ホーム > 市政情報 > 福島市のご案内 > 市長の部屋 > これまでお話しした内容 > 施政方針・市長提案説明 > 令和7年度 施政方針・市長提案説明 > 市長提案説明(市政に関する報告と所信-令和7年3月市議会定例会議)

ここから本文です。

更新日:2025年3月3日

市長提案説明(市政に関する報告と所信-令和7年3月市議会定例会議)

  • 日時:令和7年3月3日(月曜日)
  • 場所:議場

令和7年度所信について

 3月定例会議、新しい議場で初の開会を迎えました。この複合棟は、就任直後から取り組んできた公共施設の戦略的再編整備に基づく初の完成施設となります。この議場を舞台として、気持ちを新たに、本市の新ステージに向けた政策論議が展開されることを期待し、まず、市政に関する報告と所信を申し上げます。
 今年度は、観光客、移住者が過去最多を上回るペースで推移し、新規就農者、桃の売上高が過去最高を記録、ふるさと納税は県内初の20億円超えを果たすなど、これまでの施策の効果が確実に表れてきています。一方、物価高騰や人手不足は続き、少子化や若者の首都圏等への流出が加速、全国的に災害が頻発し施設等の老朽化が進行するなど、課題山積の状況にあります。
 間もなく、東日本大震災から15年目に入ろうという今、新たな復興・創生のステージを思い描きながら、諸課題への対策を強化し、未来の福島を切り拓いていかなければなりません。
 現総合計画の最終年度となる新年度は、人口減少対策、地域活力の拡大、気候変動や働き方改革等を見据えたデジタル化・ゼロカーボン化に重点を置きながら、変革と再生を図る施策に積極的にチャレンジし、市民生活とまちづくりのグレードアップを目指して、次の8つの主要プロジェクトで市政を推進します。

主要プロジェクト1 安全安心なまちづくり

 第1のプロジェクトは、安全安心なまちづくりです。
 能登半島地震等の教訓を踏まえ、災害対策の強化を進めます。
 災害に強いまちづくりはその基盤であり、木造住宅耐震改修の補助を拡充し、ブロック塀等撤去を支援するなど、住まいの耐震化を促進します。道路や橋りょう、上下水道のインフラの耐震強化は、国の補正予算の活用により、計画を前倒しして進め、水道の基幹管路は令和7年度末に耐震適合率100%を達成します。
 八潮市で発生した下水道管破損による陥没事故を受け、下水道管の内側と路上から緊急点検を実施し、安全を確認しました。上下水道の老朽化対策を計画的に進め、救急医療機関等への管路は、優先的に上下水道一体で耐震化を図ります。
 豪雨被害に対しては、水害対策パッケージにより流域全体の防災力向上を推進します。河川等の改修、祓川の浸水対策、田んぼダムの設置拡大を進めるほか、アンダーパスなど60か所に浸水センサを設置して水位監視を強化するなど、ハイブリッドな浸水対策を進めます。
 災害発生に備え、避難体制を強化します。厳しい暑さへの対策として、学校体育館にエアコンを導入します。新年度は、初期段階で避難所開設される10校に先行導入し、4年計画で整備します。全国的な体制整備の一環としてトイレカーを導入し、水、食料等の備蓄品を拡充します。
 また、給水車、組立式給水タンクの追加導入に加え、避難所受水槽を改修し市民共創で運用する拠点給水とするなど、応急給水体制を強化します。
 デジタル化による災害対策の高度化も必須です。本市独自に開発した災害対策オペレーションシステムに加え、企業と共同研究した被災者支援システムを導入します。民間の高い技術力と本市の実務経験を持ち寄り、罹災証明申請から各種支援までの一元管理を可能とし、被災者の早期生活再建と事務効率化を図ります。
 そして何より、市民の自助・共助が重要です。地区防災計画の策定や避難行動要支援者の個別プラン作成を促進するとともに、災害協定企業と連携した防災体験フェア、気軽に学べる「ぼうさい体験パッケージ」などにより、地域防災力を強化します。
 先月の強烈寒波に伴う積雪により、本市では、土湯地区県道での雪崩が発生し、温泉旅館が一時孤立状態となり、40名がヘリで救出されました。本市は、関係機関と連携し、旅館等との連絡調整や市マイクロバス・保健師の派遣などを担いました。
 高湯温泉では、源泉管理のため雪山へ入った3名の死亡が確認されるという痛ましい事故が発生しました。心より哀悼の意を表します。温泉関係者へ注意喚起しており、源泉に関わる安全管理について対応を図ります。
 これらを踏まえ、雪害ならではの対応について市民等に注意喚起するとともに、冬山救助訓練などにより対応力を強化します。除雪アダプト制度は3団体が加わり計6団体となっており、今後も、国・県と連携しながら、自助・共助・公助による除雪力強化パッケージを推進します。
 消防本部・福島消防署の再整備については、令和10年4月の供用開始を目指し、新年度は、新消防庁舎の実施設計、高機能消防指令センターの設備設計を実施します。併せて、旧市民会館の解体工事や周辺道路の拡幅・改良を進めて、新消防庁舎が円滑に機能するよう準備してまいります。
 あぶくまクリーンセンター新焼却工場は、DBO方式により、民間の知見・技術を生かしコスト縮減を図りながら建設工事を進め、令和10年4月の運転開始を目指します。あらかわクリーンセンター焼却工場は、運転開始から16年が経過し、基幹設備の長寿命化に着手して、安定的な一般廃棄物処理を進めます。
 ムクドリ・カラス対策については、特殊なLED照明や音声再生装置による追い払いに加え、街路樹の剪定などによりねぐら化を防ぎ、街なかのフン害対策を強化するとともに、折りたたみ式ごみネットの設置を支援して、快適な生活環境を守ります。
 除去土壌の仮置場については、原状回復を進め、今年度末までに41か所中39か所を返還し、残る2か所は来年度末までに返還完了する見込みです。

