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更新日:2017年3月1日
根っ子町人形が、仙台堤人形の系譜をひくものであるこことは、否めない事実です。これは創始伝承のみでなく、作品に共通性があるからです。しかし、フォームにおいて多くの相違点があげられます。
一見して識別できる特色は、表裏2枚の合せ型から、型ぬきした素焼きの上に和紙をはり、それに胡粉を塗り、描彩を施し、独特の面相描きです。極端な吊り目で、絵巻物にみる「ひき目」という細描(さいびょう)です。
前面は堤を彷彿させるものがあり、堤ずばりのものもあるのに、裏面は同型の堤と違い、のっぺらぼうです。このことは堤の作品の単純な抜型取では有り得ない証となっています。
用土が荒土で脆く、破損を防ぐ意図であろうが、紙張りであるため、彩色、文様、面描きに絵画的に筆致が良好で、根子町土人形の美しさを強調しています。
良質の白粘土がなく、附近一帯は鉄分の多い直赤な土層です。焼き上がりが脆いので、強度を増し、底部からの亀裂を防ぐ必要から紙を貼りました。
特に婦女の吊り目、引き目の中央で筆をもどして「へ」の字型に瞳とし、吊り眉毛との間が広く、額にかかるおくれ毛描きは2種あります。
これは時代の差ではなくモチーフにより、描手が複数であることを示しているようです。
特に雛、立ち女の衣装、文様・面相は紙ばりのためタッチが生かされ、紙はりにより細部の凸凹の不鮮明を書きおこして妙を得ています。
底部の紙に墨書の符牒(値段)年号、所持者名があるのが多い。また地方色のある蚕神が出現しています。
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