ホーム > まちづくり・環境 > 建築・開発 > 建築指導に関すること > 建築物を安全に建てるために

ここから本文です。

更新日:2024年3月14日

建築物を安全に建てるために

建築物を安全に建てるため、生命・健康・財産を守るために建築基準法、建築士法などが定められています。建築物を建築する際には、関係する様々なルール(法律等)に適合した計画にする必要があります。市街化調整区域内では、簡易な構造であっても、原則として、建築することができませんので、注意が必要です。建築物が完成した後も、建築主等は法律等に適合するよう維持保全に努めなければなりません。

建築基準法

建築基準法は、国民の生命、健康、財産を守るため、地震や火災などに対する安全性(求められる性能)や、建築物の敷地、周囲の環境(市街地の安全、衛生等の確保)などに関する必要な基準が定められています。

建築物の安全、衛生を確保するための基準

  • 地震、台風、積雪等に対する建築物の安全性の基準
  • 火災による延焼、倒壊の防止、階段までの避難施設の設置等に関する火災時の安全性の基準
  • 居室の採光、換気、給排水設備、衛生設備等の環境衛生に関する基準

市街地の安全、環境を確保するための基準

  • 敷地が一定の幅員以上の道路に接することを求める基準
  • 都市計画において定められた用途地域ごとに建築することができる建築物に関する基準
  • 建築物の容積率、建蔽率の制限、高さの制限、日影規制等に関する基準

建築物の安全性などを確保するため、建築基準法のチェック

  • 建築確認(建築物の計画が、建築基準法やその他の関係法令の基準に適合しているかを審査=「確認済証」)
    • 建築確認済表示板(工事現場の見やすい位置に、建築基準法による確認済みであることを示す標識を設置)
  • 中間検査(安全性に深く関わる工程(特定工程)が終了した段階での、その建築物が法令の基準に適合しているかを検査=「中間検査合格証」)
  • 完了検査(工事が完了した段階で、その建築物が法令の基準に適合しているかを検査=「検査済証」)

 

安全な建築物を建てるルールチラシ

手続きの流れ

 

手続きの流れ

ページの先頭へ戻る

建築基準法等の規定

都市計画区域・区域区分

都市計画区域について、市街化区域(優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域)と市街化調整区域(原則として市街化を抑制すべき区域)との区域区分(線引き:昭和45年10月15日)を定めています。

市街化調整区域内では、原則として、簡易な構造であっても、建築物の建築をすることができません。ただし、都市計画法の許可を受けられる行為(都市計画法第34条に規定されているもの)や、許可が不要となる行為については、建築することができる場合があります。

都市計画区域

ページの先頭へ戻る

用途地域(建築基準法第48条)

良好な都市環境の形成を目的として、建築できる建築物の用途、建ぺい率、容積率などを定めた用途地域を定めています。

用途地域によって建築できる建築物の用途が異なり、それ以外の建築物は、原則として建築することができません。

 

建築物の用途地域制限リーフレット

用途地域及び用途地域の指定のない地域の建築規制

ページの先頭へ戻る

 

防火地域及び準防火地域

市街地における火災の危険を防除するために、防火地域及び準防火地域を定めています。

 

防火地域及び準防火地域

ページの先頭へ戻る

 

敷地と道路の関係(建築基準法第42条、第43条)

建築物を建築する場合には、建築基準法上の「道路」に接していなければなりません。

都市計画区域内で建築物を建築する場合には、災害時の安全な避難や消防活動などのために、原則として、幅員『4m以上』の建築基準法上の「道路」に『2m以上』接していなければなりません。

幅員4m未満の道路(第42条第2項)である場合には、道の中心線から2mの線を道路の境界線とみなす(道路後退線)ため、道の中心線から2mの範囲にある塀や門扉等を後退する(セットバック=「後退用地」)必要があります。

「後退用地」とは、道路後退線と、2項道路の境界線との間にある幅員が4mとなることを担保する土地(法上の道路として使用制限が発生する土地)のことをいい、後退用地内に建築物、庇の一部や塀・門扉等を突き出して建築、築造することはできません。

建築物の敷地が道路に接していない場合や、接道幅が2m未満の場合は、原則として建築することができません。このような敷地については、一定条件のもと、交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないとして許可された場合に限り、建築することが可能になります。建築基準法第43条第2項の規定による認定、許可については、開発建築指導課にご相談ください。

路地状部分の幅(接道幅) 路地状部分の長さ 用途・規模
2m以上 20m以下のもの -
3m以上 20mを超えるもの -
4m以上 20mを超えるもの

床面積が500平方メートルを超える建築物

(同一敷地内に2以上の建築物がある場合は、それらの床面積の合計)

-

建築基準法第43条第3項第1号から第4号までのいずれかに該当する建築物

  1. 特殊建築物
  2. 階数が3以上である建築物
  3. 政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物(採光上有効な開口面積が床面積20分の1未満、排煙上有効な開口部が床面積の50分の1未満)
  4. 床面積が1,000平方メートルを超える建築物(同一敷地内に2以上の建築物がある場合は、それらの床面積の合計)

特殊建築物にあつては、建築基準法第6条各号に掲げるもので、その用途に供する部分の床面積の合計が200平方メートルを超えるもの

(同一敷地内に2以上の建築物がある場合は、それらの床面積の合計)

ページの先頭へ戻る

地区計画

地区計画が定められている区域内で、土地の区画形質の変更(切土、盛土、宅地造成など)や建築物の建築、工作物の建設をするときは、届け出が必要です。

敷地の安全性(建築基準法第19条、福島県建築基準法施行条例第5条)

建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれのある場合においては、擁壁の設置その他安全上適当措置を講じなければなりません。

高低差2mを超え、傾斜地の角度が30度を超えるものを「がけ」として、がけ高の2倍以内の場所に建築物を建築する場合などは、原則として、擁壁などの安全対策が必要です。

敷地が、「土砂災害警戒区域」、「土砂災害特別警戒区域」、「急傾斜地崩壊危険区域」などの区域に該当する場合は、建築計画に制限がかかることがあります。

ページの先頭へ戻る

建築物の維持保全(建築基準法第8条、第12条)

建築基準法第8条には、「建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。」と定められています。

建築基準法第12条では、不特定の方が利用する一定規模以上の建築物等、昇降機等の所有者・管理者は、有資格者に劣化の状況や適法性を調査・検査させ、その結果を定期的(1~3年ごと)に特定行政庁(福島市)へ報告(定期報告制度)することが義務付けられています。

建築士法

建築士法は、建築物の質を向上させることを目的として、建築士の業務範囲、設計・工事監理業務等の実施体制について定めた法律です。

  • 一定規模以上の建築物の「設計」と「工事監理」は、建築士だけが行うことができます。(建築士の種類と業務範囲
  • 専門知識を必要とする構造の建築物は、構造設計一級建築士の関与が義務付けられています。
  • 設計・工事監理契約の重要事項説明は書面を交付しての説明が義務付けられています。
  • 建築士事務所としての報酬を得る場合には、所在地(都道府県)への建築士事務所登録が必要です。

 

建築士の種類と業務範囲

工事監理が重要です

建築士法で定められた用途及び一定規模以上の建築物については、「工事監理」をする工事監理者を定めなければ工事に着手することができません。

「工事監理」とは工事を設計図書と照合し、工事が設計図書のとおりに実施されているかどうかを確認することです。そのため、建築物の安全性等を確保するためには、「工事監理」が、確実に実施されなければなりません。

工事監理の標準的な業務内容

  • 工事監理体制その他工事監理方針について建築主に説明する業務
  • 施工図等が設計図書の内容に適合しているのかの検討、建築主へ報告する業務
  • 工事が設計図書のとおりであることの確認をする業務
  • 工事監理報告書等の建築主への提出

    ページの先頭へ戻る

建築確認申請書や設計図書の保管

建築物の建築にあたり、着工前から完了までの間に、建築主に対して交付される書類として、確認済証、中間検査合格証、検査済証、工事監理報告書などがあります。

建築確認で提出した書類(副本)、配置図や平面図などの図面類及び仕様書をまとめた設計図書などは非常に重要ものです。土地・建物の権利証(登記識別情報通知書及び登記完了証又は登記済証)と同様大切に保管してください。