主要プロジェクト2 子育てと教育で選ばれるまちづくり

 第2のプロジェクトは、子育てと教育で選ばれるまちづくりです。
 子育てのための経済的支援については、第2子以降を対象とした放課後児童クラブの利用料助成を、低所得世帯の第1子も対象として拡充し、結婚から子の育ちまで切れ目のない経済的支援を充実します。
 居場所や遊び場を熱望する子育て世代の声に呼応し、子どもの遊び場と居場所「こどもベース」づくりに取り組みます。
 こむこむ館については、その拠点として全面リニューアルに着手するほか、立子山小学校では地域の協力で放課後子ども教室を開始し、第三小学校では特別教室を活用して放課後児童クラブを開設するなど、学校施設の活用によりこどもの居場所を提供します。
 保育の質の向上については、今月5日、(仮称)もりあい認定こども園の建設に着工します。休日・病児保育やインクルーシブ保育を実施する幼児教育・保育の地域拠点の一つとして、令和8年4月の開園を目指します。
 本年7月からは、3歳未満の未就園児を対象とするこども誰でも通園制度が本格的にスタートします。特色ある幼児教育・保育、一時預かり保育、休日保育、病児・病後児保育、医療的ケア児の受入などと合わせて、多様で質の高い保育の充実を図ります。
 子ども医療の確保については、独自補助を活用した小児科の新規開業は新年度予定の3施設を加えて、6施設となります。また、年末年始等の小児科休日当番医にオンライン診療を加えるなど運用面での充実を図りました。オンライン診療は8日間で約300件、小児科全体の34%で利用されており、待ち時間の短縮と医師の負担軽減に貢献しています。
 乳幼児健康診査では1か月個別健診を追加するほか、病児・緊急時のこども預かりやヤングケアラー等の訪問支援を行い、子育てにやさしい環境の充実を図ります。
 待機児童対策については、私立保育2施設の改築支援により保育の受け皿をさらに拡大して、潜在的待機の解消を図り、ニーズが高まる放課後児童クラブは、定員を101名増やして、待機解消を目指します。
 教育の充実については、新たに授業改善サポーターを配置して教員の指導力を向上するとともに、福島型オンライン授業によりICTを活用した学びを充実させ、教育の質を高めます。
 また、企業や地域との連携のもと、授業や部活動の充実に取り組み、併せて教員の働き方改革を推進します。
 1月、企業の学校活動支援を拡大するスクール・サポート企業登録制度を創設し、2月28日現在、87件の企業が登録しています。技術的指導にあたる学校部活動指導員は、市職員が指導するブカ☆サポ6名を含めて、新年度17名に拡充する予定であり、コーディネーターを配置して、休日部活動の段階的地域移行に取り組みます。
 2月21日、市内に拠点を置く実績ある事業者と、近年注目されている非認知能力教育に関する協定を締結しました。自ら主体的に考え取り組む「生きる力」の育成のため家庭教育の実証プロジェクトを実施します。
 来月には、本市初の義務教育学校が開校します。9年間を通した系統的・継続的な教育を展開し「まつかわならではの教育」を推進します。松川地区の小中学校を再編して施設を充実するとともに、再編地区のスクールバスを増便し、地域の高校生も利用できる柔軟な運用を図ります。
 学校校舎のリフレッシュを加速し、12の中学校を皮切りに3年計画で照明をLED化するほか、新学校給食センターは令和8年4月の供用開始へ向けて工事を進めます。
 いじめ・不登校防止対策については、支援教員等により新たに不登校となる児童・生徒の出現が少なくなってきました。新年度は、支援教員配置を8校から11校に拡充し、公民こねくとにより開発された不登校児オンライン教材を本格導入して、支援体制を強化します。
 海外研修にチャレンジする中高生を応援し、広い視野と豊かな国際感覚を持つ人材を育成するとともに、戦後80年の機会に、中学生を広島市の平和学習プログラムへ派遣し、平和と命の尊さの継承を図ります。
 公立夜間中学「天神スクール」は、4月に7名が入学し、計26名となる見込みです。生徒の多様性を尊重した学び直しの機会を提供します。

