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更新日:2017年3月1日
羽化(うか)した蚕を蚕種紙(たねがみ)にのせ、産卵させる様子。厚手の和紙でできている蚕種紙(約22×25cm)の全面に80~100匹の蚕をのせて産卵させます。
明治後期からは蚕の病気を除くために、枠と番号をつけた蚕種紙に産卵させ、各番号の蚕を検査して、病気のある卵を取り除く手法をとるようになります。
左)枠つけ蚕種、右)ひらつけ蚕種
写真:『民家園のてびき』
(平成9年 福島市民家園)
孵化した幼虫(毛蚕)を紙から毛刷毛を用いてわらだに掃きおとす様子。この作業を掃き立てといいます。
わらだは掃き立てから上蔟(じょうぞく)までの期間に用います。藁や竹で編まれており、桑を敷いて蚕を飼育します。
わらだ
かごわらだ
写真:『民家園のてびき』(平成9年 福島市民家園)
蚕に与える桑の葉を刻む様子。幼虫(毛蚕(けご))に桑は柔らかい葉を刻んで与え、成長するにつれて大きく刻んで与える。
掃き立てをして最初に給桑(きゅうそう)をしてから3~4日過ぎると1回目の眠(みん)(1眠)に入ります。眠とは、蚕の脱皮のことで、この眠の状態になると桑を食べることもしなくなり、動かなくなります。卵から孵化(ふか)した幼虫(毛蚕)を1令(れい)と呼び、脱皮を繰り返すたびに2令、3令と数えていきます。蚕は4回脱皮をくり返し、全部で5令4眠した後、繭の状態になります。
蚕棚からわらだを下ろし、蚕の糞を取り除き、桑を敷き直し再び蚕棚へわらだを戻します。
蚕を飼育する際は清潔さを保ち、蚕を病気から守ります。
繭になった蚕を「※1蔟(まぶし)」から取り除き、「※2はりか」に入れる様子。
※1蔟とは、蚕が繭を作りやすいように与える巣のようなもの
※2はりかとは繭を入れるかごのこと
伊達(県北)地方では主に三角に編まれた「伊達蔟(だてまぶし)」を使っていました。
伊達蔟(だてまぶし)
『天の絹絲―ヒトと虫の民族誌―』
(1998年 福島県立博物館)
繭をかまどで煮ながら、繭糸を数本より合わせて生糸(きいと)にします。片手で繭から出る糸の出方をそろえ、もう片方の手で小枠(こわく)に糸を巻きつけます。
繊維や生糸を布に加工するための道具。(右奥の女性)
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