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更新日:2024年3月1日

市長提案説明(市政に関する報告と所信-令和6年3月市議会定例会議)

  • 日時:令和6年3月1日(金曜日)
  • 場所:議場

市職員の不祥事について

 提案理由を申し上げるに先立ち、市職員の不祥事についてご報告申し上げます。
 このたび、2名の職員を懲戒免職処分といたしました。一人はストーカー規制法容疑で逮捕・起訴された職員、もう一人は酒気帯び運転で交通事故を起こした職員であります。被害にあわれた方にご迷惑をおかけしましたこと、そして市民の皆様からの信頼を大きく損なう結果となりましたこと、深くお詫び申し上げます。
 再びこのような事態を引き起こすことのないよう、市職員一同深く心に刻み、綱紀粛正を徹底しながら、市民の皆様の信頼回復に全力で取り組んでまいります。

令和6年度所信について

 さて、本年は、能登半島地震、航空機衝突事故と、災いが続く幕開けとなりました。亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、一日も早く生活再建と地域の再生が進むことを祈念申し上げます。
 今年度は、全国的にコロナ禍からの回復が進み、本市においても、観光客数と移住者数が、過去最多の昨年度を上回るペースで推移するなど、コロナ禍でも手を休めなかった政策的効果もあり、着実な回復が見られます。
 しかしながら、人口減少が加速し、気候危機は深刻さを増し、物価高が続いています。加えて、税収が伸び悩み、財政状況はさらにひっ迫するなど、市政を取り巻く環境は一層厳しくなっています。
 このような状況なればこそ、新年度は、市民の皆様と、危機感と未来への希望を共有しながら、積極果敢に政策展開と変革を図り、上昇の流れを定着・強化し、beyondコロナの新しいステージが見えるようにしてまいりたいと存じます。安全安心、子育てと教育、市民誰もの元気づくり、産業振興、賑わいと文化、デジタル化、ゼロカーボン、移住・定住と女性活躍を柱として、一層の創意工夫を講じながら市政を推進してまいります。

第1の柱 安全安心なまちづくり

 第1の柱は、安全安心なまちづくりの推進であります。
 元日の能登半島地震は、改めて災害が発生するリスクは常に身近に存在し、いつ現実化してもおかしくないことを認識させました。これを肝に銘じ、本災害を検証しながら、防災・減災の備えを強化します。
 この地震で亡くなられた方々の大半は家屋倒壊によるものでした。木造住宅の耐震化を進めるための予算を拡充し、今月から前倒しして受付を開始します。
 災害時の避難や緊急車両の通行等を支えるため、道路の改良、橋梁の耐震補強を緊急対策として集中的に実施するほか、老朽化した基幹水道管の更新は、計画を前倒しし、令和7年度の耐震適合率100%を目指します。
 能登半島地震の被災地に対し、本市では、義援金の募金、緊急物資支援、応急給水、住家被害認定調査や避難所健康管理に係る職員派遣などの支援を実施してきました。今後も、東日本大震災時の支援に対する感謝を胸に、被災地のニーズに応じ、できる限りの支援を行うとともに、本市においても、災害時の受援体制の強化を図ってまいります。
 地域防災力の強化と災害対策のデジタル化も、重要な課題です。先月には、地域防災の中核となる消防団において、消防水利デジタルマップを導入し、火災対応の迅速化を図りました。避難行動要支援者名簿の更新や地区防災計画の策定、気軽に防災を身につけることができる「ぼうさい体験パッケージ」などにより、地域防災力を強化します。
 災害対策のデジタル化については、SNS情報の自動収集システムを導入し、災害現場の状況把握を効率化・迅速化するとともに、防災無線には通信範囲の広いIP無線機を避難所に導入して、災害時の通信手段を強化します。
 水害に対しては、水害対策パッケージにより流域全体の防災力を強化します。河川改修による強靭化、田んぼダムの設置拡大、市道アンダーパスの排水能力向上など、ハイブリッドな浸水対策を進めます。また、頻発する局地的豪雨などに備え災害復旧費を当初予算に計上し、対応の機動性を高めます。
 消防本部・福島消防署の再整備については、移転先となる市民会館等の廃止条例を今議会に提出し、解体に向けた準備を進めるとともに、新消防庁舎の実施設計に着手し、令和10年4月の供用開始を目指します。他の耐震性のない消防施設は、有効な出動体制と次世代に対応した消防機能を確保できるよう、最適な配置を調査・検討します。
 生活環境の整備については、あぶくまクリーンセンター新焼却工場の実施設計と建設工事に着手して、令和10年4月の供用開始を目指します。製品プラスチックのリサイクルに向けた実証実験や、小型充電式電池の回収により、ごみの適正排出を推進します。
 カラス対策については、現在取り組んでいる冬場のカラス対策の成果等を検証しながら、音声再生装置等による追い払いを強化するとともに、折りたたみ式ごみネットの設置を支援して、快適な生活環境を守ります。
 除去土壌の仮置場については、今年度末までに全41か所中37か所を原状回復のうえ返還し、残る4か所は来年度末までに返還完了する予定です。

