擁壁(ようへき)の適性な維持管理保全により安全確保をお願いします。

宅地擁壁(ようへき)点検の重要性

 建築基準法第8条には、「建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。」と定められています。

 高低差のある宅地造成地や斜面地で土砂が崩れるのを防ぐためにコンクリートなどで造られた壁状の土留め構造物である「擁壁(ようへき)」は、宅地(敷地)を構成する一部であり、土地所有者等の財産です。宅地の安全を守る擁壁の適切な維持管理は非常に重要となります。

 近年、全国各地で発生している大震災や大型台風、記録的な大雨(集中豪雨)による土砂災害は、崖崩れや地盤沈下を引き起こし、宅地へ甚大な被害をもたらしています。

 特に、築年数が経過し経年劣化による老朽化や損傷が著しい擁壁は、強度が低下し、倒壊することがあります。倒壊した擁壁が、万が一、第三者に被害を与えてしまった場合は、その擁壁の所有者、管理者又は占有者の責任が問われる可能性があります。

 擁壁の維持保全・管理は、地震等の災害時に密接に関係するため、大変に重要なものとなります。そのため、日頃から適切な維持保全に加え、台風や大雨などの自然災害が想定される場合には、事前に自主的にひび割れ、ふくらみ、傾き、排水状況(擁壁には水圧を受けないよう3平方メートルに1ヶ所水抜き穴(内径75ミリ以上の耐水性パイプ等)を設けるよう規定されています。)等の点検を行うようお願いします。

 損傷が著しい場合は、専門家への相談も含め、適切な対策を講じていただくようお願いします。

擁壁の点検ポイント

  • ひび割れはないか(コンクリートに深い筋や、すき間が入っていないか)

  • 壁がふくらんでいないか(土圧によって壁の一部が出っ張ってきていないか)

  • 壁が傾いていないか(元々の位置から道路側などに傾いてきていないか)

  • 水抜き穴が詰まっていないか(排水がうまくいかず、泥や草が詰まっていないか)

過去の主な擁壁の被害・崩壊事例

  • 2025(令和7年)9月 東京都・杉並区 宅地擁壁崩壊
  • 2025(令和7年)9月 神奈川県・横須賀市 学校グラウンド擁壁崩落
  • 2025(令和7年)8月 福岡県・北九州市 宅地擁壁被害
  • 2024(令和6年)7月 愛媛県・松山市 擁壁崩壊
  • 2023(令和5年)6月 北海道・登別市 宅地擁壁崩落
  • 2023(令和5年)2月 東京都・世田谷区 宅地擁壁崩落
  • 2021(令和3年)6月 大阪府・西成区 空石積(からいしづみ)造擁壁崩壊
  • 2016(平成28年)4月 熊本県・熊本市 大規模盛土造成地滑動崩落、宅地擁壁傾斜、倒壊、崩壊
  • 2011(平成23年)3月 宮城県・仙台市 盛土造成地宅地擁壁崩壊、崩落
  • 2004(平成16年)10月 新潟県・小千谷市 空石積造擁壁、二段擁壁(上下に近接してひな壇状に配置されているもの)、増し積み擁壁(既存の擁壁の上に新たに石積みやブロック等が継ぎ足されているもの)被害
  • 1995(平成7年)1月 兵庫県・神戸市 宅地擁壁被害

補強(空洞)コンクリートブロックは原則として「擁壁(土留め)」に使えません

 建築用の補強(空洞)コンクリートブロックの利用には構造基準があります。特に、ブロック利用の『擁壁』には注意が必要です。

 建築敷地境界などで一般的に「塀」に用いられる『建築用の補強(空洞)コンクリートブロック』は、土圧に対する抵抗力が小さく、十分な構造強度を有していないため、構造耐力上の安全性を確保する観点から、原則的として擁壁(土留め)としては使用できません。

 補強(空洞)コンクリートブロックを利用した擁壁は、建築基準法施行令第 142 条に規定する構造には適合しません。(大臣認定を取得しているCP型枠ブロック等は除きます。)

 福島市では、日本建築学会設計規準(メーソンリー編)に規定する「C 種防水ブロック」を使用した場合に限り、『2 段(40 センチメートル以下)まで』は、土圧を受ける(土に接する)ことを認めています。

 国土交通大臣認定を取得している「CP 型枠ブロック」は、認定に基づき高さ 3.0メートル以下までの築造が可能です。

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