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更新日:2021年3月11日

市長コラム 『We Love ♡ ふくしま!』

 令和3年3月号

 第35回『3.11を原点に新生ふくしまを』

 もうすぐ大震災後10回目の3.11。謹んで亡くなられた方々に哀悼の意を表します。
 最近では、人々の関心は新型コロナに集中していますが、大震災は、福島の人々の人生を変えた災害。決して新型コロナで埋没させてはなりません。10周年を迎えるにあたり、改めて振り返っていただきたい。大震災から何を学び、どう対応してきたのか?
 誰もが痛感したのは、自分(たち)の身は自分(たち)で守ることが大切だということ。行政の防災対策は大震災以降も随分とレベルアップしてきました。それでも、行政だけでは市民を守り切れないのです。行政の強化には限界があることを再認識し、自分たちで備え行動する自助・共助の防災力を高めていただきたいと思います。
 絆の大切さも、あたたかく私たちの心に浸み込みました。国内外からの多くの支援に支えられ、自分たちも励ましあい、繋がり行動することで、震災後の困難を乗り越えてきました。この経験は福島市民の大きな財産にしたいものです。
 一方で、いわれなき風評や偏見差別に苦しみ、地域の中でも考えの違いから分断が生じました。同様のことは、コロナ禍の今、福島でも起きています。誹謗中傷は有害無益であることを改めて肝に銘じ、多少の違いは寛容な姿勢で接したいものです。
 そして、困難な時ほど自分たちを変え、高めるチャンスであり、グレードを上げないと困難を克服できないということも学びました。農産物の風評は、GAPという取組やよりおいしい農産物の生産、新しい販路拡大などで払拭を図り、まちづくりや観光も、オリンピックや朝ドラの舞台となることを活用して魅力アップに取り組んでいます。
 大震災からのこうした経験は、新型コロナへの対応に通じるものです。その意味では、今後のふくしま創生やコロナ禍克服の原点は、3.11にあるのです。
 4月からは、新型コロナのワクチン接種が実施され、コロナ禍からの脱却の光が見えてくるでしょう。福島市の新しい総合計画もスタートします。
 この3.11から、大震災の経験を基盤としつつ新たな気持ちで、コロナ禍からの克服と新生ふくしまづくりに、力強く踏み出して行きたいものです。

令和3年2月号

第34回『ふるさと』

 昨年末、医療危機が迫る中で決定した緊急医療支援2300万円に、ふるさと納税の新型コロナウイルス感染症対策指定分を活用させていただきました。本当にありがたく、寄付いただいた皆さまに厚く感謝申し上げます。
 ふるさと納税の額は、12月分だけで約5億円、12月までの今年度累計額は6億7千万円、前年度総額の4.5倍にもなっているのです。
 返礼品競争を抑制する制度改正がなされ、全国的には減少が予想されている中でのこの増加。本市のテコ入れの成果も一定程度あるものと推察されますが、今年度特有の要因が大きいのではないでしょうか。
 一つにはコロナ禍の中、帰省したくても帰れず、都会でも人と人との触れ合いが少なくなり、ふるさとへの想いを募らせた方が多かったのではないかということ。本市が4月に公開したオンライン帰省動画も全国的に話題になり、2万人もの方々に視聴いただきました。
 もう一つは、朝ドラ「エール」によって福島市や福島復興への関心が高まったこと。「福島市の復興」にと指定して寄付する方が、今も圧倒的に多いのです。「エール」は私たちを直接励ましてくれただけでなく、このような形でもエールを送ってくれたのです。
 感染拡大が進む中、首都圏などからの帰省はできる限り控えていただかなければなりません。しかし、決して冷たく拒絶してはいけません。
 古関裕而さんは、「(少年時代の福島の)風物が私の全体の中にあると思っている」と語っています。ふるさとは心にあたたかく残るもの。あたたかい思いを裏切らないようにすることが大切でしょう。辛抱いただくときは辛抱をお願いし、迎えることができるときが来たら、熱く歓迎したいものです。

