検索の仕方
ホーム > 観光・文化・スポーツ > 文化・歴史 > 郷土史料室 > 郷土史料室出張展示 過去の展示タイトル > 養蚕とふくしま展 > 養蚕関連の神話
ここから本文です。
更新日:2017年3月1日
蚕にとってネズミや蟻は天敵でした。そこで養蚕農家の人たちは、ネズミを食べる猫や蛇を崇め、祠(ほこら)を作り、蛇が描かれた絵馬を奉納して大事にしました。また、丸子にある蟻よけ地蔵は、地蔵堂にある石を借りて蚕室の床を叩くと蟻が逃げて被害を免れるとして多くの人に信仰されました。
(JPG:63KB)
絵馬
(JPG:231KB)
蟻よけ地蔵
昔々「信夫の三狐」といわれる3匹の狐がいました。人を化かすことが大好きな信夫山の御坊狐と、頭のいい一盃森の長次郎と、ずる賢い石ヶ森の鴨左衛門です。この3匹のなかでも御坊狐は木の葉の小判で魚屋をだましたり、馬方に馬糞(まぐそ)を食わせたりと、悪戯三昧でした。しかしある日、御坊狐は石ヶ森の鴨左衛門に騙され、大事な尻尾と神通力を失ってしまいます。そして御山の僧に諭され改心した御坊狐は、カイコを食い荒らすネズミを退治し、養蚕の守り神として大切に祀られています。
かつて御山村の名主であった西坂家は、信心深くよく働く夫婦でした。しかし、子宝には恵まれずにいました。ある夜、観音様が夢枕に立って「汝らにねこを授ける」とお告げがありました。すると翌朝庭に三毛猫があらわれました。夫婦はとても喜び、「タマ」と名付けて大切に育てました。タマは夫婦になつき、村のネズミを取るようになり、養蚕の盛んだった村ではたいそうかわいがられました。一方、信夫山には信夫の三狐の一匹、御坊狐が住んでいて、人を化かしてはおもしろがっていました。ある日、仲間の鴨左衛門にだまされ、神通力の尻尾を失った御坊狐はすっかり自暴自棄になっていましたが、観音様の使いである「タマ」に出会い、今までの悪行を諭されすっかり改心しました。それからは、タマと御坊狐はすっかり仲良くなり、ともに蚕を食い荒らすネズミを退治するようになりました。
また、御坊狐は最後の神通力をふりしぼって、夫婦に子どもを授けました。喜んだ夫婦と村人は、御坊狐を西坂稲荷(ねこ稲荷)として大切に祀ることにしました。そして、タマは西坂家とともに末永く幸せに暮らしました。
このページに関するお問い合わせ先
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください