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更新日:2024年2月22日

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やっぱり人。気の合う仲間に出会える場所。

片平 聡さんの写真1
2010年移住
移住元 埼玉県

片平 聡さん

Uターン / 就農

片平果樹園

福島市で3代続く片平果樹園。
現在は桃、りんご、ぶどう、桃、いちごを中心に生産しています。
果樹園農家として働くご両親の背中を見て生まれ育った片平さんは、30歳を迎えたタイミングで福島市の実家に戻り、就農を開始しました。
片平さんが生産した桃「まどか」が、日本野菜ソムリエ協会が主催する「第2回全国桃選手権」で県産初の最高金賞を受賞したり、福島県オリジナル品種として約20年ぶりに開発された「ゆうやけベリー」の、市内の貴重な生産者(先駆者)として奮闘するなど、福島の農業に新しい風を吹かせています。
フットワークが軽く、チャレンジ精神旺盛に取り組む姿は、もはや農業だけの影響に留まらず、その可能性は計り知れません。
就農を通しての人との交流、それに込められた熱い思いをお伺いしました。

 

福島を離れたからこそ見えてきた「使命感」

物心がついたころから、漠然と農業とは真逆のイメージのことを学びたいと考えていたという片平さん。高校時代に情報処理について興味を持ち始めました。その後、大学進学をきっかけに上京し、そのまま都内でシステムエンジニアとして働く選択をしました。
それでも、「30歳までに芽がでなかったら、実家の農家を継ぐ」という、半ば使命感のようなものを心の中に秘めながら、目まぐるしくも充実した生活を送っていたといいます。
「都内で働いていた頃…それはもう、めちゃくちゃ楽しかったんですよ!でも忙しくて生活が不規則だったこともあって、子供が起きている時間に家に帰れなかったりというのが続いた時に、このままで本当に良いのかなと疑問に思い始めたのは覚えています。自分が子どもの頃は、学校から帰ると、両親が「おかえり」と迎えてくれるのが当たり前の家庭で育ったから、やっぱり同じようにしたいと思ったんですよね。」
節目を30歳と考えたのは次の理由からでした。
「実家を継ぐなら30歳が限度かなと思ったんです。実家が農家の場合、20代から継ぐ人がほとんどだとは思うんです。40歳からのタイミングだと、軌道に乗るまで10年と考えると、一から始めるにはちょっと遅いかなと。下の世代に教える機会も少なくなってしまいますからね。」
職種は違えども、かつて尊敬する職場の先輩方にお世話になったように、今度は後輩達に自分の技術を伝えていくことで恩返しをしていくのもまた使命、という思いが強くなりました。
「若い世代の活躍の場をつくってあげることも大事だと思っています。良くも悪くも、いつでもサポートにまわれるようにしたいなと。」

リンゴの写真

ケンカしながらも切磋琢磨

当初考えていた目論見の通り、30歳で潔く実家に戻り農家として新しいスタートを切った片平さん。
実家のため、住まいの心配もなく、畑や機材などの就農するための準備が整っていたことが、跡継ぎの最大の強みだったと当時を振り返ります。
「自分で意識しなくても、農家同士のネットワークが既にあったことも楽でした。
とは言っても、親子関係が一番の肝になるかな。親子で畑を分けたんですが、最初の5年間は親とぶつかってケンカばかりでしたね。」と時折り苦笑いも。
10年ほどかけてようやく、自分の仕事のスタイルが身についてきたといいます。
育てた果物は、道の駅やJAの直売所、個人で販売していますが、これからも場所にこだわらず販売ルートを広げていきたいと意気込みます。

農家の魅力

「農業関係の学校を出ていれば良かったと思うことはありますが、それは経験で何とでもカバーできるとして…自分は大学時代経営を学んでいたので、簿記の経験を活かせることが意外と良かったかな。」と話します。
そして、農家の「朝が早そう」という一般的なイメージについては、「実は全然そんなことないんです。繁忙期は早朝からの作業に備えて9時頃に寝たりすることもありますが、閑散期…自分の場合は冬になりますが、朝ゆっくりできる分、寝るのは23時くらいかな。サラリーマン時代に比べると自分の時間を自由に使えて、リフレッシュする時間もとれるから最高です。繁忙期に早起きした場合は、昼間の休み時間を長くとったり、早めに上がって子供達と遊んだりしています。」

