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更新日:2025年6月3日

市長提案説明(令和7年6月市議会定例会議)

  • 日時:令和7年6月2日(月曜日)
  • 場所:議場

災害対策の強化について

 提案理由を申し上げるに先立ち、市政の近況について申し上げます。
 この春は、全国的に山林火災が多発し、大船渡市で発生した林野火災は、焼失面積が3,370haと平成以降国内最大規模の山林火災となりました。亡くなられた方のご冥福を祈り、被災地の皆様にお見舞い申し上げます。
 本市からも、緊急消防援助隊として、19日間、消防職員延べ112人、車両延べ37台を派遣し、消火活動にあたりました。今般、災害派遣消防職員の特殊勤務手当について条例改正の議案を提出し、応援活動環境の充実を図ることとしており、今後も大規模災害時には、本県代表消防本部としての役割を果たしてまいります。
 これからの季節は、出水期に入ります。それに先立つ5月10日、大雨を想定した総合防災訓練を実施しました。防災拠点である市民センターを会場の1つとし、新たな訓練として、QRコードによる避難所受付の実証実験や、孤立集落を想定したドローンでの現状確認、自主防災組織による土のう作成など、近年の災害教訓を踏まえた実効ある訓練に努めました。
 避難体制に関し、3月に2件の災害時連携協定を締結しました。土湯温泉町では、旅館事業者が、施設の一部を一時避難所として自主運営し、市は備蓄品を提供して支援します。福島駅周辺では、帰宅困難者が発生した際に、看護系専門学校に一時滞在施設を開設します。引き続き、多様な民間施設を活用し、避難体制の強化を進めます。

水道通水100周年について

 本市水道が通水100周年を迎え、5月26日、記念式典を開催しました。本市水道は、創設以来、水需要の増加に伴い、摺上川ダムへの全面的水源転換など多くの施設整備を行い、大震災等の困難も乗り越えて、安定的に水を供給してまいりました。この4月、上下水道局と新体制となって新たなスタートを切りました。今後も、災害や老朽化等への対応はもとより、将来を見据えた先導的な取組を展開し、持続可能な経営と安全安心でおいしい水の安定的供給に努めてまいります。

下水道の安全対策について

 八潮市の道路陥没事故を受け、下水道の全国特別重点調査を実施します。雨水渠も対象に含め、大口径かつ設置年度が古い約5,500メートルの管路内部を、目視やテレビカメラで確認し、劣化や腐食など緊急度の高い場合は、空洞化調査や応急措置を速やかに実施します。

熱中症対策について

 今年の夏も平年より高い気温が予想されており、本市では既に5月に真夏日を観測し、熱中症による救急搬送が発生しています。ふくしま涼み処は、市施設27か所を5月1日から前倒しして開設しました。引き続き、熱中症の予防・対処方法を注意喚起し、民間の協力施設も含めた涼み処の積極的な利用を呼びかけてまいります。

クマ被害対策について

 4月、5月のクマ目撃は26件あり、例年を上回る多さとなっています。市街地や小学校の周辺でも目撃されており、5月30日より市ホームページにおける目撃情報の随時発信を開始し注意喚起を強化しました。引き続き関係機関と連携し、予防・対処の対策を総合的に進めてまいります。

義務教育学校の開校について

 教育においては、本市初の義務教育学校として、4月7日、松川地区の小中学校を再編し、松陵義務教育学校が開校しました。9年間を一貫した系統的・体系的な教育や、小・中教員の相互乗り入れ授業など柔軟な学校運営により、質の高い教育を展開するとともに、中一ギャップの解消を図ります。本市ゆかりの著名人に作詞・作曲いただいた新校歌や、地域探究学習、異学年交流により郷土愛を育むなど、地域とともにある学校づくりに取り組みます。

公立夜間中学「天神スクール」について

 2年目を迎えた県内唯一の公立夜間中学「天神スクール」は、今年度10名が入学し、計29名が多様な学び直しを実践しています。外国にルーツを持つ生徒が12名、市外から通学する生徒が7名に増えており、ニーズの多様性・広域性に対応すべき本校の役割を果たしてまいります。

特色ある教育について

 1月に創設したスクール・サポート企業登録制度は、約100件の企業の登録があり、既に、女性起業家による中学校出前講座、鼓笛パレードにおける熱中症対策のドリンク提供といった実績に結びついています。登録情報を市内小中学校へ提供して学校と企業の連携充実を図り、特色ある教育を推進します。

