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更新日:2024年3月4日

市長コラム 『We Love ♡ ふくしま!』

令和6年3月号

第67回「住まいを考えよう」

 能登半島地震の被災地では、生活と地域の再生に向けた取り組みが本格化してきました。
 この地震で失われた貴い命の大半は建物倒壊によるもの。能登地域は、耐震基準強化前の住宅(「旧耐震基準住宅」とします)の割合が高く、改めて耐震補強の重要性を痛感します。新耐震基準住宅でも倒壊が報告されており、度重なる地震で耐震性が弱っていたことも想定されます。
 福島市における旧耐震基準住宅の割合は27%。大震災に加え、2度の福島県沖地震により、3度も震度6弱の揺れを受けています。旧耐震基準住宅の補強が急がれますし、それ以外でもダメージを受けている住宅は、安全性を確認の上、適切な対応が必要でしょう。
 住まいのもう一つの重要要素は、断熱性です。地球温暖化で年々暑くなる一方、寒いときは寒く、寒暖の振れ幅が大きくなっています。熱中症はもちろん、ヒートショックや疲労など寒暖差による体調不良も起きやすく、命取りにもなりえます。
 暑さ寒さを冷暖房で対応するにしても、外気の変化に十分対応できなかったり、光熱費の高騰を考えると、つい冷暖房をケチったりしてしまいます。その点有効なのは住宅の断熱性強化です。外気の影響を受けにくく、エネルギー消費も節約できます。
 南東北地方の従前の住宅は断熱性が弱く、わが家は以前、プチプチや段ボールをサッシに張り付けて寒さをしのいでいました。
 今後、住まいには耐震性や断熱性を確保して、安全で健康的、エネルギー消費も少ない住宅にしていくことが望まれます。もちろん、そのための改修費用がかかりますが、助成制度があり、市ではそうした情報を提供していますので、分からない場合はご相談ください。
 高齢者の場合、買い物や通院に便利な市街地のマンションなどに移って、性能の高い住まいを確保するケースが増えています。住み慣れた家や地域を離れるのは切ないと思いますが、ケア付き高齢者住宅などでは新しい近所付き合いを楽しめるようです。
 住まいは生活の基盤。能登半島地震を機に、安全で健康的、地球にもやさしい住まいについて考えてみましょう。

令和6年2月号

第66回「信夫山公園150周年」

 令和6年、いたましい幕開けとなってしまいました。
 能登半島地震により、多くの方々が亡くなり、今も多数の方が真冬の寒さの中で不自由な生活をされており、心が痛みます。一日も早く平穏な日常が戻ることを祈り、できる限りの支援をしていきたいと思います。
 さて、今年は信夫山公園が開園150周年を迎えます。
 信夫山は、全国的にも珍しい街の中心にある里山で、歴史と信仰、伝説の山、文学の山、自然の宝庫、市民の憩いの場など、多彩な顔をもつ福島市のシンボルです。
 私は、烏ケ崎からの眺望が好きで、信夫山に漂う霊験あらたかなパワーを感じながら、眼前に広がる景色を眺めると、体中に気力が満ちてくるような気がします。
 改めて信夫山について整理してみると、仏教伝来で名高い欽明天皇の皇后と皇子が、皇位継承争いに敗れて逃れ住んだ歴史や、平安の昔から憧れの山として歌枕に詠まれたことなど、信夫山は古来、中央の人々にも存在感があったことがうかがわれます。
 また、皇子と皇后の家来である六供、七宮人の子孫が1500年もの間、信夫山に住み続けてきたこと、『となりのトトロ』のオー
プニングソングが信夫山のイメージから生まれたという逸話、噴水広場の土木遺産「旧秡川橋」は古関裕而さんの曽祖父三郎治さんが寄進したこと、終戦間際、軍の秘密地下工場に活用された金鉱跡があることなどは、もっと知ってほしいものです。
 150周年では、2月10日の信夫三山暁まいりと福男福女競走を皮切りに、「学び、遊び、ひろげる」をテーマとしたさまざまな記念事業を展開します。信夫山にちなんだ民間事業も、ロゴマークの使用などが可能な「冠事業」として積極的に実施してほしいと考えています。これらの事業を通じ、改めて信夫山のすばらしさを体感してください。
 150周年を機に、信夫山をさらに魅力アップし、また信夫山に由来する健脚や縁結びを太い文化にして、シンボルとして一層親しんでいきたいと思います。
 そして、信夫山にて願うこと。何よりも、今年が平穏な年になりますように!

