建築基準法による規制により、原則として建築できない建築物でも、「良好な住居の環境を害するおそれがない」などの場合に、例外的に許可を受ければ、建築できる場合があります。
主な例外許可
建築基準法では、建築物の敷地、周囲の環境(市街地の安全、衛生等の確保)などに関する必要な基準を定めていますが、建築計画や周辺の状況等を勘案して、やむを得ないと認めたうえ、建築審査会等の同意を得る等の所要手続きを経た場合において、特定行政庁(福島市長)が例外的に制限を解除することができる許可や認定等の制度(国土交通省技術的助言等に基づき個別事案ごとに審査)があります。許可を受ける場合は、許可申請手数料等が必要となります。
区分 | 許可・認定事項 | 関係条文 | 建築審査会 | 意見の聴取 | 都市計画審議会 |
---|---|---|---|---|---|
認定 | 仮使用の認定 | 第7条の6 | |||
認定 | 敷地の接道義務緩和の認定 | 第43条第2項第1号 | |||
許可 | 敷地の接道義務の特例許可 | 第43条第2項第2号 | 必要 | ||
許可 | 道路内の建築制限に対する例外許可 | 第44条第1項第2号 | 必要 | ||
許可 | 用途地域内の建築物の用途制限に対する特例許可 | 第48条ただし書 | 必要 | 必要 | |
許可 | 卸売市場等の特殊建築物の敷地の位置の許可 | 第51条ただし書 | 必要 | ||
許可 | 日影による中高層建築物の高さ制限の例外許可 | 第56条の2第1項ただし書 | 必要 | ||
許可 | 災害後の応急仮設建築物の存続に関する許可 |
第85条第4項 |
|||
許可 | 仮設建築物の許可 | 第85条第6項 |
許認可等の審査・処理期間
標準処理期間(申請後の処理に要する期間)の目安。標準処理期間には、形式上の不備の是正や審査に必要な資料の提供などに要する期間は含まれていません。(平成11年建設省住宅局建築指導課長・建設省住宅局市街地建築課長通知)
区分 | 標準処理期間 | 備考 |
---|---|---|
認定 | 30日 | ただし、建築協定の認可等、関係権利者の確認等を要するものについては、60日 |
許可 | 60日 | ただし、都市計画地方審議会の議を経る必要がある第51条の許可については、90日 |
仮設建築物の許可等 | 30日 | その性質上、特に速やかに処理することが望ましいもの |
建築基準法
建築基準法は、国民の生命、健康、財産を守るため、地震や火災などに対する安全性(求められる性能)や、建築物の敷地、周囲の環境(市街地の安全、衛生等の確保)などに関する必要な基準が定められています。
- 建築物の安全、衛生を確保するための基準
- 地震、台風、積雪等に対する建築物の安全性の基準
- 火災による延焼、倒壊の防止、階段までの避難施設の設置等に関する火災時の安全性の基準
- 居室の採光、換気、給排水設備、衛生設備等の環境衛生に関する基準
- 市街地の安全、環境を確保するための基準
- 敷地が一定の幅員以上の道路に接することを求める基準
- 都市計画において定められた用途地域ごとに建築することができる建築物に関する基準
- 建築物の容積率、建蔽率の制限、高さの制限、日影規制等に関する基準
- 建築物の安全性などを確保するため、建築基準法のチェック
- 建築確認(建築物の計画が、建築基準法やその他の関係法令の基準に適合しているかを審査=「確認済証」)
- 建築確認済表示板(工事現場の見やすい位置に、建築基準法による確認済みであることを示す標識を設置)
- 中間検査(安全性に深く関わる工程(特定工程)が終了した段階での、その建築物が法令の基準に適合しているかを検査=「中間検査合格証」)
- 完了検査(工事が完了した段階で、その建築物が法令の基準に適合しているかを検査=「検査済証」
- 建築確認(建築物の計画が、建築基準法やその他の関係法令の基準に適合しているかを審査=「確認済証」)
仮使用認定(建築基準法第7条の6)
建築確認申請を必要とする建築物で、建築基準法施行令第13条に規定する避難施設等(防火区画、避難階段及び出入口、排煙設備、非常用照明装置、非常用進入口、特殊建築物の内装、消防設備等)に関する工事を含むものは、工事が完了して「検査済証」の交付を受けた後でなければ使用できません。
しかしながら、建築主等の都合により建築物の工事完了前に一部使用の必要が生じる場合があります。建築基準法では、このような場合に対処するために仮使用認定制度を定めております。
