旧制度
高齢者の積極的な社会参加支援と公共交通の利用促進を図るため、75歳以上のかた(市民と広域避難者)を対象に、高齢者無料乗車証「ももりんシルバーパスポート」を交付して、市内路線バスと福島交通飯坂線の運賃を無料とし、費用は本市が負担していました。
生じていた課題
- バス停や駅から遠いなど、公共交通が不便な地域では利用がしづらく、利用している方は75歳以上高齢者の約3割にとどまっていました。
- 利用者8割の方、約1万1千人が年間2万円以内の利用に収まっている一方で、最も多い方は年間70万円弱利用するなど、個人間で利用の開きが大きくなっていました。(令和4年度実績)
見直しの方向性
持続可能で公平・公正な制度へ
- 利用の対象にタクシーを追加し、市内全域で利用しやすい制度にします。
- 少子高齢化が進行するなかでも、制度の持続可能性と公平性の観点から、どの利用方法でも等しく上限2万円(年額)を設定します。
- タクシー利用の場合、バス・飯坂線1万円とタクシー1万円の組み合わせとして設定し、公共交通全体の持続性に配慮します。

意見交換会の開催経過
超高齢社会における地域公共交通を考える会や関係団体、各地区の代表の皆様に見直しの背景やたたき台について説明を行い、意見交換を行ってきました。
開催日時 | 対象 |
---|---|
令和5年11月から5月 | 超高齢社会における地域公共交通を考える会(計4回) |
令和6年5月14日 | 民生委員会長連絡会 |
令和6年5月16日 | 老人クラブ連合会総会 |
令和6年5月19日 | ふくしま市政出前講座 |
令和6年5月24日 | 自治振興協議会連合会総会 |
令和6年6月24日から8月30日 | 各地区自治振興協議会(18地区) |
令和6年6月28日 | 町内会連合会総会 |
超高齢者社会における地域公共交通を考える会 第1回資料(PDFファイル:5.6MB)
超高齢者社会における地域公共交通を考える会 第2回資料(PDFファイル:3.2MB)
超高齢者社会における地域公共交通を考える会 第3回資料(PDFファイル:1.8MB)
主な感想・意見と市の考え
- これまでバス停・駅が遠いとなかなか利用できなかったので、タクシーの追加は歓迎する。
- 年間60万円以上も利用されている方がいて驚いた。
- 上限2万円では足りない。現行制度を継続したうえでタクシーを追加することはできないか。
⇒今回の見直しによりタクシーを追加することで、市内全域の高齢者が利用しやすい制度にしていきますが、現行の無制限に行政が負担する制度を前提とすると、市の財政にとっても大きな負担になります。少子高齢化が急速に進む中、日常生活の移動のを行政がすべて負担することは困難です。多くの方に利用しやすく持続可能な制度にしていくためにも、今後は一定の限度での支援となることをご理解ください。
- タクシー2万円という選択肢も作ってほしい。
⇒これまでバス・飯坂線を利用していた方までタクシーに移行し、バス等の利用者が大幅に減少してしまうと路線廃止等にもつながりかねません。制度も継続しながら路線を維持し、公共交通を持続可能なものとしていくためには、公共交通をみんなで守っていく仕組みづくりが必要であり、タクシー導入にあたっては、まずはバス・飯坂線と組み合わせてご利用いただきたいと考えています。
- タクシーでマイナンバーカードを活用する理由は。
⇒マイナンバーカードは既に多くの方が所有しています。また、端末にタッチするだけで高齢者でも簡単に利用でき、なりすましなどの不正利用防止にも効果があること、紙券と比べてタクシー事業者の事務負担の軽減が図られ、印刷・郵送費等も不要になることなどからマイナンバーカードを活用します。