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更新日:2017年3月1日

第5章:計画方針

  1. 庁舎計画
  2. 駐車場計画
  3. 市民広場計画

1.庁舎計画

1-1 庁舎計画において前提となる考え方

新庁舎の建設に際しては、市民生活の支援、円滑な行政事務の推進等の観点から、現庁舎の規模、施設では確保できなかった機能を補うとともに、これからの時代に求められる新しい市役所像を具現化していくことが重要である。
このようなことから、建築計画においては、「情報化時代に対応した庁舎機能」「安全・安心のよりどころとなる防災拠点づくり」「環境共生への取り組み」「ユニバーサルデザインの実現」の4つのテーマを基本とする。

1)情報化時代に対応した庁舎機能

今後は、電子行政などの、行政事務における情報技術の活用が急速に進展することが予想されるが、これらの動向を的確に把握し、その時点における最新・最良の技術の導入により、市民サービスの向上、行政事務の円滑化を図る必要がある。
そのため、新庁舎建設においては以下のことについて配慮する。

  • [1]情報技術の活用による効率的な市民サービスと行政事務の実現
    市民の届け出・手続きを1箇所で対応できるワンストップサービスによる市民サービスの向上や行政情報の電子化(電子的な文書管理等)、一元化などによる行政事務の効率化を図る。
  • [2]窓口機能の付加価値サービスの検討
    窓口機能は市民の利便性を確保するとともに、単なる受付事務ではなく、市民生活への包括的なアドバイス(フロアマネージャーの配置等)など総合相談機能としての付加価値を検討する。
  • [3]情報関連施設などの整備
    今後、増大する庁内LAN用の設備等のためのスペースを確保するとともに、市民が市の情報に気軽にアクセスできるような施設・環境の整備を図る。
  • [4]情報技術の進展に対応した段階的な情報化の整備
    新庁舎完成までの情報技術の進展等を見極め、情報化を段階的に進め、庁舎完成時点で最新のシステム導入を図る。

2)安心・安全のよりどころとなる防災拠点づくり

市役所は、市民の生命と財産を守るための中枢的拠点としての役割を果たさなければならず、それは平常時のみならず、非常時においてこそ発揮されるべきである。
そのため、過去の災害事例や本市の特性などを踏まえ、かつ、周辺施設との連携も考慮しながら、以下のような機能を検討する。

  • [1]庁舎としての安全性・耐震性の確保
    災害対策本部としての機能を遂行できるように、震度6相当の地震では大きい損傷を被ることなく円滑な対策活動ができ、震度7相当の地震でも庁舎設備の一部が使用不能になることはあっても、対策活動に支障をきたさない程度の建物強度を確保する。
  • [2]災害対策活動の拠点空間と機能の確保
    災害対策本部となる空間を確保し、また、日常的利用を念頭に置きながらも、庁舎や広場などを災害時には転用できるように計画する。
  • [3]災害時の自立性の確保
    地震・水害等の自然災害や、市街地火災等に対応できる自立性を備えたライフラインの代替設備や防災備蓄を確保し、災害発生直後の応急医療・救助、周辺地区の消火・火災防御等の拠点としての機能確保を図る。
  • [4]市民の安全・安心をサポートする拠点づくり
    市民が主体的に行なう防災啓発・ボランティア活動・体験活動などを支援する拠点施設としての整備を図る。

(参考:過去の災害事例)

  • 地震:昭和以降、震度5が最高。
  • 水害:昭和61年8月5日水害(新庁舎敷地は被害なし)~洪水ハザードマップでは浸水区域外~
  • 火山:明治26年に吾妻山噴火。

3)環境共生への取り組み

今日、地球環境問題は世界中の全ての人々にとって避けて通れない課題であり、本市においても「福島市環境基本計画」を策定し、それに基づいた「福島市率先実行計画」に取り組んでいるところである。これらの環境問題は、これからの施設建設・運営においても無視できない課題であり、新庁舎建設にあたっては、国によって提唱されている環境配慮型官庁施設(グリーン庁舎)、環境共生住宅ガイドラインの考えを採り入れ、本市の地域性を踏まえた、環境にやさしい施設建設を目指す。

  • [1]環境共生の要素技術の導入
    省エネルギー・省資源・自然環境の保全等の要素技術を導入するにあたっては、「緑」・「水」・「光」・「風」・「土」といった共生する環境の対象に着目して検討する。
  • [2]地域特性・自然環境の活用
    本市の気候・風土の特性、新庁舎周辺の市街地環境の特性などの他、地域の人情や気風、”くだものの里”に代表される産業や地場産の建築素材に配慮し、それらを最大限に活用できる手法を検討する。
  • [3]環境型社会の実現
    自然素材を多く取り入れるとともに、耐久性の向上やリサイクルに配慮し、環境型社会の実現に寄与する。
  • [4]まちづくり全体の中での環境共生の実現
    自立した環境の形成、環境負荷の低減に配慮した代替手段の検討、環境配慮型ライフスタイルの先導など、地域との関わりや、市民との関わりを重視し、まちづくりの一環として取り組む。

4)ユニバーサルデザインの実現

高齢者・障害者の地域での生活の自立と社会参加が進む中で、社会活動における様々なバリアを取り除く「バリアフリー」が進められてきたが、障害者のための特別な施設・整備といった受け止め方がなされ、かえって障害が強調されるような傾向があった。そのため、特別扱いでない方法で、全ての年齢や能力の人々が、自分の選択で不自由なく使えるような都市基盤施設や建築物、製品、情報、教育文化、サービスなど生活を支えるあらゆる場面での「ユニバーサルデザイン」の考え方が提唱された。
新庁舎においても、この「ユニバーサルデザイン」の考えを採り入れ、全ての市民が可能な限り最大限に利用でき、市政や社会への参加がより身近となるような環境の創造を目指す。

  • [1]ユニバーサルデザインの新庁舎設計の方針
    多様な市民の誰もが使いやすい新庁舎とするために、「わかりやすい空間構成」、「わかりやすい動線計画」、「複数の選択肢」、「適切な距離での配置」、「誰にでも対応した情報・案内の提供」といった点に配慮した設計とする。
  • [2]市民との協働による計画づくりの仕組みの構築
    多様な利用者のニーズに応えた新庁舎とするために、ニーズを伝え、お互いを理解し、調整・納得に至る協働・参画の場を構築する。
  • [3]協働の計画づくりのための基本的な方法
    協働の計画づくりにおいては、「幅広い参画」、「情報公開」、「現状認識」、「組織の柔軟な対応」、「納得のための合意形成」、「ニーズが反映されているか否かについての評価」等に基づくことが必要。
    また、これらの内容を蓄積し、「施工の現場にまで確実に伝達」して、工事する事が大切である。

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2.駐車場計画

1)駐車台数の検討

市役所に必要な駐車場は、公用車と来庁者用である。

  • 公用車:170台(本庁舎及び水道局等の想定台数)
  • 来庁者用:180台(ピーク時175~186台の中間値)[*1]
    合計:約350台

[*1]来庁者用駐車台数の推計(アンケート調査より)自動車での来庁者-72%
これを全体の来庁舎数推計値に当てはめると、
1,400~1,500人/日×70%=980~1,050台/日
980~1,050台/日÷9時間[*2]=109~116台/時
実態調査によると平均値の1.6倍がピークと推測される
109~116×1.6=175~186台/ピーク時

[*2]9時~17時の9毎正時を示す。
この算定から、必要台数は約350台と考えられる。
これらを平面駐車とした場合の必要面積は、25平方メートル/台として、25平方メートル/台×約350台=約8,750平方メートルとなる。
この面積規模は、敷地(2.0ヘクタール)の40%程度となり、他の事例から見ても、過大と思われる。
計画的には、10~20%程度(2,000~4,000平方メートル)が適切と考えられ、不足分は地下駐車場等で補うことが考えられる。
なお、現在市で確保している駐車場は、下表のとおりである。

駐車場
  公用車 来庁者
庁舎敷地内 2台 115台 117台
庁舎敷地外 112台 114台 226台
114台 229台 343台

平成13年5月現在

2)自転車駐車場の検討

現況:183台
自転車利用を促進するためにも、現況以上の台数を確保する。

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3.市民広場計画

1)市民広場の規模の検討

建設地周辺地域は、学校や公共公益施設が集積し、オープンスペースや、一定の緑量はあるものの、地域の住民が自由に出入し、遊べる公園は不足している現状にある。
このような地域の状況を踏まえて、新庁舎の建設に伴って、地域住民が身近に活用できる、街区公園レベルの広場・公園を新庁舎敷地内に確保することが望ましいと考えられる。
都市公園の区分では、街区公園は子供や高齢者が身近な所で遊べて安らげることを目的としており、身近な公園のレベルとして位置づけられている。規模は2,500平方メートルを標準にしている。
(参考:保健福祉センター前の「ふれあいパーク」-約2,500平方メートル)

住区基幹公園の種別

<種別>街区公園
<内容>主として街区内に居住するものの利用に供する事を目的とする公園で、誘致距離250メートルの範囲内で1ヶ所当たり面積0.25ヘクタールを標準として配置する。

<種別>近隣公園
<内容>主として近隣に居住する者の利用に供することを目的とする公園で、1近隣住区当たり1ヶ所を誘致距離500mの範囲内で1ヶ所当たり面積2haを標準として配置する。

<種別>地区公園
<内容>主として徒歩圏内に居住する者の利用に供することを目的とする公園で、誘致距離1キロメートルの範囲内で1地区当たり1ヶ所面積4ヘクタールを標準として配置する。

(出典:「都市公園法施行令」)

2)事例等による検討

右図の事例によると市の場合、敷地の約15パーセントが「庭園・緑地」、25パーセントが駐車場となっている。
これを本市の敷地約2ヘクタールに当てはめると、約3,000平方メートルの広場が考えられる。
又、国土交通省の「新営庁舎面積算定基準」では、建ペイ率30パーセントを標準とし、駐車場は実態調査から、約10パーセントを目安としている。但し、本市の計画では、高層化は目指さないとしていることから、建ぺい率は上記基準よりは大きくなると見込まれる。そこで、建ぺい率の目安を30~50パーセント程度、駐車場を10~20パーセント程度とすると、残りの用地は40~60パーセントとなり、この1/2を広場、オープンスペースにあてると考えて、更にその1/2(全体の10~15パーセント)をまとまった市民広場に使えると想定すると、2ヘクタールの敷地に対して、約2,000~3,000平方メートルの市民広場がひとつの目安と考えられる。

実例による庁舎敷地の利用区分

利用区分

3)市民広場の位置づけ、機能

象徴的で演出性の高い広場ではなく、市民に日常的に利用され、街なかに潤いを与える広場をつくる。そのために、次のような方向性で整備を検討する。

  • 陽だまりの広場となるよう敷地の南側(シビックモール側)に配置する。
  • 適度に囲まれた雰囲気とヒューマンスケールをもつ街角広場とする。
  • 建物内とも合わせたイベント等にも対応し、多目的に利用できる室内空間を併設する。
  • 水と緑がありイベント等がない時も、人々がやすらぎを求めて集まるような、潤いのあるスペースをつくる。

市民広場は、水や緑があふれる街なかの潤いのある広場として、庁舎利用者だけでなく、日常的に広く市民に利用されるようにする。このため日当たりや冬期の季節風に配慮し敷地の南側に配置し、シビックモールとの一体的な賑わいが形成されるようにする。
市民広場のスペース象徴的な広場ではなく街の中の活きたスペースである市民広場を目指す。

世田谷区役所の事例

事例の画像

建物と広場を一体に使える市民広場のイメージ

市民広場のイメージ画像

このページに関するお問い合わせ先

財務部 管財課 複合市民施設係

福島市五老内町3番1号

電話番号:024-535-1140

ファクス:024-536-1876

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