例年、春から初夏にかけて、全国で有毒植物による食中毒が発生しています。
中には非常に強い毒性を持つものがあり、死亡事例も報告されています。
市民の皆さまや山菜等を取り扱う事業者の方は、有毒植物による食中毒発生を防止するため、以下の点にご注意ください。
有毒植物による食中毒を予防する4つのポイント

確実に食用と判断できない植物は
- 採らない
- 食べない(味見もしない)
- 売らない
- 人にあげない(食べさせない)
万が一食中毒になってしまったら
山菜等を食べた後に、有毒植物による食中毒が疑われる症状(しびれや吐き気、おう吐など)が発生した際は、速やかに医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。
原因になった可能性がある山菜等が残っている場合は、治療の参考になる場合がありますので、受診の際に持参するようにしてください。
間違えやすい有毒植物
有毒山野草の誤食
福島市内では、有毒な「バイケイソウ」を食用の「オオバギボウシ(地方名 ウルイ)」と間違えて喫食したことによる食中毒が発生しています。
これらは、新芽の時期の外見が非常に似ており、隣り合って生えている場合もありますので、採取する際には注意が必要です。
群生して多量に採れるため、「おすそ分け」による被害も発生しています。
また、毒性成分は熱を加えても分解されないため、ゆでる、炒める、天ぷらにするなど、加熱を施しても中毒を起こします。
詳しくは下記リンクをご覧ください。

毒:コバイケイソウ

食:オオバギボウシ(地方名 ウルイ)
写真出典:厚生労働省ホームページ「自然毒のリスクプロファイル」
写真提供 磯田 進 氏(昭和大学)
家庭菜園等での誤採取
有毒植物による食中毒は、山野草に限らず、庭や家庭菜園でも発生します。
福島市内では、有毒な「スイセン」を食用の「ニラ」と間違えて喫食したことによる食中毒が発生しています。
花が咲いていない状態のスイセンとニラは非常に似ているため、花壇と家庭菜園が隣接していると、収穫する際に誤って混ざりこんでしまう場合があります。
観賞用植物の中には有毒なものも多く、最近では「イヌサフラン(ギョウジャニンニクと似ている)」による死亡事例も報告されています。これらの植物は、畑や家庭菜園とは離して植えるようにしましょう。
詳しくは下記リンクをご覧ください。

毒:スイセン

スイセンを掘ったところ(葉はニラに、鱗茎(球根)はノビルに似ている)
写真出典:厚生労働省ホームページ「自然毒のリスクプロファイル」
写真提供 磯田 進 氏、御影 雅幸 氏

毒:イヌサフラン

食:ギョウジャニンニク
写真出典:厚生労働省ホームページ「自然毒のリスクプロファイル」
写真提供 御影 雅幸 氏(イヌサフラン),酒井 英二 氏(ギョウジャニンニク)
有毒植物による食中毒発生状況(平成28年以降に福島市内で発生したもの)
No. | 発生年月日 | 原因となった有毒植物 | 原因食品 | 摂食者数 | 患者数 | 原因施設 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 平成28年4月6日 | バイケイソウ |
おひたし |
1 | 1 | 家庭 |
2 | 平成29年4月23日 | スイセン |
ニラ玉 |
3 | 3 | 家庭 |