学びの環境の充実について

 児童生徒の障がいに応じた個別指導を行う通級指導については、市内9校に設置した通級指導教室の教員が、近隣の未設置校を訪問し指導する巡回型に全面的に切り換え、児童生徒の学習時間の確保と保護者の送迎の負担軽減を図ります。今年度は4月21日、5校でスタートし、次年度は全9校で実施します。

待機児童対策について

 本年4月1日現在の保育施設の待機児童は、5年連続でゼロを達成しました。昨年度は私立保育2施設の改築を支援するなど、これまで保育の受け皿と保育士確保を大幅に拡充し、待機ゼロが定着してきています。潜在的待機児童は僅かに減少しましたが、100人を超えており、引き続き、官民一体の取組を推進し、潜在的待機児童の解消に努めます。
 一方、放課後児童クラブの待機児童は、今年も2クラブを増やすなど、受け皿を拡大しましたが、本年5月1日現在、前年より1人減の2人と、解消に至りませんでした。少子化においても就学後の保育ニーズは増加傾向にあり、今後も的確な把握と対策の工夫に努め待機解消を目指します。

子育てしやすい環境づくりについて

 街なかに屋内型こども遊び場・居場所を望む声が非常に多く届いています。こどもベースの拠点となる「こむこむ館」については、先月末、全面リニューアルに向けて市民ワークショップを開始しました。子育て世帯、大学生、まちづくり関係者など多様な市民の意見やアイディアを集め、民間の創意工夫を活用してリニューアル内容の検討を進めます。
 医療的ケア児については、4月から、県内初となる在宅レスパイト事業を開始しました。看護師等が、在宅で生活する医療的ケアが必要な児童の介護や見守りを行い、家族の休息時間の確保と介護負担の軽減を図ります。

新シルバーパスポート制度について

 4月から運用開始した新シルバーパスポートについては、4月末までの実利用者数は約9,400人で前年度比111%と増加しています。マイナンバーカードへのタクシー利用登録を行っていない約4,000人へは、特設窓口での登録を促しています。年度ごととしていた利用パターンの変更は、運用開始後に多くの要望があったことを考慮して、未使用の方には年度途中でも変更可能とし、5月19日から受付を開始しています。引き続き、新制度の利用を呼び掛けてまいります。

多文化共生の推進について

 多文化共生については、3月24日、ベトナムセミナーを開催しました。2月のベトナム訪問の結果と最新情勢を報告し、参加者と意見交換しました。引き続き、事業者や観光関係者等と連携して、外国人材の受入拡大やインバウンド強化のための環境整備を進めます。
 3月28日に発生したミャンマー中部地震については、緊急支援募金を実施し、市民等の皆さまからの支援を被災地へ送りました。ミャンマー出身の市内在住者約100名が、地域産業を支えています。被災地の一日も早い復興を祈念しています。

農業の担い手確保について

 今年度の新規就農者は、53名となりました。過去最多であった前年度から減少しましたが、高い水準が続いています。20代が最も多く、女性割合や法人雇用が増加、外国人の就農もありました。多様な人材による就農をさらに推進し、担い手の確保に努めます。

農業のデジタル化について

 農業において、デジタル化が進んでいます。今年度は、JAが導入したアプリの活用により、一連の防霜対策のICT化が図られました。温度観測データの更新や防霜資材点火のメールが自動化されるなど、JA、農家、関係機関の利便性向上と省力化につながっています。また、自動草刈り機の導入や農業用ドローンなど、スマート農業の実装が広がってきています。引き続き、様々な補助制度を活用しながら、スマート農業による農作業の効率化や生産性の向上を促進します。
 なお、本年の凍霜害被害は確認されませんでした。

企業誘致の促進について

 おおざそうインター工業団地では、先月30日、第1期の最大区画に立地した新工場が竣工しました。有名建築家が設計に関わった外観で、国内トップクラスの機械工具メーカーの生産拠点として、7月から稼働する予定です。第2期工業団地は、先行販売した1区画に申込があり、残りの区画についても造成工事を進め今月中の販売開始を目指します。
 一方、パナソニックコネクト福島工場は、先月末、閉鎖しました。従業員の大半は転職、配置転換となり、求職中の25名については、引き続き再就職に向けて関係機関と連携してまいります。

航空人材育成について

 スカイパークでは、3月15日、軽量飛行機の完成披露が行われました。エアレースパイロット室屋義秀氏が参加する航空人財育成のプロジェクトで、県立テクノアカデミーの学生が3年間かけて製作した飛行機の実証飛行が実施されています。協定締結した室屋氏の会社と連携し、若い世代のものづくり挑戦と、次世代航空産業の発展を後押しします。

中心市街地のまちづくりについて

 中心市街地では、新たな動きが連続しています。
 市民活動の拠点となる市民センターが3月にオープンし、4月末までの利用者は18,000人を超え、機能を統合した市民会館、中央学習センターの前年同時期の1.2倍となっています。週末にイベント等が開催可能な市民広場と大ホールは、先月より広く企画募集し、学生や地域団体の活動発表などの利用を促進します。
 3月28日には、都市計画道路曽根田町桜木町線の宮下町工区の供用を開始しました。中心市街地の東西軸として多くの車両等の利用いただき、交通の円滑化に貢献しています。今後、消防本部の移転新築を睨み、周辺道路の拡幅や改良を進めるなど、交通ネットワークの充実に努めます。
 民間では、5月2日、本市に拠点をおいて全国展開するデジタル企業が、市の立地助成制度を活用して、本社ビルの建設に着手。街なかでは数十年ぶりのオフィスビルの新設となります。
 5月16日には、本年度スタートしたまちなか立地集積支援の第1号を認定しました。自動車販売会社が店舗を改修し、貸しオフィスやレストラン等の機能を提供する複合施設を整備します。この支援制度には、地元銀行が金利優遇の特別融資制度を創設したところであり、今般提出した補正予算も活用し、官民連携して街なかの民間投資を後押しします。
 ソフト面でも、昨年の「ほこみち」レガシーとして、参加団体を中心に、さんかく広場と吾妻通りで「夜市」が開催され、今後継続的な実施が予定されています。また、西口では、若者を中心としたマルシェが人気を呼び、拡大しています。
 民間によるハード・ソフトの取組を、今後さらに促進・支援してまいります。 

駅東口再開発事業の推進について

 こうした動きと並行し、東口再開発事業を着実に推進します。公共エリアの基本設計は、雁行型ホールと立体的な屋上広場のデザインで進めており、設計ワークショップにおける市民意見の反映も検討しています。管理運営については、候補者の早期公募に向け、知見・実績のある企業にサウンディング調査を行います。コスト縮減に努めながら、シンボリックで使いやすく、賑わい創出や地域経済に大きな効果をもたらすことができるよう取り組んでまいります。

街なかの賑わい創出について

 今年のゴールデンウィークは、「結・ゆい・フェスタwith福島ファイヤーボンズ」や「まちなかこどもの日」、ふく酒街道と代官山のビアバーがコラボしたビアフェスなどが開催され、昨年以上の賑わいが見られました。特に、「まちなかこどもの日」は、昨年以上に地元民間が連動した取組を行い、広域連携自治体の出展もあってグレードアップし、過去最多の4万9,000人に街なかの楽しさを体感いただきました。
 一方、出店した露店において、不適切な食品が提供され、体調不良者が発生したことは、主催者としてお詫び申し上げる次第であります。当日は直ちに当該露店の営業を中止して、利用者への注意喚起を行い、体調不良の報告があった8名は、その後、全員の回復を確認しています。
 気温・湿度の上昇等に伴い、食品衛生に加えて熱中症や落雷等のリスクも高まっており、適切な準備・対応等の徹底と、状況に応じて中止も検討するよう、イベント主催者や市民等に注意を促しています。

観光対策の推進について

 令和6年の観光客入込数については、841万人となり、3年連続で過去最高を更新し、その流れは本年も続いています。ふくしま三名湯や街なかイベントへの入込数、さらにはインバウンドが増え、これまでの施策の効果が着実に表れています。
 中でも道の駅ふくしまは、令和6年度の来場者・売上額ともに過去最高を記録しました。4月には、開設後満3年足らずして来場者の累計が500万人を突破し、3周年祭にも多くの方々に来場いただきました。
 ふくしま花回廊も定着してきており、本年は、3月20日から8月末までデジタルラリーを開催しています。花の名所と飲食店等に加えて、ふくしま三名湯の旅館宿泊も新たに対象にし、市内での滞在と周遊を促進しています。
 その代表格たる花見山観光には、花見山をモチーフにした新商品を新たに加え、官民連携した受入体制で、来場者は前年比2,000人増の7万7,000人となりました。
 引き続き、観光消費を高める工夫を講じながら、プレDC、ジブリ展、大ゴッホ展と続く大規模イベントと連動した観光客の誘致・回遊策を積極的に展開します。
 プレDCは、4月5日、オープニングセレモニーによりスタートし、DC本番に向けては、5月29日、旅行会社へのエクスカーションを実施し、本市観光素材をPRしています。