仮使用認定制度は、建築基準法第6条第1項第1号から第3号までの建築物において、「検査済証」の交付を受けるまで、原則、使用禁止と制限したうえで、特定行政庁(福島市長)が安全上、防火上、避難上支障がないと認めたときは、工事完了前(工事中)であっても、仮に、建築物又は建築物の部分を使用ができるとしています。
なお、一定規模以上の特殊建築物等を工事中に仮使用する場合は、建築基準法第90条の3の規定に基づき、建築物等の安全を確保する「安全上の措置等に関する計画届」を作成し、特定行政庁(福島市長)への届出する必要があります。
対象建築物
- 特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200平方メートルを超えるもの
- 木造の建築物で、3以上の階数を有し、又は延床面積が500平方メートル、高さが13メートル、軒の高さが9メートルを超えるもの
- 木造以外の建築物で、2以上の階数を有し、又は延床面積が200平方メートルを超えるもの
- 「安全上の措置等に関する計画届」の届出が必要な規模(建築基準法施行令第147条の2)は、次のとおりです。
用途 | 規模 |
---|---|
|
3階以上の階又は地階の部分の床面積の合計が1,500平方メートルを超えるもの |
|
5階以上の階の床面積の合計が1,500平方メートルを超えるもの |
又は上記の用途 |
5階以上の階又は地階部分の床面積の合計が2,000平方メートルを超えるもの |
地下工作物に設ける建築物 | 居室の床面積の合計が1,500平方メートルを超えるもの |
提出書類
提出部数は3部です。(正本・副本・消防同意用)
- 仮使用認定申請書(建築基準法施行規則第4条の16)
- 確認申請書(第1面から第5面までの写し)
- 付近見取図(都市計画図2,500分の1)
- 配置図
- 各階平面図
- 事業工程表
- 安全計画書(工事中において安全上、防火上、避難上講ずる措置の概要)
- 工事計画書(建築基準法施行令第147条の2に規定する建築物の場合)
- その他市長が必要と認める書類
申請手数料
120,000円
留意事項
仮使用の認定を受けようとする場合は、事前に、計画の内容がわかる図面や資料をご持参のうえ、開発建築指導課にご相談ください。
認定申請については、計画内容の審査期間に加え、消防部局へ意見照会(建築基準法第93条)が必要となるため、あらかじめ工期に余裕をもって申請してください。
仮使用認定の期間は、原則として、3年以内となります。仮使用の期間が著しく長期化すると、その間に工事の状況が変化する可能性が高く、建築物の安全確保が図れないためです。
建築物の使用とは、人が継続的に建築物内に立ち入ることをいいます。
工事中の建築物の一部使用等については、工事に伴う火気使用による出火や避難施設等の未整備による被害の拡大が懸念されるため、仮使用部分とその他の部分とは、建築物の構造、用途又は工事内容等に応じて、適切に間仕切壁等で、防火上有効な区画をする必要があります。
内装仕上げ等をテナント決定後に行う建築物も仮使用認定の対象となります。
敷地の接道義務緩和の認定、特例許可(建築基準法第43条第2項第1号、第2号)
建築物を建てるときには、建築物の敷地は、建築基準法上の道路に2メートル以上接していなければなりません。
建築物の敷地が路地状部分のみによって道路に接する場合や特定の建築物の場合は、福島県建築基準法施行条例(昭和26年8月7日条例第60号)により幅等により厳しい制限が加えられます。
路地状部分の幅(接道幅) | 路地状部分の長さ | 用途・規模 |
---|---|---|
2メートル以上 | 20メートル以下のもの | なし |
3メートル以上 | 20メートルを超えるもの | なし |
4メートル以上 | 20メートルを超えるもの |
床面積が500平方メートルを超える建築物 (同一敷地内に2以上の建築物がある場合は、それらの床面積の合計) |
4メートル以上 | なし |
建築基準法第43条第3項第1号から第4号までのいずれかに該当する建築物
特殊建築物にあつては、建築基準法第6条各号に掲げるもので、その用途に供する部分の床面積の合計が200平方メートルを超えるもの (同一敷地内に2以上の建築物がある場合は、それらの床面積の合計) |
建築物の敷地が道路に接していない場合や、接道幅が2メートル未満の場合は、原則として建築することができません。このような敷地については、建築基準法の道路を築造したり、建築物の敷地と建築基準法の道路との間の土地を買収、借地等するなどにより、この規定を満たすようにする必要があります。
一方、建築基準法第43条第2項第2号では、一定の基準を満たす建築物で、特定行政庁(福島市長)が安全上、防火上、避難上支障がないと認め、建築審査会の同意を得て、例外的に許可された場合に限り、建築することを可能とする規定が設けられています。