主要プロジェクト3 高齢者や障がい者、誰もが健康で元気に暮らせるまちづくり

 第3のプロジェクトは、高齢者や障がい者、誰もが健康で元気に暮らせるまちづくりです。
 健都ふくしまの創造については、引き続き、本市ならではの健脚文化の取組や適しおなど、地域や関係団体等と連携した健康づくりを推進します。
 受動喫煙に対する社会的要請の高まりなどから、駅東口喫煙所を駅前交番東側に閉鎖型として移設し、喫煙ルールの周知と受動喫煙防止重点区域の巡回指導を継続します。
 新シルバーパスポート制度については、2月25日現在、申請は対象者の68%で、タクシー併用が72%、バス・鉄道のみが28%となっています。先月から巡回型の臨時窓口を追加開設してマイナカードへのタクシー利用登録を促進しており、4月からの新制度の円滑な運用を期してまいります。
 大波地区では、11月、高齢者等を対象とした相乗り型乗用タクシーの実証運行を開始しました。
 今後とも、地域で支える交通や新たな交通システム導入の検討を図りながら、既存交通システムの必要な見直しを行い、持続可能で高齢者等が利用しやすい公共交通の確保に取り組みます。
 介護人材の確保のため、元気高齢者の介護分野への参入を促進し、介護資格取得の支援を拡充するほか、デジタル技術活用による業務の省力化を促し、介護サービスの安定を図ります。また、養護老人ホームの措置費を拡充して、人材確保と持続可能な運営を支援します。
 地域医療については、医師会や医大等との連携の下、デジタルを活用しながら、救急医療体制の確保、医療人材の確保等により地域医療の充実を図ります。
 昨年来のインフルエンザ感染急増に対し、内科の休日オンライン診療を緊急開設して受入体制を確保しました。引き続き、オンライン診療を柔軟に活用するとともに、2月14日実施の新興感染症発生を想定した初の実践型訓練のような取組により関係機関の対応力を高めながら、新型コロナを教訓とした感染症対策の強化を図ります。
 インフルエンザや新型コロナに加え、新年度は、帯状疱疹を高齢者の定期予防接種に追加し、自己負担費用を軽減して、感染症の重症化予防等に努めます。
 共生社会の推進については、2月11日、パラリンピックボッチャ銅メダリスト遠藤選手による心のバリアフリー講演会を開催しました。ヘルプマークや今月策定する公共サインガイドラインの普及、本年開催のデフリンピックを契機としたパラスポーツの振興などにより、ハード・ソフト・心のバリアフリーを推進します。
 障がい者福祉については、全ての障がい種別に対応するワンストップの相談体制を提供するほか、医療的ケア児への訪問看護を新設し、家族の負担軽減を図ります。障がい者就労施設の商品開発やマーケティング、圏域企業とのマッチングを支援し、障がい者の社会参加を促進します。
 働く女性応援認証企業は101社、障がい者雇用推進認証企業は19社と認証企業が広がってきました。人手不足が深刻化するなか、人材確保と企業の業績向上のためには、人材確保の更なる多様化を進める必要があります。両認証制度を、女性、障がい者、高齢者、外国人等も含めたダイバーシティ雇用認証制度へと発展させ、多様な人材雇用の促進を図ります。
 しかしながら、本市人口の外国人割合は全国平均に比べ低く、年々、差が拡大しており、外国人のさらなる定住が必要です。
 先月、本市が東京2020ホストタウンとなったベトナムを訪問し、中央省庁や地方行政機関などと意見交換を行い、本市への人材・観光客の送出拡大の要請等を行いました。多文化共生センターを拠点に外国人との交流や生活相談を行い、定住促進を図るとともに、外国人材活用セミナーや雇用相談により、企業等における外国人の受入拡大を促し、地域の活力や労働力の確保へつなげます。
 動物との共生については、犬・猫の譲渡時の感染症検査やマイクロチップ装着を行うとともに、野生鳥獣と人の棲み分けを図るゾーニング計画を改善します。