MICE誘致の推進について

 3月19日、県内初となる国際会議観光都市に認定されました。本市は浜通りへの玄関口として、震災・原発事故関連分野の国際会議や復興を学ぶエクスカーションが開催されるほか、福島大学や県立医大に関連した学会等の開催需要も高く、認定によりMICE開催都市としての知名度向上が期待されます。県文化センターの再開や東口再開発事業の完成も見据え、関係機関と連携して、積極的にMICE誘致を進めます。 

温泉の安全管理について

 2月に高湯温泉で発生した硫化水素事故については、3月、事故の振り返りや安全対策の再周知など旅館関係者等と情報共有を行いました。旅館関係者は、年内に源泉管理作業マニュアルを作成する予定であり、市としても安全管理に関するサポートを行います。

音楽のまちづくりについて

 文化振興については、本市音楽文化総合アドバイザー三浦尚之氏が、令和6年度をもって退任されました。平成13年から24年間にわたり、本市の音楽文化施策全般への助言・指導に加えて、連続テレビ小説「エール」の放送実現に尽力いただくなど、多大な功績に対し、4月17日、本市初の文化芸術栄誉賞と名誉音楽文化アドバイザーの称号を贈りました。今後も、三浦氏のレガシーを活用・継承しながら、音楽によるまちづくりを推進します。

文化財の保存活用について

 土湯伝統こけし製作技術については、3月25日、本市無形民俗文化財に指定しました。江戸時代から受け継がれる日本三大こけしの一つで、昨年の全国こけし祭りでは工人の一人が最高賞を受賞しています。文化財指定を機に、後継者育成や製作技術のさらなる継承に繋げてまいります。
 西久保遺跡については、2点目の木簡の詳細解析により「岑越駅(みねこしえき)」の文字が判明しました。役所・祭祀機能に加え、交通機能を兼ね備えた複合的な遺跡の可能性があり、引き続き発掘調査し調査研究を進めてまいります。

ふくしまシティハーフマラソンについて

 全国ランニング大会100撰に選定された「ふくしまシティハーフマラソン」は、5月18日開催され、過去最多の4,600人を超えるランナーが新緑の福島路を駆け抜けました。市民ランナーも過去最多の1,668人となり、協賛団体、ランナー応援隊やボランティアによる手厚いおもてなしはさらに充実しました。新たにペースメーカーを配置し、駐車場の拡充・分散化と熱中症対策としての救護体制強化などの改善も講じた結果、今回も高い評価をいただいています。市外からは昨年より多い約1,800人が宿泊し、イブフェスから街なかに人が流れるなど、地域経済にも貢献しています。

スポーツのまちづくりについて

 その主会場の一画をなす信夫ヶ丘球場では、防球ネット増設が完了し、4月から硬式野球の使用を再開しました。今後、高校野球をはじめ、大会や合宿での活用を進めてまいります。
 3月28日、福島ユナイテッドFCとサッカーを通じた街なか活性化事業に合意しました。街なかの小学校等を主会場に、少人数制サッカーのリーグ戦「Uリーグ」を開催し、年齢・性別・国籍に関係なく市内外から幅広く参加する選手や関係者が、試合前後に街なかを回遊し活性化を図ります。併せて、健康づくりと多様な交流を促し、ユナイテッドのサポーター拡大も図ります。秋には実証的な試合を開催する予定であり、今後相互協力して環境整備や開催準備を進めます。

活力ある地域づくりについて

 UFOの里づくりがさらに注目を浴びています。3月にスタートした芸能人プロデュースによる地域おこしを支援する全国放送の新番組では、初回に取り上げられ、大きな反響がありました。昨年末早々に完売して4月に追加販売開始したオリジナル地酒も、残りわずかの売れ行きです。WEBサイトを見やすく全面リニューアルしたところであり、本市のユニークなコンテンツとしてさらに磨き上げてまいります。
 地域おこし協力隊は、新たに2名を加え、全9名が各地区で地元と連携した地域づくりを推進します。5月1日に任命した立子山地区隊員は、福島大学との共同研究により、特産の凍み豆腐の持続可能な製法確立に取り組み、本日任命する飯坂地区隊員は、女性目線の観光情報発信や旅行商品の開発等を行います。これまでに卒業した4名も本市に定着して、カフェ経営や酒造りなど地域の活力となっています。