 

 

*福島市のまちづくりに賛同して寄付いただく方式に切り替え、お墓参り代行など課題解決型サービス、市内企業の製品などを返礼品に加えるとともに、全国的な広報を強化しました。

 

令和2年12月号

第33回『師走雑感』

 はや師走。
 復興五輪と朝ドラ「エール」への期待に胸を膨らませ、年頭を迎えたものの、新型コロナに翻弄された1年になってしまった気がします。
 寒さが進む中、新型コロナが三たび勢いを増してきました。寒くても換気が大事。室内の2カ所を開け、空気を押し流すように換気して下さい。換気を良くすると、乾燥によって粘膜が感染しやすくなるので、湿度も保つようにしましょう。
 師走の風物詩といえば、忘年会やクリスマス。普段なら大勢集まり、バカ騒ぎをしたりして、その年の憂さを晴らします。今年は3密の場はもちろん、大人数や長時間の飲食、大声の発声はできる限り避けましょう。
 積もるはストレス。私は、毎朝エアロバイクで汗を流し、夜はおいしいお酒を飲み、たまには温泉に行き何度も湯に浸かって、ストレスを解消しています。どこか野外に公設発声場を設けて、大声を出してもらうのも面白いかもしれません。
 一方、コロナ禍の中、芽生え育ってきたものもあります。朝ドラ「エール」が国民的共感を呼び、「古関裕而」への関心も大きく高まりました。紅白歌合戦の紅組司会は、「エール」のヒロイン二階堂ふみさん。エール関係者が古関メロディで励ましの歌合戦を繰り広げてくれるだろうと想像すると、ワクワクします。
 ICT化も格段に進化しようとしています。2年前までICT機器がほとんどなかった本市の学校に、今年度中に一人一台のタブレットが配備され、来年度にはタブレットで宿題ができるようになる、と誰が想像できたでしょう。
 この1年を振り返りながら、コロナ禍でも、いやコロナ禍だからこそ、前向きに取り組めることを見出し、スタートしましょう。
 来年こそは素晴らしい年になりますように!皆さんにエールを送ります。

令和2年11月号

第32回『土偶に思いをはせて』

「しゃがむ土偶」をご存じですか?
 本市東湯野の上岡遺跡から出土した、縄文後期、約3500年前の土偶です。しゃがんで腕を組むユニークな姿勢に、乳房と膨らんだお腹。座産または祈りを捧げているのだとか。非常に貴重な国重要文化財の指定です。
 いま、縄文土器や土偶がブーム。「縄文女子」「土偶女子」なる女子も増えているそうです。
 市では、4月から「ドッキ土器ふくしまプロジェクト」を展開中。「ドキドキじょうもん商店街」では、12のお店で本物の土器や土偶レプリカに出会うことができ、普段はなじみのないお店に入れます。
 じょーもぴあ宮畑では、「集結!国宝土偶レプリカ5体と福島の土偶展」を開催しています。縄文のビーナス、縄文の女神、カックウ、仮面の女神、合掌土偶、レプリカとはいえ、国宝5体は実に魅力的で、各々の時代の特徴を端的に表しています。これらが並ぶ姿はめったに観られませんので、ぜひご覧ください。
 そして誇らしいのは、「しゃがむ土偶」は国宝土偶に勝るとも劣らず魅力的であるということ。外形や表面文様、写実的な精巧さは随一で、赤漆うるしが塗られていたそうです。この土偶が縄文人の中でどんなシーンを演出していたのか?色彩も含めて想像が膨らみます。精緻な作業を行う技術者集団の存在など、古代ふくしま社会が進歩的だったのでしょう。
 腕を組んだ姿から「ストレッチ土偶」との異名もあります。しかも、細身で足が長い。土偶として異例のスタイルなのです。立ち上がって、ストレッチをしだしたら面白いだろうなぁ、とCG動画を作ってしまいたくなります。
 この土偶への想像は尽きません。縄文時代からの贈り物の価値を再認識し、福島が生んだスターとして活用していきたいものです。