主要プロジェクト4 将来にわたり持続可能な産業の振興

 第4のプロジェクトは、将来にわたり持続可能な産業の振興です。
 農林業の振興については、太陽光発電事業の寄附による基金を活用し、次世代を見据えた農業を推進します。
 今年度も過去最多を超えるペースの新規就農については、農業体験や先輩農業者によるメンター制指導、農地確保・営農開始支援など総合的な支援パッケージにより、農業の担い手のさらなる確保を図ります。
 今年度創設した提案型の地域課題解決支援は11件を実施しており、引き続き地域の主体的な提案を支援します。
 脱炭素・循環型農業の促進については、規格外農産物を有効活用する先進的なモデル事業の構築や剪定枝の利活用、農業用太陽光発電設備の導入、非燃油型暖房設備への転換などを支援します。
 スマート農機具の導入を助成し農作業効率化や生産性向上を図るとともに、渇水対策として自動潅水装置の導入等を支援し、気候変動適応型の農業を推進します。
 ゆうやけベリーやFーBOXについて、重点消費地等への販売促進やトップセールス、フルーツツーリズムを通して一層のブランド化を図るともに、輸出拡大に向けた生産体制整備を支援し、本市農産物の海外展開を促進します。
 鳥獣被害対策については、侵入防止柵設置の支援や、ツキノワグマ被害対策の出前講座などを実施します。
 商工業の振興については、魅力ある企業の集積を促し、新たな価値の創出を推進します。
 新規創業者の集積促進のため、クリエイティブビジネスサロンでの交流や創業促進、街なかへの進出支援などにより、意欲ある創業者を呼び込みます。都内シェアオフィスに開設する「ふくしまTokyoHUB」を拠点としたトップセールス等により、首都圏企業や若手創業者との交流・連携を拡大し、オフィス誘致やスタートアップ企業と連携した事業創出を図ります。
 第2期おおざそうインター工業団地については、1区画の予約販売を開始しており、残る7区画も整備を進め、6月の予約販売開始を目指します。手厚い助成制度とソフトな事業支援で、企業誘致を積極的に推進するとともに、地元企業とのサプライチェーン構築を促進します。
 地場企業の振興については、1月30日、産業交流フェアを開催し、前年の2倍を超える圏域内59団体がブース出展し、企業や支援機関の交流、連携を図りました。引き続き、企業の新規取引や新ビジネスの創出を後押しするほか、新製品等の開発支援を拡充して、製品開発へのチャレンジを応援します。