令和5年12月号

第65回「野鳥の楽園」

 小鳥の森が開園40周年を迎えました。
 小鳥の森は、野鳥など多様な生物が生息する自然豊かな森。ボランティアや地元関係者などに支えられ、市民の憩いの場、子どもたちの環境学習の場として親しまれてきました。
 市街地のすぐ近くなので、小鳥が街にやってきて、心を和ませてくれることもあります。福島市ならではですね。
 小鳥の森は、自治体設立のサンクチュアリ(野鳥など生物多様性を保全する自然系施設)としては全国第一号の先導的な施設です。昭和天皇やお若い頃の天皇陛下も訪れました。
 今後も、誇りをもって、小鳥の森を守り育てていきたいと思います。
 一方、市街地では、カラスやムクドリがすみつき、大きな被害が生じています。
 一昨年来、専門家の指導のもと、被害防止対策を実施してきました。ムクドリには一定の効果が見られましたが、カラスには難しく、昨冬はカラスの大群によるふん害が街なかの大きな問題となりました。
 調べてみると、冬場の大群は、ミヤマガラスという大陸からの渡り鳥で、11月から3月にかけて飛来するとのこと。環境変化で、西日本だけでなく東日本にも飛来するようになったようです。大群を形成する習性があり、市街地をねぐらにすることもあります。
 他方、生ごみ荒らしをするのは、在来種のカラス。餌に恵まれ、こちらも増えているようです。
 カラスが飛来する冬場を前に、商店街や大学、企業、国、県などと連携して、対策を強化します。樹木の伐採や歩道の清掃などのほか、「だまくらカラス」という装置でカラスを不安にさせる音を出して、追い払います。カラスの鳴き声のような音に驚かないようご注意ください。
 在来種対策としては、被害のひどいごみ集積所にボックス型ごみネットを配置し、効果を検証します。
 「カラスの楽園」とならないよう、市民の皆さんのご協力をいただきながら、餌を減らし、街をきれいにしていきたいと思います。童謡「七つの子」のごとく、のどかな気持ちでカラスを眺められるよう、カラスとの共生を図っていきたいものです。

令和5年11月号

第64回「納豆のまち 福島市」

 納豆のまちといえば水戸市。水戸市では、多様な納豆商品が所狭しと並び、「水戸納豆早食い世界大会」といった納豆イベントも開催されています。
 しかし、納豆の一世帯当たり購入額でみると、1位は4年連続で福島市。この10年に7回もトップに耀いており、「納豆のまち」を名乗る資格は十分あるのです。
 なぜ、福島市でそんなに食べられているのか?定説はありませんが、ご飯がおいしいからというのが、勝手な木幡説。朝食は米飯の家庭が多く、ご飯にあった納豆が好まれているのではないでしょうか。
 幼い頃から納豆食が習慣化されているのは確かでしょう。数年前、ある保育園の園児の半数以上が、好きな給食メニューは納豆カレーと答えていたのには驚きました。福島市では、納豆の英才教育をしている!
 私も、子どもの頃から大の納豆好き。普段は健康を意識し、ツルムラサキなどの青物野菜と和えることが多く、勝負時は温泉卵と混ぜて力をつけます。夕食のお酒の肴には、たっぷりのネギと納豆を油揚げに挟んで焼いたものがたまりません。納豆消費額日本一の特徴を生かし、「納豆のまち」としてブランド化しながら、地域活性化を図ろうと、納豆料理コンテストをスタートさせました。30ものお店が参加し、見るからにおいしそうな料理を提供いただいています。1月末まで一般投票を行い、その結果を踏まえて、グランプリなどを決定する予定です。投票やインスタ投稿した方には、抽選で特産品などをプレゼントします。
 ぜひ参加店で納豆料理を楽しみ、推しの料理に投票・投稿してください。
 このコンテストの次には、市民の皆さんから納豆料理を提案いただき、コンテストを開催できたらいいですね。
 水戸市では、購入額日本一奪還大作戦を展開したり、議員提案の「納豆の消費拡大に関する条例」を全会一致で制定したりと、トップ奪還に躍起になっています。
 福島市としては、自然体よりは少しは力を入れて、粘りづよ~くトップを死守し、身体も地域も元気になっていきましょう。