これらの書類は、金融機関の融資に必要な場合もあり、建築物が完成した後も、その建物が存在する限り重要なものとなります。

将来建築物を売買したり、増改築をする際に、これらの書類が存在しないと、既存の建物の状況や工事が法的に問題がないかどうか判断ができず、売買や増築等自体が困難となる場合もあります。

確認済証、検査済証は、再発行ができませんので、大切に保管してください。

ページの先頭へ戻る

建築物を安全に建てるためのチェックリスト

契約する前の注意点

  • 契約を締結する場合には、必ず書面により行うことを確認しましたか?(口約束でも契約が成立する場合があります​​​​)
  • 建築士事務所や建設業者との打ち合わせは、どこから有料となるのか、契約のタイミング(時期)、どんな図面(成果品)が提出されるのか、支払いのタイミング(時期・回数)などを確認してから進めていますか?
  • 建設業者が、建築士事務所の登録を受けているか確認しましたか?
  • 日本建築士事務所協会連合会(外部サイトへリンク)

設計・工事監理の依頼

設計図書の作成

  • 設計の委託を受けた旨の書面を建築士事務所から受け取りましたか?
  • 建築士事務所から設計図書(建築工事実施のために必要な図面と仕様書)の内容の説明はありましたか?
  • 地盤調査の結果から地盤の沈下又は変形に対して構造耐力上安全なものであることの説明はありましたか?

建築確認申請

  • 建築確認の申請は行いましたか?(防火地域及び準防火地域においては、床面積が10平方メートル以内の小規模な増築であっても申請が必要です。)
  • 農地に建築物を建築する場合など、農地法(昭和27年法律第229号)に基づく「農地転用許可」申請を行いましたか?
  • 関係法令に基づく許認可申請などを確実に行いましたか?
  • 一定の構造計算が必要な建築物について、構造計算適合性判定の申請は行いましたか?
  • 工事を着工する前に、「確認済証」の交付を受けましたか?
  • 中高層建築物の紛争の予防と調整制度

工事施工

工事監理

  • 工事監理の委託を受けた旨の書面を建築士事務所から受け取りましたか?
  • 建築士事務所は、建築主の立場に立って工事を設計図書と照合し、工事が設計図書のとおりに実施されているかどうかを確認していますか?
  • 工事開始から工事完了までの工事監理報告書の提出はありましたか?

検査

  • 特定工程の指定のある建築物の場合、中間検査が必要かどうか確かめましたか?
  • 中間検査の申請を行い、中間検査合格証の交付を受けましたか?
  • 完了検査の申請は行いましたか?
  • 検査済証の交付を受けましたか?
  • 水道、電気、ガスなど関連する検査を受けましたか?

引き渡し

  • 建設業者から、引き渡しにあたり、取扱いや注意事項などの説明を受けましたか?
  • 登記済証の交付を受けましたか?

再度(もう一度)の確認

  • チェックリストで行っていない事項がありましたら、もう一度確かめて必ず実施してください。

ページの先頭へ戻る

違反建築物

建築基準法令の規定や許可条件等に違反した建築物や敷地を違反建築物といいます。建築基準法や消防法等の法令に適合していないと、地震や台風に対して構造上の問題や万一火災が発生した場合に防火上の不備により安全に避難できず、大災害につながるおそれがありますので、注意が必要です。違反建築物は、日照や環境、防災等の様々な面で、良好な社会形成に影響を及ぼすとともに、所有者にとっても安心して利用できない負(マイナス)の財産といえます。

違反建築物を建てた責任は、建築を依頼した建築主はもちろんのこと、設計をした建築士、工事を請け負った建設業者にあります。違反建築物を取得した場合には、新たに建築物の所有者になった人が、違反を是正しなければなりません。また、建築基準法違反ではなくとも、市街化調整区域では、建築物を使用する人が変わっただけで都市計画法違反となる場合もありますので注意してください。