第2の柱 子育てと教育で選ばれるまちづくり

 第2の柱は、子育てと教育で選ばれるまちづくりであります。
 子育て家庭への経済的支援については、コロナ禍で約4割支援に充実した福島型給食等に加え、新年度は、児童手当を拡充し、放課後児童クラブの第2子以降の利用料補助の所得制限を撤廃するなど、本市の独自施策と国の制度を併せながら、結婚から子どもが育つまで切れ目のない支援を推進します。
 保育の質の向上のため、今後、幼稚園・保育所の再編を進めながら、施設環境の充実を図ります。耐震性の不足する森合幼稚園は、地域のモデル的な幼児教育・保育の拠点として、(仮称)もりあい認定こども園に建替整備し、令和8年4月の開園を目指して実施設計に着手します。特色ある幼児教育・保育をさらに推進するほか、公開保育を行うなど職員研修を充実します。
 多様な保育の提供については、保育園等を利用していない子どもを預かるこども誰でも通園モデル事業は3か所に増やし、病児・病後児保育も2施設増設するほか、公立保育所での休日保育を実施します。
 待機児童対策については、2つの私立保育施設への改築支援、預かり保育を実施する私立幼稚園の増加により、保育の枠を拡大します。放課後児童クラブも、新たに3クラブを増設し待機解消を目指します。
 教育の充実については、指導者全員に専用端末を配置し、福島型オンライン授業における指導力向上を図るとともに、本市ゆかりの著名人や地元企業と連携した特色ある教育を実施し、学力の底上げと個性を伸ばす質の高い学校教育を展開します。
 中学校部活動において指導員の配置拡充等を進め、段階的な地域移行を図るなど、教員の働き方改革を進め、児童生徒と向き合う時間を確保しながら、不登校・いじめ対策を充実します。
 学びの環境については、児童生徒数の減少等に対応した学校再編を進めながら、充実を図ります。松川地区では、松川小学校と松陵中学校に加え、金谷川小学校と下川崎小学校を統合し、小中一貫教育の松陵義務教育学校として、令和7年4月開校を目指します。本市初の義務教育学校として、児童生徒の基礎学力の定着と深い学びにつなげるとともに、中学進学の際に起きやすい不安や戸惑いの緩和・解消を図ってまいります。
 中央地区の小学校については、先月、有識者等による検討会を立ち上げ、再編のあり方について議論を開始しました。適正な規模・配置に加え、先導的モデルとなる学校像や不登校支援の充実も検討してまいります。
 肢体不自由学級を設けている第二小学校には、エレベーターを新設するほか、学校施設リフレッシュ事業等により、市内学校における環境改善のスピードアップを図ります。
 日常的に家族のケア等に携わるヤングケアラーには、寄り添った訪問支援を行い、自らの夢に向かって海外研修等にチャレンジする中・高校生には、渡航費用等の支援を行います。
 県内初の公立夜間中学「天神スクール」は、入学者16名を迎え、本年4月に開校します。年齢・経験等背景が異なる多様なニーズに対応した教育を提供します。