令和5年10月号

第63回「ノーモア メガソーラー」

 福島市は、8月31日、「ノーモア メガソーラー宣言~地域共生型の再エネ推進の決意を込めて~」を公表しました。
 市内では、山あいにメガソーラーの設置が相次ぎ、森林の伐採などで景観が悪化するとともに、災害発生が危惧されています。山地におけるメガソーラーはこれ以上望まない、という市の意思を明確に示したものです。
 吾妻連峰などに囲まれた盆地に、信夫山や花見山などの里山が点在し、花やくだもの畑が広がる田園風景は、市民の誇りであり、ふるさとの光景そのものです。安全・安心を守り、ふるさとの景観を地域の宝として次世代へ守り継いでいかなければなりません。
 法的な設置抑制には限界がある中、市では、太陽光ガイドラインを定め、環境保全との調和とメガソーラーの設置抑制を図ろうと努めてきました。花見山近辺での設置の動きは、何とか止めて原風景を守ることができましたが、市西部に、はげ山が見えるに至ったのは悔やまれてなりません。宣言はしましたが、法的効果はありません。いかに市民の皆さんと一緒にふるさとの景観を守る強い意思を示すことができるかが重要です。山地でのメガソーラー計画に対し、売却などはしないよう土地所有者のご理解をお願いするとともに、地域の皆さんには、受け入れない姿勢を示していただくようお願いします。
 一方、地球温暖化が進む中、ゼロカーボンに向けた取り組みを強化しなければなりません。市民・事業者の皆さんには、省エネ機器の導入や断熱改修、ごみ減量化など徹底した省エネ・省資源化に取り組むとともに、屋根や空き地での太陽光発電、水力や温泉熱を活用した発電など、地域と共生する再生可能エネルギー事業を積極的に進めていくことをお願いします。
 ふるさとの景観と安全・安心を守りながら、福島らしいゼロカーボンを、市民・事業者の皆さんと共に実現していきたいと思います。

令和5年9月号

第62回「トップセールスからの新展開」

 この夏も、各地でくだもののトップセールス。視点が異なる方々とのやり取りから、たくさんの気づきやアイデアが生まれます。
 青果市場からはお盆頃に桃の供給が求められる一方、有名高級くだもの店は、お中元シーズンでの主力商品の投入が必要といいます。
 同店からは、消費者は色々な種類を食べたいし、小家族化しているので、複数品種の詰め合わせが喜ばれること、くだものを買わない若い世代でもスイーツは積極的に消費すること、ブランド化するには希少性が大事であることなど、消費動向も教えていただきました。
 この夏、販売促進員が桃のピンバッジをしてPRしましたが、ピンバッジを買いたいという方が結構居たのは驚きでした。
 私たちは、市場動向に適応していくことが大切です。
 時期の課題に関しては、温暖化に対応して、求められる時期に出荷できる人気品種の栽培拡大や、新品種の開発を進める必要があります。
 今年、詰め合わせ用の「F‒BOX」という箱を開発しました。贈答用と家庭用の2種類がありますが、贈答用の箱は、大変カラフルでカワイイと好評をいただいています。私は何度も活用していますが、さまざまな組み合わせパターンが可能ですので、実りの秋に「F‒BOX」を活用してはいかがでしょうか。
 くだものを使ったスイーツは、スイーツ・プレミアムやピーチ(アップル)ホリデイなどの取り組みで、市内でも、ずいぶん新商品が開発されてきました。スイーツ周遊に県外から来訪される方も多数居ます。うれしい限りですが、スイーツ好きの私には、満員で入店を諦めるケースも多く、くだものスイーツのお店が今後さらに増えていくことを期待しています。
 新品種の開発は、公的機関だけでなく、個人で品種登録される方も居ます。優れた品種は、希少価値を維持してブランド化する仕掛けを考えていきたいものです。
 そして、桃のピンバッジの件。考えてみると、わらじまつりなども関連グッズが少ないですね。福島の誇りとするものは、消費者ニーズを把握しながら、関連商品を製作・販売し、認知度と経済効果を高めていきたいと思います。

令和5年8月号

第61回「熱中症を予防するために」

 キャッチャーだった中1の真夏の野球練習。エースの先輩と一緒に、ファールボールを拾いに投球練習を抜け出し、がぶ飲みした水道水のうまかったこと!スポーツ時は水を飲むなとされていた時代。時代を先取りしていたな~(笑)
 8月になると暑さに慣れ、盆過ぎからは少しずつ涼しくなってきますが、まだまだ暑い日は続きます。熱中症には、十分ご注意を!暑さの中、意識がもうろうとしかけたら、すぐに救急車を呼びましょう。
 熱中症というと、炎天下で起きるものとの思い込みがありますが、実は屋内のほうが多いのが実態。市消防によると、昨年、熱中症で救急搬送された方の約3分の2は、住居や公的施設などの屋内で発症しています。特に高齢の方は、住居内で発症するケースが多くなっています。室内でも安心せず、暑いときは冷房や扇風機をかけ、こまめに水分やミネラルの補給をしてください。
 福島市では、本年、7月1日から9月30日まで、市の58公共施設をクーリングシェルターとして提供することにしました。暑い日の外出時に休憩し、涼んでください。
 熱中症の危険性がどのくらいあるかは、環境省の「暑さ指数(WBGT)」が参考になります。暑さ指数は、湿度や気温、日射などの要素を数値化したもの。3時間ごとの予測値とともに、数値に応じ、「厳重警戒」や「危険」といった段階ごとに、運動中止などの指針が示されています。
 市では、暑さ指数などをもとに、市公式LINEなどで熱中症に関する警戒情報を発信していますので、日頃から市が発する情報に注意しておいてください。
 熱中症は、体温が上がり、水分と塩分のバランスが崩れたり、体温調節機能が働かなくなったりしたときに起きる症状です。日頃から運動し、汗をかく習慣を身につけることも効果的な予防法です。高齢の方も、軽い運動や散歩を日常的に行うことで、熱中症にも感染症にも強い身体を維持し、健康長寿を享受していただきたいと思います。