既存の建築物の用途を変更して別の用途で使用する場合には、変更する用途に関係する建築基準法令や消防法令等の規定に適合させる必要があります。特に店舗等、不特定多数の人々が利用する一定規模以上の建築物等へ用途を変更する場合は、防火避難上の設備設置(排煙設備、非常用照明、内装制限等)が必要となり、用途の変更を行う部分の床面積が200平方メートルを超える場合は、改修を行う前に建築基準法に基づく確認申請(用途変更申請)及び工事完了届の手続きが必要となりますので注意してください。

その他

住宅用火災報知機の設置

住宅には、火災警報器等の設置が義務付けられています。

小規模な物置、車庫、コンテナの建築(設置)

一定規模以上の物置、車庫、コンテナを土地に定着させて倉庫、車庫その他の用途に使用するものは、建築基準法第2条第1号に規定する建築物に該当します。

建築(設置)する際には、建築確認申請等の建築基準法等で定められた手続きや規定への適合(用途、面積、構造、材料等)が必要であるため、建築士等や開発建築指導課にご相談の上、適切に建築(設置)されるようお願いします。

市街化調整区域内では、原則として、簡易な構造であっても、建築物の建築をすることができません。

ブロック塀等の安全確保

ブロック塀等については、建築基準法施行令第62条の8や平成12年建設省告示第1355号で基準が定められています。

基準に適合していても、老朽化による安全性の低下に対応するなど、所有者や管理者の方々は、適切な維持管理が必要となります。

地震発生時にはブロック塀等の倒壊により道路を通行する方へ被害を及ぼすおそれがあります。このような被害を防ぐため、ブロック塀等の所有者や管理者の方々は、日頃からブロック塀等の安全点検をお願いします。

検査済証のない建築物

国土交通省では、既存建築ストックの有効活用や不動産取引の円滑化の観点から、指定確認検査機関等を活用し、検査済証のない建築物について建築基準法への適合状況を調査するための方法等を示したガイドラインを、平成26年7月に策定・公表しました。

ページの先頭へ戻る

留意事項

開発建築指導課では、建築基準法や都市計画法その他の関係法令に基づき、違反建築物や経年劣化による老朽化、損傷が著しい建築物等(空き家を除く。)の指導及び措置に関する事務を行っておりますが、隣同士でトラブルが起きたときの民事上の『相隣関係(そうりんかんけい)』の問題については、指導や介入することはできません。

そのため、相隣問題は、市(行政)が指導したり介入したりすることはできませんので、これらの問題は当事者間で話し合いにより解決していただくことが基本となります。不幸にして話し合いがつかないときは、民事調停か、裁判によって解決することになります。

建築物等を建築するときには、建築基準法やその他の関係法令に適合する必要がありますが、所有権、通行権、日照の阻害、プライバシーの侵害などの各権利関係や、隣地建物からの雨水の流入、電波障害などの問題は、『相隣関係』、私法上の範囲として、公法上の規制である建築基準法とは別の問題で扱われます。

建築物等を建築するときの「建築確認申請」の審査は、民法の規定にかかわらず、建築基準法や都市計画法等に適合していることを確認できれば「確認済証」の交付が行なわれます。「建築確認申請」で審査される事項は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する(技術上の)最低限の基準であり、建築行政を担当しているところへ、私法上の問題、相談が持ち込まれますが、建築基準関係規定以外の事由をもって、建築行政が建築計画や工事の停止を建築主側に求めることはできません。

また、市(行政)による調査結果や是正指導の内容については、地方公務員法による守秘義務や福島市個人情報の保護に関する法律施行条例により、原則として、お答えできませんのでご了承ください。

なお、空き家に関するお問い合わせは、都市政策部住宅政策課【024-573-2751】へお願いします。

ページの先頭へ戻る

Adobe Readerのダウンロードページへ

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。

このページに関するお問い合わせ先

都市政策部 開発建築指導課 指導係

福島市五老内町3番1号

電話番号:024-525-3764

ファクス:024-533-0026

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?