令和2年10月号

第31回『大震災と新型コロナ』

 9月19日、震災復興パネル展が福島学院大学福島駅前キャンパス1F学生ラウンジで始まりました。
 大震災から9年半。発災からの新聞記事を見ると、さまざまな思いが蘇ってきます。
 人それぞれに思いがあるでしょうが、何が辛かったかといえば、やはり放射能との闘いでしょう。見えない放射能の恐怖、福島だというだけで受けた差別や偏見、そして放射能への考え方の違いなどによる市民間の分断。
 県外に自主避難し「放射能」と学校でいじめられ、何度も死のうと思いながら「つらいけど生きると決めた」と綴った中学生の手記には、胸が張り裂けそうな思いでした。
 いま、新型コロナに関する誹謗中傷、偏見や差別が後を絶ちません。SNS上で感染した方の個人情報を暴露したり、職場や学校に批判の電話をしたり、医療関係者の家族が「コロナ」と呼ばれたり、施設利用を遠慮させられたり。
 感染した患者さんは被害者であり、精神的にも傷ついています。必要なのはあたたかい励ましであり、決して傷口に塩を塗るような攻撃ではありません。
 医療関係者は、最前線で常に感染リスクの恐怖と闘いながら、私たちの命の砦を守っています。家族のもとで疲れを癒したくても、自宅に帰らずホテルに宿泊し、医療を続ける人もいるのです。私たちに求められるのは、医療関係者への心からの感謝と敬意、安心して医療に従事できるようサポートすることでしょう。
 新型コロナで批判される風潮が高まると、感染した人が相談をためらったり、調査に必要な情報を隠したりするようになります。そのために、拡大防止の対応が遅れ、感染拡大の波が起きやすくなってしまうのです。
 見えない恐怖に立ち向かうために大切なことは、あたたかな励まし(エール)と私たちの連帯。私たち福島の県民は、それを一番分かっているはずです。
 改めて大震災の教訓を思い起こし、市民の結束を一層強めて、コロナ禍を克服していきましょう。

令和2年9月号

第30回『ごみを減らそう』

 7月1日からレジ袋が有料となりました。皆さん、マイバッグを使っていますか?プラスチックごみ削減のため、できる限りマイバッグをご利用ください。私も、買い物用のマイバッグをいつも通勤用かばんに潜ませています。
 河川などの清掃をすると、捨てられたレジ袋がいかに多いかに気付きます。散り散りになったプラスチックごみで汚れた海の映像をご覧になった方も多いと思います。レジ袋が流れ流れて海を汚し、魚を通じて私たちが口にするかもしれないと思うと、本当にゾッとします。
 福島市にとって、ごみ問題は頭の痛い課題です。一人当たりのごみ排出量は全国ワーストクラス。なかなか脱却できません。何とか令和3年度までにごみ減量20%を達成したいと思います。
 そのため、ごみ減量大作戦を展開。生ごみの水切りや堆肥化の徹底、「おいしい食べきり! 2020運動」による食品ロスの削減などを実施してきました。資源ごみの分別についても、6月より紙製分別ごみの出し方を改善しましたが、さらに徹底していきたいと思います。
 その一環で、使用済みはがきの回収を始めました。個人情報が漏洩しない方法で処理します。市役所や支所にグリーンの回収用ももりんポストを設置していますので、回収にご協力ください(写真やあて名シール付きはがき、圧着はがきは、対象外です)。
 他地域に比べ、ごみの構成比が高いのが草木類のごみ。庭が広く、庭木や花を楽しむ生活が定着しているからでしょう。除草や剪定後のごみは、必ず乾燥させてからお出しください。
 新型コロナの影響も、ごみ減量化の逆風になっています。自宅で過ごす時間が長くなったことで、ごみが増加しているのです。プラスチック容器は水で洗い、そして紙製容器なども、資源ごみに分別してお出しください。
 ごみ問題の解決には、市民一人ひとりのご協力が不可欠です。将来世代によい環境を残すため、そしてごみ処理有料化を回避するため、ご協力をお願いします。

令和2年8月号

第29回『10年連続水質日本一 荒川』

 荒川が、今年も「水質が最も良好な河川」に評価され、10年連続水質日本一となりました。
 10年以上この評価を得ているのは、全国で3河川のみ。大震災の年から継続しての快挙に特に誇りを感じます。水質保全や河川愛護に勤しんでこられた皆さまに心から感謝申し上げます。
 荒川は、宝の川です。吾妻連峰の源流から阿武隈川との合流部まで1800mの高低差を下る急流。きれいな水、奇石(さざれ石)や天沼のへつりなどの知られざる秘境、標高に応じた生物、荒川桜づつみ河川公園など豊かな自然を育んでいます。
 また、氾濫との戦いの遺産である堰堤群は、国登録有形文化財や選奨土木遺産に登録・認定されています。緑と青空に囲まれ、堰堤を水が流下する姿は清々しく、大好きな光景です。
 水林自然林などの水防林、民家園などに残る霞堤は、洪水から田畑や民家を守る古来の知恵でした。朝ドラ・エールのタイトルバックになっている美しい緑とせせらぎは、実は水林自然林。二階堂ふみさんの周辺に散在する大きな石は、洪水時に水防林によって食い止められた石に違いないと思うと、味わいがまた深まります。荒川は、文化遺産でもあるのです。
 昨年、荒川で新たな交流が生まれました。地域有志が、沿川の休耕田に荒川の水をひいて酒米を作り、酒米と伏流水から市内酒蔵でお酒を製造しました。友好都市荒川区の区民も参加。福島と荒川にこだわった純米吟醸「あらかわ」の誕生です。
 もっとも、荒川はその名の通り「暴れ川」。暴れを鎮めることが最も大切です。堆積土砂の除去など荒川の防災機能を強化してまいります。今年も数十年に一度という豪雨が九州を襲い、大きな被害をもたらしました。私たちも、昨年のような大雨の再度の襲来に対する正しい怖れをもって備えを強めながら、河川の恵みを最大限活用し、親しんでいきたいものです。 

令和2年7月号

第28回『新型コロナとの共存~ICTを進めよう』

 スマホやタブレット、パソコンなどのICT機器をお使いですか?怖いとか、苦手だからと、利用していない人も多いと思います。確かに注意しないと怖い面はありますが、利便性ははるかにそれを上回ります。
 コロナ禍ではICTの必要性が痛感されました。新型コロナとの共存には、ICTを活用した新しい生活様式が欠かせません。
 どこまで個人を把握するか議論はありますが、ICT環境が整備されていたことで、感染者との接触の有無や電車利用の是非などを判断し感染拡大を抑え込んだり、短期間で国民への金銭給付を行った国もありました。
 一方日本は、一人10万円の給付金にオンライン申請が導入されたものの、それに必要なマイナンバーカードを所有している市民は1/5足らず。郵送申請はスタートまで時間がかかり、オンライン申請はそのチェックに郵送以上の手間がかかりました。今後発行の「ふくしま市民生活エールクーポン」も、電子マネーなら、どんなにスムーズで経費も低かったことか!
 それでも、職員開発の受付システムによって、同時に多くの方の給付金申込みが可能となり、本市独自の困窮者向け緊急支給を実施できました。ネット通販で、売上げをカバーできた事業者、必要な買い物ができた消費者も多いと思います。
 小中学校等で、長期の臨時休業中、ネットを通じ教材提供などを行いましたが、授業代わりのオンライン学習ができなかったのは本当に残念です。一昨年夏から急ピッチでオンライン学習の環境整備を開始し、今年度から3年間で児童生徒全員に一人一台端末を実施する予定でした。コロナ禍を機に、今年度中に前倒しして一人一台端末を実現し、教員の活用能力も高めていきたいと思います。
 ICT化は、今後国を挙げ、急ピッチで進められると思います。来年からは、マイナンバーカードの保険証としての利用が予定され、給付金を円滑に支給することができるよう、マイナンバーカードと振込口座との連携も検討されています。
 市では、電子決済やネット通販を導入するなど新しい生活様式に対応したビジネスモデルの導入に取り組む事業者に2/3の助成を行います。ぜひご活用ください。災害や感染症のような危機のときには、スピードが特に求められます。この面からも、ICT化は避けて通れません。
 まずは一台の端末とマイナンバーカード。9月からキャッシュレス決済に使えるマイナポイントが始まります。マイナンバーカードの取得には1カ月半ほど要します。この機会に、ICT化を始めましょう。 

