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更新日:2024年2月22日

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実は何でもある!面白い場所!

佐藤 宏美さんの写真1
2014年移住
移住元 東京都

佐藤 宏美さん

Uターン / 起業

一般社団法人GDMふくしま

福島駅前東口の広場で、日曜日に定期的に開催されている「GoodDayMarket」。
ロゴマークの入ったキッチンカーや色鮮やかなオレンジのテントらが立ち並び、休日の福島駅前を彩ります。広場を行きかう人の数も普段より多く、賑やか。
地元で収穫された旬の新鮮な農作物や加工品等を、生産者と消費者とが直接交流しながら売買することができるこちらの青空市場は、福島の名物になりつつあります。この日を楽しみにしている地域住民も少なくありません。
この企画・運営をされているのが佐藤さん。「一般社団法人GDMふくしま」の設立者であり、その他にも、まちなかの野菜直売所と称した「お百しょう屋」や、多世代の交流や伝統文化の継承などを目的とした場、「如春荘」の運営も手掛けています。
活き活きとした笑顔で「福島の食と農を盛り上げたい」と様々な活動に奮起する佐藤さんに、移住に至るまでのお話や、直近の活動を中心にお伺いしました。

福島を離れて気づいた地元の農作物のおいしさ

福島県須賀川市で生まれ、小学生時代は郡山市やいわき市で育った経験を持つ佐藤さん。当時は「福島には何もない、つまらない」と感じていたといいます。
福島市内の大学を卒業後は、以前から興味のあった日本の伝統文化や日本食を学ぶため、京都の老舗日本料理店への就職を決めました。
「昔から世界の人の役に立ちたいという思いがあったんですよね。そのためには、まずは自分の国の歴史から勉強しなきゃと思って。日本の文化といえば京都。まずは住んでみるしかない!という思いで、京都に住むことを決めてから仕事探しをしました。」
接客業に従事し県外で生活するうちに、福島に住んでいた頃に何気なく当たり前のように口にしていた地元産の野菜や果物のおいしさを実感し、それが貴重なことなのだと気がついたといいます。この思いが、福島の食に関わる仕事に携わるきっかけとなったと振り返ります。
さらに、新店舗立ち上げの関係で異動となった北海道で、自然の力の偉大さに魅了され、農業への関心が強くなったのだといいます。

佐藤 宏美さんの写真2

震災後に決意した思い

新店舗も落ち着き、改めて今後の将来プランを考えはじめた頃、東日本大震災が起こります。原発事故で福島が世界的に報道される中で、居ても立っても居られなくなった佐藤さん。
福島への帰りやすさの利便性を考え、一度は東京の自然食レストランの接客の仕事に転職をするものの、福島の農作物のおいしさや、食への誇りを取り戻す活動を目標に、地元福島へのUターンを決意しました。
「震災がなければ、福島に戻ってくることはなかったかもしれないです。福島の食べ物で生まれ育って、そのおいしさは良く知っているのに、福島を知らない人たちにマイナスのイメージで発信されてしまうのが悔しくて。」

福島の大地の力を信じたい!

「実家に戻ったので、Uターンする上で、手続き上の大変さは特にありませんでした。
ただ、震災から3年が経ったところで、県外からもたくさんの支援者が来ていたり、まだまだ放射線への不安などで対立や混乱があったり、浜通りからの避難者の方々の仮設住宅があちらこちらにあったりで、地元に戻ったという気はしませんでしたね。」
地元ではないような違和感と新しい町に来たようなワクワク感、そして福島を何とかしたいという強い思いが入り混じっていたと、当時を振り返ります。
Uターン直後に携わった復興関係の仕事を通し、県外に避難中の方の福島の食べ物への不安の声、そして放射線の影響で生産を断念する農家さんの存在など、様々な問題を耳にする機会があったといいます。農業を知れば知るほど、環境問題への関心が高まっていきました。
「汚染されても、福島の大地の力を信じたかったんです。ずっと食に関わる仕事をしてきたからこそかな。子供たちの未来のためにも、本来の自然の生態系を残して環境を守り、地元の安全な食べ物をおいしく食べることで、福島の食と農への誇りを感じることに繋がるのではないかと考えたんです。」

ずっと守っていきたい景観

佐藤さんは6年前から、無農薬・無化学肥料にこだわり、たくさんの失敗も重ねながら自ら稲作し、体を使って田んぼづくりを楽しんでいます。福島県郡山市の酒蔵「仁井田本家」が開催する「田んぼのがっこう」への参加をきっかけに、自分でやってみたい!と始めた活動のひとつです。
この田んぼから眺める吾妻連峰の眺めが大好きで、来る度に癒されるという、佐藤さんのパワースポットでもあります。
「駅からほんの数十分離れるだけでこんな景色があるなんて素敵ですよね。作業された方みんなが、気持ちよく帰られるところにも、この田んぼの可能性を感じるんです!」ずっとこの景観を守っていきたいといいます。
先日、GoodDay田んぼ部での稲刈りを終えたばかりの佐藤さん。
2018年より福島市佐倉下に田んぼを借りて、無農薬・無肥料の米づくりに挑戦している「GoodDay田んぼ部」。田植えや稲刈りではたくさんの方が参加し、手作業で行っています。早朝に田んぼから見る吾妻山は何とも言えない景色なんだそう。大変な作業のひとつ、草取り作業をはじめ、一緒に活動できる部員を絶賛募集中です。