令和5年7月号

第60回「ふくしまシティハーフマラソン」

 5月21日、初開催のふくしまシティハーフマラソン。色とりどりのウエアに身を包んだ4千人超の人波が途切れることなく、街なかを駆け抜けました。前日、中心部のホテルは満室、温泉旅館にも関係者が多数宿泊し、街なかの飲食店は行列ができる賑わいでした。スポーツによる新しい景色に、コロナ越えへの予感を感じた方も多いのではないでしょうか。
 初開催だけに、トイレや給水所の紙コップの不足、おもてなしパークでの混雑など至らぬ点がありました。参加者などの声をしっかり受け止め、改善していきます。
 非常に好評をいただいたのが、おもてなしです。企業・団体から想定以上の協賛を頂戴し、市民は、ボランティアとして活動したり、沿道で温かい声援を送ったりしました。15もの応援隊が激励パフォーマンスを繰り出すのは異例の多さで、こんなにおもてなしあふれるハーフの大会は他にないでしょう。ご協力に心から感謝いたします。
 4割以上は県外からの参加者でした。今後も、おもてなしを最大の特徴とした大会に磨きを掛け、県内外から多くの方を呼び集め、福島市の魅力を発信する象徴的な大会にしていきたいと思います。
 今後の狙いとしてもう一つ、健脚文化の形成です。市を代表する福島わらじまつりの大わらじは、健脚のシンボルです。大わらじにちなんで、福男福女競争や信夫山パークランニングが開催されてきましたが、ふくしまシティハーフや各種ウオーキング大会を絡め、健脚のまちをつくりたいと思います。
 今回、「初開催の記念に」と普段は走らないような方まで参加されたようです。今後も、少しずつ歩き・走って、ハレの舞台として、次回以降もぜひご参加ください。また、今回、参加者の女性比率は約2割。今後も、ランニング教室などを実施して、女性の意欲を喚起し、後押ししていきます。
 福島市は、健脚の神 羽黒神社の麓に広がるまち。走らずとも、子どもからお年寄りまで、日々歩くことで健康を増進し、「健都ふくしま」を創っていきたいと思います。

令和5年6月号

第59回「地震雷火事・・」

 清水分署の落成式で、幼年消防クラブの園児たちが可愛らしいお祝いをしてくれました。「火の用心 マッチ一本 火事の元」、カチカチ(拍子木)。
 心が和みましたが、ふと思ったのは、「園児たちはマッチを知っているのかな?」。かつて簡単に手に入ったマッチは、今やほとんど見ることすらありません。
 卒業式の定番♪「蛍の光 窓の雪」(最近は歌う学校が減っているようです)。私が子どもの頃は、電気のない生活を経験した世代の人がいて、何となく理解できる空気がありましたが、現代の子どもたちには実感が湧かないでしょう。
 どちらも現代感覚と離れていますが、火の取り扱いの大切さ、苦労してでも勉学することの大事さは伝えていきたいものです。
 これらに限らず、広く知れ渡った名句や故事成語でも、時代の変化から、分かりにくくなったり、運用しにくくなったりしているものもあります。しかし、名句や故事成語は社会のさまざまな要素が凝縮したもの。うまく利用することが必要でしょう。例えば、「壁に耳あり障子に目あり」。障子も少なくなりましたが、常に誰かに見られていると思って行動すれば、悪事は少なくなるでしょう。
 「百聞は一見に如かず」。これは誰もが認めるものの、最近では、デジタルを通じて「一見」するケースが増えています。しかし、「デジタル百見はリアル一見に如かず」のケースも多いことを踏まえて、両者を使い分けたいものです。
 そして、「雌雄を決する」。優劣の決着をつける前提として、雄は強く、雌は弱いという考え方があります。最近は、性別による固定的観念は禁物。性別は不要のケースも増えています。今後は利用しづらいですね。
 最後に一つ。「地震雷火事親父」。威張り散らす怖い親父は家庭内での居場所がなくなります。絶滅「必至」種といえるでしょう。ただ、威厳はなくても、いざという時には頼りになる存在でいたいものです。
 一方、地震、雷、火事の怖さは変わりません。皆さん、くれぐれもご注意を!