昔は全然治らなかったひどい肌荒れも、福島に戻ってからは、ストレスが減ったおかげか、すっかりきれいになったんだとか。
休憩時間は、マイブームであるゴルフについて、YouTubeで研究したり、休日は家族サービスとして畑でBBQを楽しむこともあるのだそう。

片平 聡さんの写真2

多くの人との関わり

たくさんの仲間の存在が、今の片平さんの活力になっています。
市内の若手いちご農家6名により結成されたふくしまベリーボーイズをはじめとする仕事の関係で知り合った方々はもちろん、近所の消防団関係の集まり。そして、搬入時などに届けられる消費者の声、就農したからこそ知り合えた方々ばかりだといいます。
「農家は基本、個人で黙々とこなすイメージでした。もちろん個人作業もありますが、ふくしまベリーボーイズなんかのチームでの活動は、個人よりずっと面白い!とてもやりがいがあると感じています。就農したての頃は思いもしなかった嬉しい誤算です。歳を取ってから仲良くなれる人に出会えるのも福島の魅力だなと思います。」

片平 聡さんの写真3

気が抜けない桃の栽培を通して

ご自宅のお隣、20代のアスパラ農家さんに感化され、半ば勢いで名乗りを上げたという「全国桃選手権」。
「受賞のお知らせを聞いた時、正直な話、驚きすぎて動揺が一番大きかったんです(笑)それと同時に福島市の桃を知ってもらえて嬉しかったです。」と、複雑な心境の中でも、地元愛は忘れません。
選手権では、しっかりとした食感や爽やかな甘みが高く評価されたものの、特別意識したことはないというから驚きです。
「いちごはビニールハウスの中だから、一つの工程でつまずいたとしても、調整ややり直しが利く場合が多いので、あきらめが悪くなってしまう部分もあるんです。
でも桃は失敗したら、次に挑戦できるのが1年後だから本当に気が抜けない。かといって、今回、特に変わったことはしてないんですよね。その年の天候は分からないしこちらではどうしようもないので、当たり前のことではあるんですが、とにかく水分管理に気を遣ったくらいかな。」と振り返ります。
作物に直接施す作業よりも、草刈りなどの間接的な作業が地味に大変なんだそう。
「一般的に、「農家は進化しないもの」というイメージがあるかもしれませんが、その過程で使用する機械…例えばルンバのようなロボット草刈り機など、便利なツールは日々進化しています。
体力的な負担が減れば、他の工程で使える時間が増えますし、草刈り機の導入により、土壌の水分状況の変化を極力抑えられたことで、おいしい桃が育ったのかもしれないですね。
正直なところ、予算との兼ね合いもありますが、こういった便利ものはどんどん試して、可能な限り導入していければと考えています。」

今後の目標

ぶどうに関しては、シャインマスカットの次の世代のものを育てることに奮闘中という片平さんですが、まずは「「ゆうやけベリー」を福島市のブランドとして確立出来るようにしていくのが目標」だと教えてくれました。
「それに加えて、次の世代へ、技術的な部分も継承していきたいですし、経営面についてもサポートしていければと考えています。後輩達もまたその後輩に技術を伝えていくことが出来れば、今までの農業のイメージとは違ってくるのかなと思います。ひとりで閉じこもる農業ではなく、下に伝えていく農業にしたいなと思っています。
自分は野球をやっていたので、団体行動の方が合っているし面白いと感じる所もあって。色んな人の意見を聞きながらだと、一人だと迷ったりして出来ないことでも、勢いで出来たりするんですよね。失敗してもいいから勢いではじめるのも大事かなと思っています。
賞も若い人たちにどんどんチャレンジしてほしいなと思っています。みんなで競い合うことで、農業がもっと盛り上がれば良いですよね。それが結果的に福島を盛り上げることにもつながりますから!」

片平 聡さんの写真4

就農を考えている方へメッセージ

「新しく農業をはじめたい方は大切な存在だと思っています!
昔ほどそこまで農家が多いわけではないですが、いろんな人がいると思いますので、いろんな人に合わせつつ、自分の色もだしつつ、飛び込んでもらえたらと思います。
あとはスキルや経験以上に、コミュニケーション力があるかが一番重要だと考えています。さらに、農業に興味があればなお良し!です。ぜひチャレンジしてください!」

移住を考えている方へメッセージ

「何もない所から、何かを見つけたり、何かを作り上げたりできるのが福島市だと思っています。
既存のものにとらわれず新しい福島を発信してほしい。一緒に発信していけたらと思います!」

片平 聡さんの写真5

一緒に新しい福島市を発信していきましょう!! 片平 聡

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