第3の柱 高齢者や障がい者、誰もが健康で元気に暮らせる共生社会づくり

 第3の柱は、高齢者や障がい者、誰もが健康で元気に暮らせる共生社会づくりであります。
 健都ふくしまの創造については、ふくしま健康づくりプラン2024に基づき、ヘルスリテラシーの向上、健脚文化の形成、ICTを活用した健康づくりなど新たな取組を盛り込みながら、適しおや検診、受動喫煙防止など、地域や関係団体等と連携した健康づくりを推進します。
 高齢者の足の確保については、「超高齢社会における地域公共交通を考える会」において、シルバーパスポート事業見直しのたたき台を提示し、議論を進めています。たたき台は、利用状況の偏り等を踏まえ、利用金額の上限設定とタクシー利用の導入を柱とするものであり、今後、さらに議論を進めて、市の方針を市議会に提示し、令和7年度の制度移行を目標に、準備を進めます。併せて、市民共創による多様な運行形態の確保と公共交通維持の両立を図りながら、利用しやすい制度を構築してまいります。
 介護分野については、新しい介護保険事業計画期間は、介護費用の増大等に伴い、介護保険料の引上げを提案せざるを得ない状況ですが、介護給付費準備基金の活用等により、高齢者、特に低所得層の負担増を緩和します。
 一方、介護人材の不足に対応し、介護職員への研修を拡充し定着を図るほか、元気高齢者の介護職場への参入を支援し、介護サービスの安定を図ります。
 新型コロナのワクチン接種は、新年度から有料となります。高齢者に対しては、インフルエンザと肺炎球菌の予防接種と同様、自己負担を3割に軽減する方針です。なお、2月29日現在、新型コロナワクチンの秋開始接種の接種率は27.0%であり、今月末まで無料の接種機会を確保します。
 小児科の医療体制確保は喫緊の課題であり、今年度から、休日当番医にオンライン診療を導入し、小児科診療所の新規開設への支援制度を設けました。現時点で、2つの診療所新設が見込まれています。新年度はさらに、夜間急病診療所に派遣医師による休日小児科を開設し、「夜間休日急病センター」と改称して、小児医療を充実・強化します。
 引き続き、医師等の確保に努めるとともに、県立医大や消防との連携を強化しながら、救急医療体制をはじめ地域医療の充実を図ってまいります。
 障がい者への相談体制については、障がい種別ごとの4つの相談窓口を見直し、全ての障がいに対応可能なワンストップ窓口など計6か所に拡充して相談体制を強化します。
 障がい者の社会参加については、就労支援を行う4事業所が市内の若手パティシエとコラボし、本市農産物を使用した洋菓子商品の開発を進めており、商品化に向け支援します。新年度は、ふくしま田園中枢都市圏内の企業と商談会を開催するとともに、ヘルプマークやボッチャの普及促進、歩道点字ブロックの設置など、ハード・ソフト・心のバリアフリーを推進します。
 多文化共生の推進については、外国にルーツを持つこどもたちに、教員免許を持つ日本語指導コーディネーターによる日本語教育を新たに実施します。多文化共生センターYuiverse(ユイバース)を拠点に、外国人との共生を促進します。
 パートナーシップ制度については、2月8日、男女共同参画審議会から同制度の早期導入を求める答申を受け、制度内容や対象の範囲、条例見直し等に関する提言をいただきました。昨日からパブリックコメントを開始しており、令和6年度の早期導入に向け準備を進めます。
 動物との共生については、ペット同伴避難所に必要な物品を配備し体制を整備するほか、犬・猫の譲渡時の感染症検査やマイクロチップ装着、動物愛護ボランティアと連携したしつけ方教室を行い、適正飼育を促進します。