建築基準法第43条第2項第1号による認定
敷地が農道その他これに類する公共の用に供する道(幅員4メートル以上に限る)に2メートル以上接する建築物のうち、利用者が少数であるものとして、延床面積200平方メートル以内の一戸建ての住宅(事務所、店舗その他これらに類する用途を兼ねるものは除く)で、特定行政庁(福島市長)が安全上、防火上、避難上支障がないと認定したものをいいます。
建築基準法第43条第2項第2号による許可
敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁(福島市長)が安全上、防火上、避難上支障がないと認め、建築審査会の同意を得て、例外的に許可したものをいいます。
- 敷地の周囲に広い公園、緑地、広場等の広い空地を有すること
- 敷地が農道その他これに類する公共の用に供する道(幅員4メートル以上に限る)に2メートル以上接すること
- 敷地が建築物の用途、規模、位置、構造に応じ、避難、通行の安全等の目的を達するために十分な幅員を有する道路であって、道路に通ずるものに有効に接すること
提出書類
提出部数は3部です。(正本・副本・消防同意用)ただし、包括同意基準に適合しない事案については、建築審査会の開催が必要となるため、正本の写し15部程度必要となります。
- 許可申請書(建築基準法施行規則第10条の4)
- 付近見取図(都市計画図2,500分の1)
- 配置図(敷地の道路に接する部分及びその長さ)
- 各階平面図(建築物の構造、建築設備又は用途に関する事項)
- 床面積求積図
- 二面以上の立面図
- 二面以上の断面図
- 地盤面算定表
- 消防調書(福島市建築基準法施行規則第7条)
- 工場調書又は危険物調書(福島市建築基準法施行規則第7条)
- 道路協議書(福島市建築基準法施行規則第7条)
- 公図の写し
- 写真
- 申請地境界等(対象区域)を赤で囲み、2方向以上を撮影
- 地盤の状況、道と敷地(接道部分)の関係、道の幅員等が判別できる形で撮影
- 撮影方向図を添付
- 確認申請現地調査票
- 許可を必要とする理由書
- 公共物等使用許可書等の写し
- 委任状
- その他市長が必要と認める書類
申請手数料
- 建築物の敷地と道路との関係の建築認定(第43条第2項第1号):27,000円
- 建築物の敷地と道路との関係の建築許可(第43条第2項第2号):33,000円
建築基準法第43条第2項第2号許可に係る包括同意基準
この基準は、福島市建築審査会が、建築基準法第43条第2項第2号の規定に基づく許可に係る同意を求められた場合において、許可事務の迅速化、簡素化を図るため、許可申請に係る建築物で、安全上、防火上、避難上支障がないとして基準に適合する場合は、あらかじめ建築審査会の同意を得たものとして取扱う「包括同意基準」を定めています。「包括同意基準」に該当する場合は、建築審査会への付議を省略でき、建築審査会へは事後報告となります。
留意事項
接道の許可を受けようとする場合は、事前に、計画の内容がわかる図面や資料(付近見取図、公図、土地及び建物の登記事項証明書、写真等)をご持参のうえ、開発建築指導課にご相談ください。
許可申請については、計画内容の審査期間に加え、建築審査会の開催が必要となるため、あらかじめ工期に余裕をもって申請してください。
接道の許可は、建築確認申請の前に必要となります。許可を受けた後に建築確認申請を提出することができます。
道路内における建築許可(建築基準法第44条)
道路内には建築物(地盤面下に設ける建築物を除く)や擁壁を建築・築造することはできません。ただし、建築審査会の同意を得た上で許可を受けることで建築が可能となる場合があります。
- 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する公益上必要な建築物で特定行政庁が通行上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可した建築物(建築基準法第44条第1項第2号)
- 公共用歩廊その他政令で定める建築物で特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上他の建築物の利便を妨げ、その他周囲の環境を害するおそれがないと認めて許可したもの(建築基準法第44条第1項第4号)
提出書類
提出部数は3部です。(正本・副本・消防同意用)ただし、包括同意基準に適合しない事案については、建築審査会の開催が必要となるため、正本の写し15部程度必要となります。
- 許可申請書(建築基準法施行規則第10条の4)
