令和6年度 難病サポーター講座【防災編】を開催しました
難病に対する正しい知識を持ち、患者さんやそのご家族を温かく見守り支援する「福島市難病サポーター」を増やすことで、難病患者さんやそのご家族が住みやすい社会になることを目指して、講座を開催し、29名の参加がありました。
開催日時・会場
日時
令和7年1月25日土曜日 午後1時から3時
会場
福島市保健福祉センター5階大会議室
内容
1「防災講話」
福島市危機管理室の防災専門官を講師に、防災についての知識を学びました。近年では日本各地で大雨による洪水や地震など自然災害が頻発していることから、個人・家族・地域での事前の備えが大切であるとお話しいただきました。テレビやラジオに限らず、市公式の防災アプリなど様々な方法で情報収集を行うことや防災のための個人・家族・地域ごとの行動計画を考えておくことも備えになることを学びました。
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防災講話のようす |
2「難病の方の災害への備え」
難病患者さんご自身と難病患者さんを支援しているケアマネジャーさんの2名の方に登壇いただき、インタビュー形式でそれぞれの災害時の経験談や感じたことをお話しいただきました。
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インタビューのようす |
会場のようす |
・神経系の難病患者のケアマネジャーとして支援している。
- これまで災害にあった経験(地震や水害、停電など)について、教えてください。当時の状況はどんな状況でしたか?
・発症前だが、住んでいた集合住宅が大雨による浸水被害でトイレが使用できなかった。
・80世帯以上が住んでいたが、集合住宅で用意された仮設トイレはひとつだけだった。
・病気の症状のために急にトイレに行きたくなることがあるため、もし今同じ状況になるととても困る。
・支援している難病患者が住んでいる地域が急に停電になったことがあった。
・患者は人工呼吸器を24時間使用しており、その他電源が必要な医療機器を使用していたため、命に直結する状況だった。
・患者宅へ訪問し、他の支援者へ連絡を取ったり、近所の方の協力を得て自宅から安全な施設へ移動できた。
- 災害時に不安や心配に感じたことはありましたか?それはどんなことでしたか?
・普段は他の方と同様に生活しているが、急にトイレに行きたくなることがあるため、トイレの場所はいつも気にしている。
・以前、外出先で急に腹痛に襲われ、コンビニでトイレを借りようとした。女子トイレしか空きがなく、店員にヘルプマークを見せ利用できないか相談したが断られた。居合わせた別の客がヘルプマークを知っていたため、事情を説明してくれ借りられた。
・ヘルプマークをつけていても、相手がその存在を知らないと意味がないと感じた。
・災害時には自宅のトイレが使えない可能性だけでなく、避難所などのトイレも混雑する可能性があるため心配。
・患者をベッドから移動させるだけでも、大人6人くらいの人手が必要。
・自宅より安全な場所に移動できると決まっても、自宅から移動すること自体が難しかった。
・自宅には発電機はあったが使用方法が分からず、いざという時に使えなかった。
- 災害のために何か備えていること・ものはありますか?
・普段は他の方と同様に生活できるため、特別に備えていることはない。
・トイレなどの困ったことがあったら、相談できる相談員がいるため安心。
・家族や支援者も含めて、発電機の使い方を練習した。
・患者や家族は普段から近所の方とお話をしているため、いざという時に協力を得やすい関係であることも大切だと思う。
- 災害時に周囲の方に理解・配慮してほしいことはありますか?
・外見では難病患者と分かりにくいため、病気のことを説明しても正しく理解してもらえないことがある。
・地域の中には難病患者に限らず、いざという時に周囲の協力が必要な方がいる。
・日頃からご近所同士で協力できる関係づくりが大切だと思うため、地域の中でも意識してほしい。
3「非常食試食体験」
参加者の皆さんと備蓄食料のアルファ米を試食し、災害への備えについて理解を深めました。アルファ米は水やお湯を注ぐだけでできることや長期保存が可能であることなどを学びました。
4「難病サポーターについて」
保健所難病支援係の職員が講師となり、難病に関する以下の点について説明し、理解を深めていただきました。また、福島市保健所で取り組んでいる難病対策についてお話をしました。
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「難病について」 |
「福島市保健所の難病対策の取り組み」 |
- 法律や医療費助成制度
- 難病支援係の役割
- 福島市の難病患者さんの病気の傾向(データ)と代表的な病気の特徴
- 患者さんやそのご家族への精神的な配慮
参加者の声(アンケート結果)
参加者の皆様には、今回の「サポーター講座」に参加をしてのアンケートにご協力いただきました。その結果は以下のとおりです。
(参加者数29名+3名(講師3名)の合計32名から回答をいただきましたが、設問ごとの回答数は記載のとおりです。)
Q お立場【複数回答可】
- 難病サポーター登録者 7名
- 一般 10名
- 患者支援者(ケアマネージャーさんなど) 3名
- 民生児童委員 1名
- ボランティア 1名
- 患者さん本人 6名
- 患者さんのご家族 4名
- その他 4名
Q 講座に参加された理由を教えてください。【複数回答可】
- 自分自身が難病を患っている 7名
- 家族や友人など身近な人に難病の方がいる 9名
- 難病に興味があり話を聞いてみたいと思った 11名
- 家族や友人に参加を勧められた 2名
- なんとなく話を聞いてみたいと思った 3名
- 仕事や担当している業務に役立つ情報が欲しい 10名
- その他 2名
Q 内容について
- とてもわかりやすかった 20名(62.5%)
- わかりやすかった 10名(31.3%)
- どちらともいえない 2名(6.3%)
- わかりにくかった 0名(0%)
- とてもわかりにくかった 0名(0%)
- とてもわかりやすかった 19名(59.4%)
- わかりやすかった 12名(37.5%)
- どちらともいえない 0名(0%)
- わかりにくかった 1名(3.1%)
- とてもわかりにくかった 0名(0%)
- とても参考になった 20名(64.5%)
- 参考になった 10名(32.3%)
- どちらともいえない 1名(3.2%)
- 参考にならなかった 0名(0%)
- 全然参考にならなかった 0名(0%)
- とても参考になった 20名(69.0%)
- 参考になった 9名(31.0%)
- どちらともいえない 0名(0%)
- 参考にならなかった 0名(0%)
- 全然参考にならなかった 0名(0%)
Q 本日の講座の感想や講座に関するご意見、今後希望する内容など【自由記載】
- 初めて参加しました。私の家族も難病患者でしたので興味を持ち参加しました。私も介護士をしており、健康なので何かお手伝いできることがあれば協力したいと思います。
- 難病の方に限らず自分(その周りの人)の生活状況に合わせた備えが必要であると強く思いました。また、近所とのコミュニケーションをとることにより災害時に手助けを必要とする方への手助けができるものだと思いました。
- 難病とはあまり接点がなく、無知なことが多く今回の講座で学ぶことができ、貴重な機会をいただきました。
- 車いすの押し方、目の不自由な方の誘導の仕方、発電機の使い方など、実物を見ながら教えてほしいです。
- また、次回このようなセミナーがあれば参加してもう少し詳しく学んでみたい。
福島市サポーター登録者数
講座開催前は福島市サポーター登録者数は56名でしたが、今回の講座後に新たに17名(令和7年2月19日時点)の登録があり、合計73名となりました。新たに登録いただいた皆様、ありがとうございました!