デジタル化の推進について

 デジタル化の推進については、官民共同研究を進めてきた被災者支援システムが夏頃に発売される予定となり、その一部機能について、4月、民間企業と共同で特許を出願しました。このシステムは、本市の実務経験と民間技術力を合わせ、罹災証明申請から被災者支援に至る災害対応事務全体をデジタル化して一元管理を図り、自治体業務負担を半減して、被災者の迅速な支援につなげます。本市はもとより、他自治体の早期生活再建にも貢献するとともに、自治体のシステム関連としては全国的に極めて珍しい特許出願が産業面での本市ブランドを高めて、企業・創業者の誘致等に好影響を与えることを期待しています。

太陽光・風力発電施設の設置・管理について

 太陽光・風力発電施設については、4月1日、適切な設置及び管理に関する条例を施行しました。引き続き、設置に関する問い合わせや相談がありますが、新規申請に至った案件はありません。既存の事業者に対しては、5月7日、条例に基づく届出のほか、土砂の流出防止策等を求めるなどの通知を送付しました。地域の安全や自然環境が損なわれることのないよう、必要に応じ指導や助言を行いながら施設の適正な管理を促します。

再生可能エネルギー活用・省エネ化の推進について

 一方で、地域共生型の再生エネルギーの推進など、ゼロカーボンに向けた取組を着実に進めなければなりません。本市が要請していた摺上川ダムにおけるハイブリッドダムの試行が、3月1日より始まり、同18日、19日には試験放流が行われました。今後、今回の検証を経て、自然調節ダムでの全国初のハイブリッドダムによる増電が本格的に実施されることを期待するとともに、その収益ができる限り地元に還元されるよう働きかけてまいります。
 また、中小企業者等への物価高騰対策として実施するLED照明器具導入支援に、Jクレジット制度を導入しました。企業等への経営支援と併せて、事業実施で得られた温室効果ガスの削減効果をクレジット化して流通し、地域循環型の脱炭素化を推進します。

ごみ減量化の推進について

 ごみ減量化については、市民の皆さんの取組が実を結び排出量が減少しています。令和5年度の1人1日あたりの排出量が前年度から66g改善し1,014gとなり、人口10万人以上の都市で多い順から18位となりました。令和6年度の速報値では、996gへと、さらに減少しています。3月から電池類の分別、違反ごみの開封・改善指導、ごみの名称変更をスタートし、3月、4月は前年同月比で、資源にできない燃やすごみが9.3%減少、リサイクルできる資源物が2.7%増加しました。新たな取組の効果が徐々に表れており、引き続き、ごみ減量やリサイクルの促進に努めます。

自主財源の確保等について

 令和6年度のふるさと納税については、過去最高の21億3千万円となり、5年連続で県内トップとなりました。くだもの定期便の魅力が広まり好評を得ています。国内全体のふるさと納税額は拡大傾向であり、リピーターの獲得や特色ある返礼品の開発、タイムリーなPR強化などにより、さらなる応援人口の拡大と財源確保を目指します。
 また、ネーミングライツを歩道橋とイベントに初めて設定したほか、民間広告を本庁舎1階に導入しました。今後、斎場の活用も予定するなど、保有資源を有効活用して、新たな収入源の開拓に努めます。
 公用車カーナビ等のNHK受信契約については、昨年度分まで未契約等63件、支払金額約600万円を確認し、本定例会議に補正予算を提出しています。テレビ受信機能は原則解除の方針のもと、受信契約の見直しを進めています。

東北絆まつりの万博出演について

 シティセールスについては、今月14日、東北絆まつりが関西・大阪万博に出演します。大わらじの躍動的な演舞で、これまでの支援への感謝を伝え、復興へ進む福島を世界へアピールするとともに、本市魅力を発信し多くの人々を福島に呼び込んでまいります。この機会を活用して、豊橋市において大わらじを初披露し都市間交流を深めます。

移住定住の促進について

 令和6年度の移住者は、過去最多を更新し287世帯、472人となりました。30代以下が全体の約8割を占め、結婚を理由とする移住者が137人と前年度より20名増加しており、子育てや新生活をスタートする若者世帯が増えています。テレワークや新規就農の世帯が倍以上に増加し、田園都市としての本市の魅力が選ばれています。本市独自の手厚い移住支援策・サポートに加え、子育てや住宅施策と連携し移住定住を促進します。