第4の柱 持続可能な産業の振興

 第4の柱は、持続可能な産業の振興であります。
 農山漁村再生可能エネルギー法による太陽光発電事業の売電収入から寄付いただいた農林業振興基金の財源を活用し、新年度から、農業振興策を拡充します。
 当該太陽光発電が実施される地元3地域等については、農業に係る地域課題解決のため、近隣農家で構成される農業者団体等が実施する提案型の取組を支援します。
 また、次世代を見据えた持続可能な農業経営を促進する施策を拡充します。
 農作業効率化や生産性向上につながるスマート農機具・システムの実装や農業事業用太陽光発電システムの導入に助成を行うとともに、激化する高温への渇水対策として自動潅水装置の導入等を支援し、気候変動適応型の農業を推進します。
 落下果実の家畜飼料への利用など、先導的な循環型農業の提案を支援するほか、園芸施設で非燃油型暖房設備への転換を促進するなど、循環型農業を促進します。
 老朽化した農業施設の改修や有害鳥獣対策、近年被害が増加するツキノワグマ被害対策についても支援を拡充し、農業生産活動の基盤・環境を整備します。
 後継者のいない樹園地を新たな担い手へ継承する仕組みづくりに取り組むとともに、新規就農支援パッケージにおいては農業経営開始の助成額を拡充するなど、農業の担い手の確保を図ります。
 好評をいただいている詰め合わせ箱「F-BOX」を本格導入し、多様な消費者ニーズに応じた販売を促進するとともに、引き続き、ゆうやけベリーのブランド確立に取り組みます。
 卸売市場の再整備については、実施方針の作成や施設整備・運営事業者の選定に向けた準備を進めます。
 本市工業の老舗、パナソニック福島工場が、来年5月に閉鎖・撤退することとなりました。従業員の雇用確保について事業者に責任ある対応を求め、本市も関係機関と連携し対応してまいります。
 一方、魅力ある企業の集積を高めるとともに、新たな価値を生み出す創造的な経済体質に転換していくことの重要性を改めて認識しています。その認識に立って、企業誘致や創業・新製品開発等の施策の拡充を図ります。
 おおざそうインター工業団地は、1月22日、第2期の造成工事に着手し、令和6年度末の募集開始を目指します。そして、その後をにらみ、企業の立地動向等を調査し、新たな産業用地の規模・候補地を検討します。
 資材高騰等により立地企業の投資額が増大し、段階的投資など多様な投資形態が見られること等に対応して、操業奨励助成金を拡充する条例改正案を提出しています。企業誘致の強化に加えて、立地後の事業拡大を支援します。
 市内企業に対しては、新製品・新技術の開発支援を拡充するとともに、優れた開発製品を市が購入して利活用し、事業拡大を応援します。また、後継者育成研修や圏域内のビジネスマッチングにより、地場企業の振興を推進します。
 凍み豆腐については、福島大学と連携して温暖化に適応した製法を調査研究し、事業継承を推進します。
 新規創業についても、クリエイティブビジネスサロンでの起業支援やビジネス交流、まちなか進出支援などにより、起業家を後押しします。

