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更新日:2022年3月1日

市長提案説明(市政に関する報告と所信-令和4年3月市議会定例会議)

  • 日時:令和4年3月1日(火曜日)
  • 場所:議場

市職員の不祥事について

 提案理由を申し上げるに先立ち、市職員の不祥事についてご報告申し上げます。
 先に住居侵入罪で起訴されておりました本市水道局職員につきましては、さらに窃盗罪も追加され、別件の住居侵入罪でも追起訴されました。市職員にあるまじき行為であり、事態を重く受け止め、この職員を昨日付けで懲戒免職といたしました。
 改めまして、被害に遭われた方はもとより、市民の皆様方に多大なるご迷惑をおかけいたしましたこと、また、市政に対する信頼を著しく失墜させる事態となりましたことを深くお詫び申し上げます。
 私といたしましても、度重なる職員の不祥事は、痛恨の極みであり、再びこのような事態を起こすことのないよう、全職員に対し公務員としての倫理と綱紀粛正を再度徹底して再発防止に努めてまいります。

令和4年度所信について

 次に、市政に関する報告と所信を申し上げ、ご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 新型コロナは変異を繰り返しながらその影響を拡大・長期化させ、中心部のまちづくりも今後数年は過渡期となるなど、大震災からの復興道半ばにして、本市に厳しい試練が続きます。一日も早く新型コロナを乗り越え、加速化しつつある人口減少に歯止めをかけて、希望の未来を切り開いて行かなければなりません。
 大震災から12年目を迎える新年度は、新総合計画2年目であり、私にとっても2期目の新たなスタートになります。長期にわたるコロナ禍で市民も地域も疲弊する中、ぜひともコロナ禍を克服し、新たな復興創生ステージへ「反転攻勢」をかけたいとの思いを強くしているところであります。
 関係市町村議会の議決をいただければ、近隣8市町村との連携協約により、福島市を中心都市とする「ふくしま田園中枢都市圏」が成立します。その役割に相応しい広域的発展への貢献も果たしながら、全ての人が住み続けたい・住んでみたいと思えるまちをつくり、延いては「世界にエールを送るまち ふくしま」を目指します。
 新年度は、「新型コロナ」対策を最優先課題として、感染拡大防止と社会経済活動回復のバランスを重視した機動的な対策を実施するとともに、人口減少の流れを変えるため、「安全安心」、「子育て・教育」、「仕事づくり」、「賑わい・文化」と、これら全てに係る「デジタル改革」、「移住定住・女性活躍」、「地域経営のリノベーション」に特に重点をおいて、次の8つのプロジェクトを設け、市政を推進いたします。

重点プロジェクト1(新型コロナ対策とコロナ後を見据えた変革)

 第1のプロジェクトは、新型コロナ対策とコロナ後を見据えた変革であります。
 新型コロナは、感染力が非常に強いオミクロン株により猛烈な勢いで感染拡大が進み、全国で新規感染者数が日々過去最多を更新し、最大で36都道府県にまん延防止等重点措置が適用されました。現在、新規感染者数はやや減少しておりますが、高水準で推移し、病床使用率はむしろ悪化するなど、依然、予断を許さない状況が続いております。
 本県も同様の感染動向であり、福島市を含む5市に1月27日から、同30日からは県全域にまん延防止等重点措置が適用・延長され、3月6日まで、飲食店等の営業時間短縮の要請など、特別措置法に基づく対策が行われております。
 本市では、10万人当たり1週間の新規感染者数で見ると、今回の第6波では、従前のピークの約4倍もの高さの波が押し寄せ、現在はその半分程度に減少しているものの、高止まりしている状況にあります。新年に入って、2月末までに学校、児童施設、高齢者施設などで22件のクラスターが発生し、若年層から家庭へ、そして全年代へと広がっており、いつ爆発的な拡大が生じてもおかしくない状況が続いております。
 本市としては、中核市ならではの知見を加味しながら、災害時に準じた注意喚起広報パッケージで、まん延防止等重点措置に係る対策の周知・徹底に努めるとともに、2月7日には、オミクロン株の特性に対応した政府分科会提言を踏まえ、国の方針決定に先んじて緊急感染防止強化対策を打ち出し、未就学児へのマスクの配布も行いました。
 この間、感染拡大に対応した体制強化に努め、入院病床は県と連携して市内9病院、150床を確保しました。また、県のワクチン・検査パッケージにより、無症状者に対する無料検査が1月3日から市内27の薬局等で実施されており、これに併せて、本市独自に、福島薬剤師会のご協力をいただいて、土日・祝日の予約検査を市民会館に開設しております。
 さらに、これまでにない第6波を想定して、保健所の積極的疫学調査等をサポートする156名の応援職員体制を確立し、昨年12月から研修を行ってまいりました。これまでに一日最大21名が応援業務に従事し、保健所専門職員の業務の重点化・効率化を図っております。
 今後とも、新型コロナの更なる変異も想定しながら、感染動向に対応した感染防止対策の徹底と、検査・医療体制等の整備に努め、感染拡大の防止を図ってまいります。
 一方、一日も早い感染抑制のため急がなければならないのが、3回目のワクチン接種であります。
 その接種時期については、国から数次にわたり前倒しの方針が示され、2回目から8か月後という当初方針から、現在は最速6か月後になっております。本市では、昨年12月から医療従事者と高齢者施設入居者等への接種を開始し、2月1日から一般高齢者への接種を本格的に開始いたしました。同27日までに、54,064人の方が3回目の接種を完了しております。
 今月初旬からは、65歳未満の方や基礎疾患のある方にも接種が始まります。今月下旬には、2回目接種から6か月後頃に予約・接種が可能となるよう、前倒しのスピードを速めてまいります。
 これと並行して、重症化やクラスターの防止、社会機能の維持等を考慮し、児童施設や学校等の従事者、危機管理中枢職員、妊婦・パートナーに対する政策的集団接種を進めており、事業所連携型集団接種も併せて進めます。
 前回ご迷惑をおかけした予約方法については、予約開始の分散やシステムの改良、スーパー・郵便局と連携した予約サポートの導入などにより、朝方を除き予約を取りやすい環境になりました。他方、3回目接種に使用されるファイザー社製と武田/モデルナ社製の供給比率に対して、希望に偏りがあることなどから、予約を済ませた高齢者は予約開始日が到来した方の80%に留まるなど、接種控えの傾向もうかがえます。
 今後、市全体の接種率を高める意義を強調しつつ、ワクチン接種に関する適切な情報提供を行って、速やかな予約と接種の促進に努め、昨年11月末までに2回の接種が完了した方については、6月前半までに追加接種を完了できるよう進めてまいります。
 5歳から11歳への初回接種については、今月9日からスタートします。医療機関での個別接種に加え、近隣5市町村と広域連携による集団接種も実施して、希望する小児への早期接種完了を目指します。
 その他の感染防止対策としては、医療資材の確保・提供や、帰国者接触者外来を担う医療機関への支援、さらには夜間急病診療所の診療体制強化等により地域医療体制を確保いたします。子育て支援施設、小・中・特別支援学校、公共施設等には、引き続き衛生用品等の購入支援を行います。
 市民生活支援としては、国の経済対策による住民税非課税世帯等臨時特別給付金は、2月25日現在、対象世帯の80%、21,301世帯に、家計急変世帯は申請85世帯に対し31世帯に支給しました。また、18歳までの子ども1人当たり10万円を給付する子育て世帯への臨時特別給付金は、2月25日現在、20,591世帯に支給しました。それぞれの申請期限まで、残る対象世帯への周知に努めます。
 基準日以降の離婚等により給付金を受給できなかった方への支援給付金は、国の制度見直しに伴い、2月24日より申請受付を開始したところであります。
 感染への不安を抱える妊産婦には、希望者へのPCR検査のほか、産前・産後のサポート体制を強化して、産後全ての家庭を保健師等が訪問するとともに、オンライン相談等を促進します。
 地域経済対策としては、利子補給等による経営支援、地域公共交通事業者への事業継続支援を行うほか、街なか出店への支援、2月にスタートした「ふくしま花回廊デジタルエールラリー」などにより、地域経済を下支えします。また、需要量減少により価格が下落している米の消費喚起策を引き続き実施します。
 コロナ禍・原油価格高騰への家計支援として実施した「値引き型市民生活エールクーポン」は、1月に1,500円相当分を全市民に配付し、国の臨時特別給付金の対象外の住民税均等割世帯の方8,476人には、1人当たり3,000円相当分を追加配付したところであります。1月末現在、464店舗で5,000万円分が利用されております。今月21日の使用期限まで利用促進を周知し、市内消費活動を後押ししてまいります。
 ウィズコロナの長期化が避けられない中、ニューノーマルへの対応を一層進めなければなりません。
 「新しい生活様式」に対応する事業者支援、オフィス移転支援を引き続き実施するほか、コラッセふくしまに、シェアオフィスやコワーキングスペースを備えたビジネス交流拠点を4月1日に開設し、業種間交流イベントも実施しながら、新たなビジネススタイルを提供します。
 また、電子町内会活動の促進、電子図書館の開設、ももりんシェアサイクルなど、市民サービスのデジタル化を進めてまいります。
 新年度予算は、以上の方針により措置したところであり、これまで同様、状況に応じて、予算補正や予備費等で機動的に対策を追加してまいる方針であります。

重点プロジェクト2(安全安心なまちづくりの推進)

 第2のプロジェクトは、安全安心なまちづくりの推進であります。
 防災や誰もが安心して暮らせる共生社会、ゼロカーボンへの取組などを通じて、安全安心なまちづくりを進めてまいります。
 水害への対応につきましては、水害対策パッケージに沿って、流域全体の防災力向上を推進します。5か年計画で進めている市管理河川の整備や河道の掘削、祓川や阿武隈川沿川の浸水被害対策、下水道施設の耐水化対策等を実施するほか、新たに田んぼダムの効果検証を行います。
 また、県管理河川の危機管理型水位計と、災害対策オペレーションシステムを連携し、避難判断情報を迅速に伝達できる体制を整えるとともに、市内5か所の河川に設置しているカメラの情報をリアルタイムで公開して、情報発信の多重化を進めます。
 災害時に支援を要する方を円滑に避難させるため、要援護者の台帳整備や計画作成支援など「要援護者支援パッケージ」に取り組むほか、防災運動会や防災意識向上動画など市民の防災に触れる機会を増やして、地域の危機対応力向上を図ります。
 また、今年度、初めて夜間防災訓練や真冬の防災訓練を実施しましたが、今後も、様々な場面を想定した訓練を実施し、災害時対応の実効性の向上に取り組みます。
 「雪害」への総合的な対策強化を図るため、今年の大雪対応の検証を踏まえ、「除雪力強化パッケージ」に取り組みます。除排雪経費を増額し、専用車両の追加や除雪機械を更新するほか、市民への貸出用具の充実、SNSを活用した情報発信など、自助・共助・公助のバランスのとれた対策を進めます。今後、地域防災計画に準じた雪への対応マニュアルを取りまとめ、次の冬には強化された体制で除雪に万全を期してまいります。
 消防力の充実強化につきましては、消防団の処遇改善として出動報酬を増額し、団員の確保と士気向上を図るほか、高規格救急自動車など消防車両の充実を進めます。今年度一部使用を開始した福島消防署清水分署は、本年10月に本運用を開始する予定であります。
 懸案の消防本部・福島消防署の再整備につきましては、地域防災拠点としての消防力を最大限発揮するため、交通の利便性や広域連携体制など、様々な条件を検討・精査した結果、(仮称)市民センターへ移転・統合する市民会館用地へ、移転整備する方針を決定いたしました。今後、地元や関係機関とも協議等を重ね、令和9年度の完成を目指します。
 共生社会の推進の取組につきましては、バリアフリー推進パッケージにより、ハード・ソフト・心のバリアフリーを推進するとともに、中心市街地と郊外温泉地を選定してニーズ調査等を行い、バリアフリー基本構想を策定します。
 対象者の属性を問わない、いわゆる「包括的な支援」は、今年度のモデル事業の検証を踏まえ、アウトリーチを通じた一体的支援を強化するなど、地域での共生と支え合いの実現に向けた体制整備を図ってまいります。
 障がい者福祉につきましては、ケアマネジメント体制を強化するため、相談支援専門員を拡充する事業所を支援するほか、障がい福祉サービスを充実します。
 多文化共生につきましては、引き続き、国際交流員を配置して交流活動を実施するとともに、帰国・外国出身児童生徒が学校生活に適応するための日本語サポーターの派遣、親子を対象とした放課後日本語教室など、外国人等の生活を支援します。
 動物との共生につきましては、新たに、犬・猫の譲渡時に感染症検査を実施し、義務化されるマイクロチップを装着します。また、災害時を想定したしつけ方教室を開催し、ペット同伴避難所を充実します。
 健都ふくしまの創造につきましては、地域や関係団体等との連携を一層強化し、健康増進や食育に係る計画の策定、「適しおサポーター」の拡大、インセンティブを用意した地域間の健康づくり競争など、地域ぐるみの健康づくりを推進します。
 受動喫煙対策では、条例と喫煙マナーの周知を行うほか、受動喫煙防止重点区域内の巡回指導を継続して実施します。
 また、がんの早期発見・早期治療に繋げるため、がん検診受診率の向上を図るとともに、子宮頸がんワクチンの接種機会を逃していた年代の方に、接種機会を提供します。
 高齢者の元気づくりにつきましては、元気な高齢者が経験や能力を活かせるよう、シルバー人材センターが実施する活動を支援するとともに、地域のフレイル予防支援、元気アップ講座等を実施します。また、介護職の資格取得費用や、研修費用の支援などを組み合わせた、介護人材確保対策推進パッケージにより、介護人材の確保を図ります。
 地域医療につきましては、医療現場の働き方改革等で手薄になった土曜日午前も輪番制を確立し、二次救急医療体制を強化します。また、心筋梗塞による死亡率が全国一の本県において初めて、救急車に12誘導心電図伝送装置を配備し、救命率の向上を目指すほか、県立医科大学との連携を深め、地域医療体制を強化してまいります。
 ゼロカーボンの取組につきましては、新年度、市内初の定置式水素ステーションのオープンが予定されています。これを機に、本市でも水素自動車の導入支援制度を創設し、(仮称)市民センターでは純水素燃料電池を導入するなど、水素社会実現に向けた取組を進めるほか、環境配慮型の公用車導入を推進します。また、小水力発電導入を支援するなど、再生可能エネルギー活用を促進します。
なお、令和6年度完成予定の清水支所は、高断熱化や太陽光発電等設備の効率化により、年間のエネルギー収支ゼロを目指すZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)に対応した庁舎として整備します。
 新最終処分場は、2月末をもって完成いたしました。これまでの地元関係者の皆様のご協力に感謝を申し上げます。本年6月より「大舘山一般廃棄物最終処分場」として使用を開始できる見込みであります。
 このほか、ムクドリ・カラス対策で新たな手法を導入するとともに、ゼロカーボンの推進にも資するごみ減量化を進め、市民の快適な生活環境を守ってまいります。
 除染に伴う除去土壌の搬出につきましては、仮置場等から中間貯蔵施設への輸送が今月末で完了する見込みであります。輸送が完了した仮置場等については、速やかな原状回復を行い、早期返還に努めてまいります。

重点プロジェクト3(子育てと教育で選ばれるまちづくり)

 第3のプロジェクトは、子育てと教育で選ばれるまちづくりであります。
 「子どものえがお条例」に基づき、地域総ぐるみで子どもの育ちを支援するとともに、デジタル教育など特色ある教育の推進などにより、子育て・教育で選ばれるまちを目指します。
 「子育てと教育なら福島市」と称されるためには、待機児童ゼロの継続はもとより、多様なニーズに対応して、保育や教育の質を高める必要があります。新年度は、幼稚園送迎ステーションを充実するほか、オンラインを活用した就職セミナーや保育支援員の雇用支援、保育士等の処遇改善により保育士の確保・定着を図るなど、「待機児童対策推進パッケージ」をさらに推し進めます。さらに4か所増設する放課後児童クラブとともに、潜在的な待機の解消も含めた待機児童ゼロを目指してまいります。
 子ども・子育て新ステージ2020推進事業では、特色ある幼児教育・保育を推進し、豊かな発想や感性を持った子どもの成長を支援するほか、病児・病後児保育や休日保育、保育施設・放課後児童クラブ等の多子世帯負担軽減、給食の地産地消を推進します。
 教育につきましては、今回の第6波では、感染拡大防止と教育機会の確保の両面にわたって「福島型オンライン授業」が効果を発揮しました。新年度は、全教科の授業で活用を拡充し、デジタル教科書を使用するなど、ICTを最大限活用した学びをさらに充実します。
 また、高いレベルの可能性に挑戦する子どもを育成し、個性を伸ばす特色ある学校づくりを進めるとともに、生徒支援教員を増員して、いじめや不登校へのきめ細やかな対応を図ります。
 市立学校で発生したいじめによる重大事態事案について、1月19日、いじめ問題対策委員会から教育委員会へ調査報告書が提出されました。報告書によると、本事案は総じて、学校・教育委員会が組織としてのいじめの認知の遅れによって、初期対応や早期解決がなされなかったこと、その結果として本人や保護者の気持ちに寄り添うことができなかったこと、等によるものと指摘されております。
 認知の遅れにより、被害者側に寄り添った十分な対応ができず、本人と保護者にとっては辛い日々が続く結果となりました。心からお詫びを申し上げる次第であります。
 本市としては、この報告書を真摯に受け止め対応する必要があると考えており、今後、教育委員会において、被害者側に丁寧に向き合い、本人の速やかなる状況の改善に向けて最善を尽くすとともに、市として、今回のケースを検証し、その反省に立って、いじめに対するより適切な対応に努めてまいります。
 学びの環境整備では、本市初の義務教育学校として、令和7年4月の開校を目指し、松陵中学校の改築工事に着手します。また、学校施設の長寿命化対策の新事業を創設して改修を加速させるとともに、小学校2校、中学校2校の屋内運動場改築、新学校給食センター整備にも取り組むほか、県内初の「公立夜間中学」の令和6年4月の開校に向け、準備を進めてまいります。

重点プロジェクト4(持続可能な産業の創出)

 第4のプロジェクトは、持続可能な産業の創出であります。
 農林業の振興につきましては、魅力ある逸品をブランド認証する「ふくしまスイーツプレミアム」を推進し、農産物の付加価値向上と新たな産業の創出を支援するとともに、農業人材の確保・定着を図る「あぐりっしゅサポートパッケージ」やスマート農業を推進して、農林業の新たな展開を図ってまいります。
 また、軽トラ市など市内外のイベントを通じて本市農産物の風評払拭と販売拡大に努めるほか、果樹剪定枝活用の実証実験、有害鳥獣による農作物被害対策、気候変動に対応して果樹の病害対策などを推進します。
 商工業の振興につきましては、地場企業の市内での事業拡大を支援する仕組みを新設するほか、チャレンジ意欲の高い創業者に一定期間、全額利子負担を行う制度を創設し、創業の促進を図ってまいります。
 企業立地につきましては、1月に、松川工業団地、福島おおざそうインター工業団地に進出する企業と、それぞれ土地売買契約を締結いたしました。これにより、市内全工業団地において販売可能な用地が無くなったことから、今後、民有地を活用した企業立地を促進するとともに、福島おおざそうインター工業団地の第二期分譲に向けた整備を加速してまいります。

重点プロジェクト5(心豊かに楽しめる賑わいと文化の振興)

 第5のプロジェクトは、心豊かに楽しめる賑わいと文化の振興であります。
 街なかでは、賑わいづくりの仕掛けが着々と進み、新年度からは、福島駅東口地区市街地再開発事業が本格的に始まります。再開発組合に対し解体工事等への支援を行うとともに、同事業との調整を図りながら、市が整備する交流・集客拠点施設の実施設計を行い、併せて運営に係る準備も進めます。
 一方、再開発ビル完成までの間、エリア内の施設・店舗が無くなることから、賑わいの火を消さないようにすることが特に重要であります。
 街なか交流館は、昨日の閉館までに9万人以上の方が訪れ、中合閉店後のまちの賑わいに寄与してまいりました。4月下旬にはその機能をエスタビル地下1階に移して再オープンし、「エール」や古関裕而氏関連の常設展示のほか、フリースペースを設け、ストリートピアノを配置する福島駅前地下歩道と一体的に活用して、新たな賑わいの空間を創出します。
 この夏には、まちなか広場も生まれ変わります。駅前広場からまちなか広場、パセオ通りを一体的に活用し、軽トラ市や商店街等主催のイベントなど多彩なイベントの開催を支援するとともに、街なかにおけるストリートスポーツ施設の整備支援、学生のまちづくり活動支援など、若者の街なかでの動きを活性化させながら、街なかの賑わいづくりを進めます。
 また、空き店舗出店の家賃補助制度の拡充により、新規創業等に従事する街なか滞留人口を拡大するほか、シェアサイクル貸出所を増設するとともに、パークアンドライドの社会実験を引き続き実施することにより、街なかの回遊性向上を図ります。
 「(仮称)市民センター」につきましては、中央学習センター等を統合・複合化した市民交流機能、議会機能、避難所等の防災機能を有する複合施設として、新年度に建築工事等に着手し、令和6年度の完成を目指します。
 4月27日には、地域振興の新たな拠点として「道の駅ふくしま」がグランドオープンを迎えます。近隣の道の駅をはじめ、多様な主体との共創により、集客・交流、情報発信、産業振興の拠点としての機能を十分に発揮できるよう運営に努めてまいります。
 観光振興につきましては、2月に、「観光で稼ぐ」を基本目標に「新たな時代の観光共創戦略」を策定しました。新年度は、ふくしま花回廊推進事業として、花の名所の魅力アップと観光活用を推進するほか、「ちょうどいい旅、ふくしまステイ。」をテーマに観光プロモーションを展開します。また、「福島三名湯」として本市が誇る三温泉地のブランド化戦略を進めるとともに、ロケツーリズムの取組を強化し、さらには、吾妻山麓エリア一帯の魅力発信による誘客を図ります。
 飯野ふれあい施設は、昨年のUFO研究所の開設以降、人気が再燃しているところであり、開館30周年を機に、サーチライトの設置など誘客コンテンツを充実させ、UFOのまちづくりを支援します。
 古関裕而のまちづくりにつきましては、朝ドラ「エール」の遺産を活用しながら、官民一体で「古関裕而のまち」づくりを推進します。
 新年度は、古関裕而作曲コンクールを創設するほか、古関裕而ストリートでの新たな音楽イベントを開催します。また、引き続き、「エール」のロケ地やドラマセットの活用、被災3県の朝ドラ連携事業、豊橋市との都市間交流、ふくしまチェンバー・オーケストラの活動支援を行うとともに、「エール」の人的つながりを生かした記念音楽祭・生誕記念コンサートを開催します。
 古関氏の本年の野球殿堂入りは、あと一票足らず実現できませんでしたが、諦めることなく活動を続け、殿堂入りの栄冠を目指します。
 歴史・文化と次世代環境が調和したまちづくりにつきましては、文化芸術の振興を図る文化振興条例の新年度内制定を目指します。写真美術館は、春の観光シーズンに合わせて、今月19日より秋山庄太郎氏の写真展を開催する予定であり、民家園やしゃがむ土偶のさらなる活用も図って、福島らしい文化の継承と活用を進めます。
 本市では、東京2020大会のレガシーとして、共生社会の実現や健康づくり、スポーツのまちづくりなどに取り組んでまいりました。
 スポーツのまちづくりについては、スポーツコミッションを展開して、合宿や大会誘致を進めており、新年度には、元日本代表を招聘してドリームサッカーを開催します。令和5年度には、市内外から多数の参加者が集う中核的スポーツ大会として、市中心部を舞台に、ふくしまシティハーフマラソン大会を実施する予定であり、新年度は、著名人を招いてプレイベントを開催します。
 また、全国的に数少ない先導的共生社会ホストタウンとして、ボッチャ競技の市長杯創設など、パラスポーツの振興を図ります。
 シティセールスにつきましては、動画配信などを戦略的に展開し、都市としてのブランド力を強化するほか、本市ゆかりの首都圏在住者や経済人との交流を本格的に進めます。
 また、ふるさと納税は、多くの賛同と共感を得て、2月27日現在、寄附額12億1千万円余、既に昨年度実績の約1.5倍となりました。今後も、本市のまちづくり施策を積極的にPRして、応援人口の拡大を図ってまいります。

重点プロジェクト6(人にやさしいデジタル化)

 第6のプロジェクトは、人にやさしいデジタル化であります。
 コロナ禍で急速に進んだデジタル社会への対応のため、高齢者などに配慮しつつ、市民総ぐるみで人に優しいデジタル化を推進します。
 LINEを活用した情報配信や、予約手続などを拡充するほか、マイナンバーカードの取得促進、「書かない」「待たない」スマート行政窓口、電子入札の導入、電子図書館の開設、オンラインでの相談・指導・就職相談会などに取り組みます。また、高齢者等を対象に講座を設け、併せてシニアICTサポーターを育成するなど、デジタル活用が不得手な方に配慮しながら、あらゆる分野でオンラインファーストを強力に推し進め、自治体経営のDXを推進してまいります。

重点プロジェクト7(移住定住の促進と女性活躍社会の形成)

 第7のプロジェクトは、移住定住の促進と女性活躍社会の形成であります。
 コロナ禍における地方移転の機運が高まる中、移住促進事業を通して本市へ移住された方は、1月末現在108世帯203名であり、既に昨年度の約3倍になっております。引き続き、「移住定住推進パッケージ」を充実して、若者等の移住・定住に取り組みます。
 「ゆとり満喫福島オフィス」開設支援事業は、首都圏等からのオフィス移転とともに家族揃っての移住を促進するため、制度を充実します。また、移住応援サイト等を活用した情報発信により、「ふくしまスタイル」で暮らす本市の魅力を広くPRしてまいります。
 一方、結婚がコロナ禍で大幅に減少していることを踏まえ、結婚生活の開始に対する経済的支援を充実し、結婚に踏み切る若者の増加とその市内定住を促進するとともに、オンラインも活用して、出会いの場創出支援を充実します。
 オンライン開催となった成人式の代替イベントである「二十歳のチャレンジプロジェクト」につきましては、227の個人・企業等から122万円のご厚志を賜り、運営資金の目標額を達成しました。感染状況から3月開催を断念し、新年度に延期といたしましたが、引き続き、思い出に残るイベントとなるよう支援してまいります。また、今年度以降の新成人にも、「二十歳の同窓会プロジェクト」として集える場を提供し、移住定住の促進に繋げてまいります。
 女性が活躍できるまちづくりの推進につきましては、女性の起業を伴走型で支援する「ふくしま起業女子応援パッケージ」を新たに展開するとともに、ひとり親家庭の資格取得支援を充実します。引き続き、結婚や出産を機に離職した女性の再就職支援、女性が活躍できる職場づくりに積極的に取り組む企業の認証、女性リーダーの育成なども実施し、社会的な意識改革を促しながら、女性が活躍しやすい環境づくりに取り組みます。

 重点プロジェクト8(地域経営のリノベーション)

 第8のプロジェクトは、地域経営のリノベーションであります。
 防災や除雪、健康づくり、共生社会、賑わいづくり、デジタル化など、多様な地域課題の解決に向けて市民共創の理念を織り込んで取組を推進するとともに、地域資源を最大限生かして、福島らしい地域経営のリノベーションを進めてまいります。
 連携中枢都市圏につきましては、12月定例会議での連携中枢都市宣言以降、「ふくしま田園中枢都市圏ビジョン」の策定作業を進め、今般、連携協約に関する議案を提出いたしました。関係市町村議会の議決をいただければ、年度内に連携協約を締結し、同ビジョンに沿って、圏域の持続的発展に向けた広域的取組を進化させてまいります。
 自治体業務のデジタル改革では、オンライン会議や音声データの自動文字起こし、ごみ集積所・収集ルート等のGIS化などを積極的に導入・拡充し、RPAやAI-OCRの対象業務も拡大して、業務効率化を図ってまいります。

令和4年度各会計予算の概要について

 次に、本定例会議に提出いたしました令和4年度福島市一般会計予算等の議案48件及び報告1件について申し上げます。
 まず、令和4年度当初予算については、税収は、新型コロナに関連した税制の特例措置の終了や企業業績の一時的回復により、増加する見通しですが、長期的には予断を許さない状況であります。
 地方交付税においては、地方財政計画における臨時財政対策債の縮減に伴い普通交付税が増となる一方で、震災復興特別交付税は対象事業の縮小により大幅減となる見込みであり、加えて、歳出面で、近年の積極的事業推進に伴い公債費が大幅増に転じるなど、総じて財政環境は厳しい状況にあります。
 このため、予算編成にあたりましては、国県補助金、国の財政支援措置のある有利な市債の活用や、財政調整基金等の繰り入れにより財源の確保に努めたほか、業務のデジタル化、公共施設の長寿命化対策による長期的なコスト縮減にも意を用いながら、経費の節減合理化を図りました。
 また、1日も早く新型コロナを乗り越え、市民生活・地域経済を立て直すとともに、人口減少の流れを変えるべく、緊急度・優先度の高い事業に予算を振り向け、財源を効率的に配分し、先に申し上げました施策、事業を実現するため、最大限の努力をいたしました。
 これらにより、令和4年度当初予算は、一般会計が、1,159億円、特別会計は合わせて564億3,900万円余、水道事業会計が、112億1,400万円余、下水道事業会計が、141億7,800万円余、農業集落排水事業会計が、2億8,300万円余、総計で、1,980億1,600万円余となったところであります。
 一般会計予算につきましては、ただいま申し述べた市政運営に関する所信に沿って必要な予算を措置し、前年度比36億円、3.2%の増と予算総額は7年ぶりの増となり、新総合計画2年目、コロナを克服して新たな復興創生ステージへ反転攻勢をかけるべく、除染関連経費を除く実質的総額は過去最高規模の積極型予算としたところであります。
 次に、水道事業会計予算について申し上げます。
 良質な水道水の安定供給と災害に強い水道の構築を図るため、豪雨災害時の水処理対策の強化や基幹施設・基幹管路の耐震化を進めるとともに、引き続き「世界が認めた」ふくしまの水のブランド力を活かした、水需要減少抑制のための所要額を計上いたしました。
 次に、下水道事業会計及び農業集落排水事業会計予算につきましては、各事業を計画的に実施するための所要額を計上いたしました。
 次に、特別会計予算について申し上げます。
 国民健康保険事業費、介護保険事業費につきましては、それぞれの保険給付を行う経費等を計上いたしました。
 また、公設地方卸売市場事業費、工業団地整備事業費等につきましては、各事業を計画的に実施するための所要額を計上いたしました。
 さらに、後期高齢者医療事業費につきましては、後期高齢者医療広域連合に対して納付する保険料等の所要額を計上いたしました。
 以上が、令和4年度各会計予算の概要であります。

令和3年度各会計補正予算等の概要について

 次に、令和3年度各会計補正予算等の主なものについて申し上げます。
 議案第16号令和3年度福島市一般会計補正予算につきましては、歳入歳出予算、繰越明許費及び地方債の補正で、国の「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」に基づく補正予算に呼応し、保育士や幼稚園教諭等を対象とした報酬の処遇改善を実施するほか、令和4年度当初予算に計上予定であった事業を前倒しして実施するための経費を計上するものであり、歳出予算の追加額は5億4,100万円余であります。
 繰越明許費の補正につきましては、通学路等安全対策事業ほか13事業について、その事業費の全部を令和4年度へ繰り越して使用するため、追加するものであります。
 議案第17号令和3年度福島市一般会計補正予算につきましては、歳入歳出予算、継続費、繰越明許費及び地方債の補正で、財政調整基金積立金、減債基金積立金及び企業立地促進費等を追加するほか、除去土壌搬出等推進事業費等を減額するものであり、歳出予算の追加額は、33億7,400万円余であります。
 継続費の補正につきましては、衛生処理場整備事業について事業費を追加するとともに、福島養護学校管理棟等改築工事について、予算計上の前倒しに伴い、年割額を変更するほか、中央市民プール改修工事を4か年度にわたり実施するためのものであります。
 繰越明許費の補正につきましては、自治体情報セキュリティ強靭化対策事業ほか41事業について、その事業費の一部または全部を令和4年度へ繰り越して使用するため、追加するものであります。
 議案第38号福島市まちなか広場条例制定の件は、にぎわい・交流・回遊軸の拠点、さらには防災広場として設置する新しいまちなか広場を適正に管理運営するため、条例を設けるものであります。
 議案第40号福島市及び二本松市におけるふくしま田園中枢都市圏の形成に係る連携協約の締結に関する協議の件ないし議案第47号 福島市及び飯舘村におけるふくしま田園中枢都市圏の形成に係る連携協約の締結に関する協議の件は、連携中枢都市圏構想推進要綱に基づく連携中枢都市圏として、ふくしま田園中枢都市圏を形成するため、その連携協約の締結に関し協議することについて、議決を求めるものであります。
 このほかの議案の提案理由及び報告につきましては、それぞれ議案書、予算説明書等に記載したとおりでありますので、ご了承願います。
 以上が、提出議案及び報告の概要ですが、詳細につきましては、ご質疑又は委員会等において申し上げたいと存じますので、よろしくご審議のうえ議決を賜りますようお願い申し上げます。
 なお、議案第16号令和3年度福島市一般会計補正予算及び議案第19号令和3年度福島市下水道事業会計補正予算は、国の総合経済対策に呼応し、速やかな対応を図るため、ご先議くださいますようお願い申し上げます。
 また、会議の期間中に人事案件を追加提案いたしたいと存じますので、ご了承をお願い申し上げます。

これまでお話しした内容一覧

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福島市五老内町3番1号

電話番号:024-525-3702

ファクス:024-534-4545

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