女性活躍の推進について

 女性活躍の推進については、子育てエールメッセージ等の取組が奏功し、令和6年度の男性職員の育児休業取得率は98.3%と過去最高を更新しました。昨年度に引き上げた令和7年度目標値85%を前倒しで達成しています。本定例会議に育児休業の条例改正の議案を提出しており、時間単位で取得する部分休業の選択肢を拡充します。
 市独自の働く女性応援企業認証は、障がい者、外国人、高齢者も含めた「ダイバ―ワークスタイル企業認証」へと発展させ、多様な人材活用を促すなかで、女性の雇用促進をさらに強化します。
 5月16日には、男性育休100%宣言、女性の再就職応援宣言を同時に行ったところであり、社会的な意識改革を促しながら、男女がともに働きやすい環境づくりを進めます。
 内閣府主催の「地域で輝く女性起業家サロン」が、3月22日、本市で開催されました。女性活躍担当大臣と本市女性起業家が、起業時や事業継続に必要なサポート等について意見交換しました。私も参加しており、ご意見等を踏まえ、今後の支援策に生かしてまいります。

物価高騰対策について

 物価高騰対策については、「福島市くらしにエール事業」として、住民税非課税世帯向けの給付金とそれ以外の世帯向けのクーポン事業で、それぞれに市民生活を支援しています。
 生活支援特別給付金は、1世帯当たり3万円に、児童1人当たり2万円、市上乗せ分として1世帯当たり6千円を加算し、5月29日現在、25,776世帯へ支給しました。今月末の申請期限まで周知と支給を進めます。
 プレミアム付きクーポン事業は、約9万8千世帯を対象に、1万円分のクーポンを8千円で購入する引換券を送付して、5月1日から利用を開始し、5月20日現在、クーポン購入率は43%となっています。購入等の推移を見ながら、利用を促進してまいります。
 福島型給食は、米等の高騰が続き、今般提出した補正予算により給食費値上げ分について支援額を拡充し、保護者負担を増やすことなく、良質な給食を提供します。

アメリカの相互関税について

 アメリカの相互関税については、国の通商政策の展開や影響を巡る不透明感が非常に高く、地域経済は先行き不安が続いています。引き続き、本市事業者や市民生活などへの影響について注視し、その状況に応じて、国等への働きかけを行ってまいります。

令和6年度の決算見込みについて

 次に、令和6年度の決算見込みについて申し上げます。
 一般会計においては、物価上昇による支出増の影響はあるものの、市税をはじめとした収入の決算見込みは予算額を概ね確保できる見込みであり、実質収支は黒字を確保できる見通しです。
 水道事業会計においては、人口減少とともに水道料金収入が減少傾向にあり、厳しい状況にあるものの、収益的収支において、純利益となりました。また、資本的収支においては、収支不足額について損益勘定留保資金等をもって補填し、決算しました。
 そのほかの事業会計及び各特別会計についても、それぞれおおむね順調な決算となる見通しです。

定例会議提出案件について

 次に、本定例会議に提出した案件について申し上げます。
 提出いたしました案件は、令和7年度福島市一般会計補正予算等の議案11件及び報告10件であります。
 議案第56号 令和7年度福島市一般会計補正予算は、歳入歳出予算、継続費等の補正で、総額11億2,000万円余を追加するものであります。
 その財源には、国県支出金1,800万円余及び地方債1億7,900万円余等を追加するほか、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金4億5,200万円余を計上し、差引き4億6,200万円余は、繰越金を充当します。
 歳出補正の主な内容としては、定額減税の補足給付等に係る経費等を計上するほか、福島型給食推進事業に係る経費等を追加します。
 議案第60号 福島市税条例の一部を改正する条例制定の件は、大学生年代の子をもつ親等の個人市民税の負担軽減、市たばこ税の課税方式の見直し、マンション長寿命化の減税手続きの簡素化を行うものであります。
 議案第61号 福島市国民健康保険税条例の一部を改正する条例制定の件は、課税限度額の引上げや軽減判定所得の基準額引上げなどに加え、県内保険税率水準の統一に向けて段階的に引上げるものであります。
 このほかの議案の提案理由及び報告については、それぞれ議案書、補正予算説明書に記載したとおりですので、ご了承願います。
 以上が提出議案及び報告の概要ですが、詳細につきましては、ご質疑または委員会等において申し上げたいと存じますので、よろしくご審議のうえ議決を賜りますようお願い申し上げます。
 また、会議の期間中に人事案件を追加提案いたしたいと存じますので、ご了承をお願い申し上げます。

 

これまでお話しした内容一覧

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総務部 秘書課 政策調査室

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ファクス:024-534-4545

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