主要プロジェクト5 賑わいと文化・スポーツの振興

 第5のプロジェクトは、賑わいと文化・スポーツの振興です。
 駅東口再開発事業のうち民間エリアの横丁型フードホールについては、先月、組合が企画運営事業者を発表しました。その飲食サービスと情報関係事業のノウハウを生かして「エンタメ×DX」の新しい体験型フードホールが実現することを期待しています。
 一方、公共エリアについては、3案を説明し、A案、C案を軸に検討を進めることを表明しました。以降の反応をみると、雁行型ホールへの違和感や懸念はあまり伺えず、むしろC案への好反応が多いように受け止めています。今後、独自性やシンボル性、使いやすさに優位性のある設計と考えられるC案に軸足を移して、より具体的なコスト縮減に努めながら、使いやすく魅力的な施設となるよう基本設計を進めます。
 駅西口商業施設跡地の利活用については、2月18日、駅周辺まちづくり検討会から検討結果の報告を受けました。いただいた意見の方向で、跡地利用の具体的な方向性が見えるよう、関係者への働きかけに努めてまいります。
 一方、本市の街なかは低調な民間投資などにより都市力が低下しており、創意工夫を凝らした多様な仕掛けで、街なかの活性化を図る必要があります。
 ビル等の新増改築支援を創設して民間投資を誘発するとともに、今年度拡充した内外装工事補助や家賃補助により、引き続き新規出店を促進します。空家・空地対策室を設置して、街なかの空地等の実態調査を行い、空地・空家区画の統合を図りながら、利活用促進を強化します。
 ソフト面では、まちなか広場や駅前にぎわい広場等を活用して、街なかテーマぱーくなど市主催イベントの開催はもとより、諸団体や学生主体のイベント開催を積極的に支援します。併せて、商店街の取組や賑わい創出プロジェクトによる情報発信、パークアンドライドなどの回遊策を連動させ、賑わいを創出します。
 駅西口においては、2月25日、近隣スーパー等を巡る駅西口循環バスの実証運行を開始しました。利用者ニーズの検証や運行形態を検討しながら、駅西口周辺の移動手段を確保します。
 今月オープンの市民センターについては、市民が多用途に活動できる交流機能、防災機能を備え、障がい者団体が営むカフェ、学習スペースや親子ふれあいスペースなども配置し、既に多くの予約が入っています。齋正機氏の「福島」への郷愁が湧き出るような絵に見守られながら、この施設を拠点に、市民の多様な活動が活発に展開されるよう運営してまいります。
 4月のプレDCを皮切りに、ジブリ展や大ゴッホ展など大規模なイベントが続きます。本市観光にとって絶好の機会であり、関連機関と連携し、十分な受入体制の整備や関連事業を積極的に展開し、来訪者の拡大と観光レガシーの創出を図ります。
 テーマ観光については、花見山などふくしま花回廊を活用した花観光を進めるほか、あづま山麓エリア観光では、吾妻五葉松や蔵元ツーリズム、四季の里の開園30周年記念事業などを展開します。
 室屋義秀選手と連携した空観光の誘客拡大と航空産業の人材育成等を図るとともに、ロケツーリズムについては、映画やドラマ等撮影時の市内滞在費補助を新設し、ロケ誘致を強化します。
 全国的にインバウンド客が拡大しており、本県でも台湾やベトナムからのチャーター便の拡充が見込まれます。受入体制を充実し、SNS、動画配信等により、本市インバウンド客の増大に努めます。
 学会等のMICEについては、バンケット会場へのバス移動支援を導入して、誘致を強化します。
 温泉地活性化については、三温泉地関係者の連携組織を創設して、各温泉地の活性化と誘客促進に取り組み、個性豊かなふくしま三名湯のブランディングを推進します。
 2月1日、公衆温泉浴場の入浴料と営業時間を改定しました。飯坂地区では計画を前倒しして施設バリアフリー化を進めるほか、老朽化している温泉供給設備を更新し、木製手形の湯めぐり企画券を導入するなど、持続可能な経営と地域活性化に取り組みます。
 道の駅ふくしまは、年間の来場者数・売上額が過去最高を見込める状況で推移しており、引き続き、工夫を凝らした企画により地域振興を牽引します。
 地域の特色を生かした個性あるまちづくりは、地域の活力になるとともに、観光資源にもなります。外部の力、地域おこし協力隊が地域に溶け込んで活躍しており、同隊員は、本日、飯坂地区1名を任命し、計8名となります。
 ひときわ個性が光るのがUFOの里づくりであり、新たなオリジナル地酒は販売後間もなく完売するとともに、全国テレビ放送や映画制作が予定されています。今後、話題の大きさを地域での拡大循環型の生産販売の取組に転換していくとともに、まちづくり母体の強化を図って、UFOの里づくりを推進します。
 古関裕而のまちづくりについては、吹奏楽をテーマに第3回作曲コンクールの作品募集を開始し、来年1月に本選会を開催します。まちなか音楽祭は、参加希望の増加に対応し2日間に拡大して音楽あふれるまちにするほか、朝ドラ「エール」放映5周年と戦後80年を企画に取り入れて記念音楽祭を開催するなど、古関レガシーの活用と継承を図ります。
 歴史・文化と調和したまちづくりについては、じょーもぴあ宮畑10周年を記念し、本年8月、縄文シティサミットを本市で開催します。縄文遺跡を有する全国22都市が加盟する会議で、縄文文化の振興と本市の情報発信を図ります。
 旧広瀬座の再整備については、来年度末の完成を予定し、文化財調査室の移転は、旧東湯野小学校の校舎改修を進め、年内に供用開始します。それぞれ本市の伝統・歴史に係る文化拠点として、活用してまいります。
 第3回ふくしまシティハーフマラソンは、5月18日に開催します。特徴である手厚いおもてなしに加え、暑さ対策として救護体制の強化など一層の改善を図ります。この大会を本市スポーツの核として、スポーツ施設の充実を図り、スポーツコミッションを通じた大会・合宿誘致を推進するなど、スポーツのまちづくりを推進します。
 シティセールスについては、2月7日、総務省家計調査結果が発表され、納豆消費額日本一を奪還しました。納豆関係事業者と連携しつつ、記念イベントや日本一奪還キャンペーンを実施しています。今後も、消費額日本一を維持しつつ、経済効果を高めながら、納豆のまち福島のブランド化を推進します。
 関係人口の拡大については、くだものの返礼品が高い評価を受け、ふるさと納税が初の20億円を突破しました。今後も、返礼品の魅力向上に努めながら、本市まちづくりへの賛同者を増やすとともに、若い世代を対象に首都圏での交流事業を新たに実施するなど、関係人口のさらなる拡大を目指します。