- 付近見取図(都市計画図2,500分の1)
- 配置図(敷地の道路に接する部分及びその長さ)
- 各階平面図(建築物の構造、建築設備又は用途に関する事項)
- 床面積求積図
- 二面以上の立面図
- 二面以上の断面図
- 地盤面算定表
- 消防調書(福島市建築基準法施行規則第7条)
- 工場調書又は危険物調書(福島市建築基準法施行規則第7条)
- 道路協議書(福島市建築基準法施行規則第7条)
- 公図の写し
- 写真
- 申請地境界等(対象区域)を赤で囲み、2方向以上を撮影
- 地盤の状況、道と敷地(接道部分)の関係、道の幅員等が判別できる形で撮影
- 撮影方向図を添付
- 確認申請現地調査票
- 許可を必要とする理由書
- 公共物等使用許可書等の写し
- 委任状
- その他市長が必要と認める書類
申請手数料
- 道路内における建築許可(公衆便所等)(第44条第1項第2号):33,000円
- 道路内における建築認定(第44条第1項第3号):27,000円
- 道路内における建築許可(公共用歩廊等)(第44条第1項第4号):170,000円
建築基準法第44条第1項第2号許可に係る包括同意基準
この基準は、福島市建築審査会が、建築基準法第44条第1項第2号の規定に基づく許可に係る同意を求められた場合において、許可事務の迅速化、簡素化を図るため、許可申請に係る建築物で、安全上、防火上、避難上支障がないとして基準に適合する場合は、あらかじめ建築審査会の同意を得たものとして取扱う「包括同意基準」を定めています。「包括同意基準」に該当する場合は、建築審査会への付議を省略でき、建築審査会へは事後報告となります。
建築基準法第44条第1項ただし書の規定による同項第2号の許可に係る包括同意基準
留意事項
道路内建築物等の許可を受けようとする場合は、事前に、計画の内容がわかる図面や資料(付近見取図、公図、土地及び建物の登記事項証明書、写真等)をご持参のうえ、開発建築指導課にご相談ください。
許可申請については、計画内容の審査期間に加え、建築審査会の開催が必要となるため、あらかじめ工期に余裕をもって申請してください。
建築の許可は、建築確認申請の前に必要となります。許可を受けた後に建築確認申請を提出することができます。
仮設建築物の許可(第85条第6項)
建築基準法第85条第6項では、期間の限定された仮設興行場、博覧会建築物や建替え等による工事期間中に必要となる代替仮設店舗等の仮設建築物は、特定行政庁(福島市長)の許可を受けることによって、建築基準法の一部の規定を緩和する規定が設けられています。
仮設建築物の許可に当たっては、建築の目的、用途、位置、規模等により、特定行政庁(福島市長)が安全上、防火上、避難上支障がないと認めたときは、緩和を受けることできます。なお、許可の期間は、原則として、1年以内となります。
選挙等のために必要とする建築物
選挙のために臨時的、一時的(概ね公示日3ヵ月前から投票日後1ヵ月までの期間のみ利用)に必要とする建築物(選挙事務所等)やお祭りやイベント等に出店する仮設の営業店舗、物販店であっても、建築基準法に基づく建築確認申請及び完了検査申請の手続きが必要となります。建築基準法の一部緩和を受けたい場合は、仮設許可申請も必要となります。仮設許可を受けた場合は、選挙、イベント終了後に建築物の撤去が必要となります。都市計画法、農地法上の手続きも必要な場合がありますので、所定の手続きを行うよう、また、手続きに要する期間にご留意願います。
提出書類
提出部数は3部です。(正本・副本・消防同意用)
- 許可申請書(建築基準法施行規則第10条の4)
- 付近見取図(都市計画図2,500分の1)
- 配置図
- 各階平面図
- 床面積求積図
- 二面以上の立面図
- 二面以上の断面図
- 地盤面算定表
- 工場調書又は危険物調書(福島市建築基準法施行規則第7条)
- 公図の写し
- 事業工程表
- 写真
- 敷地周囲の状況、道と敷地(接道部分)の関係が判別できる形で撮影
- 撮影方向図を添付
- 既存建築物検討資料
- 仮設建築物を必要とする事業等であることが判断できる書類等
- その他市長が必要と認める書類
申請手数料
- 存続期間3月以内のもの:20,000円(1月につき)
- 存続期間3月超のもの:120,000円
留意事項
仮設の許可を受けようとする場合は、事前に、計画の内容がわかる図面や資料をご持参のうえ、開発建築指導課にご相談ください。
許可申請については、計画内容の審査期間に加え、消防部局へ意見照会(建築基準法第93条)が必要となるため、あらかじめ工期に余裕をもって申請してください。
様式
以下から様式のダウンロードができます。