第5の柱 賑わいと文化・スポーツの振興

 第5の柱は、賑わいと文化・スポーツの振興であります。
 福島駅周辺のまちづくりについては、市民や議会の皆様の意見を伺いながら、将来の望ましい姿を見据え駅東西一体的なまちづくりを進めます。
 2月2日の全員協議会以降、福島駅周辺まちづくり検討会を2回、17日にはタウンミーティングを開催して、有識者や関連団体、市民の皆様との議論を進めています。このような議論を重ねながら、将来を見据えた駅周辺の姿を描いていきたいと考えておりますが、まちなかの厳しい状況等に鑑み、東口再開発事業はできるだけ早期に方針案をとりまとめ、市議会にお示ししたうえで、交流・集客の拠点整備を進めてまいります。
 一方、完成までの間、街なかの賑わいを絶やさぬよう取り組んでいかなければなりません。より一層の創意工夫を凝らし、実効ある施策を講じてまいります。
 街なか空き店舗活用の支援策により、コロナ禍以降111件の店舗が出店し、中心市街地の活性化につながっています。新年度は、空き店舗に限定せず、新規店舗にも支援対象を広げ、対象エリアも拡大します。また、より規模の大きい出店を誘導したり、若者等から要望の大きいアパレル店や新規創業のクリエイティブ事業者への支援を手厚くして、魅力ある店舗や事業所の集積を図ります。加えて、商業・オフィス・医療などに提供する施設整備を行う事業者にも支援制度を設け、店舗向け施設の供給促進を図ります。
 商店街等の活性化イベントは、春から夏の開催や複数日開催の支援を拡充するとともに、街なかテーマぱーくをゴールデンウィークに移行します。吾妻通りでは、道路空間を賑わい空間に活用する「ほこみち社会実験」を新たに実施するほか、シェアサイクル等による回遊性の向上を図ります。まちなか活性化への若者の参加を促進しながら、賑わい創出プロジェクトを通して多様な市民が連携し、年間を通じて切れ目のない賑わいづくりに取り組みます。
 また、コンベンション誘致についても、市内施設を有効活用し、宿泊数に応じた開催費補助やエクスカーション支援により、積極的に推進します。
 (仮称)市民センターは、来年2月から3月にオープンする予定です。この建物を、議会や市民交流の場となる「複合棟」とする構想については先般お示ししましたが、今後、多用途活動拠点として大いに活用いただけるよう、開設に向けた諸準備を進めます。
 中心市街地のシンボル信夫山公園は、開園150周年を迎え、記念事業のキックオフイベントを、2月10日、開催しました。官民連携して、記念事業を展開し、改めて信夫山のすばらしさを市内外の皆様に知り親しんでいただき、後世へと継承するとともに、賑わい創出を図ります。
 道の駅ふくしまの今年度の来場者数は、すでに年間目標を上回り150万人を超えました。今月末からは、高速道路からの一時退出を可能とする社会実験が開始される予定です。今後、この仕組みも活用しながら、地域振興拠点として、さらなる集客を図るとともに、観光とも連携して、広域的な周遊を促進してまいります。
 観光対策については、花見山やふくしま花回廊を活用した花観光、あづま山麓ツーリズム、フルーツツーリズム、ロケツーリズムなど、テーマ観光を推進します。
 吾妻エリアに集まる5つの蔵元を巡る蔵元ツーリズムは、今月下旬、このエリアの名称をお披露目し、民間ツアー企画とも連携しながら、周遊観光を強化します。
 全国から注目を集める飯野地区のUFOの里づくりは、本市が誇るユニークコンテンツとして、全市的視点からこれまで以上に市も積極参画し、地域との共創で持続的なまちづくりへと展開し、観光にも活用してまいります。
 また、吾妻五葉松や刀剣といった外国人に人気の日本らしい地域文化を活用したツアー商品を造成し、回復基調にあるインバウンド誘致をさらに推進します。
 昨年12月、じゃらん全国温泉地満足度ランキング総合部門で、高湯温泉が3年ぶり1位に返り咲きました。引き続き、観光の要として、本市が誇るふくしま三名湯のブランディングに取り組みます。
 文化の振興については、新年度中に文化振興計画を策定し、本市ならではの特色ある文化を守り、発展させ、まちづくりに活用します。
 古関裕而のまちづくりは、その中核であり、古関裕而記念音楽祭、まちなか音楽祭、6月に本選予定の第2回作曲コンクール、チェンバー・オーケストラなど、古関裕而レガシーを官民共創で育て、発展させてまいります。
 今月には、ゼロカーボンをイメージした市内初EVバスの青いメロディーバスが登場します。赤いメロディーバスとの2台体制で、路線バスのほか、イベントや観光、圏域での活用など、幅広い活用を図ってまいります。
 また、古関氏野球殿堂入りのレガシーとして、新年度、東北のチームを対象とした古関裕而杯中学女子軟式野球大会が開催される予定であり、これを支援します。
 国指定重要文化財の旧広瀬座の再整備は、令和7年度の完成を目指し、本格的に工事を進めます。民家園の古民家など本市の古き建築物を、適切に保存しながら、文化活動や地域振興に活用してまいります。
 5月19日、第2回ふくしまシティハーフマラソンを開催します。特徴である手厚いおもてなしに加え、初回開催を踏まえ、コースや運営の改善を図って、中心市街地を駆け抜ける市内外の大勢のランナーをお迎えします。
 大相撲荒汐部屋の本市合宿は新年度も実施される見込みです。スポーツ大会や合宿は、スポーツ振興のみならず、地域の活性化にもつながります。信夫ケ丘球場の防球ネット設置などスポーツ施設の充実とパラスポーツの振興も図りながら、スポーツコミッションを通じ、大会・合宿の誘致を積極的に進めてまいります。
 シティセールスについては、ふるさと納税は今年度13億円を超え、過去最高を更新しています。情報発信を効果的に行いながら、本市施策を打ち出したまちづくり賛同型の展開で、さらなる応援人口の拡大を図ります。
 納豆料理コンテストは、2月23日、実食審査を行い、グランプリや各賞を決定しました。納豆年間消費額の5年連続日本一はなりませんでしたが、納豆料理の食べ歩きマップの作成や納豆ウィークを設定しての消費拡大キャンペーンなど、納豆のまち福島のブランド化を粘り強く推進します。

