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更新日:2025年3月11日
2011年3月11日14時46分、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の「東北地方太平洋沖地震」※が発生しました。福島市でも震度6弱を観測し、死亡者17人をはじめ、住宅等の建物被害は1万件を超えました。
※この地震による被害は「東日本大震災」と呼ばれます。
加えて、3月12日以降、東京電力福島第一原子力発電所1号機・3号機・4号機で相次いで水素爆発が発生し、多量の放射性物質が放出されました。放射性物質による被ばくから住民を防護するための避難等指示が国及び福島県から発令され、多くの住民が避難を余儀なくされました。
【あさひ台団地の法面崩落】
本市では、原発事故により避難を余儀なくされた多くの広域避難者を受け入れました。同時に、放射性物質の飛散による健康への不安等から、多くの市民が市外へ自主避難しました。
福島市への避難者、福島市からの避難者は、いずれもピーク時の半数以下に減少していますが、今もなお、避難を続けている方がいらっしゃる状況です。
福島市への避難者 | 福島市からの避難者 | |
ピーク時 | 12,065人(2011年8月31日) | 7,473人(2012年6月30日) |
2025年1月31日現在 | 5,092人 | 1,953人 |
原発事故で市内のほぼ全域に飛散した放射性物質により、土壌等は広く汚染され、空間線量は平常値を大きく上回りました。市民の安全と健康不安解消のため、生活空間の放射性物質を取り除く除染が必要になりました。
空間線量低減のため、住宅や道路、生活圏森林、農地などの面的除染等を実施し、2018年10月までに全て完了しました。
2022年4月には、市内全ての除染除去土壌の中間貯蔵施設への輸送が完了し、今後は仮置場の原状回復と返地を進めていきます。
2011年10月 | 面的除染 開始 |
2018年3月 | 面的除染 完了 |
2018年9月 | フォローアップ除染(48カ所) 完了 |
2018年10月 | 道路等側溝堆積物の撤去(550.6km) 完了 |
2022年4月 | 仮置場から中間貯蔵施設への除去土壌搬出 完了 |
市内の空間線量は、2011年3月15日に24.24μ㏜/h(マイクロシーベルト/時)※を記録しましたが、除染の完了や風雨等による放射性物質の減少などにより低減が図られ、現在は安心して生活できる環境に回復しています。
※ICRP(国際放射線防護委員会)が勧告する、一般の人々の健康を守るための基準である公衆被ばく線量は、「年間1m㏜(ミリシーベルト)、毎時0.23μ㏜」です。
市民の多くは、目に見えない放射線から受ける被ばくに対する健康不安や食品の放射能汚染に対する不安を感じていました。それらの不安を解消するため、被ばく線量や食品の放射性物質量の検査・測定体制を整えるとともに、正しい放射線の知識と情報の提供に努めています。
放射線に対する健康不安等を払拭するため、積算線量計(ガラスバッジ)による外部被ばく検査や、
ホールボディカウンタによる内部被ばく検査を実施しています。
医師などで構成する福島市健康管理検討委員会の検証では、「健康に影響を与えるような数値ではない」という評価を受けています。
また、正しい知識の普及啓発を図るため、「放射線と市民の健康講座」の開催や、「放射線と健康」をテーマとした企業や町内会などへの出前講座を実施しています。
【車載型ホールボディカウンタ】
食の安全を確保するため、自家消費用農産物等の放射能測定を実施しています。
また、出荷・販売前の市産農産物や、市内で流通している加工食品等についても、放射性物質の検査を行い、検査した全ての農産物・食品について基準値※を下回っています。
※食品中の放射性セシウムの基準値(食品衛生法)
…飲料水は10㏃(ベクレル)/kg、牛乳・乳児用食品は50㏃/kg、それ以外の一般食品は100㏃/kg
保育所・学校給食については、給食一食全体の放射性物質スクリーニング測定を行い、子どもたちに安全・安心な給食を提供しています。
【非破壊式放射能測定装置(まるごと測定器)】
原発事故後、放射性物質や放射線への懸念により、農産物の全国平均価格との乖離や、教育旅行をはじめとした観光業の不振、学校における避難児童・生徒へのいじめなど、様々な風評と偏見がありました。
徐々に回復傾向にあるものの、いまだ残る根強い風評を払拭するため、市内外に向けた、農産物の安全性や本市の魅力のPR、放射線に関する情報発信に取り組んでいます。
東日本大震災から10年という節目の年に開催された東京2020大会では、「復興五輪」の象徴として、市内で野球・ソフトボール競技が行われました。本市は、この大会を今後の復興創生に生かすべく、レガシー(遺産)づくりに力を入れました。
これからも、世界中からいただいた復興支援への感謝を胸に刻み、オリンピック開催都市というプライドを持ってまちづくりを進めていきます。
そして、新たなまちづくりに取り組む姿や本市の魅力を発信するシティセールスに力を入れることで、交流・関係・定住人口の拡大を図っていきます。
東京2020大会開催を契機としたレガシーづくりの中でも、特に力を入れてきたのは「まちづくり」です。東京2020大会の開催は、まちづくりの面において大きく前進するきっかけとなりました。
【パラスポーツ(ボッチャ)の体験】
福島市ゆかりの著名人等の活躍や功績を本市へのエールと受け止め、引き続き復興創生を進めていきます。
○ふくしまエール大使に大相撲・大波三兄弟を任命
2022年10月25日に、本市の魅力や復興、新たなまちづくりに取り組む姿を国内外へ広めて
応援いただく観光PR大使「実・湧・満・彩 ふくしまエール大使」として、新たに大相撲・
大波三兄弟を任命しました。
【ふくしまエール大使に大波三兄弟を任命】
○古関裕而氏の野球殿堂入り・全早慶野球戦福島大会の開催
2023年1月13日に、野球発展の功労者を対象とした特別表彰で高校野球、東京六大学、プ
ロ野球球団の応援歌を数多く手掛けた作曲家・古関裕而氏の野球殿堂入りが決定しました。
また、同年11月26日に、同氏の野球殿堂入りを記念して、「全早慶野球戦福島大会」が
県営あづま球場で開催されました。会場では、福島産食材を使用した飲食物の販売や復興
の現状等を紹介するブース出展等も行われ、多くの来場者に本市の魅力を発信しました。
【全早慶野球戦福島大会の開催】
震災後、台風19号、コロナ禍、福島県沖地震と立て続けに災難に見舞われ、市内への観光客入込数は大きく減少しましたが、2022年以降は増加傾向となっています。
国内有数の満足度評価を誇る福島三名湯や、2022年4月に開業した「道の駅ふくしま」、福島市西部に位置する「あづま山麓エリア」の美しい自然など本市が有する観光資源を活かし、更に国内外の多くの方々に本市を訪れてもらえるよう、多様なニーズに応じた受入体制を整備するなど、引き続き観光振興に取り組み、交流人口の拡大を図ってまいります。
本市では、全国の皆様よりふるさと納税でいただいた寄附金を、温泉街の活性化や農産物のブランド力向上、風格ある県都にふさわしい福島駅前のまちづくりなどに活用しています。
2023年度の寄附件数は、多くの皆様からご支援をいただき、過去最高の57,315件となりました。これからも、本市のまちづくり施策のPRや地域事業者と共に体験型・課題解決型の返礼品を開発するなど、一層共感いただける取り組みを進めてまいります。
移住定住支援の充実により、福島市への移住者は年々増加しています。2023年度の移住者数は470人となり、過去最高となりました。
復興は道半ば。福島市は、いただいたご支援を復興の原動力に換え、
福島らしさを生かした新ステージを形成し、「世界にエールを送るまち」を目指して前進します。