主要プロジェクト6 デジタル都市の形成と地域経営のリノベーション

 第6のプロジェクトは、デジタル都市の形成と地域経営のリノベーションです。
 デジタルを活用した市民サービスの向上については、新年度、ホームページをリニューアルし、スマホでの見やすさ、検索性能の向上を図ります。新たに、乳幼児健診の健診票提出から結果共有までを電子化するほか、「書かないワンストップ窓口」システムを導入し、書類記載の削減、窓口滞在時間の短縮を図ります。
 7万6,000人が登録する市公式LINEの一層の普及を図るとともに、高齢者同士の学び合いを促しながら、高齢者にもやさしいデジタル化を進めます。
 行政の高度化・効率化については、企業会計システムの電子決裁や、農地調査の衛星画像解析を新たに導入するほか、前倒しで電子入札システムの適用業種を拡大します。また、AIカメラによる人流分析システムを構築して、街なかの回遊状況を把握するとともに、AIを活用して、市民意見の分析、企画案を検討する実証を行います。
 未就学児や児童生徒、認知症高齢者に関して、関連アプリの見守り機能を活用して安全安心を確保するほか、特定保健指導や国保税試算、都市情報の立体把握においてもデジタル活用を進めます。
 住民記録や福祉など20の基幹業務システムについては、国仕様に標準化して令和7年度末までに19のシステムをガバメントクラウドへ移行します。一方、システム移行後の自治体運用経費は、当初の想定を上回る大幅な増加が見込まれ、国の責任において適切に財政措置するよう、1月29日、中核市市長会会長として緊急要望しました。
 加えて、市内事業者等の先進的DX事例を表彰する「ふくしまデジタルイノベーションアワード」の創設やデジタル人材バンクなどを通じて、地域経済や企業のデジタル化を促進します。
 持続可能な行財政経営については、令和8年度を始期とする新総合計画の策定作業を本格化させています。有識者会議や多様な市民が参加するワークショップで議論を重ね、市議会の皆様のご意見を伺いながら、本市の目指す姿、未来の指針となる計画策定を進めます。
 財産マネジメントの高度化については、令和8年度の学校施設の包括管理業務委託開始に向け、プロポーザルにより事業者を募集します。市営住宅では、多世代交流型の「Fスタイル春日町」が完成し、4月より入居を開始します。DBO方式により設計・建設・管理の一体的なコストを削減し、本市初のZEH水準により環境負荷の軽減を図ります。老朽住宅の除却などにより公営住宅再編を進めるとともに、新年度から指定管理者制度を導入し、維持管理、入退去管理業務の効率化を図ります。
 本市の水道は、通水100周年を迎えます。上下水道局を設置し、令和8年度からは公営企業として、上下水道の経営を一体化し、持続可能な経営を目指します。管路等の一体的な維持管理、窓口の一元化など、業務効率化や市民の利便性向上を図ります。
 共創によるまちづくりは、こくりナビ、市民主体のほこみち社会実験、高齢者同士が助け合うデジタル関連制度、除雪アダプトなど、様々な分野で広がってきています。公民こねくとも、創設1年で、企業と連携した取組が15件を数えます。今後も、特に若い世代への参画を促しながら、市民や企業などと幅広く連携し、共創のまちづくりを推進します。
 人口減少社会を迎え、自治体間の連携・交流は、ますます重要になっています。引き続き能登半島への応援職員の派遣を行うとともに、ふくしま田園中枢都市圏では、新たに固定資産税業務用の航空写真の合同撮影、非常用給水袋の共同購入を実施し、事務効率化を図るなど、広域行政を推進します。また、絆まつりの万博出演の機会を活用して、豊橋市で大わらじの演舞を初披露するなど、都市間交流を進めます。

主要プロジェクト7 ゼロカーボンの推進

 第7のプロジェクトは、ゼロカーボンの推進です。
 太陽光・風力発電施設については、環境審議会やパブリック・コメントの意見を踏まえ、適切な設置等に関する条例制定の議案を提出しました。山地等を中心に市域の7割を設置禁止区域、他は許可制とし、事業者には適切な管理を義務化します。実効性を高めて、市民生活を守り、豊かな環境を次世代に守り継ぐとともに、地域共生型の再エネ発電施設の導入を促進します。
 住宅等への太陽光発電、水素自動車、市民センターの水素発電設備など再エネ設備の導入を促進するとともに、新年度から省エネ設備の導入を大きく拡大します。学校や公共施設、道路等の照明のLED化を集中的に進めるとともに、中小事業者の照明LED化を支援するほか、住宅の断熱改修も促進します。
 一方、二酸化炭素の吸収源として森林整備を進め、私立学校の木造校舎建築を支援するなど木材利用を促進します。そして、本市森林の将来像を示す森林ビジョンの策定に着手し、総合的な森林行政を展開してまいります。
 今月1日、改正条例に基づく、違反ごみの開封調査による改善指導を開始しました。併せて、充電式電池の回収、乾電池の資源化を開始し、ごみ分別区分の名称をリニューアルして資源化の意識を高めるなど取組を強化しており、ごみの適正排出とリサイクル促進を進めます。
 ごみ減量化については、「キエーロ」等による生ごみ分解処理の促進や、ごみ分別アプリを活用した資源化に取り組むとともに、フードシェアリングサービス「タベスケ」の利用拡大を図り食品ロスの削減を目指します。

主要プロジェクト8 移住定住の促進、女性活躍社会の形成

 第8のプロジェクトは、移住定住の促進、女性活躍社会の形成です。
 移住促進事業を介した本市への移住は、1月末現在191世帯326名で、過去最多を上回るペースで推移しています。しかしながら、東京一極集中が加速し、特に若者と女性の流出が顕著であり、一層の移住定住対策を進めます。
 移住新生活応援やUIJターン移住支援、おためし移住など、本市独自の手厚いサポートに加え、移住者等の空家利活用にシェアハウスへの改修支援を拡充し、移住促進を図ります。
 出会いの場の創出、新婚世帯のスタートアップ支援により、結婚や本市での新生活を後押しするほか、子育て世帯等に向けては、民間賃貸住宅を活用した家賃支援や、入居要件を緩和した市営住宅の提供など、住環境を整備し定住を促進します。
 女性活躍の推進については、女性の困難な問題への支援ネットワークを構築して相談体制を強化するほか、ひとり親の資格取得支援を拡充します。
 市職員の女性管理職割合は今年度、目標値12%を前倒しで達成し、男性の育児休業取得率は12月末までで100%となっています。新たな企業認証制度や企業経営者向けセミナーにより男性の育児・家事参加を促進するなど、社会的な意識改革を促しながら女性が活躍しやすい環境づくりに取り組みます。

物価高騰対策について

 次に、物価高騰に対しては、物価上昇に応じた所要の予算措置を講じるとともに、2月緊急会議で補正予算措置を講じた住民税非課税世帯向け給付金とそれ以外の世帯向けのプレミアム付きクーポン、子ども食堂への緊急支援等について、速やかに実施し、市民生活の支援と地域経済の下支えを図ってまいります。

市職員の不祥事について

 以上、市政に関する報告と所信を申し述べましたが、積年の課題が山積する中、激しい環境変化は様々な面で変革を迫っており、市民の皆様との信頼関係の下での、共に創る共創が不可欠であります。
 そうした中、このたび、過失運転致傷や県青少年健全育成条例違反、勤務不良などの事由により、職員3名をそれぞれ停職6か月、停職3か月、戒告の懲戒処分に処する結果となりました。誠に遺憾であり、被害に遭われた方々にご迷惑をおかけしましたこと、そして、市民の皆さまの市政に対する信頼を大きく損なう結果となりましたこと、深くお詫び申し上げます。
 再びこのような事態を起こすことのないよう、引き続き、職員に対し、公務員としての倫理と綱紀粛正を徹底するとともに、市職員として常に見られている立場であることを自覚し、責任をもった行動をとるよう促し、市民の信頼回復に全力で取り組んでまいります。