第6の柱 デジタル都市の形成と地域経営のリノベーション

 第6の柱は、デジタル都市の形成と地域経営のリノベーションであります。
 本日、ふくしま公民連携窓口「公民こねくと」を設置しました。これまで各部署で進めてきた公民連携の窓口を一元化するもので、民間からの提案・相談をワンストップで受け付け、スピーディーに実効ある連携を実現します。民民連携を後押ししたり、市から課題を提示して連携を呼びかけるなど、柔軟にこの仕組を運用し、官民連携して、地域課題の解決に努めてまいります。
 デジタル化の推進については、このほど、私をCDO(最高デジタル責任者)として、現場レベルで主体的かつ横断的な取組を進める本市DXの推進体制を構築しました。この体制のもと、行政や地域のデジタル化を推進します。
 デジタル社会の基盤となるマイナンバーカードについては、1月31日現在、保有枚数率は74.0%と全国平均を上回っています。夜間・休日窓口の開設や高齢世帯等への出張申請受付などにより、取得促進を図り、併せて各種施策への有効な活用を検討してまいります。
 行政においては、文書生成AIの導入等により業務の効率化を図る一方、住民記録や福祉など20の基幹業務システムについては、国仕様に標準化して令和7年度末までにガバメントクラウドへ順次移行し、効率的で簡素な行政手続きの基盤整備を進めます。
 市民生活に関わる取組としては、新年度、スマートフォンでの利用しやすさに重点を置いて市ホームページをリニューアルし、市公式LINEでは、市民通報のメニューを追加します。加えて、妊娠届出・集団健診の予約等を電子化するほか、(仮称)市民センター等においてWEBでの施設予約やキャッシュレス決済を開始する予定です。
 こむこむ館では、明日から、プロジェクションマッピングとARを活用した遊びと学びのコンテンツを導入します。また、新年度は、都市計画の見直しに併せて、建物や街路の都市情報の3Dデータ化を行います。
 デジタル化したコンテンツを、学びや賑わいづくり、民間の事業活動等へと生かしてまいります。
 デジタル化の恩恵を高齢者等にも広く浸透させるためには、高齢者にやさしいデジタル化が重要です。
 シルバー人材センターICT班との連携により、デジタルサポートデスクを8か所に拡大するほか、シニアICTサポーター育成の強化、地域デジタルクラブの増設、子どもたちとのデジタル交流などにより、市民相互の身近な学びあいを促進します。
 市内の地域づくりについては、こくりナビプロジェクトを推進し、若者が主体的に地域活動等に参加できる仕組みを整え、若者との共創を進めます。地域おこし協力隊を4月から新たに松川町に配置するとともに、さらに2地区増加するなど、地域づくりを支援します。
 ふくしま田園中枢都市圏については、昨年度の圏域内職員研修で提案を受けた、圏域内子ども遊び場の情報発信が実現します。子育て世帯の利用者目線の意見を取り入れ、SNSを活用した利用しやすい機能で、圏域内子育て施設の活用を促進します。水道施設の運転管理業務を共同発注するほか、移住定住、ビジネス創出、観光周遊など各分野で連携して取り組み、圏域の広域的発展を目指します。

第7の柱 ゼロカーボンの推進

 第7の柱は、ゼロカーボンの推進であります。
 吾妻地区で整備中のメガソーラー事業については、事業者に対し従前の説明に沿った景観となるよう規模縮小等を求めるとともに、県に対しては、当該事業への適切な対応はもとより、本市で今後計画されるメガソーラー事業に対し、ノーモア・メガソーラー宣言に沿った対応を要請しました。また、太陽光発電ガイドラインを改正し、山地への計画中止を求めるなど対策を強化しました。今後も、誇りである自然景観を守り、市民生活の安全確保を図ってまいります。
 一方、地球温暖化は喫緊の課題であり、2050年度のゼロカーボン実現を目指し、福島らしい地域共生型の再生可能エネルギー事業と省エネルギー・省資源化を積極的に推進します。
 中小企業の再エネ・省エネ設備の開発・導入に対する市独自の資金融資や、小水力発電の導入可能性調査の支援を行うとともに、住宅への太陽光発電設備等の設置、断熱改修、水素自動車の普及等を促し、事業者や家庭における脱炭素化を促進します。
 公共施設においては、2月26日、本市初のニアリーZEB認証施設として新しい清水支所がオープンしました。県産材を利用した木造で、太陽光発電、蓄電池を備え、エネルギー消費を実質76%削減しています。(仮称)市民センターに太陽光発電・水素発電設備を設置するほか、こむこむ館の屋根をアルミ製に改修し冷暖房費を削減します。
 公用車の更新に合わせて電気自動車等を導入し、ごみ焼却発電の電気を活用した充電設備を増設するほか、支所・学習センター、スポーツ施設の照明や街路灯・道路照明灯のLED化を進めます。
 二酸化炭素の吸収源として計画的な森林整備、公共施設等での木材利用を進めるとともに、小学生等への森林環境学習による普及啓発を行います。
 ごみ減量化については、フードシェアリングサービス「ふくしまタベスケ」を昨年9月から開始し、これまで1,475件の利用があり、おおよそ580kgの食品ロス削減の効果が得られました。引き続き、協力店舗を拡充しサービスの利用拡大を図るとともに、生ごみの分解処理やごみ分別アプリを活用したリサイクルを促すなど、ごみの減量化・資源化を推進します。

第8の柱 移住定住の促進と女性活躍社会の形成

 第8の柱は、移住定住の促進と女性活躍社会の形成であります。
 移住定住の推進については、年末年始に冬の移住促進キャンペーンとして、駅西口に帰省者を対象とした臨時相談窓口を設置しました。30件の相談があり、機会を捉えたUターン移住のPRを行いました。新年度は、移住新生活応援制度やおためし移住など、本市独自の手厚いサポートのほか、移住促進ガイドブックの刷新、移住者向けの空き家リフォーム支援の拡充など、一層の移住促進を図ります。
 結婚・定住しやすい環境整備については、民間賃貸住宅を活用した新婚・子育て世帯への家賃支援を創設するとともに、新婚世帯の住宅取得等のスタートアップを支援します。加えて、本議会に提出した改正条例により、新婚・子育て世帯向けの市営住宅の入居要件を緩和し、若年世帯の本市定住を促進します。
 女性活躍の推進については、働く女性応援企業認証が増加しており、その取組事例をPRし地域企業に波及させるとともに、起業を希望する女性を伴走型で支援します。トイレへの生理用品の配置は、学習センターなどへも拡大し、社会的な意識改革を促しながら女性が活躍しやすい環境づくりに取り組みます。

物価高騰対策について

 次に、物価高騰対策については、非課税世帯への7万円の生活支援特別給付金を、支給口座等に変更のない24,545世帯へ1月31日に支給し、残りの世帯についても2月22日から順次支給を進めています。
 加えて、住民税均等割のみ課税世帯への10万円給付と、低所得世帯の児童1人当たり5万円加算は、早期支給のため専決補正し、昨日986世帯に支給しました。今後も順次支給を進めます。
 デジタルくーぽん事業は、2月15日で利用終了し、購入率43.4%、13億6,000万円の利用があり、市公式LINEアカウントの登録者数は開始前の約2倍の7万人を超えました。
 選択型エールクーポンの申請は、値引き型の紙クーポンが79%、デジタルクーポンが21%で、今月8日から利用を開始し、市民生活と地域経済の下支えを図ります。

