検索の仕方
ここから本文です。
更新日:2023年8月15日
令和5年3月下旬に、令和4年度の第2回スマート農業検討会を開催しました。市内のスマート農業検討会委員の圃場に設置したスマート機器から得られたデータを基に、実証結果を発表。ICT技術のさらなる活用方法について、スマート農業検討会委員が意見交換しました。
事例1【簡易型自動水管理システムの導入】
調査期間:5月~10月
試験区:福島市内の水田3筆(試験区1.、2.でシステム導入、試験区3.は導入せず)
対象作物:試験区1.、2.→ふくひびき、試験区3.→べこごのみ
供試機:水位・水温センサ、給水ゲート、水路センサ、ドローン
試験項目:水位、水温、ゲート開閉、水路の水位(1時間毎に取得)、空撮(高度3段階で撮影→解析)、収量構成要素
(1)水位・水温センサ
水位について、試験区1.は7cm、試験区2.は6cmに設定し、それぞれ、±1cmの幅で概ね管理されていることが確認されました。また、システムを導入していない試験区3.では、導入圃場と比較して、水管理の手が行き届いておらず、過剰な深水状態になる時期が散見されました。
(2)空撮(高度3段階で撮影→解析)
福島大学食農学類の学生がドローンで圃場を空撮し、登熟カラーマップを作成しました。7月と9月のカラーマップを比較し、登熟の進行具合等を確認。カラーマップと収量構成要素を照らし合わせ、て登熟と収量の関係性を確認しました。
試験区1.では、生育が遅れているとされた地点の収量が著しく低く、水口側の水温が低く、十分に生育が進まなかったと予測されました。試験区2.では、試験区1.と対照的な結果となり、中干しが十分にされずに窒素過多を引き起こしたことによる過剰分げつが原因とみられることが分かりました。
(3)まとめ
水管理システムを導入した圃場では、水位や水温を、営農者がスマホで遠隔管理し、水管理にかける時間・労力の大幅な削減が確認できました。設置者の委員からは「現場に行かなくても管理できるところが良かった。圃場が多い場合、スマホのような小さい画面で管理するのは難しいとも感じた。遠い水田に設置していると効果がある」等の実証結果が得られました。
事例2【果樹園に気象センサー設置】
7月~12月にかけて、自然通風筒による気温・湿度計、風向・風速計、転倒枡(ます)型雨量計を果樹園に設置しました。圃場の気象データを蓄積し、気象庁のデータと比較して、設置した圃場の特徴等が確認できました。設置者の委員からは「より長期的なデータの蓄積で、開花時期の予測や病虫害、霜を予測するデータになるのではないか」と今後の可能性を期待する意見が出ました。また、土壌データ等を測定できる機材の必要性についても意見があり、改善の余地が見られました。
このページに関するお問い合わせ先
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください