ここから本文です。

更新日:2023年9月1日

市長提案説明(令和5年9月市議会定例会議)

  • 日時:令和5年9月1日(金曜日)
  • 場所:議場

原発処理水海洋放出について

 提案理由を申し上げるに先立ち、市政の近況について申し上げます。
 福島第一原発処理水については、8月24日、海洋放出が開始されました。科学的安全性への理解は進んできているものの、風評の懸念は拭えず、「関係者の理解」に関する食い違いが残る見切り発車の感が否めません。本市としては、風評の動向を注視し、その動向に応じて、しっかり政府に対応を求めてまいります。
 放出の日から、サイバー攻撃とみられる本市ホームページへの大量通信や市内各所に国際番号86、中国からの迷惑電話が相次いでいます。一昨日までで本庁など市有施設に約1,800件の着信があったほか、飲食店やホテル・旅館などの民間施設、さらには病院や学校でも確認されています。
 これらの行為は言語道断であり、決して許されるものではありません。
 早々に復興大臣への緊急要望等で国に働き掛け、対応を求めました。政府では、中国政府への申入れや中国国内に向けたSNS発信等がなされ、市でも、県警と連携して、迷惑電話への対応策を市民に周知しているところであります。今後も、事態の推移に応じ、必要な対応を図ってまいります。

新型コロナ・物価高対策について

 この夏は、4年ぶりの夏祭りや多数のイベントで、市内各地の活気が回復してきており、ポストコロナへの期待が膨らんできました。一方、物価上昇は続き、新型コロナの感染状況は、お盆前後で倍増し、5月と比較すると、9倍の水準に増加しています。県からは、県内第9波に入ったとの認識が示されました。
 市といたしましては、感染状況とそれに応じた対策等を発信し、市民自らの判断による感染対策を促すとともに、10月開始予定の福島市デジタルくーぽん等の支援策で、市民生活と地域経済の回復を図り、ポストコロナに向けて前進してまいります。
 市における感染対策の柱の一つがワクチン接種であります。
 高齢者や基礎疾患がある方等を対象としたワクチンの春開始接種は、8月31日現在、接種券発行者に対して接種率59.4%となっています。個別接種の実施期間を今月9日まで延長するとともに、集団接種は13日に追加実施し、希望する方への接種機会を提供します。
 秋開始接種は、初回接種を終了した生後6か月以上の全市民を対象に今月20日から開始します。現在の流行主流株XBB対応のワクチンを使用し、接種券の発送は、予約の混雑を避けるため、今月11日から前回接種日に応じて順次発送します。かかりつけ医での個別接種を基本に、感染状況や接種希望者の動向に応じて集団接種の実施も検討します。

熱中症対策について

 この夏は、全国的に厳しい暑さが続き、本市においては、猛暑日が既に30日を超え過去最多を更新しています。7・8月の熱中症の救急搬送件数は昨年を大幅に上回り、熱中症によりお亡くなりになる高齢者もでています。
 市では、猛暑が予測される日には、熱中症予防と応急処置について防災メールやSNS等で注意喚起を行っているほか、本市58施設をクーリングシェルターとして開放し、積極的な活用を呼びかけています。高齢者世帯のふれあい訪問ごみ収集時には、予防啓発チラシを配付して声掛けし、エアコンの適切な使用を呼びかけています。
 加えて、今般、補正予算を計上し、エアコンを設置していない高齢者住民税非課税世帯に対する設置費用の一部補助を実施します。高齢者世帯では、エアコン設置に係る手間や手続きの煩わしさが、設置に至らない一因になっていることを踏まえ、申込みしやすいワンストップの手続きを構築することで、エアコン設置を促進してまいります。

災害派遣について

 気候危機により、今年も、パートナーシティ豊橋市をはじめ、全国各地で大雨被害が頻発しています。亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災された地域の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 豊橋市には、協定に基づき、職員1名を6月6日から6日間派遣しました。
 7月中旬には、国や中核市市長会等を通じた応援要請に基づき、秋田市に対し、25日間、車両3台と総数14人の職員を派遣し、災害廃棄物の収集運搬や建物被害認定調査を支援しました。今後、派遣した職員の経験と教訓を共有し、本市の災害対応の強化へ生かしてまいります。

防災体制の強化について

 一方、本市の防災体制の強化については、7月より消防本部においてハイスペックドローンの運用を開始しました。消防庁より各都道府県あたり1台が配備されたもので、8月9日には運用訓練を実施しました。土砂・風水害などの自然災害時に進入困難な場所における早急な情報収集に役立てるとともに、火災、捜索救助、化学物質による特殊災害等への対応力向上を図ります。
 7月23日、まちなか広場において防災体験フェアを初開催しました。体験車による豪雨や地震の体験、VRによる災害の疑似体験のほか、電気自動車からの電源供給や防災グッズの展示など、気軽に楽しく防災を学べる機会を提供し、防災意識の醸成を図りました。
 ぼうさい体験パッケージを推進するにあたり、防災に積極的に取り組む団体や個人と連携した組織を立ち上げ、指導者研修会を開催しました。市ホームページに防災動画を集約したほか、災害時には、トップページを災害モードに切替可能とするなど、危機対応力の強化を図っています。

福島市平和宣言50周年について

 本年は、福島市平和宣言50周年を迎えます。7月27日より5日間、人権と平和展において、記念事業を開催しました。世界平和に尽力された朝河貫一博士の生誕150年特別展示、被爆体験証言者等と広島市の高校生が共同で描いた原爆の絵や、古関裕而氏が戦後復興に作曲した「歌謡ひろしま」「長崎の鐘」の自筆譜の展示などを行いました。ロシアのウクライナ侵攻や人権問題が生じている中、人権尊重と平和意識の醸成を図っています。

パートナーシップ制度の導入について

 本年6月のLGBT理解増進法の施行と本市議会におけるパートナーシップ制度導入の陳情採択など、社会的気運の高まりを踏まえ、8月28日、男女共同参画審議会にパートナーシップ制度の導入について諮問を行いました。今定例会議提案の条例改正により、多様な性のあり方に関する有識者を審議会委員に加え、制度の内容や制度導入に伴う男女共同参画条例の見直しについて調査審議いただきます。年度内に答申を受け、来年度には制度を導入したいと考えております。

安定的な一般廃棄物処理について

 あぶくまクリーンセンター焼却工場の再整備は、環境影響評価の手続きを実施したほか、設計・建設業務及び20年間の運営・維持管理業務についてプロポーザルにより事業者選定を進め、7月4日、優先交渉権者を決定しました。本定例会議で議決をいただければ、契約を締結して設計業務に着手し、安定的な一般廃棄物処理と焼却熱エネルギー発電を柱とする本事業の推進を図ります。

子育てと教育で選ばれるまちづくりについて

 子育てと教育については、7月19日、東北の自治体では初となる日本子育て支援大賞を受賞しました。特色ある幼児教育・保育や地域全体で子どもを大切にする風土づくりなど、本市の子育て支援の特徴的な取組が高い評価を受けています。
 この受賞を励みに、教育・保育の質の一層の向上に取り組むとともに、市民や地域との共創により市全体で子どもの育ちを支援し、子育てと教育で選ばれるまちを目指してまいります。
 7月29日には、「未来への子育てエール運動」がスタートしました。子どものえがお条例の理念に基づき、民間団体が中心となった官民一体の取組で、募金活動を基にした子育て応援事業の実施が予定されています。

教育の質の向上について

 福島型個性をのばす教育推進事業では、本市ゆかりの著名人や地元企業と連携し、市内中学校において部活動指導を開始しました。福島ユナイテッドFCによるサッカー教室や齋正機氏による美術教室、地元IT企業によるICT教室など、定期的に複数回開催して、高いレベルの指導を受けられる環境を整え、特色ある教育を推進いたします。
 7月5日、「ふくしまっ子未来トーク」を開催しました。1人1台タブレットを活用して、市内44の小学校の6年生約2,000人とリモートで結び、私と代表者が多様な課題について意見交換するとともに、その場でアンケートへの回答と集計を行いました。
 夏休み前には、市内小中学生全員へ本市電子図書館の利用者IDを付与しました。ID配付後の7月の利用状況は、前月と比較して貸出数は5倍、児童図書を含む閲覧数は約75,000件で37倍と大幅に増加し、夏休み中の読書や調べ学習に活用され、効果があったものと推察しています。今後もデジタルを活用した教育を推進します。

公立夜間中学について

 県内初となる公立夜間中学については、入学希望者への本調査や説明会を実施し、8月から入学願書の受付を開始しました。学校名は「福島第四中学校天神スクール」とし、福島市立学校条例改正を提案しております。現在20名程度の入学者を想定しており、入学希望者の年齢・経験等の実情に応じた個別支援や相談対応など、多様な学びのニーズに応える体制整備を進め、令和6年4月の開校を目指します。

くだものの販売拡大とブランド力向上について

 くだものの販売拡大については、6月4日、くだものシーズンの幕開けを告げるさくらんぼの収穫期に合わせて、道の駅ふくしまで観光農園開園式を開催したほか、6月14日には、岸田総理を訪問し、知名度が低い本市さくらんぼの質の高さを全国にPRしました。
 本市の誇りである桃は、日本野菜ソムリエ協会主催の全国桃選手権で、本市生産者が最高金賞を受賞し、改めてそのおいしさ、質の高さが立証されました。
 桃の消費拡大を図るため、6月29日の初セリに始まり、重点消費地や友好都市・荒川区等でのトップセールスを行ったほか、市内で気軽に桃を味わえる桃の観光プロモーション「ピーチホリデイ」を展開しています。
 7月6日には、山梨市で開催された全国桃サミットに参加しました。アメリカ産桃の輸入解禁要請が行われる中、国産桃の消費拡大と生産地間の連携強化に取り組むことを確認しました。
 一方、消費者ニーズは多様化しており、その流れに対応して、旬のくだものや特産品の詰め合わせ用の箱として「FーBOX」を開発しました。道の駅ふくしまや観光果樹園等で、そのカラフルなデザインと共に好評をいただいています。スイーツ・プレミアムやピーチホリデイなどの取組を通じて、くだものを使った新商品の開発が増え、さらに荒川区で交流によるスイーツ開発も生まれました。
 引き続き、消費者ニーズを把握しながら、新商品・新品種の開発を促進し、販売の拡大とブランド力強化を推進します。

企業誘致について

 企業誘致については、7月27日、首都圏事業者を対象とした企業立地セミナーを開催しました。本市に進出した企業2社と「福島市を選んだ理由」をテーマにトークセッションし、本市の立地優位性と企業誘致支援策等について参加企業にPRしました。
 おおざそうインター工業団地では、8月10日、ロボット関連企業の研究開発施設が完成し、操業を開始しました。浜通りのイノベーションコースト構想と首都圏の本社を繋ぐ拠点として、サービス・サポートロボットの開発と製品化の実証試験を行います。地元企業や大学と連携した研究開発や関連産業の活性化を後押しし、新事業の創出など地域産業との相乗効果を高めてまいります。

街なかの賑わい創出について

 中心市街地の活性化については、再開発事業の完成が延期となる中、その一日も早い完成を目指すとともに、その間の賑わい確保が重要です。
 解体工事中の仮囲いには、8月4日から、テレビ番組の企画で芸能人が制作したスプレーアート10点が展示され、8月26日には市内大学生・高校生が共同制作したデザイン画の掲示も開始しました。週末の駅前イベント等との相乗効果で、新たなフォトスポットには市外からの来訪者もあり、撮影された写真がSNSに掲載されるなど、関心を集めています。
 建設中の(仮称)市民センターにおいても、市内高校生が描いた黒板アート作品で仮囲いを装飾しているほか、建設現場が一望できる市役所本庁舎の西側階段室にビュースポットを設置しました。
 保健福祉センター前のふれあいパークに、7月24日、大型遊具と築山を整備しました。子育て支援への寄附を活用し、保護者等とのワークショップを通じ、その意見を反映して設置したもので、こどもの遊び場を充実させ、街なかで親子が過ごせる空間を創出しています。
 シェアサイクルとパークアンドライドは、多くの皆様に利便性を実感いただき、年々利用が増えています。7月からは、シェアサイクルの台数を70台、ポートを18か所に拡充するとともに、パークアンドライドでは、街なかの店舗と連携した特典サービスを実施しています。街なかの回遊性向上に向け、さらなる活用を促進します。

公共施設の再編整備について

 建替え中の清水支所は、建築本体工事が今月中に竣工します。今後、外構工事や備品搬入等の準備を進め、来年2月26日に開所する予定です。避難所にも活用する会議室など行政機能を充実させるとともに、県産材を使用した木造で太陽光発電設備を備え、本市初のZEB認証施設としてゼロカーボンを推進します。

観光誘客の拡大について

 2年目を迎えた道の駅ふくしまは、6月12日、開設415日で来場者数200万人を突破し、近日中に250万人に達する見込みです。桃の最盛期となった7月中旬から8月には、週末の来場者が1万人を超え、お盆前には1日の売上が過去最高を記録するなど、多くの方々に利用いただいています。7月から8月にかけては、豊橋市の「道の駅とよはし」と、互いの特産品を販売する物産交流を開催しました。引き続き、関連事業者等と連携し、地域振興拠点としての運営を充実させてまいります。
 ふくしま花火大会は、4年ぶりに通常開催し、昨年を上回る来場者が訪れました。従前より大玉を多くし、豊橋市の手筒花火や、福島競馬場協賛によるミュージック花火も披露し、大きな歓声があがりました。
 わらじまつりは、新生わらじおどりによる初のフルサイズで開催し、前年比2.3万人増の29.8万人の観覧者が訪れました。観客と演技者が一体となり大いに賑わいました。
 この二つの夏祭りには、豊橋市から市長・議長をはじめ多くの皆さまにおいでいただきました。また、新たな試みとして、有料観覧席を新設・増設し、お楽しみいただきました。今後も、これらを活用しながら観光客を呼び込む工夫を凝らし、市外・県外からの観光客を増やしてまいります。
 インバウンドの誘致については、日本三大五葉松の一つである吾妻五葉松のPRプロモーションを展開しています。8月21日、吾妻五葉松と登山ルートを紹介するオンラインツアーを開催し、吾妻山麓の魅力を国内外に広く発信しました。本日から11月まで、市内10のスポットに盆栽や吾妻五葉松関連物品を展示し、吾妻五葉松の成長過程を実感できるBONSAIジャックを開催します。外国人に人気の高い盆栽を活用して、インバウンドの誘客拡大を図ります。

シティセールスの推進について

 本市の納豆消費額は、総務省家計調査において4年連続日本一を記録しており、「納豆のまち福島」のPRのため、納豆料理コンテストを開催します。現在、市内飲食店から納豆料理を募集中であり、今月中にも一般投票を開始します。参加店で食べ、QRコードで投票いただき、専門家等による審査会を開催してグランプリを決定します。納豆の名物料理の定着化を図り、飲食業界や観光の活性化とシティセールスを推進します。
 昨年度のふるさと納税の額は、11億8,000万円余となり、2年連続で10億円を超え、3年連続県内トップとなりました。寄附金の活用事例等を発信するなど、まちづくり賛同型の展開で共感を集めるとともに、特色ある返礼品の開発を進め、本市のさらなるファン拡大を図ります。

古関裕而のまちづくりについて

 念願の古関裕而氏の野球殿堂入りが実現し、8月11日、古関氏生誕日の記念音楽祭において、野球殿堂入りの銅板レリーフをお披露目し、会場の方々とともに、お祝いしました。
 銅板レリーフは、古関裕而記念館に常設展示し、市民や観光客の方々にご覧いただいています。
 11月26日には、殿堂入りを記念し、全早慶野球戦が実現することになりました。早慶関係者などと実行委員会を立ち上げ、準備を進めており、伝統の熱い戦いと、古関氏作曲の応援歌などによる応援合戦で盛り上げます。併せて、国の支援をいただきながら、懸念される風評払拭の発信も行い、殿堂入りのお祝いとともに、本市の復興をアピールします。
 7月21日には、第2回古関裕而作曲コンクールの作品募集を開始しました。今回は、古関楽曲のように旋律美をより重視することとしており、来年6月の本選会には、多くの皆さまが親しめるコンクールとしてまいります。
 また、10月22日、まちなか音楽祭を中心市街地の5か所を舞台に開催します。若い世代にも積極的に参加いただいて、まちなかに音楽があふれるまちを創出してまいります。

スポーツのまちづくりについて

 この夏は、大相撲で福島が湧きました。8月5日、夏巡業福島場所が開催され、地元出身力士が凱旋し、人気力士の生の相撲の迫力と伝統の相撲文化に歓声が上がりました。
 8月18日から8日間、本市出身、大波三兄弟と丹治兄弟が所属する荒汐部屋の夏合宿が実施されました。朝稽古には5日間で約3,200人が訪れ、稽古後の市民とのふれあいや、市内小中学校に出向いての交流もありました。関係団体等と連携した本市ならではのおもてなしに、来年も本市で開催したいとの意向を伺っております。
 このほか、五輪レガシーとしての日米対抗ソフトボール2023、日本身体障害者野球連盟日本代表の合宿、デフフットサル女子日本代表の強化合宿などの大会・合宿も開催されています。引き続き、スポーツ合宿・大会等の誘致を図り、スポーツのまちづくりを推進します。

デジタルシティの推進について

 デジタル化の推進については、7月から電子入札を開始しました。工事と工事関連業務委託の発注においてシステムを導入し、来庁する時間コストなどが効率化されています。今後、順次範囲を拡大して、入札参加者の利便性向上と事務の効率化を図るとともに、地域経済のデジタル化を促進します。
 今年度より、業務システムの内製化を強化しています。専任の職員を配置し、オンライン申請の拡充、RPAによる作業の自動化など、デジタル化・ペーパレス化を進めます。併せて、業務フローの抜本的な見直しで業務改革を図り、行政の高度化・効率化を推進します。
 本市では、高齢者にも優しいデジタル化を推進しており、吉井田地区に続き三河台地区にも、高齢者同士がデジタル化について学びあうデジタルクラブが誕生しました。今月16日には、上達著しい子どもたちを先生とした高齢者との世代間交流も予定しており、地域社会へのデジタル化の浸透を図ります。

若者のまちづくり活動促進について

 若者のまちづくり活動促進については、新たな取組がスタートしました。まちづくりに参加したい大学生や地域企業の若手社員と、市事業や地域とをマッチングする仕組みで、共創を意味するコ・クリエーションから「こくりナビ」と名付けました。学生等約160名に登録いただいており、若者の感性と活力を積極的にまちづくりに導入してまいります。

未利用公有財産の利活用について

 未利用公有財産の利活用については、北土地区画整理事業の市有地を売却処分する方針とし、今月から事業者の公募を開始いたします。新たな学校建設を断念し、かつその説明が遅れていたことについて、地域の皆さまにお詫びし、理解をいただくとともに、望ましい土地の利活用について検討委員会を立ち上げ議論を重ねてきました。
 笹谷地区は医療機能を、南矢野目地区は商業機能を核とし、多様な利便性や地域との連携・防災も重視して選定を進め、早期事業化を目指します。

ふくしま田園中枢都市圏について

 ふくしま田園中枢都市圏事業については、7月15日、同都市圏に相馬市・米沢市を加えた11市町村の連携で、道の駅や観光・飲食スポットを巡るふくしま広域デジタルラリーを開始しました。また、こどもの遊び場を周遊する取組の検討が、子育て世代の参加をいただきながら始まっています。
 同都市圏の首長会議では、出会いの場の創出機会の充実などが期待されており、今後、都市圏ビジョンの推進状況の評価を行いながら、各市町村が持つ都市機能や強み等を生かした連携を推進します。

ゼロカーボンの推進強化とノーモア・メガソーラー宣言について

 次に、猛暑日が過去最高を更新するなど地球温暖化防止の加速化が求められる中、この度、福島市脱炭素社会実現実行計画を改定しました。2030年度の温室効果ガス排出量の削減目標を30%以上から55%に引き上げ、産業、家庭などあらゆる部門にわたって、削減強化の取組を推進します。
 一方、近年の山地への大規模な太陽光発電施設の設置は、災害が危惧され、景観が損なわれるような事案が顕在化しています。
 私たちは、市民生活の安全安心を守り、ふるさとの景観を地域の宝として次世代へ守り継いでいかなければなりません。
 このため、昨日、山地への新たな大規模太陽光発電施設の設置をこれ以上望まないとする「ノーモア・メガソーラー宣言」を行い、本市の意思を市内外に明確化しました。併せて、省エネ・省資源化に取り組み、地域共生型の再生可能エネルギー事業を積極的に進める決意であります。
 土湯・高湯の両温泉地区は、8月23日、環境省が推進するゼロカーボンパークに東北で初登録されました。国立公園において先行して脱炭素化に取り組むエリアとして、再生可能エネルギー設備の導入やプラスチック製アメニティの削減などを進めます。脱炭素化の加速化と合わせて、持続可能な観光地づくりを目指します。
 脱炭素社会実現に向けた機運醸成のため、省エネ体感フェアと水素day&再エネまつりを開催しました。いずれも体験型のイベントで、エコガラスカーや住宅断熱改修、水素を燃料とした乗り物などを通じて、子どもから大人まで幅広い世代が気軽に体感し学ぶ機会を提供しました。引き続き、普及啓発や補助制度の周知により、脱炭素生活スタイルへのシフトを促進します。
 ごみ減量化については、本日より、フードシェアリングサービス「ふくしまタベスケ」を開始します。消費期限が近い商品等を売りたい食料品店と、割安で購入し食品ロスに貢献したい消費者をマッチングすることで、事業系ごみの削減につなげてまいります。

女性活躍社会の形成について

 女性活躍の促進については、令和4年度、女性の参画していない審議会がゼロとなり、法令等に基づく審議会等の女性比率は38.3%、前年比3.2%上昇しました。男性職員の育児休業取得は、子育てエールメッセージ等の取組により、令和4年度の取得率が全体で44.6%、消防を除くと64.9%となり上昇してきました。
 しかしながら、国の「こども未来戦略方針」では、男性公務員の取得率の目標は令和7年度で85%に引き上げられており、育児休業を取得しやすい環境整備をさらに進めてまいります。
 市内企業の働き方の多様化に向け、働く女性応援・障がい者雇用推進の認証企業を対象としたセミナーと企業間交流会を初開催し、企業間のネットワーク化を図りました。
 今後とも、市が率先垂範しながら社会的な意識改革を促し、地域全体で女性が活躍しやすい環境づくりを推進します。

定例会議提出案件について

 次に、本定例会議に提出いたしました案件について申し上げます。
 提出いたしました案件は、令和5年度福島市一般会計補正予算等の議案20件及び報告7件であります。
 議案第93号 令和5年度福島市一般会計補正予算は、歳入歳出予算、継続費及び地方債の補正で、総額6,500万円余を追加するものであります。
 その財源には、国庫支出金200万円余、地方債2,700万円余などを追加し、差引き3,200万円余は、繰越金を充当します。
 歳出補正の主な内容としては、熱中症対策として、高齢者世帯のエアコン設置を緊急で補助します。
 議案第94号 令和5年度福島市一般会計補正予算は、歳入歳出予算、継続費、繰越明許費、債務負担行為及び地方債の補正で、総額5億8,500万円余を追加するものであります。
 その財源には、国・県支出金3,100万円余、地方債1億3,400万円余を追加し、差引き4億1,900万円余は、繰越金を充当します。
 歳出補正の主な内容としては、物価高騰対策として、幼稚園・保育所などの児童施設の光熱費の上昇分を補助します。
 また、吾妻山麓エリアに立地する醸造所の一体的なブランディングにより、周遊観光の促進を図るとともに、エリアの拠点となる四季の里駐車場を増設し、あづま山麓ツーリズムを推進いたします。
 この他、放課後児童クラブの整備を支援し待機児童解消と子育て世帯が働きやすい環境の整備を図るほか、あぶくまクリーンセンター焼却工場再整備の経費等を計上いたします。
 なお今般、令和6年度から令和10年度までの5年間の中期財政収支の見通しを試算いたしました。
 試算では、大型事業の本格化などにより各年度に30~50億円余の財源不足が見込まれ、財源不足を補填する基金も令和9年度には枯渇するという、厳しい見通しとなっております。
 このため、事業の重点化や事務効率化など賢い支出を徹底するとともに、有利な財源の活用、受益者負担の適正化等により財源確保を工夫し、併せて、経済活性化や移住定住の促進など中長期的に安定した税源の育成を図りながら、持続可能な財政運営を目指してまいります。
 議案第110号 財産取得の件は、第2期福島おおざそうインター工業団地整備のため、その事業用地を取得するものであります。
 議案第112号 財産処分の件は、公有財産の有効活用にあたり、旧大久保小学校の敷地・校舎等について、キャラクターグッズ等の企画・製造のための事業用施設として処分するものであります。
 このほかの議案の提案理由及び報告につきましては、それぞれ議案書、予算説明書等に記載したとおりでありますので、ご了承願います。
 以上が、提出議案及び報告の概要ですが、詳細につきましては、ご質疑又は委員会等において申し上げたいと存じますので、よろしくご審議のうえ議決を賜りますようお願い申し上げます。
 なお、議案第93号 令和5年度福島市一般会計補正予算は、速やかな対応を図るため、ご先議くださいますようお願い申し上げます。
 また、会議の期間中に人事案件を追加提案いたしたいと存じますので、ご了承をお願い申し上げます。
 

これまでお話しした内容一覧

このページに関するお問い合わせ先

総務部 秘書課 秘書係

福島市五老内町3番1号

電話番号:024-525-3702

ファクス:024-534-4545

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?