令和2年6月号

第27回『エールを送り合おう!』

 我慢続きの生活で一番の楽しみは、朝ドラ「エール」を見ること。
 朝ドラになかったコメディあり、涙が止まらない感動の場面あり、古関メロディなど音楽があふれ、見終わると励まされたような気持ちになります。
 特に印象に残っているのは、音が学芸会で朧月夜を歌った場面、裕一が音楽との別れを決意し指揮を執る場面、音の母が裕一の父の口にまんじゅうを突っ込む場面、豊橋のコンサートで裕一が音を支える場面。願わくは、福島市歌の作曲者山田耕筰がモデルの役を演じる故志村けんさんが「だいじょうぶだぁ」と励ます場面もあったら最高ですね。あなたはどの場面に惹かれましたか?
 福島ネタを見つけるのも楽しい。水林自然林だ、旧広瀬座だ、信夫山だ、とロケ地を推測。いかにんじんや納豆、地元の和菓子など福島らしいものをチェック。「こんなになまってっかな」と思いながら、「ふぐすま弁」を聞くのも面白いですね。
 本来なら、「エール」放送を機に、あふれんばかりの人が「古関裕而のまち・福島市」を訪れ、エールバスに乗ったり、古関裕而記念館や古関裕而ストリートを回遊する姿が見られたはずでした。しかし、街は閑散、県外からの旅行自粛を呼びかけざるを得ない。悔しい限りです。
 市では、福島エール3きょうだい(エールごはん、エール便、エールひろば)を立ち上げ、苦境に直面している事業者をみんなで応援しようという取り組みを進めています。いま日本中で同趣旨の取り組みが「エール」という言葉を使って行われています。それだけ、新型コロナ禍の世情に響く言葉であり、朝ドラ「エール」が激励とインパクトを与えているのでしょう。
 朝ドラ「エール」の効果はきっと来る!そう信じて、いまは、古関メロディーに親しみ、身近な人との間でちょっとした声掛けや行動でエールを送り、励まし合っていきましょう。 