今年は、福島駅前周辺に花を植える活動を通して知り合った幼稚園教諭の方とのご縁もあり、園児20名を含めた総勢45名にて稲刈りを実施したのだそう。
晴天で風もなく穏やかな日に、みんな怪我もなく終えられて、奇跡のような一日だったと教えてくれました。
当日は、田んぼのご近所の先輩農家の方々や、通りかかりの稲刈り未経験のおばあちゃんなどの協力もあり、田んぼ1枚分をあっという間に刈り終えたんだとか。
「幼い頃の初めての記憶って意外と残っているんですよね。今回の経験が楽しいものとして子供たちの記憶に残すことができて良かったなと思います。こういったふれあいから、将来農家に興味を持つ子供さんが出てきたら嬉しいな。」

景色の写真

環境のことを知るのが楽しくて仕方ない

佐藤さんが面白い話を教えてくれました。
「前の年に刈った稲わらを、畑にブルーシートを敷いて保管していたんです。今年の稲刈り前に使えそうなものだけ整理しようと思って。上の方をめくったら、その中にネズミが巣を作って繁殖していて。さらにもう少し下のわらをめくってみたら、今度はヘビが出てきて。小さいのもいたからどうやらヘビも繁殖していたみたいなんです。その下の方のドロドロになりかけたわらの中では、ザリガニが冬眠していたんです。さらにはその下にミミズもいて。一つの稲わらの中でこんなにたくさんの生き物が共存してたと思ったら、もう面白くなっちゃって。自然の力ってすごいなぁって感心しちゃいました。
彼らは生態系を崩すようなことはしないんですよね。自分たちにとって相手がいることは必要だから、ちゃんと共存できる範囲でしか食べない。
昔の人にとっては当たり前に知ってたサイクルかもしれないけど、自分にとっては新鮮で、それを知るのが楽しくて仕方ないんです。田んぼだけじゃなくて、森や海…どんな環境でも生き物たちはこういったサイクルで回っているんですよね。それを子供達と一緒に、作業しながら学んでいけたら良いなと思います。自分が体験して学んだことって忘れないですよね。」

休日の過ごしかた

「お仕事も好きでやっていることなので、お仕事とお休みの区別って正直ないんです。
福島を離れている間に、行きたいところには思う存分遊びに行けたので、特別遠くに遊びにいきたいと思うこともなくて。やりたいこととしたら、とにかく田んぼをきれいにしたいなと。
去年、カリフォルニアの有機栽培について視察に行く機会があったんですが、広大で素晴らしい景色に感動はするんですけど、それ以上に福島の景色をもっと良いものにしたいな、過ごしやすい場所にしたいって思ってしまったんですよね。
リフレッシュするために良く行く温泉は、飯坂、土湯、高湯と3つから選べるし、大好きな映画館「フォーラム福島」があるので、市内で十分間に合っちゃうんですよね。
今は「福島には何でもある!面白い」と思っています。」

佐藤 宏美さんの写真3

今後の目標

「マーケットは人の手に渡してでも、畑に専念できれば理想的」と考えている佐藤さん。
「農家になる人を増やせるか分からないけど、農業に携わる人を今よりも増やせるように私なりに活動できたらと思っています。
昔はみんなで一つのことを協力してやるのが当たり前だったのに、今は「お金や人手がないからできない」という問題にぶち当たってしまうんです。入り込むと課題だらけですけど、みんなで工夫と知恵を出し合ってやってくしかないなと思っています。
例えば、年々増えているというひきこもりの方や、退職後の時間を農業に関わってみたいと考えている人などが、周りのペースを気にせず自分のペースで参加できる、田んぼや畑の体制を作っていけたらと思います。人手に悩む農家の方も、ひきこもりの方などもお互いwin-winの関係になるんじゃないかと考えたりもしていて。
これからも、農家の課題をひとつでも多く解決できるように、農家のみなさんと一緒に考えていけたらと思っています。」
今、自分ができることをとにかくやっていきたいと意気込みます。

如春荘の写真

移住を考えている方へメッセージ

「東京から新幹線で1時間30分の場所で、駅を降りればすぐに自然に触れ合うことができます。大きな温泉地が3つもあって選び放題。町のど真ん中にある信夫山をはじめ、吾妻連峰の景色等、自然豊かで美しい場所ばかりです!本当に癒される場所ですよ!」

佐藤 宏美さんの写真4

自然が豊富で本当にいやされるところです。ぜひ一度遊びに来てください。 佐藤 宏美

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「フォーラム福島」の写真

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