令和6年度各会計予算の概要について

 次に、本定例会議に提出いたしました令和6年度福島市一般会計予算等の議案63件及び報告1件について申し上げます。
 まず、令和6年度当初予算については、一般会計が1,177億円、特別会計は合わせて570億円余、事業会計が合わせて243億円余、総計で1,991億円余であります。
 物価と賃金が上昇傾向にあるにもかかわらず、税収が伸び悩む一方、近年の積極的事業推進に伴う公債費の増加や、介護・医療関係費の増加に加え、人件費や資材価格の高騰が圧迫するなど、財政環境はますます厳しさを増しています。
 このため、予算編成にあたっては、事業の取捨選択・重点化、ICTを活用した業務改革・効率化に加え、公共施設の長期的コスト縮減にも意を用いながら、経費の節減合理化を図りました。
 一方、議会答弁検討システムの商品化に伴う自治体ビジネス収入を初めて計上し、広告料収入等の拡大を図るとともに、国県補助金や有利な市債の活用、財政調整基金等の繰り入れにより財源の確保に努めたところであります。
 これらの財政運営努力のもと、人口減少の流れを止め、デジタル化やゼロカーボンなど次世代への投資を進めることを重点として、beyondコロナの新しいステージへと飛躍するため、申し述べた市政運営に関する所信に沿って、必要な予算を措置しました。
 その結果、一般会計総額は前年度比30億円、2.6%増加し、仮置場返還関連経費を除く実質的な予算額は9年連続の増となり、過去最高規模の積極型予算としたところであります。
 今後、財政運営は一層厳しさを増してくる一方、人口減少など諸課題に対応するため実施しなければならない事業は山積しています。
 このため、必要性や効果を検証したうえで、事業の取捨選択・重点化をさらに徹底するとともに、税源の涵養、保有資産の有効活用、有利な財政制度の活用により、財政の健全性を確保しながら、必要な事業の推進を図ってまいります。
 次に、水道事業会計予算については、良質な水道水の安定供給と災害に強い水道の構築を図るため、能登半島地震を踏まえ基幹施設・管路の耐震化を前倒しして進めるとともに、土湯地区に上水道供給を拡張するための所要額を計上しました。
 次に、下水道事業会計及び農業集落排水事業会計予算については、各事業を計画的に実施するための所要額を計上しました。
 次に、特別会計予算について申し上げます。
 国民健康保険事業費、介護保険事業費については、それぞれの保険給付を行う経費等を計上しました。
 また、公設地方卸売市場事業費、工業団地整備事業費等については、各事業を計画的に実施するための所要額を計上しました。
 さらに、後期高齢者医療事業費については、後期高齢者医療広域連合に対して納付する保険料等の所要額を計上しました。

令和5年度各会計補正予算等の概要について

 次に、令和5年度各会計補正予算等の主なものについて申し上げます。
 議案第15号 令和5年度福島市一般会計補正予算は、歳入歳出予算、継続費等の補正で、木造住宅の耐震改修等の補助を前倒しで受け付けるほか、(仮称)市民センター整備事業費を変更するための経費を計上するものであり、歳出予算の追加額は4,700万円余であります。
 議案第16号 令和5年度福島市一般会計補正予算は、歳入歳出予算、繰越明許費等の補正で、財政調整基金積立金、減債基金積立金等を追加するほか、東口再開発事業に係る経費等を減額するものであり、歳出予算の追加額は、36億200万円余であります。
 議案第30号 福島市犯罪被害者等支援条例制定の件は、犯罪被害者等を地域社会全体で支え、誰もが安全に安心して暮らせる地域社会の実現に寄与するため、新たに条例を設けるものであります。
 議案第60号 新学校給食センター整備運営事業契約の件は、西部及び北部学校給食センター等の統合・集約を、PFI手法を導入して設計から運営まで一貫して実施し、効率的で安定的な学校給食を提供するため、事業契約を締結するものであります。
 このほかの議案の提案理由及び報告につきましては、それぞれ議案書、予算説明書等に記載したとおりであり、ご了承願います。
 以上が、提出議案及び報告の概要ですが、詳細については、ご質疑又は委員会等において申し上げたいと存じます。よろしくご審議のうえ議決を賜りますようお願い申し上げます。
 なお、議案第15号 令和5年度福島市一般会計補正予算は、速やかな対応を図るため、ご先議くださいますようお願い申し上げます。
 また、会議の期間中に人事案件を追加提案いたしたいと存じますので、ご了承をお願い申し上げます。

これまでお話しした内容一覧

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総務部 秘書課 秘書係

福島市五老内町3番1号

電話番号:024-525-3702

ファクス:024-534-4545

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