令和2年5月号

第26回『新型コロナウイルスとの長期戦を乗り越えよう』

 新型コロナウイルス感染症は3月下旬から急拡大し、東京2020大会は前例なき延期。4月7日には、わが国初の緊急事態宣言が出されました。
 依然、収束の見通しは立たず、長期戦は必至です。原発事故後の状況を思い起こした人も多いでしょうが、人と人との接触が制限され、家族の中でも気を遣わなければならない状況は、あのとき以上のつらさがあるかもしれません。
 こうした長期戦を乗り越えるには、何よりも、正しく恐れることが大切です。新型コロナウイルスは一般的に、ウイルスが付着したものに触れることを通じた「接触感染」と、せきなどから出る飛沫を吸い込むことによる「飛沫感染」により感染します。
 したがって、こうした接触感染と飛沫感染のリスクを回避すること、あるいは除去することが感染防止の対策となります。たとえば、外出先や帰宅直後などで頻繁に手洗い、手指消毒を実施すること、握手・抱擁をしないことは接触感染の防止になり、人への接近や会話を避けること、マスク着用、密閉・密集・密接のいわゆる3「密」を避けることは、接触感染のみならず飛沫感染の防止になります。
 飛沫より小さいマイクロ飛沫による感染も指摘されていますが、これもマイクロ飛沫の濃いところに人が密集することや、換気の悪い場を避けることで防止できるものと考えられます。
 外出を控えることは、感染のリスクを最も少なくするものであり、感染のまん延が迫っている場合は、極力外出を自粛していただきたいと思います。
 もっとも、家族中の誰かは仕事や買い物などで外出せざるを得ず、感染のリスクはゼロではありません。家庭内でも、特に何らかの症状が見られたら、できるだけ近くで過ごさないような工夫をして、感染防止に努めてください。
 これまでの県内の感染例を見ると、家庭や職場など近しい人からの感染例が約3分の2を占めるなど多数に上っており、十分注意して下さい。
 一方、外出自粛も長期にわたると、逆にマイナスの副作用のリスクが大きくなってきます。運動不足やストレスの蓄積は、心身の変調を来す原因となりますし、免疫力、すなわちウイルス感染に対する抵抗力が弱ってしまいます。
 また、児童や高齢者への虐待、家族関係の崩壊につながるケースもあり、現に家庭内の問題が各種相談に表れてきています。
 したがって、家の中でも適度に運動し、気持ちが晴れる楽しみを見つけたり、時には、接触感染・飛沫感染の心配のない自然の中を散策するなどして、心身の健康を維持していただきたいと思います。
 市では、随時、市長メッセージや市民向け関連情報をホームページなどで発出していますので、こまめにご覧いただき、これらに沿った行動をお願いします。
 明けない夜はありません!感染防止の基本に基づき、一人ひとりが「自分を守る、自分の大切な人を守る」という行動を粘り強く徹底していくことが、この長期戦をできるだけ早く終わらせることにつながります。
 市民一丸となって、この難局を乗り越えていこうではありませんか!

令和2年4月号

第25回『ピンチをチャンスに』

 新しいスタートに希望膨らむ4月。それを目前に、先の見えない暗雲に包まれています。
 中国、武漢に発した新型コロナウイルス感染症は、3カ月ほどで世界的に感染が拡大。3月8日現在、100近い国・地域で10万人以上の感染者が確認され、死者は3500人を超えました。
 県内でも感染者が発生。学校は、政府からの全国要請もあって、3月初旬から臨時休業になりました。経済面でも、観光・行事のキャンセルが相次ぎ、観光・飲食業界など、多方面に深刻な影響を及ぼしています。
 市では、当面の対策方針を策定。市長メッセージを発したり、相談や休業中の児童に関し独自対策を充実させるなど、全庁的取り組みを推進してきました。今後も、感染動向や政府の対策に応じ機動的に対応してまいります。
 今、本当につらい状況ですが、こういうときこそ、普段できないことにチャレンジするチャンスかもしれません。テレワークや遠隔学習などのICT化、働き方改革、スキルアップのための研修、新たな戦略づくりなど、いろいろなことができそうです。
 また、感染症防止に配慮した改修や多文化化・バリアフリー化なども考えられるでしょう。自己資金はきびしいと思いますが、有利なサポートが充実しています。加えて、福島市は、県内初の先導的共生社会ホストタウンに認定され、ホテルや小売・飲食店などのバリアフリー化に国の重点支援を受けやすくなりました。
 市民の皆さんのご協力をいただきながら、感染拡大を防止するとともに、ピンチをチャンスに変える取り組みも進め、この危機を乗り越えた暁には、一回り強くなって、連続テレビ小説「エール」と東京2020大会の好機を生かせるようにしていきたいと思います。

このページに関するお問い合わせ先

総務部 秘書課 秘書係

福島市五老内町3番1号

電話番号:024-525-3702

ファクス:024-534-4545

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