食中毒に関する情報
食中毒とは、食中毒の原因となる細菌やウイルスが付着した食品や有害・有毒な物質が含まれた食品を食べることによって起こる健康被害をいいます。
病因物質によって食べてから症状が出るまでの期間や症状、予防方法は異なります。
予防のポイントを意識して、みんなで食中毒を防ぎましょう。
食中毒予防の3原則
菌をつけない(清潔、洗浄)
- 手指は調理前や調理中にこまめに洗い、清潔に保つ。
- 肉や魚を切った後の包丁やまな板で、生で食べるものを切らない。
- 包丁、まな板などの調理器具は洗剤でよく洗い、熱湯や消毒薬で殺菌する。
菌を増やさない(迅速、温度管理)
- 低温で保存し、調理した食品はすぐに食べる。
- 冷蔵庫の詰めすぎに注意。
菌をやっつける(加熱)
- 食品の表面だけではなく、中心部まで十分に加熱する。
- 目安は中心部分の温度が75℃で1分間以上。
ノロウイルスは、85℃~90℃で90秒間以上の加熱が必要です。
細菌性食中毒
主な食中毒の原因や症状等は次のとおりです。
サルモネラ
- 症状は?
潜伏期間は、6~72時間。激しい腹痛、下痢、発熱、嘔吐。
- 過去の原因食品は?
卵又はその加工品、食肉(牛レバー刺し、鶏肉)、うなぎ、すっぽん、乾燥イカ菓子など。二次汚染による各種食品。
- 予防のポイントは?
卵・肉・魚介類などの生鮮食品は新鮮なものを購入し、冷蔵庫に入れて保存し、早めに食べましょう。
生の肉や魚介類に使った包丁やまな板と、調理済みの食品がふれないようにしましょう。
生の卵・肉・魚介類など加熱が必要な食品は、中心まで十分に加熱しましょう。
カンピロバクター
- 症状は?
潜伏期間は、1~7日と長い。発熱、倦怠感、頭痛、吐き気、腹痛、下痢、血便など。
- 過去の原因食品は?
食肉(特に鶏肉)、飲料水、生野菜など。
- 予防のポイントは?
生の肉に使った包丁やまな板と、調理済みの食品がふれないようにしましょう。
生の肉など加熱が必要な食品は、中心まで十分に加熱しましょう。
腸炎ビブリオ
- 症状は?
潜伏期間は、8~24時間。腹痛、水様性下痢、発熱、嘔吐。
- 過去の原因食品は?
魚介類(刺身、寿司、魚介加工品)。二次汚染による各種食品(漬物、塩辛など)。
- 予防のポイントは?
魚介類は流水でしっかり洗いましょう。生の魚に使った包丁やまな板が、調理済みの食品とふれないようにしましょう。
魚介類など加熱が必要な食品は、中心まで十分に加熱しましょう。
夏に魚介類を生で食べるときは特に注意し、食べる直前まで冷蔵庫で保存しましょう。
腸管出血性大腸菌
- 症状は?
潜伏期間は、おおよそ3~5日。激しい腹痛、水様性下痢、血便など。特に小児や老人では、溶血性尿毒症症侯群(HUS)や脳症(けいれんや意識障害など)を引き起こしやすい。
- 過去の原因食品は?
井戸水、牛肉、牛レバー刺し、ハンバーグ、牛角切りステーキ、牛タタキ、ローストビーフ、シカ肉、サラダ、貝割れ大根、キャベツ、メロン、白菜漬け、日本そば、シーフードソース、ユッケ、冷やしきゅうり、きゅうりの和えものなど。
- 予防のポイントは?
生の肉にさわったら、よく手を洗いましょう。
生の肉に使った包丁やまな板と、調理済みの食品がふれないようにしましょう。
生の肉など加熱が必要な食品は、中心まで十分に加熱しましょう。
野菜類は新鮮なものを購入し、冷蔵庫で保管するなど保存に気をつけましょう。
野菜類は流水でしっかり洗いましょう。
野菜類は食品用の洗浄剤や次亜塩素酸ナトリウムなどの殺菌剤を使ったり、加熱することにより殺菌効果はより高まります。
黄色ブドウ球菌
- 症状は?
潜伏期間は、1~5時間。吐き気、嘔吐、腹痛、下痢。
- 過去の原因食品は?
おにぎり、弁当、牛乳、クリーム、卵製品、食肉製品、かまぼこ、和洋生菓子など。
- 予防のポイントは?
この菌はヒトの皮膚、鼻や口の中、傷口、髪の毛などにいます。特に手荒れや手にケガをしているときは、調理しないようにしましょう。どうしても調理をするときは、使い捨て手袋をして、傷が食品に直接ふれることのないよう十分注意しましょう。
調理前は、よく手を洗いましょう。
ウェルシュ菌
- 症状は?
潜伏期間は、6~18時間。主症状は下痢と腹痛。
- 過去の原因食品は?
多種多様の煮込み料理(カレー、煮魚、麺のつけ汁、野菜煮付けなど)
- 予防のポイントは?
調理後は常温で放置せず、速やかに食べましょう。
すぐに食べない場合は、保存容器などに小分けして粗熱を取り、冷蔵又は冷凍しましょう。
ウイルス性食中毒
ノロウイルス
- 予防のポイントは?
下痢や腹痛などの症状があるときは、調理を控えましょう。
調理前に石けんでよく手を洗いましょう。二度洗いが効果的です。
生の貝に使ったあとの包丁やまな板と調理済みの食品がふれないようにしましょう。
食品の中心の温度を、85℃~90℃で90秒以上保つように加熱しましょう。
その他
毒キノコと食用キノコの区別は素人ではなかなかむずかしく、長年キノコを採取している人でも誤って毒キノコで食中毒を起こすことがあります。
山菜狩りなどで誤って有毒な野草を採取し、食べたことにより、食中毒が発生しています。食用の野草と確実に判断できない植物は、絶対に「採らない」、「食べない」「売らない」「人にあげない」ようにしましょう。
ヒスタミンは、食品中に含まれるヒスチジン(アミノ酸の一種)にヒスタミン産生菌の酵素が作用し、ヒスタミンに変換されることにより生成します。ヒスチジンを多く含むマグロ、カジキ、サバ、イワシ、サンマ、ブリ、アジなどの赤身魚やその加工品を常温に放置する等の不適切な管理をすることで、ヒスタミンが生成されます。ヒスタミンは熱に安定であり、一度生成されると食中毒を防ぐことはできません。
アニサキス(体長2~3センチメートル)が寄生している海産魚介類を生食することにより、まれにアニサキスの幼虫がヒトの胃腸壁に侵入します。このアニサキスによって引き起こされる食中毒です。
参考
さらに詳しく調べるには、次のホームページをご覧ください。