漏水調査を実施した結果、漏水の早期発見と早期修繕に繋がったことから、有収率(注釈)が向上しました。

(注釈)配水池から給水する水量に対し、料金として収入のあった水量の割合で、漏水が多いと数値が低くなり、高いほど、無駄なく水道水を供給できていることになります。(令和7年度90.0%)

【地表面高温リスクの可視化】

人工衛星を活用した漏水調査の効率化

【人工衛星を活用した漏水調査の効率化】

維持管理・修繕

遊休資産の利活用を図るため、旧渡利浄水場施設撤去工事を進めました。また、基幹管路の更生や橋梁添架管の塗装替により、施設の延命化を推進しました。

【旧渡利浄水場施設撤去工事】

老朽管更新事業など

国の補助制度を積極的に活用し、予定工事の前倒しなど老朽管更新事業に、これまで以上に集中的に取り組みました。これにより、令和7年度発注工事をもって、基幹管路耐震適合率(注釈)100%となります。

また、新たに病院や避難所など災害時の対応で、中心的な役割を担う重要施設に接続する管路の耐震化や、応急給水体制の強化を図るため、給水タンク車(2.8トン)の購入にも取り組みました。

(注釈)基幹となる重要な導送配水管の総延長の内、耐震適合性のある水道管の割合です。(令和6年度全国平均44.6%)

老朽管更新事業【宮代系幹線300mm配水管布設替工事】

【給水タンク車】

令和7年度水道事業会計決算

収益的収支において純利益が出ている一方で、資本的収支においては多額の不足額が生じており、資本的収支の不足額を埋めるために内部留保資金を取り崩しながら経営している状況です。

純利益は前年度より67.9%減少しており、今後も、人口減少に伴う水需要の減少や、エネルギー価格や資材高騰などの影響により、更に厳しい経営環境になることが見込まれます。

このため、基幹管路の耐震化や老朽管の更新を計画的に推進するとともに、施設の延命化を図り、ICTやデジタル技術を積極的に活用するなど、将来にわたり持続可能な経営を維持できるよう、「ふくしま水道事業ビジョン」に基づき、より一層計画的・効率的な事業運営に取り組んでまいります。

留保資金となる「減価償却費」「長期前受金戻入」って何?

減価償却費とは

取得した固定資産は、毎年少しずつ劣化するため、会計上、徐々に価値を減少させていきます。

固定資産を取得するための費用も、取得した年にまとめて計上するのではなく、耐用期間で平準化し、収益的支出に計上します。例えば、水道管を更新する場合は、更新にかかった金額を水道管の耐用年数40年で割って、1年ごとに費用として計上し、40年かけて償却します。

実際には、資産の取得にかかった金額をその時点で支出しますが、会計上は、資産ごとに定められた耐用年数で分割した金額を費用として計上します。この費用が「減価償却費」です。費用として計上するものの、外部に現金を支出しないことから、内部留保資金となります。

長期前受金戻入とは

費用と同様に、固定資産を取得するための収益も、耐用期間で平準化し、収益的収入に計上します。

「長期前受金戻入」は、資産の取得にあたり国などから受けた補助金について、耐用年数で分割した金額を収益として計上するものです。「減価償却費」とは反対に、収益として計上するものの、外部から現金を収入しないため、内部留保資金から除く必要があります。

つまり、「減価償却費」と「長期前受金戻入」の差し引きで、留保資金の額が決まることとなります。

令和7年度の留保資金(概算)

令和7年度の留保資金(概算)の詳細
1.前年度から繰り越し 36億3,600万円
2.費用として計上した減価償却費等 17億6,400万円
3.収益として計上した長期前受金戻入 2億9,600万円
4.その他(収支には表れない消費税の調整分など) 1億2,200万円
5.純利益 1億2,400万円
6.資本的収支不足額補てん 20億2,100万円
7.年度末残高 1.+2.-3.+4.+5.-6. 33億2,900万円

過去の決算書

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