令和5年5月号

第58回「吾妻山麓」

 福島市が制作した外国人向けの動画「盆栽 吾妻五葉松」がクールジャパン・プラットフォームアワード2023のグランプリを獲得しました。厳しい自然に自生する吾妻五葉松の精神性を強調し、荒涼としたムードが漂う動画ながら、公開後1年余で22万回再生。外国人の目には、クールな(イカした)日本文化と映っているのでしょう。地元盆栽の文化性の高さに改めて気づかされます。
 吾妻山麓は、本市にとって「宝の山」。さまざまな恵みをもたらしています。
 昨年、本市への観光客入込数は、コロナ禍にもかかわらず過去最高の772万人となり、磐梯吾妻スカイラインの利用者は118万人で、前年の3倍、大震災前年と比較しても2倍となりました。コロナ禍だからこそ、密集せずに、雄大で開放的な気持ちになれる魅力が人気を集めたのでしょう。
 また、この山に出ずる清流・荒川は12年連続の水質日本一。「荒れ川」を制御するために築かれた霞堤や堰堤は貴重な土木遺産で、見た目にも美しい。万世大路は、廃路マニアの聖地で、この冬は、廃トンネルにできる氷柱を見に行くツアーが催行されました。
 湖沼や高原性の花も魅力的です。湖沼は裏磐梯というイメージがありますが、吾妻山麓にも、一切経山の山頂から見える五色沼(魔女の瞳)や土湯の女沼・男沼などがあり、新緑や紅葉の季節の美しさは格別です。30万都市にこのような場所があるとは、大都市の方々には信じがたいでしょう。
 花回廊スポットに列挙されるヒメサユリやミズバショウの群生地もあります。特にビッキ沼は車道のすぐそばにあり、手軽にミズバショウを見ることができます。山の学校のようなカフェと合わせて、山村気分をたっぷり味わえます。
 最近では、麓の斜面にワイナリーができ、ワインを味わいながら、市内を一望できる展望施設もオープンしました。
 市では、吾妻山麓をテーマにした観光「吾妻山麓ツーリズム」を推進しています。市民の皆さんも、吾妻山麓の魅力を再発見してはいかがでしょうか。

令和5年4月号

第57回「若い力」

 若芽吹く春。春には新しい力が生まれます。春到来の喜びは、未来への期待感でもあるのでしょう。
 福島市では、昨年から、若者による三つの成人式関連イベントが行われました。
 二つは、コロナ禍によって対面の成人式や式後交流を失った一昨年と昨年の新成人が、自分たちの成人式や交流の場を取り戻す取り組み。もう一つは今年の「二十歳の集い」における式後交流。
 いずれも、20歳世代自らが企画・準備したばかりか、ふるさと福島市への郷土愛を育む企画を主体的に組み入れ、世代みんなで盛り立てようとする姿もみられました。なかには、資金集めなど経験のない苦労もして実現にこぎつけたイベントもあり、このような動きに、大変感激しました。
 これに限らず、若者の最近の活躍は目覚ましいものがあります。
 東稜高生がダンス世界一、野田小、吉井田小のマーチングは全国金賞に輝き、吾妻中の高糖度トマト研究は、ふくしま産業賞学生金賞を獲得しました。
 社会活動も増えています。環境美化活動をはじめ、軽トラ市などのイベントへのテナント出店や演奏・ダンスでの参加。駅東口地下階段のデザインアートは福島学院大生に、婚姻届け時のプレゼントは福島西高生にデザインしてもらいました。
 高校生フェスティバル、サッカーW杯のパブリックビューイングのように、若者の企画イベントが他世代を巻き込んでいるものもあります。
 やや上の世代では、暁まいり福男福女競走、街コスといったユニークな企画を敢行したり、自ら創業している人も少なくありません。
 こうした若者の動きは大変頼もしく、その力を一層引き出していきたいと思います。市では、若者の参加機会を増やしたり、イベント実施への補助を行っていますが、大切なのは、地域全体が若者の感性を尊重し、挑戦しやすくすること。若者が呼吸しやすくなることで、若い力が地域の活力となります。若い世代が定住して、持続可能な地域にもなるでしょう。
 若い芽が大きく開花していくことを期待しています。

 

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福島市五老内町3番1号

電話番号:024-525-3702

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