令和7年度各会計予算の概要について

 次に、本定例会議に提出いたしました令和7年度福島市一般会計予算等の議案46件及び報告1件について申し上げます。
 まず、令和7年度当初予算については、一般会計が1,253億円、特別会計は合わせて569億円余、事業会計が合わせて243億円余、総計で2,066億円余であります。
 市税は、定額減税の影響を除いても今年度を上回る歳入を確保できる見通しですが、賃上げ等に伴う人件費や扶助費の増大に加え、近年の積極的事業推進に伴う公債費の増加など、財政環境はますます厳しさを増しています。
 このため、予算編成にあたっては、事業の取捨選択・重点化、ICTや民間活力を活用した業務改革・効率化に加え、公共施設の長期的コスト縮減にも意を用いながら、経費の節減合理化を図りました。
 一方、ふるさと納税のさらなる確保など自主財源の拡大を図るとともに、国県補助金や有利な市債の活用、基金の繰り入れ等により財源の確保に努めたところであります。
 これらの経営努力のもと、人口減少の流れを止め、デジタル化やゼロカーボンなど新時代・次世代への投資を進めることを重点として、変革と再生により市民生活とまちづくりのグレードアップを図るため、ただいまの市政運営に関する所信に沿って、必要な予算を措置いたしました。
 その結果、一般会計総額は前年度比76億円、6.5%増加し、仮置場返還関連経費を除く実質的な予算額は10年連続の増となり、過去最高規模の積極型予算としたところであります。
 今後、財政運営は一層厳しさを増してくる一方、人口減少・少子高齢化をはじめとした諸課題に対応するため実施しなければならない事業は山積しています。
 このため、やるべき時期を逸することのないよう必要性や効果を検証したうえで、事業の取捨選択・重点化をさらに徹底するとともに、税源の涵養、保有資産の有効活用、有利な財政制度の活用により、財政の健全性を確保しながら、必要な事業の推進を図ってまいります。
 次に、水道事業会計予算については、良質な水道水の安定供給と災害に強い水道の構築を図るため、防災対策の強化に重点を置き、応急給水拠点の整備や上下水道一体での耐震化に着手するための所要額を計上しました。
 次に、下水道事業会計及び農業集落排水事業会計予算については、各事業を計画的に実施するための所要額を計上しました。
 次に、特別会計予算のうち、国民健康保険事業費、介護保険事業費については、それぞれの保険給付を行う経費等を計上しました。
 公設地方卸売市場事業費、工業団地整備事業費等については、各事業を計画的に実施するための所要額を計上しました。
 後期高齢者医療事業費については、後期高齢者医療広域連合に対して納付する保険料等の所要額を計上しました。

令和6年度各会計補正予算等の概要について

 次に、令和6年度各会計補正予算等の主なものについて申し上げます。
 議案第17号 令和6年度福島市一般会計補正予算は、歳入歳出予算及び繰越明許費の補正で、本年5月26日の改正戸籍法施行に伴う戸籍氏名の振り仮名対応に要する経費を計上するものであり、歳入歳出予算の追加額は2,900万円余であります。速やかな対応を図るため、先議をお願いします。
 議案第18号 令和6年度福島市一般会計補正予算は、歳入歳出予算、繰越明許費等の補正で、減債基金積立金、農林業振興基金積立金等を追加するほか、東口再開発事業に係る経費等を減額するものであり、歳入歳出予算の追加額は、24億1,600万円余であります。
 議案第38号 福島市乳児等通園支援事業の設備及び運営に関する基準を定める条例制定の件は、こども誰でも通園制度の創設に伴い、実施にあたり必要な保育の水準を確保するため、新たに条例を設けるものであります。
 議案第44号 事業契約の一部変更の件は、新学校給食センター整備運営事業について、物価変動に伴う追加費用と追加地盤改良工事の発生による工事内容の変更に伴い、契約金額を変更するものであります。
 このほかの議案の提案理由及び報告につきましては、それぞれ議案書、予算説明書等に記載したとおりであり、ご了承願います。
 以上が、提出議案及び報告の概要ですが、詳細については、ご質疑又は委員会等において申し上げたいと存じます。よろしくご審議のうえ議決を賜りますようお願い申し上げます。
 また、会議の期間中に人事案件を追加提案いたしたいと存じますので、ご了承をお願い申し上げます。

これまでお話しした内容一覧

このページに関するお問い合わせ先

総務部 秘書課 政策調査室

電話番号:024-525-3702

ファクス:024-534-4545

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?